- 2024-7-22
- 旅行 プレスニュース
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事業者が排出したCO2を地元の自然で吸収する循環モデルを確立
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佐賀市に拠点を置くSAGA COLLECTIVE協同組合が2023年に続きサステナビリティレポートを公開。
2021年度より10業種11社が一丸となりカーボンニュートラルに取り組み、2021年度からのCO2の削減量は302t、カーボンオフセット実績は615tに到達。2030年度の削減目標値まであと284t、早くも折り返し地点を突破。カーボンオフセット実績のうち、514tは佐賀県県有林のJクレジットを使用。佐賀県内の事業者が排出したCO2を地元の自然で吸収する循環モデルを確立。
■SAGA COLLECTIVEサステナビリティレポート2024(本文)
http://saga-collective.com/wp-content/uploads/2024/07/2024-Sustainability-Report.pdf
自分たちの故郷に未来はあるか、伝統を次世代につなぐために
目次
SAGA COLLECTIVEは、佐賀県を代表する地場産業や伝統産業の異業種11社からなる協同組合です。「佐賀の文化と伝統を紡いでいくために自分たちができることは何か?」
2021年の設立以来、私たちはこの問いを産業の垣根をこえて対話し続けてきました。
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そこで掲げたのは「地域の環境を守り、未来の産業を守る」というビジョンです。
うれしの茶・有田焼は400年以上、鍋島緞通・名尾和紙・神埼そうめんは300年以上と、当組合の企業や各産業には100年以上の歴史があります。先人たちが時代にあわせ、自然とともに築いてきた文化です。この文化を持続させられるでしょうか。
私たち伝統産業は、地域の自然の恵みによって成り立ってきた産業です。
この文化は、まず人と地域と自然の関係が持続可能でなければ成り立ちません。
だから私たちは環境保全や地域社会への配慮を軸に、「地球にやさしい」「人にやさしい」「社会にやさしい」観点で、組合各社のCO2排出量を測定し、削減に取り組んでいます。
削減しきれなかったCO2は、地元の山や海を守るための支援で吸収する「カーボン・オフセット(CO2削減量の相殺)」を行っています。
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私たちがカーボンニュートラルに取り組む理由
SAGA COLLECTIVEは、次の100年の持続可能性を高めるため、事業を渡す人と受け取る人の双方が安心して継承できる舞台を整えることを目指しています。特に気候変動は、11社共通の悩みです。私たちは困っています。
例えば、佐賀の海苔は、2022年シーズンは記録的な不漁となり、19年続いた生産量および販売額日本一の座を明け渡しました。色落ちが発生し、質もあまりよくありませんでした。雨が降らず山の養分が有明海に注ぎ込まれなかったことが一因とされています。
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また、2021年8月の大雨により土砂災害が発生し、名尾手すき和紙が被災しました。旧工房での紙すきが続けられなくなり、新工房への移転を余儀なくされました。
このように、気候変動が各社に影響を与えています。次世代への継承に黄色信号が灯っています。そこで私たちは「地球にやさしい」カーボンニュートラルに取り組むことにしました。
「できることからやってみよう。」そんな気持ちではじめました。
2年間でCO2排出量を302t(18.7%)削減、カーボンオフセットは615.3t
スギの木104,245本分、東京ディズニーランドとシーの合計面積に匹敵
2023年度のSAGA COLLECTIVE全体のCO2排出量(Scope1,2)(※1)は1,315t。地球にやさしい取り組みを開始した2021年度に比べ、302t、18.7%を削減しました。照明のLED化、電力モニタリングシステムの導入、再生可能エネルギーへの切り替えなどを実践し、ノウハウをグループ内で共有しています。また、生産スケジュールの見直しによる加工機械の稼働時間の集約と短縮といった運用改善を積み重ねています。さらに、空調、冷凍・冷蔵設備の高効率化や社用車のEV化といった設備投資も行っています。
(※1)自社排出分。Scope1 は燃料の燃焼由来(直接排出)、Scope2 は電気の使用由来(間接排出)。
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これまで、森林保全や藻場再生のプロジェクトを通じて615.3tのカーボンオフセットを実行しました。スギ1本あたりのCO2吸収量を8.8kg/年(※2) とすると、302tの削減効果は34,325本分、カーボンオフセット615.3tを加味すると計104,245本分に相当します。1haに1,000本の立木があると仮定(※2)した場合、104haの森林面積に相当し、これは東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの合計面積に匹敵します。
(※2)出典:林野庁「森林はどのくらいの量の⼆酸化炭素を吸収しているの?」
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11社のうち7社がカーボンニュートラルな会社になりました
11社のうち7社(※3)はScope1,2の全量をカーボンオフセットしたカーボンニュートラルな会社となりました。残りの4社もSAGA COLLECTIVEの活動にかかる排出量(※4)をカーボンオフセットしています。つまりSAGA COLLECTIVEの活動はカーボンニュートラルです。
(※3)有限会社井上製麺(2022、2023)、三福海苔株式会社(2022、2023)、株式会社徳永製茶(2022、2023)、名尾手すき和紙株式会社(2022、2023)、吉島伸一鍋島段通株式会社(2022、2023)、株式会社小野原製茶問屋(2022)、レグナテック株式会社(2023)。
(※4)Scope1,2 排出量を売上ベースで按分。全社売上のうち SAGA COLLECTIVEへの売上分を対象にカーボンオフセットを実施。
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徳永製茶(うれしの茶)が2030 年度NDC水準を7年前倒しで達成
日本茶の製造販売を営む徳永製茶の代表・德永和久さんは、2020年にSAGA COLLECTIVEのメンバーとともにSDGsの勉強会に参加したことをきっかけに、脱炭素を意識し始めました。
2021年度から初めてCO2排出量を把握した際、年間30トン近く排出していたとわかり、「30トンという響きが多いなって、単純に驚きました」と話しました。
「それまでCO2排出量の計算の仕方は全然わからなかった」と話す德永さんでしたが、CO2排出量を減らす方法を専門家に聞いたり、自ら調べて試算をしたりと、自社でできることから取り入れました。
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例えば、工場の製茶機械で使用するプロパンガスを減らすため、生産スケジュールを見直しました。
例えば、お茶の火入れ工程では設定温度まで余熱をする必要があります。できるだけ連続して火入れ作業をすることで機械の稼働時間を集約・短縮する、といった運用改善を積み重ねていきました。
また、社用車の買い替えのタイミングでEVに切り替え、CO2が少なく済む運転ルートを考え、日ごとに社用車の割り振りをしています。さらに電力も再生可能エネルギーに切り替えました。
その結果、今年度のCO2排出量は約15t、2030年度NDC水準(※5)を7年前倒しで達成しました。さらに、サプライチェーンの上流や下流にあたるScope3にも対象を広げ、仕入れ先であるお茶農家さんに対しても茶栽培におけるCO2排出量を試算・共有し、方策をともに練っています。
(※5) Nationally Determined Contribution:国が決定する貢献。2050 年カーボン・ニュートラルと整合的で、野心的な目標として、我が国は、2030 年度において、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す(出典:地球温暖化対策推進本部「日本のNDC(国が決定する貢献)」)
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妻・ヴェラさんの故郷のスロベニアに帰省するたび、生ゴミを減らす工夫など、環境問題への意識の高さを目にしてきたことが「経営に役立っている」と話す德永さん。脱炭素で今一番大事にしてるのは「不便にならないこと」。無理のない範囲でできることから取り入れ、「自然にできるようになるのが一番良い」と考えています。
カーボンオフセットを免罪符にしない
私たちは地元の自然由来のカーボンクレジットを選定し、カーボンオフセットを実施しています。地元の自然に還元しなければ、私たちのものづくりの未来はないと考えているためです。カーボンオフセットを免罪符にしないよう、私たちが排出したCO2に責任をもっています。
具体的には、「佐賀県有林」「福岡県久山町有林」のJクレジット、および「佐賀県唐津市串浦の藻場再生」によるJブルークレジットをつかい、クレジットの地産地消を実現しています。必ずプロジェクト現場を視察し、現地の関係者と意見交換を行うことで、互いの取り組みを理解し敬意を払う、相思相愛の関係を築いています。
カーボンクレジットの購入代金は、自然保護活動の活動費に充てられています。また、森林整備に従事する方々の賃上げの原資にも充てられるそうです。
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私たちに求められるのはサプライチェーン全体における道義的責任
私たちは開発社会学者の佐藤寛先生を招き、SDGsに関する勉強会を毎年開催しています。2024年6月に開催した勉強会のタイトルは「SAGA COLLECTIVE はどこまでSDGsと付き合うの?」でした。
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異業種の活動、さらにカーボン・オフセットの実行という国内でも珍しく、先駆例として一定の評価を得るようになりましたが、「まだ先行者利益はあるが今後はどうする?」「いいことをしていると思って見落としている視点がない?」など、佐藤先生から問いかけていただきました。
そして「Knowing and Showing」、問題の認識を明示することの重要性を学びました。
私たちに求められるのはサプライチェーン全体における道義的責任。つまり原料の調達から加工・販売・消費・破棄されるところまでがエシカルかどうか、責任を持つことです。
「電気自動車、天然素材だから地球にやさしいのか」「できていることだけアピールして、原材料や加工過程でのエネルギー消費、化学物質の利用、労働搾取などに目をつぶっていないか」など、自問自答の日々です。
私たちは「できていないことから目を背けず、問題を認識していることを、勇気をもって宣言していきたい」と考えています。
活動は道半ばですが、問題をともに解決していく仲間を増やしながら前進していきます。
■SAGA COLLECTIVEサステナビリティレポート2024
http://saga-collective.com/wp-content/uploads/2024/07/2024-Sustainability-Report.pdf
SAGA COLLECTIVEについて
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私たちは佐賀県の10業種11メーカーから構成される協同組合です。諸富家具、有田焼、うれしの茶、神埼そうめん、佐賀海苔など、佐賀でものづくりをしています。半数以上が創業100年以上の企業です。
各社には30歳前後の後継予定者がおり、目の前の事業承継はもちろん、次の100年の持続可能性を高める形を模索しています。
またSAGA COLLECTIVEの商品はカーボンニュートラルである点を打ち出し、経済的にも持続可能な取り組みとなるよう、新たなビジネスモデルを模索しています。
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理事長・樺島雄大
27歳で家業の家具製造メーカー・レグナテックを事業承継。地元佐賀の認知度および魅力度向上を切に願い、「佐賀のものを使った上質な暮らしを世界へ提案したい」と異業種連携の必要性とグループの結成を 10 年以上にわたり声を上げ続け、SAGA COLLECTIVEを発足。
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事務局長・山口真知
ジェトロ入構後の2017年に佐賀へ赴任し、県産品の輸出拡大に従事。後のSAGA COLLECTIVEメンバーと出会う。インドへ転勤後、新型コロナの感染拡大に伴う緊急帰国のタイミングで独立と移住を決断。SAGA COLLECTIVEの法人化を知り、自ら事務局長を志願。中小企業診断士の資格を持ち、補助事業等により活動予算を自ら確保しながら、運営に伴う実務・管理全般を担当。
私たちとできること
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私たちについて:https://saga-collective.com/about
視察・見学受付:https://saga-collective.com/study-tour
エシカルな商品:https://store.saga-collective.com
日々の活動情報:https://www.instagram.com/saga_collective
参画企業:レグナテック(諸富家具)、丸秀醤油(醤油・味噌)、三福海苔(佐賀海苔)、小野原製茶問屋(うれしの茶)、川原食品(柚子こしょう・粕漬け)、天山酒造(日本酒)、徳永製茶(うれしの茶)、名尾手すき和紙(和紙)、李荘窯業所(有田焼)、井上製麺(神埼そうめん)、吉島伸一鍋島緞通(鍋島緞通)、賛助会員:旅館あけぼの
本件のお問い合わせ先
事務局長:山口真知(Yamaguchi Masatomo)
Mail: info@saga-collective.com
Tel: 0952-47-6112
Address: 佐賀県佐賀市諸富町山領266-1
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