Booking.com Japan K.K./ブッキング・ドットコム、2023年の調査から、LGBTQ+当事者の旅行者は「不安」と「自信」の相反する気持ちを抱えていることが明らかに

日本人の旅行者の60%が安全とウェルビーイングを意識し、43%はネガティブなニュースによって旅先を変更

リリース発表日:2023年7月6日 16時00分

【2023年7月6日、日本発表】:Booking.com(以下、ブッキング・ドットコム)は、「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念とし、恋愛対象や性自認に関係なく、誰もが安心して楽しめる旅の実現を目指しています。この一環で、このほど日本を含む世界27ヵ国、11,555人のLGBTQ+の旅行者を対象に実施した調査結果の日本版を7月6日発表しました。

旅行中に差別を受けたと感じることも

日本人のLGBTQ+旅行者の60%(世界:80%)は、旅先を選ぶ際にLGBTQ+として自身の安全とウェルビーイング(心身および社会的な健康など幸福)を考慮しなければならないと回答しています。これは、去年の48%(世界:64%)と比べて大幅に増加しています。また、日本の43%(世界:71%)は、LGBTQ+を当事者に対する態度や差別、暴力をめぐるニュースによって、自分の旅先の選択に大きな影響を与えると答えています。

 

世界には同性愛を犯罪とする国が64ヵ国あり、そのうち11ヵ国では死刑が科せられる場合があることから、多くのLGBTQ+旅行者にとって旅先選びはとても重要です。日本の43%(世界:64%)は、完全に候補の対象外の旅先があると答えています。日本の28%(世界:41%)は過去1年間で、LGBTQ+当事者をサポートしていない旅先だと分かった際に旅行をキャンセルしたことがあると答えています。さらに、日本の25%(世界:58%)のLGBTQ+当事者が旅行中に差別を受けたことがあると回答しました。

また、以下のことも分かってきました。

●   6%(世界:29%)は偏見にさらされたことがある

●   4%(世界:20%)は、他の旅行者からじろじろ見られたり、笑われたり、暴言を吐かれたりした経験がある

●   また、7%(世界:18%)が旅行先で、現地の人から同様ことをされたことがある

●   4%(世界:13%)は現地の公的機関(地元警察など)などから脅迫されたり、威圧的な態度をとられたことがある

トランスジェンダーの方にとって、性自認や名前、容姿がパスポートの情報と一致しない場合があるため、旅行でさらなる困難にぶつかることがあります。LGBTQ+旅行者の48%(世界:62%)は、自身がLGBTQ+であることが、旅行中の服装やメイクの選択に影響を与えたことがあると答えています。さらに、LGBTQ+旅行者の5%(世界:19%)は、自分の性別や代名詞を勝手に決めつけられた経験があります。

旅行とは自由と自己表現の素晴らしさを感じさせてくれるものですが、多くのLGBTQ+の人々は依然として窮屈さを感じています。10%(世界:32%)は、批判を受けたり気まずいやりとりにならないよう、自分の行動を変えなければならないと感じており、2022年の6%(世界:22%)から増加しています。また、そのようなことが起こらないよう、見た目を変えなければならないと感じているのは8%(世界:25%)で、2022年の5%(世界:16%)よりも増えています。この影響を最も受けているのは若い世代で、Z世代のLGBTQ+旅行者のうち、自分の行動を変えなければならないと感じている当事者は11%(世界:40%)、自分の見た目を変えなければならないと感じている当事者は14%(世界:32%)となっています。

自分たちの権利を守ってくれる十分な法律があると思っている国に旅行したとしても、一部のLGBTQ+旅行者は、旅行全体を通して不安を感じています。これは、法律が十分に整備されていない旅行先ではなおさらです。たとえば、以下のことが示されています。

旅行での課題はあるものの大きな自信を持つことにも

LGBTQ+コミュニティ全体において、「身の安全への懸念」が旅の目的地の選択に重要な影響を及ぼしていますが (30%、世界39%)一方で、他の主要な旅行の動機も非常に強い役割を果たしています。美しい自然の風景(40%、世界49%)、おいしい郷土料理(52%、世界45%)、素晴らしいビーチ(16%、世界40%)が上位にランクインしています。

多くの旅行先において主要な問題、あるいは大きな課題がまだあるとしても、58%(世界:71%)は、LGBTQ+であることの経験が、旅行者としてより自信を持つことにつながると感じています。これは2022年の52%(世界:62%)から増加しています。

また休暇中の経験については、LGBTQ+旅行者の70%(世界:83%)が、どんなアクティビティにも参加する自信があると答えていますが、45%(世界:65%)のLGBTQ+旅行者は、LGBTQ+当事者に合わせたアトラクションやアクティビティを求める傾向が強いようです。たとえば、ブッキング・ドットコムでは、世界中の旅行者が利用できるLGBTQ+に特化した様々なアクティビティを用意しています。 パリのマレ地区や東京の浅草、新宿二丁目など活気ある街を散策するガイド付きツアーや、ニューヨークでの情報満載のツアーに参加すると、LGBTQ+のコミュニティがチェルシー地区を今日のような活気ある都市に変容させたことが学べます。

ポジティブな旅行体験もはるかに一般的になってきており、LGBTQ+コミュニティのより大きな自信につながっていることは間違いありません。LGBTQ+旅行者の48%(世界:82%)は、何らかの形でポジティブな交流を経験したと回答しています(特に宿泊先とのやり取りに関して)。

●   15%(世界:42%)が、到着前の宿泊施設とのやり取りがフレンドリーで有益だったと答え、2022年の8%(世界:25%)から増加しています。

●   26%(世界:47%)の旅行者が、ウェルカムドリンクやフレンドリーなスタッフなど、到着時の第一印象が素晴らしかったと答え、2022年の16%(世界:31%)から増加しています。

旅行業界での積極的な支援

旅行業界は明らかに、LGBTQ+当事者に対する態度や認識の変化に一役買っています。LGBTQ+旅行者の63%(世界:78%)が、旅行業界がLGBTQ+フレンドリーになることで、より快適に旅行できるようになったと感じています。さらに、旅行を予約することを楽しめていると答えたLGBTQ+旅行者は59%(世界:78%)で、これは、すべての旅行者を対象としたブッキング・ドットコムの旅行トレンド調査の数字と比べて24%(世界:5%)低い結果となりました**。

今回の調査から、LGBTQ+旅行者のニーズを満たすためにやるべきことはまだたくさんあることが分かっています。チェックイン時に周辺エリアの情報や案内をもらったと答えたのは16%(世界:40%)である一方で、LGBTQ+向けの情報が提供される頻度ははるかに低く、そのような案内を受けとったことがあると答えたのはわずか4%(世界:16%)でした。14%(世界:34%)は、現地の法律、宗教的な考え方、安全に訪れられる場所のヒントなど、その地域のLGBTQ+を取り巻く状況に関する情報を知りたいと考えています。

旅行会社は、LGBTQ+の旅行者にとってフレンドリーな存在であるために、旅行会社が支援者として行動することの必要性は以下のことから明らかです。

●   49%(世界:65%)は、LGBTQ+当事者へのサポートに関してどのような取り組みをしているかを理解するため、旅行前に旅行会社や観光スポット・アクティビティなどを調べると答えています。

●   45%(世界:66%)は、旅行や観光スポット・アクティビティなどの予約において、LGBTQ+の当事者が運営するブランドを予約する可能性のほうが、そうでないブランドを予約する可能性よりも高いと答え(2022年の34%、世界55%よりも増加)ています。

●   54%(世界:69%)は、インクルーシブなポリシー(ジェンダーにとらわれない制服など)がある航空会社やブランドに好感を持ちやすいと答えています。

ブッキング・ドットコムのCMO兼シニア・バイスプレジデントのアルヤン・ダイクは、次のようにコメントしています。「矛盾と不安定さが増す世界において、今日のLGBTQ+の旅行者がより慎重になると同時に、より自信を感じているというのは驚くべきことではありません。私は、ゲイの男性として、成長し、世界を生き抜く方法を学ぶ過程で身につく自己肯定感について理解できます。また、LGBTQ+旅行者は、安全やウェルビーイングに対する特別な配慮が必要であることが、この調査でわかりました。Booking.comでは、誰もが常に自分らしく世界を体験できるようになるべきだと考えています。近年、LGBTQ+の人々に対する理解、認知、受容は大きく前進していますが、その進歩を当たり前なものと考えることはできません。旅行業界は社会のインクルージョン推進のリーダーとなるよう努力し、身近な場所を訪れるにしても、地球の裏側を旅するにしても、誰もが生き生きと活躍できる環境の醸成を支援すべきです。」

すべての人にとってよりインクルーシブな旅体験を届けるために

2021年から始まったブッキング・ドットコムの「Travel Proud」プログラムでは、宿泊施設向けに無料のインクルーシブ・ホスピタリティ・トレーニングを提供し、LGBTQ+ 旅行者が直面する固有の課題に対する理解を深めるとともに、出身地、性的指向、アイデンティティに関係なく、すべてのゲストをより歓迎するためにできることをサポートしています。現在このトレーニングは、英語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ブラジルポルトガル語、ドイツ語に対応しており、少なくとも週1回、すべての言語でトレーニングが受けられるようになっています。現在、ブッキング・ドットコムには全世界で24,000軒以上の認定施設があり、118の国と地域、7,030以上の都市で「Travel Proud」施設の宿泊が可能です。

オンライントレーニングを修了し、「Proud Certified」の認証を獲得したパートナー施設の施設ページには、より居心地の良い体験を期待できることをユーザーに示せるよう、「Travel Proud」のバッジが追加されています。これにより、本認証を得た施設がよりインクルーシブなホスピタリティを標準的な要素とすべく取り組んでいるかことが明確になり、LGBTQ+の旅行者の安心感につながります。「Proud Certified」認証施設は世界中にあり、「Travel Proud( https://www.booking.com/proud.ja.html )」の専用ページで詳しくご紹介されています。このページでは本取り組みへの知識を深められるほか、「Proud Certified」認証施設を検索・予約することも可能です。

*調査はブッキング・ドットコムによって、次を含む27の国・地域の1万1,555名のLGBTQ+旅行者を対象に独自に行われたものです:アルゼンチン(209)、オーストラリア(608)、ベルギー(206)、ブラジル(508)、カナダ(803)、コロンビア(309)、クロアチア(206)、デンマーク(201)、フランス(1,000)、ドイツ(1,011)、香港(204)、インド(403)、イスラエル(206)、イタリア(602)、日本(407)、メキシコ(307)、オランダ(511)、ニュージーランド(209)、シンガポール(210)、スペイン(408)、スウェーデン(203)、スイス(202)、台湾(205)、タイ(210)、イギリス(1,004)、アメリカ(1,003)、ベトナム(200)。LGBTQ+の回答者は、性別、ジェンダー、性的指向のあらゆる層において自己認識をされた方々です。また、本アンケートの回答にあたっては、今後12ヵ月以内に旅行を計画していることが条件でした。本アンケートは、2023年の3月と4月にオンラインで実施されました。

**調査はブッキング・ドットコムによって、33の市場の計4万2,513名の回答者(内訳:アメリカ2,000名、カナダ1,008名、メキシコ2,000名、コロンビア1,000名、ブラジル2,000名、アルゼンチン1,000名、オーストラリア2,000名、ニュージーランド1,000名、スペイン2,000名、イタリア2,000名、フランス2,000名、イギリス2,000名、ドイツ2,000名、オランダ1,000名、デンマーク1,000名、スウェーデン1,000名、クロアチア1,000名、スイス1,000名、ベルギー1,000名、アイルランド1,000名、ポルトガル1,000名、イスラエル1,000名、インド2,000名、中国1,000名、香港1,005名、タイ1,000名、シンガポール1,000名、台湾1,000名、ベトナム1,000名、韓国1,000名、日本1,000名、アラブ首長国連邦500名)を対象に独自に行われたものです。アンケート回答者については、18歳以上であり、過去12ヵ月間に1回以上旅行をしており、および2023年に旅行する予定があり、旅行に関する決定を行う主要な人物またはその決定に関与する人物であることが条件でした。本アンケートは、2023年の1月と2月にオンラインで実施されました。

Booking.comについて: 

1996年にアムステルダムにて設立され、Booking Holdings Inc.(NASDAQ:BKNG)の一員として、「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に掲げています。多種多様な宿泊施設と移動手段を簡単かつワンストップで予約ができるプラットフォームを通して、世界中のお客様に思い出に残る体験を提供しています。詳細については、ブッキング・ドットコムの公式SNSアカウント (@bookingcom_jp)、もしくは https://news.booking.com/ja をご覧ください。

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