Klook (クルック) について「どこの国の会社」とネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめ、わかりやすく解説します。
今回は、Google検索で「Klook」と入力すると「Klook (クルック) どこの国の会社」というサジェストが表示される理由について、徹底的にリサーチを行いました。近年、多くの日本人旅行者が利用するようになったKlookですが、その運営会社の国籍や背景について疑問を持つ方が増えているようです。この記事では、なぜこのような検索が多くなっているのか、そしてKlookという会社の実態について詳しく解説していきます。
結論:Klookは香港発のユニコーン企業
まず結論から申し上げますと、Klook(クルック)は香港に本社を置く企業が運営しているサービスです。正式な運営会社名は「Klook Travel Technology Limited」で、香港の中環(セントラル)地区にあるKinwick Centreというビルに本社を構えているようです。
2014年9月に創業された比較的新しい企業ですが、現在では世界1000以上の都市、180か国以上でサービスを展開する巨大なオンライン・トラベル・エージェンシー(OTA)に成長しているとされています。日本においても2017年9月に日本法人「Klook Travel Technology 合同会社」を設立し、東京都渋谷区の渋谷スクランブルスクエア内で事業を行っているようです。
なぜ「どこの国の会社」という検索が多くなっているかといえば、日本でのサービス提供が本格化し利用者が急増する中で、馴染みのない会社名や安すぎる価格設定に対する不安から、その信頼性や背景を調べたいと考える利用者が増えているためと推測されます。
Klookが注目される理由と会社の成長過程
急速な成長を遂げたアジア発スタートアップ
Klookは香港や台湾出身の若い起業家たちによって設立されたスタートアップ企業で、「Keep Looking(探し続ける)」というコンセプトから社名が付けられたと言われています。創業当初はアジア地域の旅行者向けのサービスからスタートしましたが、その後の成長スピードは目覚ましく、2015年にはアメリカの著名なテックメディア「TechCrunch」のピッチコンテスト(WIT Japan)で優勝するなど、早期から国際的な注目を集めていたようです。
特筆すべきは、世界的な大手投資家からの資金調達実績です。テンセント(Tencent)やゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)といった著名な投資会社から出資を受けており、2019年にはソフトバンク・ビジョン・ファンド(SoftBank Vision Fund)を中心とした約300億円規模の大型資金調達を実施したとされています。この規模の投資は、ソフトバンクなどの世界的企業がKlookの将来性と事業モデルを高く評価していることを示しており、いわゆる「ユニコーン企業」(企業価値10億ドル以上の未上場企業)としての地位を確立していると考えられます。
日本市場への本格参入と戦略
日本市場に対するKlookのアプローチも非常に戦略的で、2017年の日本法人設立後、まずは訪日外国人観光客向けのインバウンド事業から開始したようです。JTB、小田急電鉄、JR西日本、JR九州といった日本の大手旅行・交通事業者との提携を積極的に進め、180か国以上に広がるKlookユーザーに日本の魅力をアピールする戦略を取ったとされています。
その後2019年4月には日本語版サービスをリリースし、日本人向けの海外旅行商品提供を開始。2020年6月には国内の旅行・レジャー商品も取り扱うようになり、インバウンド・アウトバウンド双方で培ったノウハウとテクノロジーを活用して日本人の国内旅行市場にも参入しているようです。
この段階的な市場参入戦略により、現在では日本人旅行者にとっても身近な存在となっているものの、その急速な普及と馴染みのない香港発という背景が、利用者の疑問や不安につながっているのではないでしょうか。
テクノロジー企業としての評価
Klookがただの旅行予約サイトではなく、テクノロジー企業として高い評価を受けている点も注目すべきポイントです。2015年と2018年にはKlookのモバイルアプリが「Google Playベストアプリ」および「Apple App Storeベストアプリ」に選出されており、技術面でのクオリティの高さが認められているようです。
現在では14言語と41種類の表示通貨に対応し、24時間体制の多言語カスタマーサポートチームを設置するなど、グローバル企業としてのインフラを整備していると言われています。このような技術力とサービス品質が、世界49万点以上の旅行・レジャー商品を取り扱う大規模なプラットフォームの運営を可能にしているものと考えられます。
Klookの良い点とメリット
圧倒的な価格競争力
Klookの最大のメリットは、何と言ってもその価格の安さです。多くの口コミで「クーポンやセールでお得になる」「交通チケットがお得すぎる」といった声が挙がっており、特にアジア圏の旅行商品については他のOTAサイトと比較して大幅に安い価格設定となっている場合が多いようです。
この価格優位性の背景には、アジア発の企業として現地事業者との直接的なパートナーシップを構築しやすい立場にあることや、中間マージンを省いた効率的なビジネスモデルを採用していることがあると推測されます。特に香港、台湾、シンガポール、タイ、韓国などのアジア主要都市では、現地の交通機関や観光施設と密接な提携関係を築いており、これが競合他社では提供できない価格を実現している要因と考えられます。
eSIMサービスの高い評価
近年特に注目を集めているのが、Klookが提供するeSIMサービスです。多くの利用者から「eSIMの種類が豊富で安い」「電波がいい」「設定が簡単で現地到着後すぐにネット接続ができる」といったおすすめの声が多数寄せられているようです。
従来の海外旅行では、現地でSIMカードを購入したり、レンタルWi-Fiを借りたりする必要がありましたが、KlookのeSIMサービスを利用することで、これらの手間を省きながらも通信費を大幅に削減できるという利点があると言われています。特に短期間の海外旅行では、コストパフォーマンスの高さが際立っているようです。
豊富な商品ラインナップと利便性
Klookでは49万点以上の旅行・レジャー商品を取り扱っており、観光施設のチケットから現地ツアー、交通機関の乗車券、宿泊施設まで、旅行に関するあらゆる要素をワンストップで予約できるという利便性があります。
特にアジア圏の人気観光地では、現地で長時間並ぶ必要がなく、事前にオンラインで予約・決済を完了できるため、限られた旅行時間を有効活用できるという良い点が挙げられます。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や海外のディズニーランドなど、人気テーマパークのチケットも事前購入でき、当日の入園がスムーズになるとの評判もあるようです。
口コミシステムによる安心感
Klookでは、一つ一つの商品に対して実際の利用者が口コミやレビューを投稿できるシステムを採用しており、これが利用者の安心感につながっているようです。他の利用者の体験談や評価を事前に確認できるため、初めて利用する商品やサービスでもある程度の品質を予測できるというメリットがあると考えられます。
また、YouTuberやインスタグラマーによる紹介も増えており、実際の使用感や体験内容を動画で確認できる機会も多くなっているため、より具体的なイメージを持って予約できるという利点もあるようです。
Klookの悪い点とデメリット
カスタマーサポートの課題
Klookを利用する上での主なデメリットとして、カスタマーサポートに関する課題が複数の口コミで指摘されています。「問い合わせに繋がりづらいときがある」「返金対応が遅すぎる」といった声が多く、何かトラブルが発生した際の対応に不安を感じる利用者が一定数存在するようです。
これは、Klookが急速にグローバル展開を進める中で、各国のカスタマーサポート体制の構築が追いついていない可能性があると推測されます。特に日本語での対応については、現地商品に関する詳細な説明や緊急時の対応で、まだ改善の余地があると考えられます。
キャンセル・返金ポリシーの厳格さ
多くの口コミで指摘されている欠点の一つが、「基本的にキャンセルできない」「返金されない」といったキャンセル・返金ポリシーの厳格さです。特に格安で提供されている商品の多くは「キャンセル不可・返金不可」の条件となっており、予約後の変更が困難な場合が多いようです。
これは、Klookが現地事業者との間で厳格な契約条件を設定することで低価格を実現している反面、利用者にとっては柔軟性を欠くというデメリットになっていると考えられます。旅行計画が変更になりやすい個人旅行者にとっては、この点が大きなリスクとなる可能性があります。
日本国内商品の限定性
2020年から国内旅行商品の取り扱いを開始したものの、まだ「日本のサービスが少ない」という悪い点が指摘されています。海外商品、特にアジア圏の商品については豊富なラインナップを誇るKlookですが、日本国内の旅行・レジャー商品については他の国内OTAサイトと比較してまだまだ発展途上の段階にあると考えられます。
また、「AI翻訳でやや見づらいときも」という口コミもあり、海外の商品情報を日本語に翻訳する際の精度や自然さについても改善の余地があるようです。これは、グローバル企業特有の課題として、各国の文化や言語的なニュアンスを完全に理解した情報提供が難しい面があることを示していると思われます。
ホテル予約サービスの競争力不足
Klookはアクティビティや交通チケットでは高い評価を得ている一方で、「ホテルの予約は使わない方がいい」「ホテルの料金はそれほどお得ではない」といったおすすめしない分野も存在するようです。
これは、ホテル予約分野では既にExpedia、Booking.com、Agodaといった専門性の高い競合サイトが確立されており、Klookの強みであるアクティビティとの相乗効果が十分に発揮されていないことが原因と推測されます。そのため、ホテル予約については他の専門サイトを利用した方が良いというのが現状の評価のようです。
おすすめしたい方とおすすめできない方
Klookをおすすめしたい方
Klookのサービスは、特に以下のような方には強くおすすめできると考えられます。
アジア旅行を頻繁にする方: 韓国、台湾、香港、シンガポール、タイなどアジア主要都市への旅行を予定している方にとって、Klookは他のサイトでは見つからない格安商品や現地でしか体験できない特別なアクティビティを提供している可能性が高く、大きなメリットがあると思われます。
短期間の海外旅行者: 特にeSIMサービスを活用したい3~7日程度の短期海外旅行者にとっては、通信費の大幅な削減と設定の簡便さから、非常に有用なサービスになると考えられます。
事前計画をしっかり立てる旅行者: キャンセル・返金が困難という制約がある反面、事前にしっかりと旅行計画を立て、変更の可能性が低い方にとっては、その制約よりも価格面でのメリットの方が大きいと思われます。
テーマパークや観光施設を効率的に回りたい方: USJや海外ディズニーランドなど、人気の高い観光施設を訪問予定の方にとっては、事前チケット購入による時間短縮効果は非常に大きな利点となるでしょう。
Klookをおすすめできない方
一方で、以下のような方にはKlookの利用をおすすめしない場合があります。
旅行計画を頻繁に変更する方: キャンセル・返金ポリシーが厳格であるため、旅行日程や内容を柔軟に変更したい方には向いていないと考えられます。特に、天候や体調によって予定を変更する可能性が高い方は注意が必要でしょう。
日本国内旅行がメインの方: 現時点では日本国内の商品ラインナップがまだ限定的であるため、主に国内旅行を楽しみたい方にとっては他の国内専門サイトの方が適している可能性があります。
トラブル時の手厚いサポートを重視する方: カスタマーサポートの対応に課題があるという口コミが多いため、何かトラブルが発生した際に迅速で丁寧な対応を期待する方にはおすすめできないかもしれません。
ホテル予約をメインに考えている方: ホテル予約については他の専門サイトの方が価格や条件面で優位性があるとされているため、宿泊施設の予約が旅行の主目的である方は他のサービスを検討した方が良いでしょう。
独自の考察:Klookが日本で注目される背景と今後の展望
トラベルライターとして数多くの旅行関連サービスを見てきた経験から、Klookというサービスが日本で急速に認知度を上げている背景には、いくつかの重要な要因があると分析しています。
アジア経済圏の台頭と旅行パターンの変化
まず注目すべきは、アジア経済圏全体の成長とそれに伴う旅行パターンの変化です。従来、国際的な旅行予約サイトといえばアメリカやヨーロッパ発のサービスが主流でしたが、近年はアジア内での旅行需要が急激に拡大しており、アジア発のサービスが現地のニーズをより的確に捉えられるようになっています。
Klookが香港発の企業であることは、この文脈において非常に重要な意味を持っていると考えられます。香港は歴史的に東西の文化とビジネスが交わるハブとしての役割を果たしており、アジア各国の事情を理解しながらも国際的な視点を持った企業文化を持っています。これが、アジア圏での現地パートナーシップ構築と、グローバル市場での競争力の両方を実現している要因の一つではないでしょうか。
デジタルネイティブ世代の旅行スタイル
「どこの国の会社」という検索が増えている背景には、デジタルネイティブ世代の旅行者が増加していることも関係していると思われます。この世代は、単に安い価格を求めるだけでなく、サービス提供会社の背景や信頼性を自分で調べる習慣を持っています。
特に、コロナ禍を経て海外旅行が再開される中で、従来使っていた旅行代理店やサイトではなく、新しい選択肢を探している旅行者が多く、その過程でKlookというサービスに出会い、その運営会社について詳しく知りたいと考えるのは自然な流れだと考えられます。
テクノロジー活用による旅行体験の変化
Klookが提供するeSIMサービスの高い評価は、単なる通信サービスとしての価値を超えて、旅行体験そのものを変化させている可能性があります。従来の海外旅行では、現地でのインターネット接続は「あれば便利」程度の位置づけでしたが、現在ではSNSでのリアルタイム共有、地図アプリでの現在地確認、翻訳アプリでのコミュニケーションなど、旅行の質を大きく左右する必須要素となっています。
Klookがこの分野で高い評価を得ていることは、同社が単なる予約サイトではなく、総合的な旅行支援プラットフォームとしての地位を確立しつつあることを示していると思われます。
課題と今後の改善ポイント
一方で、カスタマーサポートやキャンセル・返金対応に関する課題は、Klookが今後さらなる成長を遂げるために避けて通れない改善ポイントだと考えています。特に日本市場においては、細やかなサービスや迅速なトラブル対応に対する期待値が非常に高く、この点での改善なくして長期的な成功は難しいでしょう。
ただし、これらの課題は決して致命的なものではなく、適切な投資と改善努力により解決可能な問題だと思われます。ソフトバンク・ビジョン・ファンドからの大規模出資を受けている同社であれば、必要なリソースを確保してこれらの課題に取り組むことは十分に可能でしょう。
日本市場での今後の展開予測
私の予測では、Klookは今後2~3年の間に日本市場でさらに大きな存在感を示すようになると思われます。特に、2025年の大阪・関西万博に向けて訪日外国人観光客の増加が期待される中で、インバウンド事業での経験を活かした新たなサービス展開が期待できます。
また、国内旅行市場についても、現在は商品数が限定的ですが、日本の地域観光事業者との提携を進めることで、従来の国内旅行サイトでは提供できないユニークな体験商品を展開する可能性があります。特に、地方の隠れた魅力を発掘し、それを手軽に予約できるプラットフォームとしての役割は、地域活性化の観点からも注目に値します。
まとめ:Klookは信頼できる選択肢
結論として、「Klookはどこの国の会社」という疑問に対しては、「香港発の信頼できるグローバル企業」というのが私の回答です。確かに馴染みのない会社名かもしれませんが、世界的な投資家からの信頼を得て、技術面でも高い評価を受けている企業であり、特にアジア旅行においては非常に有用な選択肢だと考えています。
ただし、利用にあたっては他のサービスと同様に、キャンセル・返金ポリシーを十分に理解し、自分の旅行スタイルに合っているかどうかを慎重に判断することが重要です。そして何より、一つのサービスに依存するのではなく、目的に応じて最適なサービスを使い分ける柔軟性が、現代の賢い旅行者には求められているのではないでしょうか。
旅行業界は急速にデジタル化が進んでおり、Klookのようなテクノロジー企業の台頭は今後も続くと予想されます。私たち旅行者も、新しいサービスの特徴を理解し、上手に活用することで、より豊かで効率的な旅行体験を手に入れることができるでしょう。