沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)/OCVB、人流データを活用した観光マーケティングレポ―ト「おきなわ観光地域カルテ」プロトタイプ版を地域DMO・観光協会向けに提供開始

「おきなわ観光地域カルテ」

ブログウォッチャー・琉球大学3研究室と共同で開発

リリース発表日:2023年9月13日 11時00分

 一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(会長:下地 芳郎、以下「OCVB」)は、株式会社ブログウォッチャー(代表取締役社長:酒田 理人、以下「ブログウォッチャー」)および国立大学法人琉球大学3研究室(工学部 社会基盤デザインコース 神谷研究室/工学部 工学科 エネルギー環境工学コース 宮田研究室/国際地域創造学部 経済学プログラム 山田研究室)とともに、ブログウォッチャーがデータ提供するデジタル観光人流モニタリングサービス「おでかけウォッチャー」を活用し、沖縄県における観光客(県外のみ)の人流データを分析、市町村別×月別にわかりやすく可視化した観光マーケティングレポート「おきなわ観光地域カルテ」プロトタイプ版(試作版)を開発しました。9月13日(水)より、OCVB公式Webサイト上からダウンロードできるようになりましたのでお知らせいたします。

「おきなわ観光地域カルテ」「おきなわ観光地域カルテ」

■取り組みの概要

「おきなわ観光地域カルテ」は、ブログウォッチャーがデータ提供するデジタル観光人流モニタリングサービス「おでかけウォッチャー」を活用し、沖縄県における観光客(県外のみ)の人流データを分析、市町村別×月別にわかりやすく可視化した観光マーケティングレポートです。今年6月末よりプロトタイプ版(試作版)として一部地域にヒアリング・検証を行いながらSeason1リリース(年内予定)に向けた改善点の洗い出しを開始。この度、「おきなわ観光地域カルテ」を広く公開することで、より多くの地域に利活用頂きながら引き続き磨き上げに注力してまいります。

名称:「おきなわ観光地域カルテ」プロトタイプ版

対象:沖縄県内の市町村観光協会・地域DMOを想定

頻度:月次

形式:PDFデータ

更新日:毎月月初に前々月分のカルテをOCVB公式Webサイトにて公開(予定)

使用データ:デジタル観光人流モニタリングサービス「おでかけウォッチャー」

利用方法:https://www.ocvb.or.jp/areakarte よりダウンロード

※プロトタイプ版の位置づけ

「実際に使いやすいのか」「他に必要な分析はないのか」「形式や頻度は適切か」等を検証するために、地域DMOや観光協会を中心にヒアリングを実施します。地域と共に機能や仕様を洗練させたり、開発上の問題点を発見したりすることで、ユーザー視点に立ったカルテの完成を目指します。

■目的・背景

地域への誇りと愛着を醸成する地域経営の視点に立った観光地域づくりを行うには、ファクトに基づいた現状把握、課題設定と仮説立て、打ち手の振返りと改善等のアプローチが必要不可欠です。 

▲観光庁「観光地域づくり法人(DMO)による観光地域マーケティングガイドブック」より▲観光庁「観光地域づくり法人(DMO)による観光地域マーケティングガイドブック」より

OCVBは広域連携DMO(Destination Management Organization:観光地域づくり法人)として、観光地域経営に役立つ各種データの継続的な収集・分析・共有を推進することで、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、自組織における観光地域マネジメント・マーケティング機能を強化する役割があります。はじめに人流データを導入した背景として、沖縄県全体の入域観光客数はわかっても、県内のどの地域を訪れているかがわからない現状があります。地域からもかねてより「沖縄県全体ではなく、自市町村の来訪者数や属性をよりリアルタイムに把握したい」等のニーズがありましたが、各地域が個別に導入するには、コスト面や分析を行う専門人材確保が難しく現実的ではありませんでした。そのため、市町村ごとの人流分析を頻度高く抽出できる環境を整え、わかりやすく可視化し安定的に提供することで、各地域においてデータに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略の策定やKPIの設定・PDCAサイクルの確立に活用できると考え開発しました。

 

■3つの特徴

1)琉球大学3研究室との共同研究により交流人口を可視化

「おきなわ観光地域カルテ」では、市町村ごとの人流を正しく把握するための工夫として、観光スポット以外の場所も町丁目単位や市街地内外等、地域の特性を鑑みたスポット設定をすることでモニタリングの精度を向上しています。これにより、いわゆる交流人口の把握や潜在的な観光資源の発掘、課題発見等に繋がる示唆が得られるようになりました。沖縄県の特性を活かした分析対象エリアの検討および設定は、琉球大学3研究室(以下)との共同研究の成果となり、今年度も継続的な意見交換を実施します。

琉球大学 工学部 工学科 社会基盤デザインコース 神谷研究室(神谷 大介准教授)

     工学部 工学科 エネルギー環境工学コース 宮田研究室(宮田 龍太助教)

     国際地域創造学部 経済学プログラム 山田研究室(山田 健太准教授)

▲沖縄県の特性を活かした分析対象エリアの検討資料より▲沖縄県の特性を活かした分析対象エリアの検討資料より

2)専門知識がなくてもパッと見てわかる

「おきなわ観光地域カルテ」はPDFダウンロード形式で提供を開始しました。観光地域経営に活用できるデータだけをピックアップし、解説やグラフでわかりやすく可視化することにこだわりました。プロトタイプ版を活用した地域ヒアリングを通して、更なる使い心地の改善を行ってまいります。

▲データをどのように活用できるか?をわかりやすい文章で提案▲データをどのように活用できるか?をわかりやすい文章で提案

3)人流データ以外のデータも収集・統合予定

包括連携協定(MOU)を締結している一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)と現在、Season1リリースに向けた連携を開始しており、沖縄県に関連するオープンデータやその他観光地域づくりに資するデータの導入・分析について協議を行っています。今後は、人流データに閉じず、様々なデータを「おきなわ地域カルテ」に導入していくことで、“これひとつ”で地域の現状や未来が読み解ける状態を目指してまいります。

■「おきなわ観光地域カルテ」の全体像
P1:来訪者数&属性(都道府県・性年代別)データ
地域にどこから、どれくらい、どんな人が、いつ訪れているか?前年と比較した増減の状況を把握できます。

「おきなわ観光地域カルテ」

P2:来訪者数×スポット別データ(急上昇・急下降)

地域の各スポット(町丁目、固有のスポット等)を来訪者数が多い順にランキングしたものに加え、前月と比較して急に来訪者が増えた(減った)場所のランキングを表示。注目度の高い(低い)スポットを把握できます。

P3:周遊データ

前後に訪れている人が多い市町村や、市町村内のスポット間周遊を表示しています。市町村間の関係性や地域内での観光ルートの状況を把握できます。

P4:来訪者数×日別データ

地域の来訪者数を日別で表示しています。日毎に地域内の観光客のボリュームを確認することができます。

■おでかけウォッチャーについて(URL:https://odekake-watcher.info/

・観光客分析に特化した観光政策主体向けのデジタル観光人流モニタリングサービス

・全国の市区町村日別来訪者数(登録した最大20ヶ所いずれかの観光スポット来訪者数)、ならびに観光スポット日別来訪者数(登録した最大3ヶ所の観光スポット来訪者数)を基本機能として無償提供。

・有償のプレミアムサービスとして、観光スポットを最大2,000箇所まで設定でき、 来訪地分析、発地分析、属性分析、周遊分析を提供

・市区町村および任意の観光スポットへの来訪者の行動特徴を準リアルタイムに提供(月曜~日曜までの日別来訪者数を翌木曜に把握可能)

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