和多屋別荘/【三服文学賞】ついに大賞作品が決定!応募総数2,170作品の中から選ばれたのは『笑っているのがわかる』平出奔さん。受賞式は23年夏に開催予定!

リリース発表日:2023年5月27日 12時00分

株式会社和多屋別荘(佐賀県嬉野市、代表取締役:小原 嘉元 以下「和多屋別荘」)が主宰する三服文学賞の大賞ほか入賞作品が決定しました。大賞は、平出 奔(ひらいで ほん)さんの『笑っているのがわかる』です。
今年の夏には平出奔さんを招いた授賞式を、実施する予定です。平出さんへのインタビューや、1年のあいだライターインレジデンス権で滞在できる客室のメディアツアーなど三服作家のこれからの活動に迫るほか、三服文学賞の裏側もお届け。詳細は決まり次第お知らせいたします。

  • 三服文学賞とは

お茶と本を愉しむための書店「BOOKS&TEA 三服」を館内に開業した旅館・和多屋別荘が主宰する温泉旅館発の新しい文学賞。三服や嬉野温泉に関わりのある7つの事柄をテーマに文学作品を募集しました。大賞受賞者には賞金10万円と、和多屋別荘に1年間宿泊して執筆活動ができる“三服作家”としてのライターインレジデンスの権利を進呈いたします。

三服文学賞は「暮らしのなかで書く時間を愉しむ」という理念のもと立ち上げました。料理を食べる楽しみがあれば作る楽しみもあるように、文学にも読む楽しみがあれば、書く楽しみがあっていい。普段なかなか文章を書く機会がない方、嬉野温泉や三服に訪れたことがない方、プロアマ問わず、全国から広く作品を募りました。

・三服文学賞 公式サイト https://wataya.co.jp/sanpuku_bungakusyo/

  • 受賞作品発表

●大賞
『笑っているのがわかる』平出奔

●副島園賞
『朝霧の中で』せとうちひかる

●8cacao賞

『輪郭に水音』イトウマ

◆日本香堂賞

『水出しの茶と、当たり前の明日』雨宮紫霞

◆Made in ピエール・エルメ賞
『月の文字』吉岡幸一

◆嬉野八十八賞 
『五・父・五の風景』磯部まき

◆選考委員賞 染谷拓郎 推薦 
『わたくしは誰かの日記を300円で買う』さとうきいろ

◆選考委員賞 深井航 推薦
『私の好きな事』武富伊万里

◆選考委員賞 宮脇亜矢 推薦 
『耳はていねいに洗う』北木鉄

  • 総評

応募総数2,170作品と予想をはるかに上回り、老若男女問わずさまざまな作品が国内外から寄せられました。「暮らしのなかで書く時間を愉しむ」という賞の理念通り、初めて筆をとった方から商業レベルの方までひろくご参加いただきました。どの作品からも書くことの愉しみがにじみ出て、伝わってくることを嬉しく思います。また、愉しみだけでなく書くことはこれだけ多くの方の生きる支えになっているのだと審査を通じて実感しました。第一回からこのように大きく盛り上げていただき、ご参加いただいた皆様には深く感謝を申し上げます。

  • 大賞作品について

高画質の作品データはこちら ⇒ https://x.gd/dHgv8

●選考委員長 小原嘉元(こはらよしもと) コメント:

軽快な会話劇のなかに古典を活用した構成の妙もあり、物語の世界に引き込む力を感じます。文章から感じとれる電車内での会話の間や同僚が怖いという吐露に、いまの時代を生きる人間の確信のない解に揺れ動くさまが鮮やかに表されており、共感しました。だからこそ紆余曲折を経て辿り着いた「旅行しましょう」という誘いの言葉が一層印象深く残ります。

●選考委員コメント:

○染谷拓郎(株式会社ひらく プロデューサー)

それまで意識していなかったことが、会話の中でふっと息を吐くように出現して初めて自分の思考に気づくことがあります。また、この短い文章のなかに「おれ」と「荒山さん」の”これまで”が染み出して想像でき、作者の文章力の高さを感じます。ふたりの”これから”も読んでみたいです。

○深井航(株式会社ひらく ブックディレクター)

見えない何かが目の前の当たり前を動かしていることへの漠然とした恐怖など若い感性が文学的情感をもって表現されていると感じました。構成の面でも、導入の古典落語が単なる引用に留まらず、現代という時間軸を意識する装置として作品の時代性をより立体的に浮かび上がらせています。なにより都会を走る電車の中から生まれた「旅」という風景のジャンプが、「見えないものは怖い」という価値観から「見えないのに笑っている」という逆転に接続している点が見事です。

○宮脇亜矢(日本出版販売株式会社 ブックカウンセラー)

怖いものを伝えることは、多少なりとも勇気のいることです。自分の在り方、根幹にかかわる大切なことを吐露した後の、「ねえ、今度一緒に旅行しましょうよ。」という唐突さ。軽快な会話に見えますが、瀬口さんの怖さを荒山さんがやすやすと飛び越えた瞬間を捉えているところ、これまで自他ともに表情を気にしていた瀬口さんが自然と笑うという締め方に希望を感じました。 

  • その他の受賞作品について

こちらから各作品・選評コメントをご確認いただけます。
<受賞作品紹介>https://wataya.co.jp/topics/2023/05/7195
★作品はPDFデータで掲載していますので、文字がはっきり読めます。

●次点作品のご紹介 ※順不同

大賞や各賞すべての候補作が力作揃いでした。残念ながら各賞を逃した次点の作品名・作者を発表します。

『アーベントロート』 冬海凛

『うれしノート』 宮﨑憲太郎

『おすそわけ』 織守きょうや

『たんたかたんか』 天野 若花

『テータレおやじ』 佐々木晋

『一期ひと恋』 花園メアリー

『一枚のメモ』 あんのくるみ

『詠み聞かせ』 もりごう

『家族限定茶』 村山道子

『覚悟の緑』 七瀬菜々

『欠けている』 香雪蘭

『失恋』 宮原すみれ

『終わりなきマトリョーシカ』 冬海凛

『春風の吹くころ』 樋口悠

『傷、そして火炎』 上篠翔

『雪どけ』 奥下龍

『地上を走る地下鉄』 大橋輪

『湯玉』 兎耳山みちる

『逃亡作家』 高遠みかみ

『内側から見た世界を詠む』 有友紗哉香

『父親の整い』 板倉貴陽

『母の前ではお香を焚く』 永田芽衣

『旅する印刷屋』 田中葵葉

【株式会社和多屋別荘 会社概要】

代表取締役 : 小原 嘉元

会社設立  : 1950年11月3日

事業内容  : 旅館業、飲食事業、リーシング事業

所在地   : 〒843-0301 佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙738

公式サイト :https://wataya.co.jp/

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