ホテル・旅行のニュースリリース・情報

『UD総点検』は、障害をお持ちの方々等が航空旅客や一般来港者と同様に空港内の動線を実際に利用し、空港のバリアフリーやUDを点検・評価することで、その意見を今後の空港運営や施設整備に活用することを目的として実施したものです。

コロナ禍後の復便本格化やアジア・アジアパラ競技大会などの開催により、多様なバックグラウンドを持つお客様の利用機会が増加することを見越し、開港後初めて実施しました。

■取り組みの背景

2005年2月に開港した中部国際空港セントレアでは、開港前から障害当事者・有識者団体（社会福祉法人AJU自立の家、以下AJU）などと共にユニバーサルデザイン研究会を設置し、基本設計・実施設計・施工の各段階において、本研究会のさまざまな障害がある方や学識者から直接の意見を求め、誰もが使いやすい空港づくりに取り組んでまいりました。

当空港は2024年度（2025年2月）に開港20周年を迎えます。開港当時と比較し、外見から分かりづらい障害を持つ方や性的マイノリティの方への社会理解が進んでいること、バリアフリー法が整備され施行17年が経過していること、当空港に新たな施設（フライト・オブ・ドリームズ、第2ターミナルなど）が増設されていることなど、取り巻く環境は大きく変化してきています。

取り巻く環境の変化に適応し、当空港が今後もより多くのお客様に選ばれる空港となるため、東海地方に拠点を置く各当事者団体と連携しUD総点検を実施し、改めて課題を洗い出し、空港全体で今後の改善活動などにつなげてまいります。

■検証属性

以下の当事者の方が総点検に参加し、空港内のUDを点検しました。

肢体障害                   　　： 手動車いす、電動車いす、ストレッチャー、ステッキ

視覚障害                   　　： 全盲、ロービジョン

聴覚障害                   　　： ろう、難聴

知的障害                   　　： 軽・中等度（※）、そのご家族

その他の配慮が必要な方　 ： 幼児連れ、高齢者

※知的障害・発達障害については、部分的に当事者に代わって専門家の方に総点検を行っていただきました。

■スケジュール・動線

各日程における総点検のスケジュールおよび動線は以下の通りです。

【2月13日（火）13:25～17:35】

施設：第1ターミナル スカイタウンおよびスカイデッキ／フライト・オブ・ドリームズ

場所：公共空間（店舗は対象外）

動線：一般来港者

【2月26日（月）13:25～17:50】

施設：第1ターミナル

場所：国際線出発・到着動線

動線：航空旅客

【2月28日（水）13:25～17:50】

施設：第2ターミナル

場所：国際線出発・到着動線

動線：航空旅客

■今後の取り組み予定

2023年度中には、UD総点検の結果を用いて『UD懇談会』の実施を予定しています。この『UD懇談会』では、UD総点検での点検・評価結果をもとに、当事者／学識者／CX空港連絡会（※）で2024年度以降に取り組むべき課題を選定していく予定です。

※CX空港連絡会：航空会社、警備会社、清掃会社、ホテル、販売、案内、旅行会社、交通機関、官庁等44の事業者から成る空港全体のCX（顧客体験価値）向上を目的とした組織体

■セントレアでのCX（顧客体験価値）に関するその他の取り組み

UD総点検という形で空港内の一般来港者動線や航空旅客動線を対象に大規模に取り組むのは開港以来初でしたが、中部国際空港セントレアでは、UDもCX（顧客体験価値）の一環として捉えており、日頃からCX向上に対する取り組みについて多角的に実施しております。

【直近での取り組み事例】

・カームダウン・クールダウンスペース設置

　（第1ターミナル国際線　2023年2月設置／第1ターミナル国内線　2022年3月設置）

・航空関係者向け車椅子取扱いに関する意見交換会の開催（2022年12月開催）

・生理用品無償提供を示すピクトグラムの設置（第1ターミナル国内線　2022年1月設置）

・介助犬訓練の受け入れ（2022年12月実施）