- 2024-9-27
- 旅行 プレスニュース
「シリアをまた行きたい国にする」を目標に活動するNPO法人Piece of Syriaは、9月27日の「世界観光デー」に合わせ、シリア滞在経験者に「シリアの魅力」についてのアンケートを実施しました。
2011年に発生した戦争が今も続くシリアは、旅行者が訪れることが難しくなっていますが、戦争前は、観光客ランキング30位の、観光客を魅了する豊かな歴史、美しい自然、そして温かい人々に満ち溢れた魅力的な国でした。シリアへの渡航者が回答したアンケートをもとにランキング形式でその魅力を紹介します。
<シリア渡航経験者が選ぶ観光地 トップ5!>
5位 マアルーラ(25%)
・イエス・キリストが母語としていたというアラム語が現代に至るまで話されていて、幾多の戦火を乗り越えてきた村の穏やかな光とともに心に残っています。
・シリアで最初にキリスト教徒女性が殉教した場所で、彼女が逃げるときに奇跡が起きて山が割れたと言われていますが、行ってみると本当に山が割れたようなところでびっくりしました。のどかな町で、教会ではキリスト教徒の女の子が説明をしてくれて、最後にシリア語で祈りの言葉を話してくれました。すごく穏やかで優しい町です。
4位 アレッポ(37%)
・街中に世界遺産があり、アレッポ城から中心街までのびるスーク(商店街)が圧巻でした!スークを歩けば、店主に奥に案内され、行くとお茶やご飯をご馳走してくれました。
・アレッポはシリアの商都であり、食い倒れの街でもあります。美味しい店、料理は数え切れないほどありましたが、特にオススメなのがマトアム・ヤルムークのナスのケバブです。羊のひき肉とナスが交互に鉄串に刺されており、焼けたひき肉から染み出した肉汁をナスが吸収しながらトロトロに焼き上がっており、美味しいです。
3位 クラック・デ・シュヴァリエとサラーフ・アッディーン城(41%)
・「天空の城ラピュタ」のモデルにされたと言うシュバリエ城は、広大な平原の中に孤高にそびえたつ古城で、本当に素敵な場所。巨人兵が本当に居そうでした!アラビアのロレンスも見た美しい城塞で、ロレンスの足跡を訪ねる意味でも価値があります。
・サラーフ・アッディーン城はアクセスはあまりよくないのですが、乗り合いバスで地元の人と話しながら近くまで行って、そこからは地元の人のトラクターに乗せてもらいました(しかも帰りも迎えに来てもらいました)。景色がよく、城砦の規模も桁違いで、地元の人々のやさしさも含めて何もかもいい思い出です。森の中に忽然と城が現れて、感動的でした。
2位 ダマスカス(53%)
・現在の世界中の都市の中で、最も古くから人類が住んでいる街。ウマイヤド・モスクは、アラブ各国から敬虔なイスラム教徒が巡礼に来て、涙を流しながら礼拝していて、宗教の力を思い知らされます。装飾やレリーフの素晴らしさと中庭のピースフルな雰囲気が大好きです。子供達がボールを蹴ったり走り回ったりしてるのが印象的です。石の床がピカピカでたくさんの人の素足で磨かれてきたことに歴史を感じました。
・ダマスカス旧市街は、路地好きにはたまらない。同じ街にイスラム教徒とキリスト教徒が暮らしてきたんだな~というのがよく解るところも好きです。少し足を延ばしてカシオン山に登れば、ダマスカスを一望できます。特に夜景がオススメ!
・列柱通りや十字軍時代の城に古代遺跡のロマンを感じます。まさに思い描いていた遺跡群!これらを観たのをきっかけに、遺跡が好きになりました!砂漠の真ん中に温泉もあり、また行ってみたい場所です!日本からの友人と行っても、やはり満足度が高かったです。
・近くの丘に登って、一瞬の晴れ間にパルミラの全貌を見れたことがありました。神宿るという印象を持っています。
・アラブ城から見るパルミラの全景、夕方の薔薇色に染まった姿は圧巻です。一生忘れません!!
・遺跡の精緻さ、雄大さに圧倒されました。悲しいことにそのいくつかはもう見ることができないという事実にも心が痛みます。無理してでも訪問して良かったですし、無理してでも行けるなら行っておけ、ということですね。
まだまだあるおすすめポイント
<とにかく人が素敵!>
・シリアには様々な観光名所、世界遺産がありますが、何より一番は人々です。その温かさ、思いやりの深さ、ホスピタリティの素晴らしさ、シリア人こそが世界遺産だと思っています。
・多種多様な民族と宗教と言語が共存しており、人々は優しく誠実な人が多かったです。
・人々の、特に子供たちの笑顔が宝石のように美しく、そしてカメラを見つけると集まってくれるので、たくさん写真に収めることができました。
<食べるもの全て美味しい!>
・食べ物、特に家庭料理がおいしい。レストランでも食べられるが、アレッポの煮込み料理はバリエーションも豊富で飽きない。「シリア料理」の中でも、アレッポは、食の都といっても過言ではないほど。おすすめは、初夏限定の「ケバブ・カラズ」(さくらんぼソースのかかった肉団子)です。
【アンケートについて】
オンラインでアンケートを依頼し、48名の方に回答をいただきました。おすすめの町(観光地)を3つと、その理由を質問しました。回答者の多くは、2000年から2011年の間にシリアを訪れており、特に2004年から2011年にかけて定期的に訪れた方が多く見られます。訪問回数が複数回にわたる回答者もおり、また、1990年代後半から2000年代初頭にかけて訪れた方もいました。さらに、最近では2018年や2024年に訪問した方もいらっしゃいます。
書ききれなかったアンケート回答は下記リンクに掲載しています。
https://piece-of-syria.org/news/piece/lets-go-to-syria.html
<「シリアをまた行きたい国にする」ための私たちの挑戦>
今回のアンケート調査を通じて、シリア駐在者や渡航経験者から、「また行きたい」「帰りたい!」という声が届きました。また、上記以外にも、戦争から復興後に日本からも訪れてほしい、多くの場所がシリアにはあります。例えば、ローマ円形劇場が有名な「ボスラ」、満開の花と円柱回廊が美しい「アパミア」、地中海に面して漁港の風景が特長の「ラタキア」、綿花畑と川沿いのオアシス、そしてメソポタミアの古代遺跡が残る「ラッカ」、巨大水車のまち「ハマー」などが挙げられました(参考)。
私たちPiece of Syriaが目指すのは、目の前の課題を解決することだけではありません。教育を通じて子ども達に希望を感じてもらうこと、そして、文化の保護・継承を通じた、平和な未来の国づくりの土台を築き、平和なシリアに皆で訪れる未来を現実にすることです。
その活動を作るために、私たちはクラウドファンディングを実施しており、そのリターンの1つとしてシリアのオンラインツアーをご準備しています。シリアへ物理的に訪れることが難しい今、自宅にいながらシリアの豊かな文化や観光地を体験できます。
「シリアをまた行きたい国にする」という私たちの思いが詰まったリターンであり、ツアーに参加することで、シリアの人たち自身が文化を守ることができる活動にもつながっていきます。
ぜひ下記のリンクから詳細をご確認ください。
https://readyfor.jp/projects/syria2024
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