- 2025-5-16
- 旅行 プレスニュース

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東京と大阪が夏の注目旅先ランキング1位・2位を獲得
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為替変動が旅行者にとって重要な検討材料に

本文書は、2025年5月15日にMastercardがシンガポールで発表したプレスリリースの日本語訳版となります。
Mastercard Economics Institute(Mastercard経済研究所)は、旅行経済における消費動向に関する最新レポート「Travel trends 2025」を発表しました。本レポートによると、世界で注目を集めている夏の旅行先トップ15のうち、8都市がアジア太平洋地域に位置していることが明らかになりました。為替レートや地政学的な状況が旅行行動に影響を及ぼす一方で、「Travel Trends 2025」では、情熱や目的意識に基づく動機が引き続き旅行業界を形作る主要な要素であることが示されています。Mastercardが保有する匿名化・集計済みの取引データに加え、外部のデータソースも活用した独自分析により、現在の消費者の旅行選択に影響を与えている要因が浮き彫りになっています。
アジア太平洋地域における動向は以下のとおりです:
■日本が旅行トレンドのトップに躍り出る、ベトナムのニャチャンも人気急上昇
2025年6月から9月の夏期旅行において、東京と大阪が世界の注目旅行先ランキングでそれぞれ1位と2位を獲得し、いずれも過去(*1)と比較して観光需要が最も大きく伸びた都市となりました。
2024年には、東京が前年の第2位から1位へと順位を上げ、夏のピークシーズンに向けて世界の旅行需要を牽引する都市としての地位を確立しました。この結果は、東京の根強い人気をあらためて示すものです。一方、ベトナムのニャチャンは、美しいビーチや魅力的な海岸線、活気あふれるナイトライフを背景に注目度が急上昇し、新たにランキングに登場しました。
■中国とインド:アジアの旅行大国として依然健在
中国本土は2024年も世界最大の海外旅行市場としての地位を維持しました。中国人旅行者は、引き続き「コストパフォーマンスの高い国」や「ビザ取得が容易な国」を重視する傾向が強まっており、日本、マレーシア、シンガポールなどが人気の渡航先となっています。また、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスなど中央アジアの国々にも関心が広がりつつあります。
インドは、2024年に過去最多となる海外旅行者数を記録しました。インド人観光客は、アブダビ、ハノイ、バリといった多様な旅行先を訪れており、直行便の増加や、海外旅行への意欲が高い急成長中の中間層の存在が、この傾向を後押ししています。中国とインドの両市場は、今後も世界の旅行需要の流れを大きく左右する存在であり続けています。
■旅程より体験を重視
アジア太平洋地域全体で、旅行者は従来の観光地巡りよりも、食、自然、ウェルネスといった“体験”を重視する傾向が強まっています。例として、名物料理バビ・グリン(豚の丸焼き)で知られているインドネシア・バリ島のギャニャールや、2024年に44か国からの観光客がレストランを訪れたニュージーランドのクイーンズタウンは、グローバルな美食の拠点として注目を集めています。
Mastercard Economics Instituteの「ウェルネストレンド指数(WTI)」(*2) によると、タイは自然とつながるエコロッジや、心を整える瞑想リトリートといったリラクゼーション体験やセルフケア分野において先進的な取り組みを進めている国のひとつです。また、ニュージーランドのWTIスコアも上昇しており、この人気トレンドへの積極的な取り組みが見て取れます。こうした“目的志向”の旅行トレンドは、心と身体の両面を満たす体験を求める人々の幅広いニーズを反映しています。
■スポーツファンの熱意が旅行需要を後押し
スポーツツーリズムの人気は高まる中、全豪オープンテニスやロサンゼルスで開催された野球のワールドシリーズのような大規模イベントは、海外からの多額の消費を生み出しています。大谷翔平選手のワールドシリーズ出場にあわせて、日本からの旅行者による支出が91%増加しました。これは、越境訪問者全体の支出増加率のおよそ6倍にあたり、スポーツイベントがファンにとって強力な旅行動機になっていることが改めて浮き彫りになっています。
Mastercard アジア太平洋地域チーフエコノミストのデビッド・マンは次のように述べています。
「アジア太平洋地域は、依然として世界の旅行市場をリードしており、東京、上海、ソウル、シンガポールといった活気あふれる都市が、世界中の旅行者の関心を集めています。不透明な経済環境が続く中にあっても、旅行は依然として明るい兆しを見せており、有意義で価値のある体験を重視する傾向が強まっています。為替動向や地域間のアクセスのしやすさといった要素も旅行先選びに影響を与えており、旅行者は“どこへ行くか、なぜ行くか”を、これまで以上に戦略的かつ目的意識を持って選択するようになっています。」
■アジア太平洋地域の旅行者は為替変動に対してより敏感
2024年を通じて円安が続いたことで、日本のインバウンド観光は大きく押し上げられ、コストパフォーマンスを重視する旅行者にとって魅力的な渡航先となりました。特に中国本土からの旅行者に関しては、人民元に対して円が1%下落すると、訪日観光客が約1.5%増加する傾向が見られました。一方で、同じ1%の円安がニュージーランドやアメリカからの旅行者数に与える影響は、およそ0.2%と限定的でした。2024年には、シンガポールドルが対円で約40%上昇したこともあり、シンガポールから日本への旅行者数は過去最高を記録しました。航空運賃や宿泊費が上昇する中でも、為替の影響が訪日需要を後押ししたことがうかがえます。
また、米国に関するMastercard Economics Instituteの分析では、インド、シンガポール、韓国、台湾からの旅行者は、他の要因を考慮しても為替変動に特に敏感であることが示されています。具体的には、米ドルがこれらの国や地域の通貨に対して1%下落すると、米国を訪れる旅行者数が約0.6~0.8%増加する傾向が見られました。こうした傾向は、日本への旅行に関する先行分析とも一致しており、これらの市場の旅行者が、海外渡航先を選ぶ際、為替レートの動向を重視していることを示しています。
■変化する出張のかたち
現在、企業は海外出張を控え、より近距離の地域内出張を優先する傾向にあります。また、出張回数自体は減少しているものの、1回あたりの滞在期間は長期化しており、出張予算をより有効に活用しようとする動きが見て取れます。たとえば、米国発のアジア太平洋地域への出張は、平均滞在日数が8.8日(*3)から10.2日(*4)へと延びています。
■旅行詐欺が突きつける、より安全でスマートなエコシステムの必要性
Mastercard Economics Instituteによると、人気観光地における詐欺被害はピークシーズンに最大28%も増加する傾向があります。典型的な手口としては、レストランやタクシーでの過剰請求、架空のツアー会社、偽の宿泊施設の掲載情報などが挙げられます。
こうしたリスクに対抗するため、Mastercardでは、デジタルウォレットやAIを活用したシステムなど、先進的な不正防止テクノロジーを導入し、旅行者の安全を守っています。これにより旅行者は、セキュリティ面での不安に煩わされることなく、安心して旅を楽しむことができます。
Mastercard アジア太平洋地域チーフエコノミストのデビッド・マンは次のように述べています。
「本レポートは、消費者行動がどのように進化しているか、そしてそれが観光業の成長にどのような意味を持つのかを明らかにすることを目的としています。Mastercard Economics Institute は、データを実行可能なインサイトへと変換することで、より強力な観光戦略、質の高い旅行体験、そしてより強靭な経済的成果につながる、より賢明な意思決定を支援していきます。」
インバウンド消費及びキャッシュレス決済の日本経済への貢献
Mastercard Economics Instituteでは2025年3月25日に「Did you know? Inbound tourism has contributed more than half of Japan’s economic growth」を発表しており、日本のインバウンド消費の成長に関する分析を公表しています。
GDP成長への貢献:日本のインバウンド観光は著しく成長しており、2024年には8.1兆円に達しました。この外国人観光客の支出の大幅な増加は、日本の経済成長の主要な原動力となっており、2023年には、インバウンド観光が日本の年間GDP成長率1.5%の半分を占めました。2024年には、年間GDP成長率に0.4ポイント寄与しており、これがなければGDP成長率はマイナスとなっていたでしょう。
マクロ経済への波及効果:我々の分析では、インバウンド消費が日本の経済に対して1.8倍の乗数効果を持つことが明らかになっています。これは、外国人観光客が100円を支出するごとに、追加で80円の経済活動が生み出されることを意味します。これは、観光セクターが上流のサプライヤーから商品やサービスを購入することで、追加の支出と経済的利益の波及効果が引き起こされるためです。
キャッシュレスの影響:日本の観光庁によると、日本でクレジットカードを使用して支払いを行った外国人観光客の割合は、2019年第3四半期の60.5%から2024年第3四半期には71.6%に増加しました。さらに、Mastercardのデータによると、2024年には日本での外国人観光客によるクレジットカード1枚あたりの支出が前年比で2.6%増加しており、キャッシュレス決済がこのマクロ経済的影響を促進する上で重要な役割を果たしていることが示されています。
*1 OAGフライト予約データ(2025年1月~3月の旅行予約を対象)
*2 WTI(ウェルネストレンド指数)は、ウェルネス関連の事業者における越境宿泊支出の割合に、各国の世界全体におけるウェルネス関連宿泊取引のシェアを掛け合わせて算出されます
*3 2019年2月~2020年2月
*4 2024年3月~2025年3月
「Travel Trends Report 2025」レポート全文はこちらからご覧いただけます。
「Did you know? Inbound tourism has contributed more than half of Japan’s economic growth」レポート全文はこちらからご覧いただけます。
Mastercard Economics Instituteのその他のレポートやインサイトはこちらからご覧いただけます。
Mastercard Economics Institute(Mastercard経済研究所)について
Mastercard Economics Instituteは、高度な分析技術とMastercardの独自データ資産を活用し、世界および地域の経済動向に関するインサイトを提供しています。2020年に設立され、企業、政府、政策立案者に対して、消費支出、小売・旅行トレンド、その他の地域・世界規模の経済指標に関するタイムリーな分析や経済モニタリングサービスを提供しています。Mastercard Economics Instituteは、ソート リーダーシップ シリーズや、Mastercardの専門的な製品群を通じて、意思決定を支援し、世界中で持続可能な経済成長を促進するための貴重な視点を提供しています。
Mastercard について (NYSE: MA)
Mastercardは、決済業界におけるグローバルなテクノロジー企業として、世界200以上の国と地域で経済の活性化と人々の生活の利便性向上に貢献しています。お客様と共に、誰もが繁栄できる回復力のある社会の実現を目指し、安全でシンプル、スマート、そして使いやすい多様なデジタル決済手段を提供しています。また、最先端のテクノロジーとイノベーション、パートナーシップとネットワークを活用して、人々、企業、そして政府が最大限の可能性を発揮できるよう支援するプロダクトとサービスをお届けします。
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