トルコ共和国大使館 文化観光局/トルコ中央アナトリア地方ゴルディオン遺跡 国内で20番目の「ユネスコ世界遺産」に登録

ゴルディオン博物館①

リリース発表日:2023年9月26日 13時00分

ゴルディオン博物館①ゴルディオン博物館①

9月18日(月)にサウジアラビアのリヤドで開催された第45回ユネスコ世界遺産委員会において、首都アンカラ県にあるゴルディオン遺跡がトルコ国内で20番目の「ユネスコ世界遺産」に登録されました。

ユネスコ世界遺産条約において、古代都市ゴルディオンは”鉄器時代の独立王国であったフリギアの古代首都の遺跡を包含する、重層的な古代集落 “と表されており、 ユネスコは”遺跡の考古学的発掘と調査により、フリギア文化と経済を解明するための建築技術、空間配置、防衛構造、埋葬の習慣を記録した豊富な遺跡が発見された”としています。

継続的な定住を経験した希少な遺跡

アンカラ県のポラットゥル地区に位置する古代都市ゴルディオンは、アナトリアの土地に残る豊かな文明が紡がれたタペストリーさながら、その普遍的な価値でアナトリアの文明に光を当て、東洋と西洋を結ぶ重要な交差点の役割を担っていました。

ゴルディオン遺跡の集落は、隣接するヤッスホユック墳丘に初期青銅器時代(紀元前2500年頃)の証拠が残っています。ゴルディオンは、4500年もの間、古代都市とその周辺に人が途絶えることなく居住していたことから、世界でも稀に見る長期間の定住の歴史を持つ地域となっています。ゴルディオンが様々な文明にとって魅力的な場所であったのは、アナトリア全土の重要な交易路に沿った戦略的なロケーション、サンガリオス川(現在のサカルヤ川)から供給される豊富な水、農業に適した広大な肥沃な土地など、いくつかの要因が挙げられます。

ゴルディオンの歴史を垣間見る

ゴルディオンは、紀元前12世紀のヒッタイト帝国の崩壊とともに興ったフリギアの政治的・文化的首都としてよく知られており、この文明を知る上で非常に重要な場所です。例えば、フリギア文明の痕跡を残す岩片や古代遺跡が残るフリギア渓谷やフリギア人の足跡をたどることができるフリギア・トレイルが現存しています。フリギア時代の建造物も、ゴルディオンの景観にも重要な足跡を残しており、初期フリギア時代の城塞の建物や、都市の支配者たちの墳墓は、今日でも、フリギア人の高級官僚の驚異的な権力と権威を示しています。ゴルディオンの大古墳(神話で、呪いにより「触れたものを全て黄金に変える力」を授けられたミダス王の墓)の中にある墓室は、現存する世界最古の木造建築物となっています。

ゴルディオンはまた、多くの古代史家が語る、フリギアの都ゴルディオンとアレクサンダー大王にまつわる「ゴルディアスの結び目」のエピソードにも直接登場します。伝説によれば、この結び目は未来のアジア征服者によってのみ解かれると信じられていました。そのためゴルディオンを訪れたアレクサンダー大王が剣で結び目を切り裂き、アジアを征服したのはただの偶然ではありません。ゴルディオン周辺には、保存状態の良い要塞や記念碑的建造物があり、フリギア人の歴史に触れることができます。また、ゴルディオン遺跡にあるゴルディオン博物館には、各時代を代表する特徴的な遺物を年代順に展示しており、発掘調査で出土した品々の中には、初期鉄器時代の手捻りの陶器、初期フリギア時代の鉄器、古代の陶器や輸入品、印章やコインのサンプルなどがあります。

ゴルディオン博物館②ゴルディオン博物館②

ゴルディオン博物館③ゴルディオン博物館③

ユネスコ世界遺産登録リスト

1.   ギョレメ国立公園とカッパドキア(中央アナトリア地方、ネヴシェヒル)/  世界遺産登録年:1985年

2.   ディヴリーイ大ジャーミィと病院(中央アナトリア地方、シヴァス)/ 世界遺産登録年:1985年

3.   イスタンブル歴史地区(マルマラ地方、イスタンブル)/  世界遺産登録年:1985年

4.   ヒッタイト帝国の都ハットゥシャシュ(黒海地方、チョルム)/ 世界遺産登録年:1986年

5.   ネムルート山(南東アナトリア地方、アドゥヤマン)/ 世界遺産登録年:1987年

6.   ヒエラポリスとパムッカレ(エーゲ海地方、デニズリ)/ 世界遺産登録年:1988年

7.   クサントス・レトゥーン(地中海地方、アンタルヤ-ムーラ)/ 世界遺産登録年:1988年

8.   サフランボル市街(黒海地方、カラビュク)/ 世界遺産登録年:1994年

9.   トロイ考古遺跡(マルマラ地方、チャナッカレ)/ 世界遺産登録年:1998年

10.  セリミエ・ジャーミィと社会複合施設群(マルマラ地方、エディルネ)/ 世界遺産登録年:2011年

11.  チャタルホユックの新石器時代遺跡(中央アナトリア地方、コンヤ)/ 世界遺産登録年:2012年

12.  オスマン帝国の発祥地ブルサとジュマルクズック(マルマラ地方、ブルサ)/ 世界遺産登録年:2014年

13.  ベルガマと重層的な文化的景観(エーゲ海地方、イズミル)/ 世界遺産登録年:2014年

14.  ディヤルバクル城とヘヴセル庭園(南東アナトリア地方、ディヤルバクル)/ 世界遺産登録年:2015年

15.  エフェス(エーゲ海地方、イズミル)/ 世界遺産登録年:2015年

16.  アニ考古遺跡(東アナトリア地方、カルス)/ 世界遺産登録年:2016 年

17.  アフロディシアス(エーゲ海地方、アイドゥン)/ 世界遺産登録年:2017 年

18.  キョベクリテペ(南東アナトリア地方、シャンルウルファ)/ 世界遺産登録年:2018年

19.  アルスランテペ古墳(東アナトリア地方、マラティヤ)/ 世界遺産登録年:2021年

20.  ゴルディオン(中央アナトリア地方、アンカラ)/世界遺産登録年:2023年

21.  *中世アナトリアの木造多柱式ジャーミィ(中央アナトリア地方、アンカラ-コンヤ-エスキシェヒル-アフヨンカラヒサール、黒海地方、カスタモヌ)/世界遺産登録年:2023年

*ゴルディオンと同時期に登録

トルコについて

地中海沿岸に位置し、有名なボスポラス海峡が隔てるアジアとヨーロッパを結ぶトルコは、何世紀にもわたり文化的な交流と多様性の拠点と考えられてきました。多様な文明が反映された歴史、遺跡、自然や美食を有し、多目的なデスティネーションです。伝統とモダンが融合した芸術やファッションをはじめ、ダイナミックなショッピングやエンターテインメントライフによって世界中から訪れる人々を魅了し続けています。2022年には全世界から約5,140万人の訪問者を迎え、世界第3位の観光市場となっています。2023年はトルコ共和国として建国100周年の年です。

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