- 2023-4-14
- 旅行 プレスニュース
リリース発表日:2023年4月14日 16時00分
『糺能』とは、今から約550年前の寛正五年(1464)に将軍足利義政をはじめとする錚々たる大名の前で行われた「糺河原勧進猿楽」を、賀茂御祖神社第34回式年遷宮(2015)の折に550年ぶりに再興させたものです。賀茂御祖神社・舞殿(重要文化財)を舞台とした野外能で、2019年には令和の御大典を記念し、賀茂祭(葵祭)の後儀として「糺能」と改め、毎年開催してまいりました。
賀茂御祖神社では、2100年前から遷宮が始まり、令和18年(2036)斎行の遷宮にて第60回目となります。さらに後一条天皇の宣旨により遷宮の制度が20年毎の式年として第1回目が長元9年(1036)4月13日に斎行されてより、第35回式年遷宮にて一千年の佳節となります。
本年の『糺能』を、神と人との間の千年のいとなみを振り返り、自然と文化のすがたを今いちど見つめ直すスタートと位置づけ、今年は能楽の中でも別格に扱われる『翁』を上演いたします。
【第8回『糺能』開催概要】
[日時]
2023年5月19日(金)開場17:30 開演18:30 ※雨天決行
[会場]
賀茂御祖神社(下鴨神社)・舞殿〈重要文化財〉
京都市左京区下鴨泉川町59
[演目]
翁(おきな)
[出演]
翁 林 宗一郎
三番三 茂山 逸平
千歳 河村浩太郎
面箱 茂山千之丞
笛 杉 信太朗
小鼓 吉阪 一郎
大倉伶士郎
吉阪 倫平
大鼓 河村凜太郎
後見 浦田 保浩
味方 團
狂言方後見 茂山 宗彦
島田 洋海
地謡 田茂井廣道
松野 浩行
深野 貴彦
樹下 千慧
[入場料金]
〈指定席〉
・御生席(重要文化財神服殿にての観劇):30,000円
・葵席(正面最前列、西側最前列):20,000円
・桂席(東側前列、正面前列、西側前列):10,000円
・糺席(西側後列、正面後列、東側中列):前売6,000円、当日7,000円
※雨天時には、お席の場所を調整させて頂く場合がございます。
〈自由席〉
・一般席(東側後列):前売4,000円、当日5,000円、学割2,000円
[お申し込み方法]
1.下鴨神社社務所にて購入(現金のみ) 受付時間:10:00〜16:30
2.Peatixにて購入(クレジットカード払い)※申込締め切りは5/18(木)23:59
https://tadasu-noh2023.peatix.com
※糺席、一般席は当日券のご用意あり。万が一売り切れの際はご容赦ください。
[お問い合わせ]
TEL : 075-781-0010 (賀茂御祖神社) / E-mail : support@tadasu-noh.jp
[主催]
下鴨神社糺能保存会
【糺能について】
下鴨神社参道一帯の森林「糺の森」は古来、禊ぎの地として知られ、「糺(ただ)す」の字義通り、その森は偽りを正す神の坐す地として信仰を集めました。この糺の地で、今から約550年前の寛正五年(1464)に将軍足利義政をはじめとする錚々たる大名の前で行われた能楽が「糺河原勧進猿楽」です。中世来盛大に勧進猿楽が催された由緒あるこの場で、平成27年、第34回式年遷宮の折、550年ぶりに「糺河原勧進猿楽」を「糺勧進能」として再興しました。初年度の演目を「賀茂」とした「糺勧進能」に続き、翌年には「賀茂」にゆかりある狂言「御田」を「糺勧進猿楽」として上演し、能や狂言が上演された当時の「糺河原勧進猿楽」を再興しました。その後、御代替りの令和元年より五穀豊穣・国土安泰の祈りを捧げる賀茂祭(葵祭)の後儀として、『糺能』に名称を改め、続けています。『糺能』は、古来能楽がそうであったように、屋外での上演です。鎮守の森の樹々に自然に反響する音や鳥の声、吹く風を感じながら観劇できることが特徴です。また、世界遺産の太古の森に包まれた舞殿(重要文化財)の舞台に、御本殿からあたかも神々があらわれるかのようにも感じられ、能楽の神事的側面を見ることができます。
【演目について】
「翁(おきな)」
天下泰平・五穀豊穣を祈念する「翁」。能楽大成以前の鎌倉初期には成立していた芸能で、能楽の中でもとりわけ大切にされてきました。精進潔斎して臨むことで知られ、「翁」は舞台上で面をかけるなど、他の能楽の演目とは全く異なる特殊な曲です。現在は、特別な時にしか上演されません。そもそも「翁」とはどういう存在で、どこから来たのか、またどういう意味なのかについて、未だに明らかになっていません。詞章の意味も謎が多く、「とうとうたらりたらりら、たらりあがりららりとう」という呪文のような言葉で始まります。祈りという、芸能の根本を伝える貴重な存在でもります。式年遷宮制度がはじまって一千年の節目のはじまりを寿ぐにふさわしい曲目として選ばれました。
【出演者について】
林 宗一郎(はやし そういちろう)
京観世五軒家のうち、現在残る唯一の家として知られる林喜右衛門家の十四世。2025年に創業四百年を迎える。京観世とは、江戸時代に観世流宗家が江戸に移られたのち、京都で能楽を伝えてきた家のこと。江戸時代、京都では毎日のように市中に謡(うたい)の声が聞こえていたといいます。そのような「文化のまち京都」を再生させるため、伝統文化の幅広いジャンルの方々とも交流しながら継承に努めています。海外公演ほか、歌舞伎やオペラ、現代アートとのコラボレーションなども積極的に行う、次代を担う期待の能楽師です。
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