- 2024-7-29
- 旅行 プレスニュース
各自治体の観光事業担当者のリアルな声を集計
観光事業に関する自治体実態調査
目次
- 1 観光事業に関する自治体実態調査
- 1.1 観光事業に関する自治体実態調査
- 1.2 【1】コロナ前を基準にした昨年度の観光客数の増減
- 1.3 【2】Go To トラベル事業や観光庁等における補助事業に関して
- 1.4 【3】多言語化の実施状況とその対応言語
- 1.5 【4】機械翻訳の活用状況および機械翻訳に対するイメージ
- 1.6 【5】情報発信のプラットフォームに関して
- 1.7 【6】観光DXの取り組みに関して
- 1.8 【7】観光事業の推進における課題
- 1.9 【8】観光事業の推進における官民連携の状況とそのお相手
- 1.10 【9】観光事業の推進における広域連携の状況とそのお相手
- 1.11 総評:2023年調査と比較して
- 1.12 日本観光推進総合研究所
日本観光推進総合研究所(一般財団法人 デジタルスマートシティ推進財団のシンクタンク、所長:落合正和)は、毎年実施しております「観光事業に関する自治体実態調査 」の集計結果を発表いたしました。
※ 過去の6回の調査結果は https://mobilesmarttown.jp/inbound/ からご覧いただけます
観光事業に関する自治体実態調査
【調査目的】
• 各自治体における観光事業やプロモーションに関する取り組み状況の実態把握を行うための調査です。(平成30年度より毎年実施)
• 本調査結果を今後の観光プロモーション活動などにお役立ていただくことも、あわせて目的としています。
【調査期間】
-
令和6年4月22日~令和6年6月14日
【調査対象】
-
全国1,741自治体
【調査方法】
-
全国の自治体(市町村および東京都特別区) 観光事業担当部署にメール・FAXで調査依頼を発信
-
回答はWebのフォームとFAXにて回収し単純集計
【回収状況】
-
回収数:720票
回収率:41.36%
【備考】
本調査結果は、一般財団法人デジタルスマートシティ推進財団がWebとFAXで実施したアンケートに基づき、財団シンクタンクである日本観光推進総合研究所が回答者を特定されない形で集計・加工したデータです。一定数以上の回答が得られた情報を掲載しています。
【1】コロナ前を基準にした昨年度の観光客数の増減
調査対象の702自治体のうち、約半数以上(354自治体)が観光客数がコロナ前の水準に回復、またはそれを上回っていることが明らかになった。この結果は、国内旅行需要の堅調さやインバウンド観光の回復が要因と考えられる。
一方で、依然としてコロナ前の水準に達していない自治体が、348自治体(49%)存在することも明らかになった。
【2】Go To トラベル事業や観光庁等における補助事業に関して
① これまでのGo To トラベル事業や観光庁等における補助事業の活用もしくは活用を検討した内容
補助事業の活用内容では、「パンフレットやマップの作成」に補助事業を活用した自治体が180件と最も多く、次いで「各種イベントの開催」が153件、「旅行商品や体験プログラムなどの造成」が142件、「PR動画の作成」が139件、「観光案内板やデジタルサイネージの設置」が132件の順である。
従来型の広報活動であるパンフレットやマップの作成、PR動画の作成、観光案内板やデジタルサイネージの設置は、引き続き多くの自治体に活用されていることがわかる。
② これまでのGo To トラベル事業や観光庁等における補助事業を活用しなかった主な理由および今後の方針
補助事業を活用しなかった理由として、「予算不足」が102件と最も多く挙げられ、次いで「自治体の独自予算やその他の予算を活用」が100件、「人材不足」が99件と続いた。これらの結果から、多くの自治体にとって、補助事業の活用には財政的な制約や人材面の課題が伴うことが示された。
また、「要件の合う内容や該当する補助事業がなかった」が43件、「ノウハウがなくエントリーできなかった」が33件、「効果が見込めなかった」が14件、「エントリーしたが不採択」が11件と、補助事業制度への理解不足や、申請・運用に関するノウハウ不足、効果に対する不確実性なども、補助事業活用を阻む要因となっている可能性が示唆される。
【3】多言語化の実施状況とその対応言語
販促物・掲示物では、対応言語が多い順に英語(470件)、中国語-繁体字(296件)、中国語-簡体字(291件)、韓国語(228件)となっている。
デジタルコンテンツでは、英語(285件)、中国語-繁体字(207件)、中国語-簡体字(203件)、韓国語(179件)の順に多い。
これらの言語は、いずれも訪日外国人旅行者数の上位を占める国・地域の言語である。このことから、多くの自治体が主要なインバウンド市場をターゲットとした多言語化に取り組んでいることが読み取れる。
【4】機械翻訳の活用状況および機械翻訳に対するイメージ
機械翻訳の活用状況について、685自治体のうち、「活用している」と回答した自治体は131自治体(19%)、「活用を検討中」は173自治体(25%)であった。
一方で、「活用する予定はない」と回答した自治体は381自治体(56%)と依然として半数を超えており、多くの自治体が機械翻訳の活用に慎重であることがわかる。
機械翻訳のイメージについては、「意味が通じれば、多少の翻訳間違いは問題ない」と回答した自治体が297自治体(43%)と最も多かった。
「機械翻訳は信用しているが、人による翻訳が望ましい」と回答した自治体は224自治体、「完璧ではない以上、機械翻訳は控えたい」と回答した自治体は56自治体であった。これらの結果から、機械翻訳の精度向上を認識しつつも、完璧な翻訳を求める声が依然として根強いことがうかがえる。
【5】情報発信のプラットフォームに関して
① 情報発信のプラットフォームおよびSNS運用の課題
「Instagram」を活用している自治体は605件、次いで、「Facebook」が488件、「X(旧: Twitter)」が391件、「YouTube」が353件の順となった。
Instagram、Facebook、X、YouTubeといった主要なSNSプラットフォームは、画像や動画による情報発信に強く、視覚的に訴求力の高いコンテンツを配信できる点が特徴である。
② SNSの運用における効果的な投稿内容や成功例など
SNS運用における課題の上位は、「人材不足」が327件と最も多く、次いで「効果的な投稿ができているか検証しづらい」が311件、「行政として民間事業者を公平に紹介しづらい」が268件であった。
人材不足の背景には、コロナ禍の影響による財政難や人材流出、構造的な問題などが考えられる。
効果測定や公平性確保といった課題については、従来から指摘されてきたものの依然として解決には至っておらず、SNS運用に関する専門知識やノウハウを持つ人材の育成、効果測定ツールの導入、民間事業者との連携体制の構築など、多角的な取り組みが必要と考えられる。
【6】観光DXの取り組みに関して
① 観光DXの取り組み状況
② 観光DXへ取り組めていない理由もしくは取り組む予定のない理由
観光DXに取り組めていない、または取り組む予定がない理由として、「予算不足」と回答した自治体が337自治体、「人材不足」は313自治体と、財政的な制約や人材面の課題が大きな障壁となっていることがわかる。
また、「何をしていいかわからない」と回答した自治体が221自治体おり、観光DXに対する理解や具体的な導入イメージが、まだ十分に浸透していない可能性が示唆される。
【7】観光事業の推進における課題
観光事業推進における課題として、「人材不足」を挙げた自治体が455件と最も多く、次いで「予算不足」397件、「公共交通が行き届いていない(二次交通対策)」397件、「宿泊施設が無い/少ない」354件、「観光地としての認知度が低い」338件と続いた。
【8】観光事業の推進における官民連携の状況とそのお相手
官民連携の状況について、「連携している」と回答した自治体は302自治体(43%)、「連携を検討中」は213自治体(30%)であり、多くの自治体で官民連携が推進されている、あるいは推進されようとしていることがうかがえる。
一方、「連携する予定はない」と回答した自治体は191自治体(27%)であった。
官民連携の相手として最も多いのは「観光協会」であり、307件となった。
次いで、「DMO(Destination Management/Marketing Organization)や観光推進機構」が178件、「観光事業者」が137件、「宿泊事業者」が126件の順で多い。
その他にも、飲食事業者、交通事業者、広告事業者、IT事業者、地域ボランティア、各種協議会・組合・団体など、様々な主体との連携が行われている。
【9】観光事業の推進における広域連携の状況とそのお相手
広域連携の状況について、698自治体のうち、「連携している」と回答した自治体は265自治体(38%)、「連携を検討中」は184自治体(26.4%)であった。
広域連携の相手として最も多いのは「近隣自治体」で289件。次いで「都道府県」が105件、「DMOや観光推進機構」が101件、「広域連携協議会」が72件、「県外の自治体」が64件と続いた。
その他にも、沿線の自治体、姉妹都市、海外の自治体、官公庁、ツーリズムビューロー、コンベンションビューローなど、様々な主体との連携が行われている。
総評:2023年調査と比較して
2024年の動向を2023年と比較してみると、以下のような傾向が見られます。
【2023年調査はこちら】
観光客数の増減に関しては、コロナ禍からの回復が見られ、2024年度には約半数の自治体で観光客数がコロナ前の水準に回復またはそれ以上に増加しました。しかし、依然として約半数の自治体ではコロナ前の水準に達していないという状況も見られます。
観光関連補助事業の活用状況に関しては、 予算不足や人材不足などの課題がさらに顕在化する結果となりました。ただ、観光需要の回復に伴い、補助事業への期待は高まっています。
観光コンテンツの多言語化の対応状況は すべての言語において、販促物・掲示物、デジタルコンテンツともに対応自治体数が増加しました。これは、インバウンド需要の回復を見据えた多言語化対応の強化を示しています。それに伴う機械翻訳の活用状況は大きな変化は見られず、多くの自治体が機械翻訳の活用に慎重な姿勢を示しています。
SNSの活用に関しては、人材不足や投稿の効果検証の難しさなど、SNS運用における課題が増加傾向にあります。予算不足や人材不足などの課題が深刻化していますが、観光DXに取り組む、あるいは検討する自治体はわずかに増加しています。
以上の結果から、観光業界はコロナ禍からの回復を見せつつも、多くの課題が依然として存在していることがわかります。これらの課題解決に向けた取り組みが、今後の観光業界の発展にとって重要となると予想されます。
2024年度観光事業に関する自治体実態調査
https://mobilesmarttown.jp/2024-japan-local-government-tourism-survey/
▼2024年調査の集計結果のダウンロード
d55357-12-147b105f14360c7a1773007e35a59571.pdf
日本観光推進総合研究所
日本観光推進総合研究所は一般財団法人デジタルスマートシティ推進財団(旧:一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団)のシンクタンクとして創立されました。
これからの日本にとって貴重な資源である観光とインバウンド振興、そして地方創生、地域の活性化に寄与することを目的に、観光・インバウンドに関する研究、多言語情報発信に関する研究、訪日外国人観光客の実態調査などを行なっています。
全国各地の自治体や民間団体と協力し、日本の文化・伝統を含む様々な情報を国内外に発信しているデジタルスマートシティ推進財団(旧:モバイルスマートタウン推進財団)と共に、言葉や地域の壁を越え、あらゆる人々に日本の魅力と情報をお届けすることを目指しています。
◆ Web
https://mobilesmarttown.jp/research-institute/
◆ 組織概要
名 称 |
日本観光推進総合研究所 |
所 長 |
落合 正和 |
設立年 |
2016年12月 |
所在地 |
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-1 尚友会館6F |
連絡先 |
TEL:03-5797-7612 |
高級ホテルに無料で泊まれる
\もれなく”ヒルトンゴールド会員”/
ヒルトンに年間40泊以上しないと取得できない高嶺の花「ヒルトンオナーズゴールド会員」にもれなくなれることで評判のヒルトンアメックスカード。
2024年10月17日から期間限定でヒルトンアメックスプレミアムの入会キャンペーンがスタート! 宿泊無料や朝食無料、お部屋のアップグレードなどの特典によりコンラッドやヒルトンなどの高級ホテルがお手頃に利用できます。
\期間限定 特典 大増量中/
▼詳しくはこちら▼