- 2023-12-27
- ホテル プレスニュース
外食産業のチェーン展開化と“聚楽”の誕生
『伝統を守り挑戦を続ける』をビジョンに、ホテルやレストラン事業を展開する株式会社 聚楽(本社:東京都千代田区、取締役社長:加藤 治、以下「当社」)は、2024年3月10日に創業100周年を迎えます。
創業者である加藤清二郎は、東京で簡易洋食「須田町食堂」を開業し、綿密な計画と独自の商法のもと1943(昭和18)には最大89店舗まで広げていきます。
また、“聚楽”の社名は創業10周年の際に従業員700名による社内公募で決まりました。
創業から戦前までの軌跡を当社が発刊している情報誌「ことのは」で第2弾を作成しましたので、聚楽グループの各ホテルやレストランで無料配布します。
第1弾はWEBでも閲覧可能です。
取材及び冊子郵送ご希望の方は㈱聚楽(じゅらく):堀越(090-1983-6759)
info@hotel-juraku.co.jpまでお問い合わせください。
■準備と決意の“ノート”
創業家の蔵の整理中に偶然発見され、須田町食堂開業前に書いたと思われる「ノート」には、創業者加藤の手記が書きつづられていました。その中に「使用人の待遇について」と書かれた部分があります。お客様に喜んでもらうのはもちろんですが、加藤は従業員への心遣いを大切にしていました。その一つに「蓄音機」の話があります。手記には「蓄音機を買い求め、昼間は時として店に之を用いて客の興を誘ひ、夜仕事を終えてからは、店員をして自由に使わしめ、慰めしむる。(中略)仕事と遊びを一緒にせざる様、働く時は一心不乱に働き、遊ぶ時は何事も忘れてよく遊び、休む時はよく休むという様な良き習慣を店員に付けしむる様、指導教育せねばならん。」とあります。開業前にも関わらず、共に働く仲間を思いやり、令和の現代においても共感させられる内容となっていました。
■実家からの借金返済要求に返信した“手紙”
1924(大正13)年3月10日に開業した須田町食堂の営業時間は、11時~23時まで。売上も上々で連日の盛況ぶりは東京中に広まっていきました。しかしそれと同時に問題となっていたのは借金の返済と、繁盛がゆえの什器・備品の補充、設備の改修費でした。そんな中、実家から借金返済要求の手紙が届きます。この時、本人が返信した手紙が残っています。
●全額は返せないから三百円だけ送金する
●本郷バーと競争していて利益は案外少ない
●家業が苦しいのも承知しているが、こちらも苦しい
(大正13年9月現在283円不足)
●店を増やす計画中に送金を迫られると全てが遅れる
●来年末には千五百円あるいは二千円を誓って送る
日付は一号店開店から半年後の9月17日でした。
自身も苦しいけれど、実家のことも思いやりながら二号店を開業させるのです。
■須田町食堂チェーン展開の“実行”
一号店開店からわずか8か月後の1924(大正13)年11月20日、「須田町食堂京橋営業所」を開店。運営と仕入れは信頼のおけるスタッフに任せ、自身は創業前に考えていた「チェーン展開」を実行に移します。「流行の最初というものは仕事がしやすいものだ。この波に乗ってグングン進んでいけば発展は瞬く間だ。この間に機先を制して発展しておき、流れが緩くなった時にぐっと引き締めて内容の充実を計るべきだ。」
この方針のもと1924(大正13)年から1930(昭和5)年までの間に、銀座・上野・浅草・水天宮・神保町等、合計25店舗を展開し、どの店舗も大盛況となりました。
ここで冒頭の「ノート」に目を戻してみると「向こう5年間を以って第一期となし、この間は確実な利息以外、断じて他の営業に手を染めぬこと」とあります。この覚悟の通り、創業から6年間は須田町食堂だけを展開し、初めから計算されつくされた事業拡大だったことが分かります。
■人々が集まって楽しむ事:“聚楽”
1934(昭和9)年、須田町食堂創業10周年を迎えるにあたり新店の名称を従業員700名から公募することとなりました。応募総数は1,400件にものぼりその中から選ばれたのが、人々が集い楽しむことを意味する「聚楽」という名前でした。この時決まった名前が現在の社名となっています。そして同年、初めて“聚楽”の名前が使われた本邦初の食堂デパート「新宿聚楽」が開店します。開店前から驚異的な評判が巻き起こり、開店時間前には長蛇の列となりました。その長さは玄関口から電車通りまでおよび、交通整理のため巡査が駆けつける事態となりました。
株式会社 聚楽(じゅらく)
創業者 加藤 清二郎(せいじろう)
(1898年4月8日~1982年9月24日)
【前号:創業編のあらすじ】
学業優秀も進学はせず、海鮮問屋から陸軍へ。相場で大儲けするも株価暴落で借金を背負い込む。樺太で鉄道建設に従事するも稼いだ金をまた相場で失う。堅実な商売を起こそうと東京で大衆食堂に着目、資金調達の為、再び樺太で肉体労働従事中の1923年9月1日関東大震災発生。東京へ戻り、実家から材木の提供を受け、簡易食堂“須田町食堂”を開店する。
■じゅらく情報誌「ことのは」設置場所
【宮城県】
■御酒印船 仙台店
【福島県】
■飯坂ホテルジュラク
【新潟県】
■ジュラクステイ新潟
■亜麺坊 新潟店
■弥彦山ロープウェイ
■弥彦桜井郷温泉 さくらの湯
【東京都】
■お茶の水ホテルジュラク
■レストランじゅらく上野駅前店
■浅草聚楽
■須田町食堂 秋葉原UDX店
■御酒印船 新宿店
■酒亭じゅらく上野店・お茶の水店
■串揚げじゅらく 上野店・新橋店・アメ横店
■ブッチャーズ八百八 御茶ノ水店
■ワインバルViña Vin Vino
■カフェ淡路坂珈琲 お茶の水店
■スペインバルEl Chateo del Puente
■明神そば きやり 神田明神前店
【群馬県】
■みなかみホテルジュラク
■万座ホテルジュラク
【静岡県】
■伊東ホテルジュラク
【兵庫県】
■神戸ホテルジュラク
■会社概要
株式会社聚楽
【創業】1924(大正13)年3月10日
【資本金】1億円
【代表】取締役社長 加藤 治
【住所】東京都千代田区神田駿河台3丁目4番地龍名館本店ビル9階南
【従業員】正社員570名/パートタイマー450名(2023年4月時点)
【事業内容】都市ホテル・リゾートホテル・各種レストラン
【URL】https://juraku.com/
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