沿線まるごと/「沿線まるごとホテル」に取り組む沿線まるごと社が、地域事業の成長支援を行うJR東日本ローカルスタートアップから資金調達

リリース発表日:2023年8月9日 14時00分

沿線に点在する空き家をホテル客室に改修し、沿線全体をホテルに見立てる沿線活性化事業「沿線まるごとホテル」に取り組む沿線まるごと株式会社(本社:東京都西多摩郡、代表取締役:嶋田俊平)は、JR東日本グループのCVCのJR東日本スタートアップ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:柴田裕)が設立したJR東日本ローカルスタートアップ合同会社から出資を受けました。

沿線まるごと社の本社が所在するJR青梅線・鳩ノ巣駅の駅舎にて、沿線まるごと社とJR東日本ローカルスタートアップ社の経営メンバーの集合写真

【背景】

 JR東日本グループでは、お客さまの多様なニーズに合わせたサービスを提供し、駅や駅周辺の魅力と価値の向上に取り組んでいます。一方で、地方都市や農山漁村では過疎化が顕著となっており、JR東日本グループとしても沿線の生産年齢人口減やコロナ禍による地域への送客量減の課題に直面しています。

 こうした中で、全国で地方創生事業を手掛ける株式会社さとゆめが、JR東日本スタートアップ株式会社が展開する「JR東日本スタートアッププログラム2020」に応募し、「沿線まるごとホテル」の取り組みが採択されました。その後、JR東日本スタートアップ株式会社とともに、JR青梅線にて、沿線自治体(青梅市、奥多摩町、小菅村、丹波山村)や地域住民・事業者を巻き込んで、沿線に点在する空き家をホテル客室に改修し、沿線全体を一つのホテルに見立てる沿線活性化事業「沿線まるごとホテル」のサービス開発に取り組み、2021年2月~4月に実証実験を行いました。そして、実証実験が良好な成績・評価を得たことから、「沿線まるごとホテル」の事業化を始めとする、沿線活性化における様々な協業を積極的に推進するために、株式会社さとゆめとJR東日本の共同出資会社「沿線まるごと株式会社」を設立しました。

 今回、沿線まるごと株式会社が2023年度に開業する沿線まるごとホテル事業を推進するとともに地方創生分野における様々な協業の連携を推進するため、JR東日本ローカルスタートアップ社からの出資合意に至りました。

無人駅で「ホテルのチェックイン」

地域住民と行く「集落ホッピング」

【各社代表者からのコメント】

(出資企業)

JR東日本ローカルスタートアップ合同会社 代表 柴田裕氏のコメント

「沿線まるごとホテル」。この事業は、JR東日本スタートアッププログラム2020でのPoCから始まりました。 無人駅でチェックイン、沿線の空き家がホテル客室に、地域住民と一緒にお客様をおもてなしする…。それはこれまでに類のない、地域の魅力を再発見する新しい旅のカタチでした。この新しい旅をもっとたくさんの人に体験してほしい…そんな思いから立ち上がったのが「沿線まるごと株式会社」です。もしかしたら、そのときから私たちのローカルスタートアップへの挑戦が始まっていたのかもしれません。「スタートアップ×JR」でつくり上げる地域活性化の新しい形、今回のパートナーシップを機に、これをさらに進化させていきたいと思います。

(JR東日本ローカルスタートアップの出資アドバイザー)

株式会社ABAKAM 代表取締役 松本 直人氏のコメント

沿線がまるごとホテルになる。沿線に住んでいる方々がキャストとなり、来客と一緒にそこでしか体験できないストーリーを紡ぐ。まるで三谷幸喜の台本を読んでいるような世界観を実現する同社のサービスはプライスレスであり、旅を終えた後も第二の実家のような関係が続くことでリピートしたくなる強固なビジネスモデルですが、結果を出すまでに大きな初期投資と一定の時間を要するため急成長モデルにはならず、IPOによって投資回収を目指す一般のVCでは投資が難しい事業です。今回のJR東日本ローカルスタートアップによる投資は、プロジェクトファイナンスに近い投資スキームを用いることで、本事業が長期的にもたらす収益によって投資回収を目指すモデルであり、JR東日本ローカルスタートアップとしても事業による収益を最大化させるための支援を惜しまない、共創型の投資です。

沿線まるごと株式会社 代表取締役 嶋田俊平のコメント

沿線まるごとホテルは、ある種の「妄想」とも言えるアイデアから生まれた事業でした。無人駅をホテルのフロントに見立て、空き家を客室へと改修し、地域の方々がコンシェルジュとなってお客様をお迎えすることで、鉄道沿線がまるごとホテルになったような世界観をつくっていけるんじゃないか、そして、過疎高齢化で衰退の一途をたどる農山村を元気にしていけるんじゃないか。そんな妄想が、「JR東日本スタートアッププログラム2020」でのPoC(概念実証)を経て、「現実的な計画」になってきた一方で、客室整備の資金確保など、「現実的な課題」にも直面していたところでした。そうした中で、この度、JR東日本ローカルスタートアップ合同会社からの出資を頂き、「現実的な事業」への道を固めることができました。あとはやるのみ。沿線活性化の新しい成功モデルをつくります。

【JR東日本スタートアッププログラムについて】

 ベンチャー企業や様々なアイディアを有する方々から、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラムです。2017年度に初めて開催し、これまでに計111件の提案を採択。鉄道事業やIT事業など幅広い分野の実証実験を行い、一部の取組みは実用化にいたりました。なお、内閣府主催の2018年度第1回日本オープンイノベーション大賞において、経済産業大臣賞を受賞、2020年度第3回同賞において、環境大臣賞を受賞しました。

【会社概要】

沿線まるごと株式会社

所在地:東京都西多摩郡奥多摩町棚澤390

代表者:代表取締役  嶋田俊平

設立:2021年12月3日

事業内容:

①地域観光事業(地域ガイド運営・地域体験運営)

②小売り・eコマース事業(地産品販売)

③その他サービス事業(伴走型地域課題解決コンサルティング)など

URL:https://marugotohotel-omeline.com/

JR東日本ローカルスタートアップ合同会社

所在地:東京都港区高輪2-21-42 TokyoYard Building 7F

代表社員:JR東日本スタートアップ株式会社

設立:2023年4月6日

事業内容:ローカルスタートアップ企業への出資及び当社グループとの協業推進

URL:https://jrestartup.co.jp/jre-lsup/

【参考写真】

1. 2020年11月、JR東日本スタートアッププログラム2020のDEMO DAYで優秀賞を受賞

2. 2021年12月、さとゆめ及びJR東日本の共同出資会社・沿線まるごと株式会社を設立

3. 沿線まるごと株式会社のロゴマーク

4. 2022年6月、JR青梅線の無人駅「鳩ノ巣駅」に「沿線まるごとラボ」を開設

5. JR青梅線 鳩ノ巣駅外観

6. 「沿線まるごとラボ」外観

7. 「沿線まるごとラボ」内観

8. JR青梅線及び鳩ノ巣駅の位置

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