- 2024-8-6
- 旅行 プレスニュース
内閣官房「地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査」採択事業として、地域との連携体制とアフターフォローを強化。参加費用の大幅な低減と、より一層の内容充実を目指す。
【要約】
ひきこもり支援の専門団体である認定NPO法人ニュースタート事務局(本部:千葉県浦安市、理事:二神 能基)が実施する「ひきこもり遍路2024」が、令和6年度の内閣官房「地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査」に採択された(内閣府HPリンク)。
「ひきこもり遍路」は、歩き遍路を通して心身ともに健康を取り戻し、”自分なりの生き方”を見つけ、自立に向けた再出発につなげる事を目標とした体験型ツアー。ニート・引きこもり・大学不登校・失業中の若者など、これまで120名以上が参加し、その多くが新たな人生の第一歩を踏み出している。
本年度は、地元地域との連携強化に加えて政府主導の支援プログラムも活用。参加者の費用負担が大幅に引き下げられ、一般的なお遍路にかかる滞在費用の半分以下となる。
また、2ヶ月かかる通し打ちだけでなく、全行程を6分割した区切り打ちでの参加(それぞれ約10日間)も可能となり、より多くの当事者が参加しやすい形式となった。
9月末の出発に向けて、8月18日(日)より千葉・大阪・四国の会場およびオンラインで参加説明会が実施される。参加者の募集と同時に、宿泊場所などを提供してくれる現地サポーターを募集している。
ひきこもり遍路とは
「ひきこもり遍路」は、ひきこもりやニート当事者など、目的喪失の若者が、2ヶ月間かけ四国遍路を歩いて一周する体験型ツアーです。四国の豊かな自然と文化の中で、人々とのふれあいや自分自身との対話を通じて世界を広げ、「自分なりの生き方」を発見することを目的としています。
昨今問題視される単なる就職支援や、増加傾向にある居場所の提供とはまた違う、人生支援を目指した大胆な支援企画です。
四国遍路は、弘法大師・空海のゆかりの88ヶ所のお寺(札所)をまわるもので、1200年の歴史があります。世界的に有名なスペインの巡礼路、カミノ・デ・サンティアゴと並び、多くの人が悩みや迷いを克服しようと遍路道をたどってきました。
なぜ若者が四国遍路を?
目的喪失の若者を取り巻く「環境」の重要さ ー環境さえ変われば動き出せるー
私たちは、1,600名以上のニート・ひきこもりの社会復帰を手伝ってきた中で、本人を取り巻く「環境」の重要さを実感しています。
就労経験がなかったり、ひきこもり年数が長かったとしても、実は優れた力を持ち、人並み以上に良い仕事ができる当事者はとても多いのです。
当事者に話を聞いても、「家から出たい」、「きっかけさえあれば」、「本当は人と関わりたい」という声はよくあり、支援のプロの私たちから見ても、「環境さえ変われば動き出せるのに」と思えるケースは少なくありません。
悪循環から抜け出し 新たな一歩を踏み出すきっかけに
休職・不登校・ひきこもりといった状況が続くと、どうしても自分で自分を否定してしまい、思考が悪い循環に陥りがちです。自分自身の在り方に引け目を感じていると、他者と関わることにも抵抗感を覚えてしまいます。
しかし、四国を歩いている間は、それまでの自分とはまったく別の「お遍路さん」になることで、「なんでこうなってしまったのか」「何をやってもうまくいかない」「自分はなんてダメな人間なんだ」といった余計な思考が削ぎ落とされ、頭の中がスッキリしていきます。
まっすぐな考え方が出来るようになり、陽の光を浴び、毎日体を動かして、規則正しい生活を送ることで、悪循環から抜け出し、前を向いて一歩踏み出すことに繋がるのです。
総合的な「体験の場」である四国遍路
ニュースタート事務局では、目的喪失の若者をお遍路へ連れていく企画を、2003年から20年以上、続けてきました。四国遍路は、ただお寺を回る「観光旅行」ではありません。歴史や文化を体感し、仲間や地元の人々とふれあい、自分自身と対話しながら歩みを進められる、総合的な「体験の場」であり、再出発に必要な要素が詰まっています。
過去の参加者の8割が自立への道に踏み出していることからも、その効果は明らかです。
ひきこもり遍路の特徴とねらい
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NPOスタッフの同行による安心感
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自分と同様に悩みを抱える仲間の頑張る姿から受ける刺激
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ゆっくりペースで歩いて四国一周1,200km
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あたたかく無理のない人間関係とお接待文化の体験
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四国各地のサポーターによる宿泊・食事の提供
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四国遍路の歴史・文化を味わう
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四国の豊かな自然・多くの絶景スポット
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参加者の8割が自立に踏み出している確かな実績
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Discordサーバーを利用した継続的な「仲間」とのつながりづくり
「ひきこもり遍路」でお遍路文化の継承を応援
四国遍路は大きな苦境に立たされています。安くて小規模なお宿は補助金等の恩恵も受け難く、コロナ禍で遍路向け宿の閉鎖が相次ぎました。2023春以降、外国人遍路は右肩上がりに増える一方、国内の若者にとっては身近でなくなるばかり。地方の高齢化の流れのなかで、四国遍路の文化が勢いを失いつつあります。
私たちは、今回の「ひきこもり遍路」プロジェクトを通して四国遍路という文化を広く知ってもらうことで、苦境に立たされたお遍路文化を継承していくことを応援します。
独自の遍路宿ネットワーク(お遍路ハウス)を中心にしたサポート体制
過疎化が進む中、巡礼者の宿探しが困難になりつつあります。私たちニュースタート事務局はお遍路文化の継続を願い、四国4県に約60軒の遍路宿ネットワーク(お遍路ハウス四国88)を展開しています。
空き家の利用、予約の簡略化などの工夫で、低料金で気軽に泊まれる遍路宿として、日本人だけでなく海外からの巡礼者にも利用されています。
本ツアーでは、各地のお遍路ハウスを起点に、宿泊施設やお寺の空き部屋や地域の集会所などを宿泊場所として提供してもらえるようにお願いしています。各地元の皆さんと連携をとることで、参加者の挑戦を強力にバックアップします。
「無理しない、あきらめない」で 自分なりの生き方を見つける
私たちは、がんばりすぎてしまったり、自分にはできないとあきらめて引きこもった若者たちをたくさん見てきました。それは、過度ながんばりを求める社会の風潮にも重なります。
しかし、歩けないときは無理せず休み、またゆっくり歩き出す。仲間と支えあいながら、自分のペースで一歩ずつ進む。その繰り返しで、四国一周1,200kmという途方もない距離を歩き通すことができるのです。
「無理しない・あきらめない」の精神で、最後までやり遂げることができれば、参加者の今後の人生においても、粘り強く自分のペースで続ける力が身につき、新たな挑戦に向けた確かな自信になります。
多機能グループチャットツールDiscordを活用したアフターフォロー(2024年度から)
もちろんお遍路によって問題がすべて解決するという事はありません。しかし共通した悩みを持つ仲間の存在は、その後の人生における挑戦を乗り越える大きな力になります。
ツアー参加者は、旅が終わった後も「Discord」という多機能チャットアプリを利用したオンラインコミュニティを通して、他年度の参加者やサポーターの皆さんと「つながり」続けることができます。愚痴を吐いたり悩みを相談できる場としてはもちろん、先輩からも後輩からも刺激を受けることで自立に向けた意欲創出につながります。
勝手に「ひきこもり」と一纏めにカテゴライズされた顔も知らない”他人”とのつながりではなく、同じ苦労や思い出を共有できる”仲間”とのつながりが、若者の背中を押してくれるのです。
過去の参加者の言葉
参加者 (38歳男性・8年ひきこもり)
「生きるのがつらい」と悩んでいたが、お遍路で人から気遣われた経験から、介護の仕事を続けている。
この旅で一番得たことと言えば、苦しくてもう帰りたくなった時、スタッフから「一歩進めばそれだけ目的地に近づくことができるから、あきらめずに進もう」と言われたことです。
その時に自分の中で何かが変わり始めました。これからもあきらめずに、自分のペースで生きていきたいです。
参加者(32歳女性・5年ひきこもり)
参加後、地元で働き始める。
人と打ち解けられない性格や、悩みの多い頭の中をずっと変えたいと思っていました。
四国遍路に参加して歩き続けることで、自分を自然に出せるようになったし、いらない悩みはどんどんそぎ落とされていきました。
参加者の母 (26歳男性・3年ひきこもり)
参加後、知人の会社に就職。
人が苦手、恐いということを克服してほしくて息子を参加させました。
帰って来た時、「全然人が恐いと思わへんかったなー」という言葉を聞き、私はこれ以上嬉しいことはありません。
企画概要
企画名称 |
自分なりの生き方を見つける旅 ひきこもり遍路2024 |
開催期間 |
2024年9月28日(土) 〜 11月29日(金) の63日間 |
場所 |
四国88ヶ寺(1番札所霊山寺から88番札所大窪寺まで) |
募集対象 |
ニート・ひきこもり・大学不登校・失業中など目的喪失の若者(18歳~45歳) |
募集人数 |
各区画8名(実施最少人数3名) |
必要な費用 |
滞在にかかる実費(食費等を含め一日平均3,000円程度) |
区切り打ち |
全6区画の一部のみへ参加することが可能(カッコ内は集合場所最寄り駅) ※定員を超えた場合は、全行程参加の希望者を優先させて頂きます ①9/28 – 10/8 (板東駅) ②10/8 – 10/19 (日和佐駅) ③10/19 – 10/29 (須崎駅) ④10/29 – 11/9 (宿毛駅) ⑤11/9 – 11/22 (松山駅) ⑥11/22 – 11/29 (観音寺駅) |
説明会 |
8/18から大阪・香川・千葉の会場およびオンラインで実施(詳細後述) |
参加者募集説明会(無料・要予約)
●現地説明会
各会場 説明会 14:00〜15:00個別面談 15:00〜16:00
・大阪会場 8/18(日) エル・おおさか(大阪府立労働センター)503号室
・香川会場 8/24(土) ZENキューブ(善通寺総合会館)会議室2
・千葉会場 8/25(日) ニュースタート行徳センター
●オンライン
平日夜と日曜昼 あわせて2回開催(Zoomにて実施)
・第1回 8/28 (水) 19:00〜20:00
・第2回 9/1 (日) 14:00〜15:00
※説明会参加には、事前に予約が必要です。
電話 047-307-3676 またはお問い合わせフォーム https://www.newstart-jimu.com/contact/ にて
※説明会参加費:無料
※当事者ご本人のみ、親御さんのみのご参加も歓迎いたします。希望者には説明会後、面談を行います。
※ひきこもっている若者が参加できるよう、事前にお手伝いすることも可能です。
お早めにご相談ください。
ボランティア募集
●同行スタッフ
初めて歩き遍路を体験する若者たちが、感動の結願に至る道中を共に見守りませんか?
•全行程を一緒に歩いて巡礼し 参加者のサポートをしてくださる方
•車の運転が可能な方
•若者の自立支援に興味のある方
●ボランティア・サポーター
内容充実のためご協力をお願いします。下記の他にも、できることをお聞かせください。
•空き部屋や地域の施設等を宿泊場所として安価で提供(寝袋等持ち込みのため寝具は準備不要)
•炊事・洗濯・入浴などのための設備提供
•テントや寝袋などの道具類の提供
•参加者といっしょに歩く
•同行スタッフのお手伝い(食事の用意・寝床の設営・出立後の片付け・送迎など)
説明会へのご参加もお待ちしています。
認定NPO法人ニュースタート事務局について
NPO法人ニュースタート事務局
認定NPO法人ニュースタート事務局は、ニート・ひきこもり支援の専門団体として、30年間で1,600名以上の自立を支援してきました。
ひきこもりの自宅に訪問する「レンタルお姉さん®︎」、常識にとらわれない新しい生き方・働き方を発信する「ニート祭り」、自主性を尊重し就労率が9割を超える共同生活寮など、ユニークな取り組みが特徴的です。
名称:認定NPO法人ニュースタート事務局
活動拠点:千葉県市川市宝2-10-18
電話:047-307-3676(10:00~17:30、水・日・祝祭日休み)
サイト:https://www.newstart-jimu.com/
代表:二神 能基 (フタガミ ノウキ)
担当:名川 和清 (ナガワ カズキヨ)
参考リンク
企画紹介ページ https://www.newstart-jimu.com/archives/newstart_henro2024/
ツイッター https://twitter.com/henrohouse
gooブログ(道中記) https://blog.goo.ne.jp/repo_ohenro
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