甲府記念日ホテルは”最悪”とネットで頻繁に検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

結論:期待値とのギャップが主要因として浮上

ネット上で「甲府記念日ホテル 最悪」というキーワードが表示される現象について、深刻な調査を行いました結果、この検索キーワードが生まれる背景には複合的な要因があることが判明しました。本記事では、多角的な視点から甲府記念日ホテルの現状を分析し、真相に迫ります。

甲府記念日ホテルの基本情報と歴史的変遷

甲府記念日ホテルは、山梨県甲府市の湯村温泉に位置する15階建て、高さ60メートルの高層シティリゾートホテルです。1989年10月に開業し、山梨県内でホテルとしては最高層を誇る施設として知られています。

この施設の歴史を振り返ると、もともとは1937年に「昇仙峡ホテル」として開業し、1942年に「昇仙閣」と改名された由緒ある建物でした。現在のホテルは国際興業グループが所有し、富士屋ホテルチェーンが運営する「甲府富士屋ホテル」として長年営業していましたが、2018年7月に愛知県の海栄RYOKANSグループが取得し、2019年4月10日に「甲府記念日ホテル」としてリブランドオープンしたのです。

「最悪」と評価される具体的な悪い点とその背景

フロント接客サービスの品質問題

最も深刻なデメリットとして指摘されているのが、フロントスタッフの接客対応です。特に2023年末に投稿された宿泊者の体験談によると、「決して泊まらないことを勧めます」との強烈な批判が寄せられています。

具体的には、客室の個別空調が使用できず極度に寒い状況が発生したにも関わらず、フロントに連絡しても適切な対応がなされなかったとの報告があります。また、予約時に禁煙ルームを指定したにも関わらず喫煙ルームが用意され、ホテル側が非を認めないといった基本的なサービス品質に関わる問題も報告されています。

別の宿泊者からは「スタッフの方はよくも悪くも機械的な感じでした」との評価もあり、接客サービスの温度感に課題があることが窺えます。

清掃・メンテナンス不足の深刻な問題

宿泊施設として致命的な欠点となっているのが、清掃とメンテナンスの不備です。2025年5月の宿泊者からは「洗面台の中に髪の毛が1本」「インターホンの上側に埃がびっしり」といった清掃不備が報告されています。

さらに深刻なのは、リネン類の衛生管理です。複数の宿泊者から、シーツや枕カバーに前回の宿泊者からと思われる汚れ(米粒の付着や黒い染み)があったとの報告があり、これは宿泊施設として決して看過できない問題といえるでしょう。

客室設備面でも、壁紙のひび割れ、ズボンプレッサーなどの備品の老朽化、浴室の壁のひび割れなど、1989年開業から35年が経過した建物の経年劣化が顕著に現れています。

料金体系とコストパフォーマンスの課題

おすすめしない理由の一つとして、料金設定とサービス内容のバランスに対する不満が挙げられています。特にレストランの営業体制が複雑で、4つあるレストランのうち1つしか営業していないことが多く、しかも2日前までの事前予約が必要という制約があります。

朝食についても前日18時までの予約が必要で、料金は税込3,630円と高額に設定されているため、利便性とコストパフォーマンスの両面で疑問視する声が上がっています。

温泉施設の運営上の問題

湯村温泉の名湯を楽しみに来る宿泊者にとって特に失望を与えているのが、大浴場の運営体制です。新型コロナウイルス対策として大部分のロッカーが封鎖され、10個程度しか使用できないにも関わらず、入浴者数の制限は行われていないため、多くの宿泊者が困惑するという状況が続いています。

また、大浴場の清掃が不十分で、床にヌルヌルした箇所が散見されたり、基本的なアメニティ(綿棒、ひげ剃り、ヘアトニックなど)が不足しているといった問題も指摘されています。

甲府記念日ホテルの魅力的な良い点メリット

一方で、甲府記念日ホテルには多くの利点があることも事実です。公平な視点から、その優れた側面についても詳しく解説いたします。

絶景の眺望と立地の素晴らしさ

最も高く評価されているおすすめポイントは、その立地と眺望の素晴らしさです。山梨県内最高層のホテルという特性を活かし、高層階の客室からは富士山と甲府盆地の絶景を一望できます。

特に南側の客室からは富士山の美しい姿を楽しめ、「高層階から見える夕陽は格別でした」との感動的な評価も寄せられています。14階のレストランからも同様に素晴らしい景色が楽しめるため、景観を重視する宿泊者には大変魅力的な特徴といえるでしょう。

湯村温泉の優れた泉質と効能

甲府記念日ホテルが誇るメリットの一つが、1200年の歴史を持つ湯村温泉の恵みです。弘法大師によって発見され、武田信玄公が愛用したとされる由緒ある温泉は、弱アルカリ性低張性の優秀な泉質を持っています。

神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、慢性皮膚病など多岐にわたる効能があり、「お風呂は良かったです」との評価も多く寄せられています。温泉好きにとっては非常に魅力的な利点といえるでしょう。

多彩な客室と充実した施設

103室を有する甲府記念日ホテルでは、和室、洋室、和洋室など多彩な客室タイプを提供しています。スタンダードタイプでも洋室40平米、和室10畳と十分な広さを確保しており、「お部屋も広くてキレイでくつろげました」との評価も得ています。

また、1,500平米の本格的なコンベンションホール「昇仙閣」をはじめ、最大1,000名を収容できる宴会場から6名様向けの小宴会場まで様々な会場を備えており、ビジネス利用から記念日利用まで幅広いニーズに対応できる充実した施設がメリットとして挙げられます。

レストランの料理品質

料理面では高い評価を得ており、特に朝食は4.3点という高いスコアを獲得しています。ライブキッチンでの「ふわっとろっオムレツ」が人気で、「朝の茶碗蒸しとオムハヤシが美味しかったです」との具体的な評価も寄せられています。

鉄板焼レストラン「KEYAKI」では、黒毛和牛と山梨県産甲州ワインを組み合わせた上質な食体験を提供しており、「甲州牛の食べ比べでシャンパン、ワインとお酒もすすみました」との満足度の高いコメントも見られます。

リブランド前後の変化が与えた影響

甲府富士屋ホテル時代との比較

2019年4月のリブランド前の「甲府富士屋ホテル」時代を知る宿泊者からは、サービス品質の変化に対する指摘があります。「全盛期の冨士屋ホテルを知っているだけに、残念な気持ちでいっぱいになった」との評価があり、従来の富士屋ホテルブランドが持っていた格式やサービス水準との比較で失望を感じる宿泊者が存在することが分かります。

海栄RYOKANSグループの運営方針

海栄RYOKANSグループは「記念日の宿®」をコンセプトに19の宿を展開する旅館グループです。甲府記念日ホテルも「記念日にご利用いただけるホテル」として、お客様の特別な日を歓びと感動で包むことを目指しています。

しかし、リブランド後の運営体制の変化により、従業員約半数が引き継がれた一方で、サービス品質の維持に課題が生じている可能性があります。

新型コロナウイルスの影響と営業体制の変化

休業と営業縮小の長期化

2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、甲府記念日ホテルは長期間にわたって営業体制の変更を余儀なくされました。2023年時点でも「館内にはいくつもの飲食店があるが鉄板焼き以外は未だ休業中である」との状況が報告されており、サービス提供体制の正常化に時間を要していることが分かります。

清掃・設備メンテナンスへの影響

長期間の営業縮小により、清掃やメンテナンスの頻度や質にも影響が出ている可能性があります。「やまなしグリーン・ゾーン認証ホテル」として認証を受けているものの、実際の清掃品質に関する苦情が相次いでいることから、理想と現実にギャップが生じていることが窺えます。

地域の観光業界における位置づけと競合状況

湯村温泉地域での競争環境

湯村温泉は武田信玄の隠し湯として知られる歴史ある温泉地ですが、近年は他の温泉地との競争が激化しています。甲府記念日ホテルは県内最高層という特徴を持つものの、サービス品質での差別化に課題を抱えていることが明らかになっています。

山梨県観光業界での役割

山梨県の県都甲府を代表するホテルとして、甲府記念日ホテルは重要な役割を担っています。しかし、現在の評判状況は県全体の観光イメージにも影響を与える可能性があり、早急な改善が求められる状況といえるでしょう。

おすすめしたい方おすすめできない方の明確な分類

おすすめしたい方

眺望を最重視される方には強くおすすめできます。富士山と甲府盆地の絶景は他では得難い体験であり、景色を楽しみながらの滞在を希望される方には大きな満足をもたらすでしょう。

また、湯村温泉の歴史と泉質を重視される温泉愛好家の方にも利点があります。1200年の歴史を持つ名湯の効能は確かなものがあり、温泉そのものの質に関しては高い評価を得ています。

大型の宴会やイベント、結婚式を予定されている方にとっても、1,000名収容可能な宴会場やチャペル施設は魅力的なメリットとなるでしょう。

おすすめできない方

清潔感と細やかなサービスを重視される方には現時点ではおすすめしないのが正直な評価です。清掃不備やメンテナンス不足の問題は深刻で、快適な滞在を阻害する要因となる可能性が高いといえます。

また、高額な料金に見合った高品質なサービスを期待される方にもデメリットが大きいでしょう。現在の料金設定とサービス品質のバランスには改善の余地があります。

レストランでの食事を重視される方にとっても、営業体制の不安定さは欠点となります。事前予約制や休業の多さは、自由な旅行スタイルを阻害する要因となる可能性があります。

トラベルライターTAKAとしての独自考察と今後の展望

旅行業界で長年活動してきた経験から申し上げると、甲府記念日ホテルが直面している課題は、単純な設備やサービスの問題を超えた、より深層的な構造的課題を抱えているように思われます。

ブランド転換期における混乱の長期化

2019年のリブランドから既に6年が経過しているにも関わらず、未だに安定したサービス提供体制を確立できていないことは、経営戦略の見直しが必要な段階に来ていることを示しています。海栄RYOKANSグループの「記念日の宿」コンセプトは素晴らしいものですが、それを具現化するための人材育成とシステム構築に更なる時間と投資が必要のようです。

コロナ後の観光業界復活への対応遅れ

観光業界全体がアフターコロナの需要回復に向けて動き出している中で、甲府記念日ホテルの対応は他の同格ホテルと比較して遅れている印象があります。特に、レストラン営業の正常化や清掃品質の向上は、早急に対処すべき課題といえるでしょう。

山梨県観光の顔としての責任

山梨県内最高層という象徴的な存在であるからこそ、その評判は県全体の観光イメージに直結します。現在のネガティブな評判が拡散し続けることは、湯村温泉地域はもちろん、山梨県全体の観光業にとってもマイナス要因となりかねません。

改善への道筋と可能性

一方で、甲府記念日ホテルには確実に改善の兆しも見えています。最近の口コミでは「フロントの接客をすべてのお客様に気持ちよくご利用していただけるよう これからも日々努力していきたい」との前向きな返信も見られ、問題認識と改善意欲があることが窺えます。

立地条件や温泉の質、建物の規模など、ハード面での優位性は確実に存在しています。これらのメリットを活かしつつ、ソフト面での品質向上を図ることができれば、再び山梨県を代表する魅力的なホテルとして復活する可能性は十分にあると考えています。

宿泊者への提言

現在甲府記念日ホテルをご検討の方には、上記の状況を十分にご理解いただいた上で、ご自身の旅行の目的と優先順位に基づいて判断されることをお勧めいたします。眺望や温泉を最重視され、多少のサービス面での課題は許容できるという方には、依然として価値のある宿泊体験を提供できる可能性があります。

しかし、完璧なサービスと清潔感を求められる方は、現時点では他の選択肢を検討されることが賢明かもしれません。

甲府記念日ホテルには、その名前が示す通り、お客様にとって本当に「記念日」となるような特別な体験を提供できる施設として、一日も早く輝きを取り戻していただきたいと心から願っております。