- 2023-9-19
- 旅行 プレスニュース
リリース発表日:2023年9月19日 10時00分
WHILL株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:杉江理、以下「WHILL社」)は、2023年8月28日(月)〜31日(木)に、身体的な衰えを感じている、感じ始めている65歳以上の男女(以下「シニア世代」)と、高齢の親をもつ35〜64歳の男女(以下「子ども世代」)を対象に、「シニア世代とその家族における外出・旅行などへの意欲や購買行動の変化などに関する実態調査」を実施いたしました。
■調査背景
敬老の日にちなみ公表された総務省統計によると、日本の高齢者人口(65歳以上)は3,623万人と、1950年以降初めて減少に転じたものの、高齢化率は29.1%と最高値を更新しました(注1)。うち3人に1人(約1,200万人)は歩きづらさを抱えている(注2)とされ、そうでない方に比べて外出を控えたり億劫になったりする傾向があります。一方、各地では行楽地や観光施設などに客足が戻り、訪日観光客の回復も相まって外出機運が一段と高まっています。
そこで今回は、外出や旅行を切り口に、体力や足腰の衰えが自身や家族の心理・行動にどのような影響を及ぼすのかを把握する調査を実施しました。世界的にも高齢化が加速する日本において、今後より重要視されるインクルーシブやアクセシブルの観点などを交えながら、報道の一資料としてぜひご活用ください。
■調査概要
◇調査方法:WEBアンケート方式で実施
◇調査対象:身体的な衰えを感じている、感じ始めている全国65歳以上の男女/高齢の親をもつ35〜64歳の男女 各300名ずつ
◇調査実施日:2023年8月28日(火)~31日(木)
■サマリー
・シニア世代が行きたい場所の傾向として、家族3世代や誰かと一緒に行くような非日常の場。一方で、2人に1人が行きたい場所があっても何かしらその気持ちを抑えている。
・親と出かけたい子供世代は7割もいるが、うち85%は誘うことに躊躇う。両世代ともに、家族に気を遣ってしまったり、足腰や体力を心配したりすることが二の足を踏む理由。
・施設には介助式車椅子を借りられるサービスもあるが、97%のシニア世代が「使わない」。反面、約半数が、何かしら移動環境が施設に整っていると「行きたい」と回答し、歩行領域をカバーする新たな移動サービスを行った先で求めるニーズがあることがうかがえる。
・介助やサポートが必要な人と出かける場合、本人も同行者も出先での滞在を最低限に抑えてすぐ帰る傾向に。そうでない場合は、長時間の滞在や、目的以外のお店や飲食店への立ち寄りが増える。あらゆる人が快適に過ごせる施設環境が整えば、滞在時間の延伸や多世代の来場につながることが期待できる。
【シニア世代が行きたい場所について】
シニア世代に対し、「お一人やご家族などと外出をする場合、どのような場所に行きたいか」と尋ねたところ、最上位に挙がったのは「旅先でのランドマークや観光名所」で47.6%でした。これに「博物館・美術館」(36.8%)、「動植物園」(36.3%)、「広い公園や庭園」(33.5%)が続きます。傾向として、お孫さん含む家族3世代や誰かと一緒に行く、広い敷地内を歩くような非日常の場所が想起されています。
【体力や足腰への不安と、外出への意欲について】
日常的には行かないが、お一人やご家族などと外出をしたい場所があっても、シニア世代としては「たまに行くこともあるが、諦めることもある」(15%)や「行きたいところがあっても、なかなか行動に移せていない/行動に移すこと自体を諦めている」(22.7%)、「行きたくても、自分からは誘わない」(8.7%)と回答。2人に1人が、行きたい場所があっても何かしらその気持ちを抑えていることがうかがえました。
二の足を踏む理由として「体力や長距離/長時間の歩行に不安があるから」が最多(50.4%)で、次に「家族に気を遣ってしまうから」(38.8%)が続きました。とはいえ、施設に設置されていることもある介助式車椅子を使わないシニア世代は97.3%に上り、自由に動けない不便さや、乗りたいと思えるものではないという心理性、同行者への申し訳なさが主な理由です。
なお、介助式車椅子ではなく「同行者のサポートなしで自分で気兼ねなく移動できる乗り物がある施設は、ない施設に比べ、行きたい/行ってみたいと思うか」と尋ねたところ、約半数(48%)が「そう思う/強くそう思う」と回答しました。
【高齢家族(親や祖父母など)を外出に誘う子ども世代の心理について】
「自身の親や高齢の家族(祖父母など)を誘って、一緒にお出かけやちょっとした遠出、旅行をすることはあるか」という質問に対し、「一緒に出かけたい/誘いたいと思わない」と答えたのは全体の3割にとどまりました。つまり、7割(69.4%)が一緒に出かけたいと考えていますが、うち85%が「誘うこともあるが、最近は回数が減っている」「誘いたいと思っても、なかなか誘えていない/行動に移せていない」としており、何かしら躊躇ってしまう子ども世代が実は多いという実態が浮き彫りになっています。
その理由として最多だったのが「親の体力や足腰が衰えているから」(46.9%)で、僅差で「疲れさせてしまうのではないかと心配だから」(45.8%)が続きました。シニア世代同様、家族に気を遣ってしまうといった心理が働いているようです。
【介助を必要とする人*と出かける場合(A)と、そうでない場合(B)の購買行動について】
*介助を必要とする例:杖をついて歩く高齢の親や祖父母をサポートする、出先で車椅子を借りる、など
子ども世代に大型の商業・複合施設の滞在時間や買い物行動について尋ねたところ、Aは1時間以内(31%)が最も多く、約半数が「寄る店や買い物は最小限に抑える」「目的の買い物や用事を済ませたらすぐ帰ることが多い」と答えました。一方、「目的になかった店舗や場所、食事/カフェにも立ち寄ることがある、多い」としたのはわずか4%です。
Bの外出行動について「目的になかった店舗や場所、食事/カフェにも立ち寄ることがある、多い」と回答したのは、Aと比較して5倍近く多くなっています。また滞在時間も、Bの方が長く施設にとどまる傾向があり、2.5時間以上の滞在だとAと比較して回答数は3.5倍弱の開きがあります。
高齢化や多様化、より一層高まるインバウンド需要などを背景に、WHILL社では、行った先でWHILLを気軽に借りられて、広い施設内を快適に移動できるサービスとして法人施設向け事業「WHILLモビリティサービス」を提供しています。これまでの調査結果(注3)から、多世代の来場促進や再来場率の向上、滞在時間の延伸に一定の効果が分かっており、全国さまざまな法人施設で続々と導入されています。
実際に施設でWHILLを利用された方からも好評で、WHILL社が公式SNSでWHILLの導入を希望する場所を募ったところ、300近い投稿が集まりました(注4)。
総務省統計によると、日本の75歳以上人口は初めて2,000万人を超えました。いわゆる「団塊の世代」が2022年から75歳を迎えていることによることが要因とされ、今後もその数は増えていくと予想されます。世界的にみても日本の高齢者の割合は最も高く、日本政府も推進するように「人生100年時代」においていつまでも元気に過ごし続けることが特に重要となってきます。近距離モビリティ市場を創造・けん引してきたWHILL社は、普段は車椅子を利用しないけれど長距離の歩行となるとつらいシニア世代やそのご家族、疲れやすい方など、あらゆる人がその場を心ゆくまで満喫できる移動サービスの提供を通じ、誰もが当たり前に快適な近距離移動ができる環境を整備することで、いつまでも生き生きと暮らしやすい世界を創造してまいります。
注1:総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」 https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1380.html
注2:総務省統計局「令和3年1月人口」、国土交通省「高齢者の生活・外出特性について」からWHILL社が計算
注3:「また来たい」と答えた方が9割を超え、「施設の滞在時間が伸びた」と回答した方は8割弱に上った。「WHILLがあるなら安心して親を連れて来られる」などの声も寄せられている。WHILL社調査 サービス利用者 76ss 2022年5月実施
注4:WHILL公式SNS「WHILLが〇〇にあったら嬉しいな」キャンペーン 応募総数280ss 2023年7月実施
https://note.com/whillcommunity/n/n9e133a9b8371
■WHILLモビリティサービスとモデルについて
本サービスは、時速6km以下で電動走行する安心設計と高いデザイン性を備えた免許不要の近距離モビリティと、モビリティ管理システムを組み合わせたもので、スタンダードモデルでは3種類を用意していま す。Model C2は高いデザイン性と5cmの段差乗り越え、後輪を軸にその場で一回転できる小回り能力、リアサスペンションを採用した滑らかな乗り心地などを特長とし、Model Fは軽量化を実現した折りたためるモデルです。Model SはWHILL社初となる歩道を走れるスクータータイプで、ハンドルがあることで安定して長く走ることができます。
製品について:https://whill.inc/jp/
WHILLモビリティサービスについて:https://whill.inc/jp/mobility-service
<WHILL社について>
WHILL社は、2012年5月に日本で創業し、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、20以上の国と地域で近距離移動のプロダクトとサービスを展開しています。主な事業は、高いデザイン性や操作性などが特徴の近距離モビリティWHILLの開発・販売、およびWHILLを活用して気軽な移動体験を提供するモビリティサービス(法人レンタル/自動運転)です。WHILL社は2事業を柱に、近距離の中でも、他の移動手段では行けなかった、歩行領域(歩道・屋内外)の移動をカバーすることで、誰もがどんな場所にもつながる世界を構築します。
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