四国水族館開発/四国水族館でオオサンショウウオの交雑個体を展示中

そう遠くない未来に、こんな景色になるかもしれない

四国水族館(所在地:香川県)は、本館棟2階淡水ゾーン渓流の景でオオサンショウウオの交雑個体を展示しています。

 展示中のオオサンショウウオは、チュウゴクオオサンショウウオとの交雑個体で、京都大学の西川教授にご提供いただきました。オオサンショウウオは国の特別天然記念物で、主に西日本で生息する世界最大の両生類です。四国内でも発見例のある本種ですが、過去に人の手で持ち込まれ野生化したチュウゴクオオサンショウウオとの交雑が各地で進み、在来種が減っているという背景を多くの方に知っていただきたいと思い、このたび展示開始することとなりました。

 現在四国では交雑個体の発見はされていませんが、「そう遠くない未来に、もしかしたらこんな景色になるのではないか」という危機感を込めて、2階淡水ゾーン渓流の景に展示しています。

 オオサンショウウオに限らず、人の手で持ち込まれた外来種が在来種の保全を脅かしている生きものは他にもたくさんいます。人の手が介入することで、良くも悪くも生物多様性に影響を与えることを改めて心に留めていただきながら、ご覧いただければ幸いです。

展示場所:四国水族館 本館棟2階淡水ゾーン 渓流の景

  • オオサンショウウオ ※当館では展示していません

学名:Andrias japonicus

日本にだけ生息し、最大150センチメートルにもなる。

河川の上流から中流域に生息するが、市街の水路などでも発見されることもある。茶褐色の体色に、小さめの黒い斑紋がある。

  • チュウゴクオオサンショウウオ ※当館では展示していません

学名:Andrias davidianus

中国の河川に生息する。日本へは食用等の目的で輸入されたものが、河川へ放流されたか、逃げ出して交雑の原因となった。オオサンショウウオと比較すると、吻端が扁平で、体には大きめの斑紋が入る傾向がある。

  • 交雑個体オオサンショウウオ

在来種に比べて体が大きくなる傾向があり、食欲旺盛で繫殖力も強く、在来種の繁殖場所を追いやっている。体色は個体によって変異が様々で、在来種との見分けも困難である。 

  • 四国水族館 営業概要

 瀬戸大橋のたもと四国の玄関口に位置する香川県宇多津町に2020年にオープンした水族館です。「四国水景」をテーマに約400種14,000点の生きものを展示しており、生きものの展示だけでなく、四国の文化やそこで暮らす人の営みとともにある環境も水槽内で表現しています。時間帯や季節によって楽しみ方は様々で、四国にお住まいの方は四国の水の景色の豊かさを再発見でき、四国以外の方は四国を巡りたくなる水族館です。

所在地:香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4

通常営業時間:9:00~18:00 ※最終入館は17:30

入館料:大人(高校生・16歳以上)2,400円、小中学生1,300円、幼児(3歳以上)600円、3歳未満無料

アクセス:JR宇多津駅から約1km(徒歩約12分)、坂出I.Cまたは坂出北I.Cから約10分

TEL:0877-49-4590

WEBサイト:https://shikoku-aquarium.jp/

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