京都春秋/臨済宗興聖寺派本山 円通山 興聖寺 2024年春の特別公開が決定!

4月17日からはKG+の展示会場として京都とフランスのアートが融合する優美な世界を演出!

写真左:方丈庭園、右:KG+展示イメージ

 安土桃山時代から江戸時代初期に活躍した茶人・古田織部によって建てられた臨済宗興聖寺派の本山、「興聖寺(こうしょうじ)」(住所:京都市上京区堀川通、住職:望月宏済)は、2024年3月30日(土)~5月6日(月・祝)の期間に特別公開を開催致します。

 通称“織部寺”ともよばれている興聖寺は、慶長8年(1603)に建てられました。古田織部は千利休の弟子で、古田流茶道の祖として知られる戦国武将です。境内には、織部と織部の妻の院号にちなんだ「雲了庵」と「青松庵」のふたつの茶室が残ります。境内の中門をくぐると、本堂まで続く広大なモミジの庭園には枝垂桜(4月上旬見ごろ)と八重の桜(4月中旬見ごろ)があり、桜から新緑へと移りゆく庭園をゆっくり拝観できます。4月17日~5月6日は、KYOTOGRAPHIE (京都国際写真祭)によるKG+の展示会場となり、現代アーティストの展示が新緑の庭園により一層、彩を添えます。

 また方丈には杏橋幹彦(きょうばし みきひこ)氏の奉納による「青波の襖」が収まり、格天井には四季の草花が豪華絢爛に描かれています。方丈庭園の新緑と艶やかな設えとの共演が拝観者の目を楽しませてくれます。茶室へとつながる回廊には「降り蹲踞(つくばい)」と言われる、珍しい蹲踞が拝観できます。現在の住職により作庭され、「天竺への道」と名付けられた茶室の庭は、つつじ類を多種多様に植えられており、その他、興聖寺の庭にはシャガの群落、二輪草をはじめ様々な山野草が植えられており花のシーズンには心をうるおしてくれます。

興聖寺 春の特別公開概要

約330年前に建てられた本堂。中央に本尊釈迦如来を祀る (c) 写真家 堀出 恒夫 

日程:3月30日(土)~5月6日(月・祝)

休止日:4月16日(火)・4月21日(日)

拝観時間:10時~16時(最終受付)

拝観料:大人800円 小学生400円  

    団体割引20名以上、1割引き

    身障者の方(手帳提示の上)半額

    介護の方(付き添い)半額    

拝観内容:

本堂・方丈・庭園・降り蹲踞・茶室

KG+ アーティスト展示について

展示期間:4月17日(水)~5月6日(月・祝)

休  止  日:4月16日(火)・4月21日(日)

展示場所:本堂前庭園、方丈庭園

■ 展示テーマについて

”自己との出会い”

人の心の中、つまり意識はより神秘的でまだまだ未知の世界である。庭園とアートを合作させることにより、その世界を複雑多様化させ、みる人の脳を刺激し活性化する。自らの心の深い世界に自らを誘導する自己との出会い。(詳しくは3頁目住職の想いより)

■ 展示について

展示スペース:中門から続く本堂前庭園にて。フォトグラファー、エドワード・ブルガッド氏による布にプリントされた写真が展示される。

※拝観料でKG+展示見学可

※展示・パフォーマンス内容について詳しくは、興聖寺ホームページをご確認ください。

展示イメージ

アーティスト紹介

■ Samuel André|サミュエル・アンドレ (サウンドアーティスト)

京都在住フランス人。大学時代は数学と認知科学を学び、卒業論文のテーマとして音楽インターフェースを学ぶ。実際に2021年から寺院で禅を修行し、もともと神道や仏教の儀式に捧げられていた京都の職人が作った伝統工芸「おりん」を探求し、LinNeとして自身の音楽に取り入れる。音楽の空間化、その場での音楽、サウンドスケープ、フィールドレコーディング、実験的、音響的な音楽を求めて、画家、詩人、建築家、ダンサー、フラワーアーティストなど異なる分野の人々とのコラボレーションを積極的に行う。

2002年 アキテーヌ映画音楽コンテスト実験映画部門第1位
2015年 札幌*north2 AWARD ver.SIAF2014で優秀賞を受賞

ウェブサイト http://ieva.free.fr/e

Samuel André|サミュエル・アンドレ

■ Marie Polo |マリー・ポロ (アーティスト)

Marie Polo |マリー・ポロ

マリー・ポロはフランスのアーティスト、パフォーマー、映画製作者、セラピストであり、没入型上映コンセプトで注目を集めている。 最初の長編映画『HUBRIS』は、トラウマと癒しを探求しており、彼女の没入型上映は、インタラクティブなパフォーマンスを通じて人々をその瞬間の感情や感覚に再び結びつけることを目的とする。また没入型の体験やワークショップを通じて、芸術作品やアーティストと交流する新しい方法を開く 229 LAB というパリの芸術研究所の共同創設者。 野生動物の保護の奨励と自然の貴重さへの意識が、今日のポロの活動を推進する重要な動機となっている。

■ Edouard Burgeat |エドワード・ブルガッド (フォトグラファー)

1988年パリ生まれのフランス人アーティスト。パリとベルリン、そしてフランスの田舎町にあるアトリエ「Burcy」を行き来しながら活動。インスタレーション、デザイン、彫刻、写真、ドローイングなど多彩な活動を展開。ゲーテ・インスティテュートやパレ・ド・トーキョーなどの文化機関との様々なプロジェクトや、Ground effect、Belle、Beau、Waltmanなどのギャラリーとの人的プロジェクトに携わる。

これまでの主な展覧会に、Les rencontres de la photographie d’Arles、Berlin art week、SCOPE Art show Miami、Frieze london、

Marrakech biennalなど。2014年、アートとデザインが融合するアトリエ、Studio-NoDを設立し、LVMHやPathe Gaumontなどのクライアントのために、没入型インスタレーション、インテリアデザイン、カスタム

家具、空間演出のアーティスティック・ディレクションを行っている。

Edouard Burgeat |エドワード・ブルガッド

■ ADC303 ( UGO NARDINI | ウーゴ・ナルディーニ)(アーティスト)

ADC303 (UGO NARDINI | ウーゴ・ナルディーニ)

パリを拠点に活動する実験的なアーティスト、作曲家、音楽アドバイザー。彼の作る作品は型破りで、未知の音響領域を恐れることなく聴くものをナビゲートする。自身の活動以外に、コム デ ギャルソン (川久保玲) の音楽ディレクターも担当する。

春の特別公開にあたって

住職のコメント:

全体的に世間では非日常的な世界を希求して旅行や体験を求めている傾向が強いのではないかと感じております。お寺はその世界の最たるもので美術館的な世界ではない。個人が個人として自己と向き合える場であろうと思います。

今回、春の特別公開期間中にKG+の展示会場として、フランス人によるアートを組み込んだ拝観を打ち立てました。お寺のなか全てをアートと合作するのではなく、純粋なお寺の雰囲気、“お庭„をそのままご覧いただこうというのが、今回の春の特別公開の在り方です。

テーマとして挙げたのは、 “自己との出会い„。人の心の中、つまり意識はより神秘的でまだまだ未知の世界である。その未知なる意識(心)を開拓して、より高次の次元に自己を高めていこう。それが坐禅であり、表現としての作庭であり、その担い手が寺という場ではないかと考えます。

今回の拝観では、アートと合作することでよりお庭から感じる世界を複雑多様化させ、まずは御自分達の脳を刺激し活性化して頂きたい。そして自らの心の深い世界に自らを誘導して頂きたい。そういう願いが込められています。自らが何を思い何を感じたのかを自己とゆっくり対話して頂きたいのです。

望月宏済(もちづき こうさい) 

1973年4月17日生まれ 50歳

現 臨済宗興聖寺派本山 円通山 興聖寺 第26世

東京都出身、30歳前半で興聖寺とご縁がつながりお坊さんを志す。その後、35歳で得度し大徳僧堂(専門道場)へ入門。7年を経て後、興聖寺に入寺、現住職として9年目を迎える。特に活動の中でも坐禅を最重要視して、どんな方でもやる気さえあれば坐禅はできるをモットーに内容のある坐禅を広めることを心掛けている。

中門から続く本堂前庭園
杏橋幹彦写真 「青波の襖」
茶室庭園

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