「アパホテル 宗教」とネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめ、わかりやすく解説します。

今回は、国内最大級のビジネスホテルチェーンの一つであるアパホテルについて、インターネット上で「宗教」や「宗教っぽい」と言われる理由について詳しく調査し、その真実に迫ってみたいと思います。アパホテルは全国に689のホテル、100,708室を展開する大手ホテルチェーンとして、多くの旅行者に利用されていますが、一方でネット上では様々な憶測や噂が飛び交っているのも事実です。

結論:「宗教」と言われる理由の真実

まず結論から申し上げますと、アパホテルが「宗教」と言われる主な理由は、特定の歴史認識に関する書籍の客室配置と、企業の強い思想的スタンスにあると考えられます。しかしながら、これは実際の宗教活動とは異なり、企業経営者の個人的な思想や信念が企業運営に強く反映されているという特殊な経営スタイルに起因するものと推測されます。

具体的には、アパグループ代表の元谷外志雄氏(ペンネーム:藤誠志)が執筆した「本当の日本の歴史 理論近現代史」という書籍が、アパホテルの全客室に配置されていることが最大の要因のようです。この書籍には南京大虐殺を否定する内容などが含まれており、2017年には中国のSNSで大きな話題となり、中国人旅行者からの批判を集めました。

さらに、企業内部の組織体制についても、従業員から「社長を崇拝している。宗教的な感じがした」という証言があるなど、一般的な企業とは異なる特殊な企業文化が存在するようです。これらの要素が複合的に作用し、「宗教っぽい」という印象を与えているものと思われます。

詳細分析:「宗教」と言われる具体的な理由

1. 客室に配置された思想的書籍の影響

アパホテルが「宗教」と言われる最も大きな理由の一つは、全客室に配置されている元谷外志雄氏の著書「本当の日本の歴史 理論近現代史II」の存在にあるようです。この書籍には南京大虐殺を否定する内容などが含まれており、特定の歴史認識や政治的思想が強く打ち出されています。

一般的にホテルの客室には、キリスト教の聖書が置かれることがありますが、これは西洋文化の影響であり、宗教的な意味合いよりも文化的な側面が強いとされています。しかし、アパホテルの場合は、経営者の個人的な思想や歴史認識を含む書籍が配置されているため、宿泊客にとっては「特定の思想を押し付けられている」ような感覚を抱く方もいらっしゃるのかもしれません。

この書籍配置について、アパグループは「特定の国や国民を批判することを目的としたものではなく、事実に基づいて本当の歴史を知ることが目的」と説明しており、炎上を受けても書籍を客室から撤去することは「考えていない」という一貫した姿勢を示しています。この頑なな態度が、一部の利用者から「宗教的」と感じられる要因の一つになっていると推測されます。

2. 企業内部の特殊な組織文化

アパホテルの従業員による口コミサイトの投稿では、「代表、社長を崇拝している。宗教的な感じがした」という証言があり、企業内部の組織文化についても注目が集まっています。

過去の報道によると、朝礼では「アパにふさわしくない人物がいる」と名指しで攻撃されたり、社員が判子を求めると目の前でわざと書類を落として拾わされるなど、一般的な企業とは異なる厳格な上下関係が存在すると報じられています。さらに、アパの本社社員は新年に西麻布の元谷家を訪れ、元谷氏の孫に一人2000円のお年玉を渡さなければならないという、まるで封建制度のような慣習もあると伝えられています。

これらの企業文化について、元従業員からは「あの会社はまるで北朝鮮のようだ」という証言もあり、強権的な経営スタイルが「宗教的」という印象を与える要因になっているものと考えられます。

3. 統一教会との関係性についての憶測

インターネット上では、アパホテルと統一教会(現:世界平和統一家庭連合)との関係性について疑問視する声も散見されます。これは、アパホテルが運営している勝兵塾の講師である山元雅信氏が統一教会の協力者であるという情報が流れているためのようです。

ただし、これらの情報については確実な根拠が示されているわけではなく、憶測の域を出ないものと思われます。しかしながら、このような噂が存在すること自体が、アパホテルが「宗教」と関連付けられる要因の一つになっていることは間違いないでしょう。

4. 過激な思想発信による国際的な批判

アパグループの代表である元谷氏は、過去にユダヤ人コミュニティからも批判を受けています。米国はユダヤ人に搾取されている被害国だとする言説に対して、ユダヤ系コミュニティが反発し、元谷氏は誤解を受けたことを「残念に思う」と表明し、機関誌から該当箇所を削除したものの、ユダヤ系の指導者たちは納得していない状況が続いているようです。

このように、歴史認識問題だけでなく、様々な方面から思想的な批判を受けていることも、「宗教的」という印象を強める要因になっていると考えられます。

アパホテル利用の良い点・メリット

ここまで「宗教」と言われる理由について詳しく解説してきましたが、アパホテルには数多くの良い点メリットも存在することをお伝えしたいと思います。

1. 立地条件の優秀さ

アパホテルの最大の利点の一つは、その優秀な立地条件です。主要駅から徒歩圏内に位置するホテルが多く、ビジネス利用や観光利用の両方において非常に便利な立地を確保しています。例えば、新宿、渋谷、横浜中華街近くなど、アクセスの良い場所に多くのホテルを展開しており、移動時間を短縮したい旅行者には大きなおすすめポイントとなっています。

2. リーズナブルな価格設定

ビジネスホテルとしての基本的な機能を維持しながら、リーズナブルな価格設定を実現している点も良い点として挙げられます。立地条件を考慮すると価格は妥当であり、コストパフォーマンスに優れているという口コミも多く見受けられます。

3. セキュリティの充実

「セキュリティもしっかりしており、必要なものはしっかりとあり、無駄なものは省いてあるところは、さすがと思いました」という口コミにあるように、セキュリティ面での安心感もメリットの一つです。女性の一人旅やビジネス利用において、安全性は非常に重要な要素ですので、この点は高く評価できるでしょう。

4. 客室の清潔感と設備の充実

「部屋の清潔感、備品の配置 全てがきっちりとしていて、大変安心感がありました」という口コミにもあるように、客室の清潔感や設備の配置についても一定の評価を得ています。冷蔵庫などの基本的な設備も整っており、短期滞在には十分な環境が整っているようです。

5. 全国展開による利便性

全国に689のホテルを展開している規模の大きさもおすすめできる理由の一つです。出張で全国を回るビジネスマンや、日本各地を旅行する観光客にとって、慣れ親しんだホテルチェーンを利用できる安心感は大きな利点と言えるでしょう。

アパホテル利用の悪い点・デメリット

一方で、アパホテルには改善が望まれる悪い点デメリットも存在することをお伝えしなければなりません。

1. 接客サービスの質の問題

最も多く指摘されている悪い点は、接客サービスの質に関する問題です。「適当人間の巣窟」「ホテルマンの質と品位が悪すぎる」といった厳しい評価や、「フロントの対応は最悪」「何の説明もないままルームキーを渡された」という具体的な不満の声が多数寄せられています。

特に、初めて利用するお客様に対する説明不足や、面倒臭そうな対応は、ホスピタリティ産業として大きな欠点と言わざるを得ません。「聞く方は初めてだという事を忘れないで欲しい」という利用者の声は、サービス業の基本姿勢について重要な示唆を与えているように思います。

2. 思想的中立性の欠如

客室に特定の思想的書籍が配置されていることで、宿泊客に「思想による踏み絵を強制する宿泊施設」という印象を与えてしまうデメリットがあります。本来、ホテルは様々な価値観を持つお客様をお迎えする場所であるべきですが、特定の思想を押し付けるような環境は、一部のお客様には不快感を与える可能性があります。

「お客様に一定の考えを(暗に)押し付ける」「その思想に馴染まない人間を排除している」という指摘は、ホスピタリティの本質について考えさせられる重要な問題提起だと思います。

3. 国際的なイメージの悪化

歴史認識問題により、中国や韓国などの近隣諸国からの宿泊客を遠ざけてしまう悪い点も見逃せません。2017年の冬季アジア札幌大会では、中国と韓国の選手団がアパホテルへの宿泊を拒否する事態にまで発展し、国際的な観光客の誘致という観点では大きなデメリットとなっています。

4. ネガティブな風評の拡散

過去の事件や企業体質に関する報道により、「アパホテルやばい」といったネガティブなイメージがインターネット上で拡散してしまっている欠点もあります。2021年の新宿歌舞伎町タワーでの飛び降り事件なども、企業イメージに影響を与えている可能性があります。

おすすめしたい方・おすすめできない方

これらの良い点悪い点を総合的に判断すると、以下のような方々にそれぞれおすすめできる、またはおすすめしないと考えられます。

おすすめしたい方

  • コストパフォーマンスを重視する出張ビジネスマン:立地の良さと価格のバランスを考慮すると、短期滞在のビジネス利用には適している
  • 国内旅行を頻繁にする方:全国展開の規模を活かして、慣れ親しんだホテルチェーンを利用したい方
  • セキュリティを重視する一人旅の方:安全面での配慮がしっかりしている点を評価する方
  • 思想的な書籍について気にならない方:客室の書籍を単なる読み物として受け流すことができる方

おすすめできない方

  • 高品質な接客サービスを期待する方:ホスピタリティの質を重視する方にはおすすめしない
  • 思想的中立性を求める方:特定の思想的立場に対して違和感を覚える可能性がある方
  • 初回利用で不安を感じる方:説明不足の接客により困惑する可能性がある初心者の方
  • 国際的な価値観を重視する方:多様性や国際協調を大切にする方にはおすすめできない場合がある

トラベルライター”TAKA”の独自考察と総括

これまで様々な角度からアパホテルが「宗教」と言われる理由について分析してきましたが、私なりの独自の視点で考察を加えたいと思います。

まず、「宗教」という表現について考えてみると、これは必ずしも宗教法人や宗教活動そのものを指しているわけではなく、「強固な思想的信念に基づく一貫した行動様式」を比喩的に表現したものと理解すべきでしょう。つまり、一般的な企業が市場原理や顧客満足度を最優先にするのに対し、アパホテルは経営者の個人的な思想や信念を企業活動の中核に据えているという点で、「宗教的」と感じられるのではないでしょうか。

この経営スタイルは、ある意味で非常にユニークなものです。多くの企業が「顧客第一主義」を掲げる中で、自らの思想的立場を明確にし、それに共感しない顧客を敢えて遠ざけるような経営戦略は、ビジネス理論的には非効率に見えるかもしれません。しかし、元谷氏は「中国人旅行者の割合は5%に過ぎず、事業への影響はほとんどない」と発言しているように、特定の顧客層を失っても経営は成り立つという計算があるのかもしれません。

さらに興味深いのは、この「宗教的」と言われる特殊な経営スタイルが、結果的にアパホテルのブランド差別化につながっている可能性があることです。日本国内には数多くのビジネスホテルチェーンが存在する中で、アパホテルは良くも悪くも強烈な個性を持つホテルとして記憶に残りやすい存在になっています。

また、近年の日本社会において、政治的・思想的な立場を明確にすることに対する関心が高まっていることも見逃せません。特に保守的な思想を持つ顧客層にとっては、アパホテルの姿勢は「勇気ある発言」として評価される可能性もあり、そうした顧客の支持を固める効果もあるかもしれません。

一方で、ホスピタリティ産業の本質を考えると、多様な価値観を持つお客様を分け隔てなくお迎えすることこそが重要であり、特定の思想的立場を前面に押し出すことは、本来の役割から逸脱している面もあると思います。特に、国際的な観光立国を目指す日本において、外国人観光客を思想的理由で遠ざけてしまうことは、観光業界全体にとってもマイナスの影響を与える可能性があります。

ただし、私が最も重要だと考えるのは、「選択の自由」です。アパホテルがどのような経営方針を採用するかは企業の自由であり、消費者はその情報を十分に理解した上で利用するかどうかを判断すればよいのです。インターネット時代の現代では、ホテルの特徴や評判について事前に詳しく調べることが可能ですし、自分の価値観に合わないと感じれば他の選択肢を選ぶことも容易です。

最終的に、アパホテルが「宗教」と言われる現象は、現代日本社会における「価値観の多様化と分極化」を象徴する出来事の一つとして捉えることができるでしょう。グローバル化が進む一方で、ナショナリズムや保守的思想が再び注目される時代において、企業もまた明確な思想的立場を求められるケースが増えているのかもしれません。

私たち旅行者としては、この状況を踏まえて賢明な選択をすることが求められます。アパホテルの場合、立地の良さや価格の手頃さという実用的なメリットと、思想的な特殊性というデメリットを天秤にかけて判断する必要があります。重要なのは、感情的な批判や盲目的な支持ではなく、冷静で客観的な情報に基づいた判断を行うことです。

結論として、アパホテルが「宗教」と言われるのは、確かに特殊な企業体質や思想的立場に起因するものですが、それが必ずしも「悪い」ことではなく、多様な選択肢の一つとして受け入れられるべき存在だと考えます。ただし、利用者としては十分な情報収集を行い、自分自身の価値観や旅行の目的に照らし合わせて適切な判断を下すことが重要でしょう。

旅行における宿泊施設選びは、単なる寝る場所の確保以上の意味を持つことがあります。その土地の文化や雰囲気を感じ、快適で思い出に残る滞在を実現するためには、事前の情報収集と慎重な検討が欠かせません。アパホテルに関する様々な情報や口コミを参考にしながら、皆様にとって最適な宿泊選択をしていただければと思います。