ネット検索すると「ブッキングドットコム 悪質」と表示される理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

皆さん、こんにちは。旅行系WEBメディア「HOTTEL」のトラベルライターTAKAです。今回は、世界最大級の宿泊予約サイト「Booking.com(ブッキングドットコム)」について、ネット上で「悪質」というキーワードと一緒に検索される理由について、できるだけ多くの評判を参考にして徹底調査し、わかりやすく簡単に解説します。

旅行初心者の方々にとって、オンライン旅行代理店(OTA)の選択は非常に重要な判断となります。特にブッキングドットコムのような世界規模のプラットフォームについては、良い評判と悪い評判の両方が存在するのが現実のようです。

結論:なぜ「悪質」と検索されるのか

まず結論から申し上げますと、ブッキングドットコムが「悪質」と検索される主な理由は、支払い遅延問題、フィッシング詐欺の標的、架空施設の掲載、キャンセルトラブルの4つの大きな要因があると言われています。

しかし、これらの問題は主にシステム的な課題や第三者による悪用が原因であり、ブッキングドットコム自体が意図的に悪質な行為を行っているわけではないというのが実情のようです。むしろ、世界最大級のOTAとして多くの利用者に愛用されている理由もあることを、公正な視点でお伝えしたいと思います。

ブッキングドットコムの基本情報

会社概要と歴史

ブッキングドットコムは1996年にオランダで創業されたオンライン旅行会社で、現在もアムステルダムに本社を構えています。創業者のヘールト=ヤン・ブラインスマ氏が大学卒業後に「Booking.nl」として設立し、ウェブ上で予約が完結するシステムを世界で初めて構築したパイオニア的存在と言われています。

事業規模と特徴

現在では世界70カ国に198の支社を持ち、43か国の言語に対応している国際的な巨大企業となっています。掲載施設数は2,800万件以上を誇り、そのうち660万件以上が宿泊施設として登録されているようです。日本だけでも3万6,249施設が登録されており、1日140万泊の予約を受けている規模の大きさが特徴です。

「悪質」と言われる具体的な理由と事例

1. 宿泊施設への支払い遅延問題

未払い問題の発端

2023年7月頃から、ブッキングドットコムから日本国内の宿泊施設への支払いが大幅に遅延する事態が発生したと報告されています。この問題は決済システムのメンテナンス作業が計画通り進まなかったことが原因とされており、多くの宿泊事業者が深刻な資金繰りの問題に直面することとなったようです。

集団訴訟に発展

支払い遅延の影響で、2023年10月20日には8都府県の11の法人や個人がオランダ本社と日本法人を相手取り、計約3,600万円の損害賠償を求める集団訴訟を東京地方裁判所に起こす事態に発展しました。原告側の弁護士によると、他にも億単位の被害相談があるとされ、「前代未聞の巨額不払い」と表現されるほどの深刻な問題となったようです。

宿泊事業者への深刻な影響

一部の宿泊施設では3か月分の入金がなく、遅延額が数千万円に上るケースもあったと報告されています。従業員への給与支払いや社会保険料の納付に支障をきたし、資金確保のために宿泊施設自体を売却せざるを得なかった経営者もいたようです。

2. フィッシング詐欺の標的となりやすい問題

詐欺手口の巧妙化

ブッキングドットコムは世界で最も訪問者数の多い旅行・観光ウェブサイトであるため、サイバー犯罪者の格好の標的となっているようです。過去18ヶ月で旅行関連の詐欺が「500〜900%増加」したと同社自身が報告しており、これは主にサイバー犯罪者がChatGPTなどのAIツールを悪用していることが原因だと指摘されています。

具体的な詐欺事例

2024年4月の報道によると、国内118の宿泊施設がフィッシング詐欺の被害を受けたことが明らかになっています。手口としては、まず宿泊施設に旅行者を装った偽のメールが送信され、アレルギー情報や身分証明書の紛失といった親切心を装った内容でマルウェアに感染させる方法が使われているようです。

感染後は、攻撃者が宿泊施設のブッキングドットコムアカウントを乗っ取り、正規のシステムを通じて予約客に「事前決済しなければ予約がキャンセルになる」といった虚偽のメールを送信し、偽サイトでクレジットカード情報を盗む手法が確認されているとのことです。

3. 架空の宿泊施設掲載問題

千葉県での実例

2023年夏には、19歳の男性がブッキングドットコムで予約したホテルが実際には存在せず、到着してみると廃屋だったという事例が報告されています。サイト上では新しくオープンしたホテルとして、バーベキュー設備やテラス、露天風呂などの魅力的な施設が宣伝されていましたが、実際の住所には雑草が生い茂った空き家があっただけだったようです。

画像盗用の実態

この架空ホテルの写真は、実際に存在する貸別荘の写真が盗用されたものであることが判明しました。正規の施設所有者は「どれだけの顧客が架空の予約をしてしまったか全くわからない状況」と述べており、風評被害による正規予約への影響も懸念されているようです。

4. キャンセルとサポート対応の問題

キャンセルポリシーの複雑さ

ブッキングドットコムには「無料キャンセル」「一部返金」「キャンセル不可」の3つのキャンセルプランが存在しますが、利用者がこれらの違いを十分理解せずに予約してトラブルになるケースが多いと言われています。特に返金不可のプランを予約した場合、予約直後や宿泊日まで日にちがある場合でも無料キャンセルができないため、「やばい状況」に陥ってしまう利用者もいるようです。

返金遅延の問題

2023年以降、システムメンテナンス作業の影響で返金処理にも遅延が発生していると報告されています。通常1〜2週間程度とされている返金期間が大幅に延長され、利用者から不満の声が上がっているようです。

カスタマーサポートの課題

日本法人は「オランダ本社をサポートする存在であって、決済運営や管理には関与していない」という立場を取っており、問題が発生した際に迅速な対応が困難な構造になっていると指摘されています。利用者からは「問い合わせメールには自動返信のみ」「電話はつながらない」といった不満の声も聞かれるようです。

ブッキングドットコムの良い点・メリット

一方で、ブッキングドットコムには多くの利点があることも事実です。公正な観点から、そのメリットについても詳しく解説いたします。

世界最大級の掲載施設数という利点

ブッキングドットコムの最大のメリットは、なんといっても世界最大級の宿泊施設掲載数です。2,800万件以上という圧倒的な選択肢の豊富さにより、他のサイトでは見つからないような特徴的な宿泊施設も発見できる可能性が高いようです。

特に海外旅行においては、日本の予約サイトと比べて掲載数が圧倒的に多く、観光都市から地方の宿泊施設まで広範囲をカバーしているため、旅行者のニーズに応えやすいという大きな利点があります。

豊富なキャンセルオプションというおすすめポイント

ブッキングドットコムは「キャンセル無料」を看板にしたビジネスモデルを確立しており、直前まで無料でキャンセルできるプランが多いことが特徴です。これは仮予約をしたい旅行者にとっては非常に使いやすいシステムと言えるでしょう。

基本的には24時間前までキャンセル料を無料としているホテルが多く、旅行計画の変更にも柔軟に対応できるという利点があります。

Genius会員制度の充実したメリット

無料で登録できるGenius会員制度は、ブッキングドットコムの大きな魅力の一つです。会員になると最大20%オフの割引を受けられるほか、無料朝食や部屋のアップグレードなどの特典も付いてくるようです。

特に注目すべき点は、一度上がったレベルが下がることがないため、長期的にお得に利用し続けることができるという利点があります。

多言語対応とカスタマーサービス

43か国の言語に対応し、24時間・年中無休のカスタマーサービスを提供している点も大きなメリットです。特に海外旅行の際には、現地の言語でサポートを受けられることで安心感が得られるという利点があります。

豊富なセールとキャンペーン

年間を通して様々なセールやキャンペーンを開催しており、オフシーズンには最大50%オフの割引が可能となることもあるのは大きな魅力です。タイムセールや期間限定割引など、タイミング次第では非常にお得に予約できる機会が多いというおすすめポイントがあります。

悪い点・デメリットと注意すべき点

料金表示の分かりにくさというデメリット

民泊やアパートメントに宿泊する場合、宿泊料金とは別に「清掃費」が加算されていることがあり、最終的な支払い金額が予想より高くなってしまうケースがあるようです。これは利用者にとって大きなデメリットとなる可能性があります。

システムトラブルのリスクという欠点

決済システムのメンテナンス作業などでトラブルが発生した場合、支払いや返金に大幅な遅延が生じるリスクがあるという欠点があります。特に海外送金の複雑なシステムにより、問題の解決に時間がかかる傾向があるようです。

セキュリティリスクのデメリット

世界最大級のプラットフォームであることが、逆にサイバー犯罪者の標的になりやすいというデメリットもあります。フィッシング詐欺や不正アクセスのリスクに常にさらされているため、利用者は十分な注意が必要です。

サポート体制の限界という欠点

日本法人の機能が限定的であるため、複雑な問題が発生した際に迅速な解決が困難な場合があるという欠点があります。特に緊急時のサポート対応には課題があると言われています。

おすすめしたい方・おすすめできない方

ブッキングドットコムをおすすめしたい方

  1. 海外旅行を頻繁にする方:世界最大級の掲載施設数と多言語対応により、海外での宿泊先選びが非常に便利です。
  2. 柔軟な旅行計画を立てたい方:豊富なキャンセル無料プランにより、計画変更に対応しやすいという利点があります。
  3. お得に旅行したい方:Genius会員制度や頻繁なセールにより、宿泊費を抑えることができる可能性が高いです。
  4. 多様な宿泊体験を求める方:ホテルから民泊まで幅広い選択肢があり、ユニークな宿泊体験を見つけやすいというメリットがあります。

ブッキングドットコムをおすすめしない方

  1. セキュリティを最重視する方:フィッシング詐欺のリスクが高く、十分な注意が必要なため、セキュリティを最優先に考える方にはおすすめしません。
  2. 迅速なサポートを求める方:複雑な問題が発生した際のサポート対応に時間がかかる場合があるため、即座の問題解決を求める方には適さない可能性があります。
  3. 料金体系の透明性を重視する方:追加料金や複雑な料金表示により、最終的な支払い金額が分かりにくい場合があるというデメリットがあります。
  4. 小規模宿泊施設の安定性を重視する方:支払い遅延問題により、小規模な宿泊施設では予約の安定性に不安がある場合があります。

安全に利用するための対策と注意点

フィッシング詐欺対策

ブッキングドットコムを安全に利用するためには、フィッシング詐欺への対策が重要です。緊急性を掻き立てる表現、誤字・脱字、事前連絡なしの緊急リクエスト、誤った送信者メールアドレス、不自然なリンクなどの特徴に注意する必要があります。

予約前の確認事項

予約前には必ずキャンセルポリシーを詳細に確認し、追加料金(清掃費など)の有無をチェックすることが重要です。また、宿泊施設の評判や最新のレビューも十分に確認することをおすすめします。

緊急時の対応準備

万が一トラブルが発生した場合に備えて、予約確認書や関連書類のスクリーンショットを保存しておくことが大切です。また、宿泊施設の直接連絡先も控えておくと安心です。

業界専門家としての総合評価

ブッキングドットコムの位置づけ

旅行業界の専門家として客観的に評価すると、ブッキングドットコムは確かに一部の問題を抱えているものの、世界最大級のOTAとしての地位を確立している理由があることは間違いありません。1996年の創業以来、継続的にサービスを改善し、旅行者のニーズに応えてきた実績があります。

問題の本質的な原因

「悪質」と検索される問題の多くは、巨大なプラットフォームであることの副作用や、第三者による悪用が原因であり、同社が意図的に悪質な行為を行っているわけではないと考えられます。むしろ、規模の大きさゆえに生じる課題と捉える方が適切でしょう。

今後の展望と改善の兆し

支払い遅延問題については、集団訴訟の効果もあり改善の兆しが見られているようです。また、フィッシング詐欺対策についても、同社は積極的に注意喚起を行っており、セキュリティ強化に取り組んでいる姿勢が見られます。

まとめ:賢い利用方法とは

ブッキングドットコムが「悪質」と検索される理由について詳しく調査した結果、確かに注意すべき点は存在するものの、適切な知識と対策があれば安全に利用できるサービスであることが分かりました。

良い点を活かした賢い利用方法として、以下のポイントをおすすめします。

  1. 豊富な選択肢を活用:世界最大級の掲載施設数という利点を活かし、他では見つからない理想的な宿泊先を探す
  2. Genius会員制度の活用:無料の会員制度を利用して最大20%の割引メリットを享受する
  3. キャンセル無料プランの選択:柔軟な旅行計画のために、可能な限りキャンセル無料プランを選択する
  4. セキュリティ対策の徹底:フィッシング詐欺に注意し、怪しいメールには決して応じない

最終的な判断として、ブッキングドットコムは確かに一部の課題を抱えているものの、世界中の多くの旅行者に愛用され続けている理由があることは事実です。適切な知識と注意を持って利用すれば、その豊富な選択肢と利便性を十分に享受できる優れたOTAと評価できるでしょう。

旅行は人生を豊かにする素晴らしい体験です。ブッキングドットコムをはじめとする各種OTAの特徴を理解し、自分の旅行スタイルに最適なサービスを選択することで、より安全で楽しい旅行を実現していただければと思います。

今回の調査が、皆様の安全で快適な旅行計画のお役に立てば幸いです。次回も旅行に関する有益な情報をお届けしてまいりますので、どうぞお楽しみに。