一般社団法人 日本コンベンション協会/(一社)日本コンベンション協会(JCMA)が観光庁へ「次のステージへ_MICEの産業化へ向けた提言」を提出

「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」のさらなる推進やMICE産業全体の底上げなど

2024年4月11日、(一社)日本コンベンション協会(JCMA)では、近浪 弘武 代表理事をはじめとする理事が観光庁を訪問し、星野 光明 国際観光部長へ「次のステージへ_MICEの産業化へ向けた提言」を提出しました。

JCMAは、2018年7月にはじめて「MICE国際競争⼒強化に関する提言」を取りまとめて観光庁へ提出し、以降、コロナ禍での首相官邸への要望提出を含め、機を捉えて「MICE業界の認知度向上と産業としての強化」「MICEを活⽤したわが国の国際的ステータスの向上」などを訴えてきました。2023年1月の提言では、ポストコロナに向けた政府の戦略実現ツールとしてのMICE開催の意義や効果を再定義した項目等を盛り込み、同年5月の政府発表の新施策「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」にもMICE推進施策として反映されています。

左)観光庁 星野 光明 国際観光部長            右)日本コンベンション協会(JCMA)近浪 弘武 代表理事
(左から)観光庁 石川 靖 参事官、星野 光明 国際観光部長、JCMA 近浪 弘武 代表理事、武内 紀子 副代表理事、西田美樹 理事

今回、これまでに打ち出された施策をさらに磨き強力に推進しながら、MICEの「産業」としての確固たる地位を築き、今後の日本におけるMICE誘致・開催をあらたなステージへ引き上げることを目指し提言を行いました。

次のステージへ_MICEの産業化へ向けた提言(全文)(PDF: 997 KB)

〈提言の概要〉

1.「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」に沿った取り組みを強力に推進

  ー 文部科学省による大学へのインセンティブ施策(国際会議開催件数の評価、国際研究の  

  支援等)との連携・強化。

  ー 経済産業省による国際展示会等のグローバル化促進、企業のグローバルミーティングの 

  日本への誘致強化施策との連携・強化。

2.MICE産業全体の底上げ

  ー 産業としてのエコシステムの確立。

  (国内MICEで経験・ノウハウを蓄積し国際MICEへ昇華)

3.産業育成の観点から、省庁横断でMICE の活用を積極的に推進

  ー 観光庁・経済産業省の省庁横断で産業視点での施策推進(MICEテックの導入推進)。

4.政策実現のためのMICE関連予算の拡充

  ー MICE の意義の正当な評価に基づくMICEの高付加価値化に資する「国際観光旅客税」

  の充当。

  【使途案1】ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備

          例_都市MaaSアプリ

  【使途案2】我が国の多様な魅力に関する情報入手の容易化

            例_多言語Webサイト、開催地の魅力発信

  【使途案3】地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での

        体験滞在の満足度向上

        例_MICEテック開発、最新技術対応インフラ整備、キーパーソン招聘、

          日本ファン作り、人材確保と育成、DX推進による効率化

  ー 各地で検討される宿泊税にも「国際観光旅客税」と同様、MICEへの充当の可能性を。


(参考)

■    MICEの意義

MICEとは、Meeting(企業系会議・研修)、Incentive travel(企業の報奨旅行)、Convention(国際会議・学会)、Exhibition/Event(展示会・イベント)の総称です。

観光庁は、その意義として、(1)高い経済効果、(2)ビジネス機会等の創出、(3)都市ブランド・競争力向上、(4)交流人口の平準化、(5)レガシー効果 などをあげています。

■ 観光庁「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」(2023年5月発表)(首相官邸公式Webサイト内)

政府が掲げる主なMICE関連目標

【ビジネス分野】

 日本を舞台とするビジネス交流の拡大・国際的なビジネスネットワークによる世界経済に

 おけるプレゼンス向上

・ビジネス目的の訪日外国人旅行消費額|2割増加(7,200億円(2019年)

 →8,600億円(2025年))

・国際会議開催件数|アジアNo1の不動の地位、世界5位以内(2030年)

・展示会・見本市への外国人参加者数|2割増加(139千人(2019年)

 →167千人(2025年))

【教育・研究分野】

 国際学会の積極的な開催・誘致による国際頭脳循環の促進

・海外からの研究者の受入れ数|2割増加(13千人(2019年)→16千人(2025年))

・科学技術・自然・医療・社会分野等に係る国際会議への外国人参加者数|2割増加

 (155千人(2019年)→186千人(2025年))

■    経済波及効果 は1兆590億円

MICE産業は、上記の意義を実現化する産業です。

会議開催、宿泊、飲食、観光などの経済・消費活動の裾野が広く、一般的な観光以上に周辺地域への経済効果を生み出すことが期待されます。

観光庁が2018年に発表した、2016年の国際MICEによる経済波及効果は1兆590億円。また、外国人のMICE参加者の1人当たりの平均消費額は33.7万円で、一般観光での訪日外国人1人当たりの平均消費額の15.6万円よりも、約18万円も多いという調査結果が公表されています。

■    一般社団法人日本コンベンション協会(JCMA)の概要

JCMAは2015年の発足以来、我が国のMICE推進における中核としての役割を担い、コンベンションをはじめとするMICEにおける日本有数の団体として、MICEの国際競争力の強化に向け、MICEの意義に関する発信・啓発や政策提言、MICEの経済波及効果算出への参画、人材育成・人材交流、国際交流、サステナビリティに向けた活動などに取り組んでいる。

・会員数:267会員(2024年4月1日現在)

・代表理事:近浪 弘武(日本コンベンションサービス株式会社 代表取締役社長)

・URL:https://jp-cma.org/

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