「ドーミーイン 高くなった」とネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。
近年、日本全国で愛され続けているビジネスホテルチェーン「ドーミーイン」について、「料金が高くなった」という声がインターネット上で頻繁に聞かれるようになりました。実際に多くの旅行者から「以前は手軽に泊まれたドーミーインが、今では高級ホテル並みの料金になってしまった」という嘆きの声が上がっているようです。今回は、この「ドーミーイン高騰説」について、ネット上の口コミや評判を徹底的にリサーチし、その真相に迫ってまいります。
結論:ドーミーインの料金上昇は事実、しかしそれには合理的な理由がある
まず結論から申し上げると、ドーミーインの宿泊料金が大幅に上昇しているのは紛れもない事実のようです。特に東京や京都などの主要都市部において、以前は1万円台で宿泊できていた施設が、現在では2万円から3万円程度まで値上がりしているとの報告が数多く寄せられています。
実際の体験談として、京都のドーミーインでは3〜4年前のコロナ禍時期に2人で1万円以下という格安料金で宿泊できていたものが、2025年には2人で約2万1000円以上と2倍以上に跳ね上がったケースも報告されているようです。東京神田のドーミーインに至っては、以前1万円台だった料金が現在では1人約2万円以上という大幅な値上げが確認されています。
しかし、この料金上昇には単なる便乗値上げではない、ホテル業界全体の構造的変化と、ドーミーイン独自のブランド戦略の進化という背景があると考えられます。
料金上昇の背景にある5つの主要因
1. インバウンド観光客の爆発的増加による需給バランスの変化
最も大きな影響を与えているのが、インバウンド観光客の急激な増加によるホテル需要の高まりのようです。特に東京、大阪、京都といった外国人観光客に人気の高い都市部では、宿泊施設の供給に対して需要が大幅に上回る状況が続いているとされています。この需給バランスの変化により、ホテル業界全体で料金設定の底上げが行われており、ドーミーインも例外ではないようです。
外国人観光客にとって、ドーミーインの天然温泉や和風のおもてなしサービスは非常に魅力的で、日本らしい体験ができるホテルとして高い評価を受けているようです。そのため、国際的な知名度の向上とともに、料金設定も国際水準に近づいているのではないでしょうか。
2. ダイナミックプライシング導入による価格変動システムの高度化
現代のホテル業界では、ダイナミックプライシングと呼ばれる需要と供給に応じてリアルタイムで価格が変動するシステムが広く導入されているようです。このシステムでは、予約日と宿泊日、需要予測、残室数、競合価格、予約サイトのアクセス状況などの複数の要因をもとに、自動的または半自動的に価格が決定されます。
週末や連休、イベント開催日、紅葉や花火大会などの高需要期には料金が大幅に上昇し、逆に平日の閑散期には比較的安価な料金設定になるという仕組みです。このシステムの導入により、従来の固定料金制と比較して、繁忙期の料金上昇幅が格段に大きくなっているようです。
3. ブランド価値の向上とプレミアムビジネスホテルへの転換
ドーミーインは単なるビジネスホテルから、温泉付きプレミアムビジネスホテルとしてのブランド価値を確立しているようです。天然温泉、サウナ、無料の夜鳴きそば、豪華な朝食バイキング、ウェルカムドリンクとスイーツ、湯上がりアイスサービスなど、他のビジネスホテルチェーンにはない独自のサービスが高く評価されています。
実際に、ドーミーインのRevPAR(レヴパー:ホテル1室あたりの収益)は12,000円前後と、競合のアパホテルの7,000円と比較して大幅に高い水準を維持しているようです。この数字は、ドーミーインが提供する付加価値が市場に認められ、それに見合った料金設定が受け入れられていることを示しています。
4. 原材料費高騰による運営コスト増加
朝食サービスをはじめとする各種サービスの維持・向上のため、原材料費の高騰が続く状況を受けて料金改定が行われているようです。特に朝食バイキングでは、新鮮で高品質な食材を豊富に提供するため、仕入れコストの上昇が運営に大きな影響を与えているとされています。
5. コロナ後の需要回復とその反動
コロナ禍では多くのホテルが売上減少に苦しみましたが、行動制限の緩和とともに旅行需要が急激に回復し、それに伴って料金設定も正常化・上昇に転じているようです。コロナ禍の特別価格で宿泊していた利用者にとって、この正常化は大幅な値上げと感じられるかもしれません。
ドーミーインの良い点・メリット・おすすめポイント・利点
圧倒的な付加価値とコストパフォーマンス
料金が上昇したとはいえ、ドーミーインが提供するサービスの総合的な価値は非常に高いといえるでしょう。チェックイン時のウェルカムドリンクサービス、客室冷蔵庫に用意されたウェルカムスイーツ、最上階の大浴場、露天風呂、サウナ、水風呂といった温浴施設の充実ぶりは、他のビジネスホテルチェーンでは味わえない体験です。
特に大浴場では、アクエリアスやリアルゴールドが飲み放題で提供され、湯上がりにはガリガリ君やモナカなど4種類程度のアイスクリームから1つを選べるサービスがあるようです。これらのサービスを個別に利用した場合のコストを考えると、宿泊料金の価値は十分に見合うものと考えられます。
夜鳴きそばサービスの魅力
21時30分から提供される無料の夜鳴きそばサービスは、ドーミーインの代名詞的な存在となっているようです。しかも大盛りにしてもらうことも可能で、夜遅くまで仕事をしていたビジネスパーソンや、観光で疲れた旅行者にとって、温かいラーメンのサービスは非常にありがたい配慮といえるでしょう。
豪華朝食バイキングの充実
ドーミーインの朝食バイキングは、地域の名物料理を取り入れた多彩なメニュー構成で、宿泊の楽しみの一つとなっているようです。料金改定により朝食代が大人2000円、子供1000円となったものの、提供される料理の質と種類を考えると、コストパフォーマンスは決して悪くないと考えられます。
清潔で快適な客室環境
口コミでは「文句なしに良かった」「清潔で快適な客室と、親切なスタッフのおかげで、とてもリラックスできました」といった評価が多く見られるようです。高品質なベッドとアメニティの充実も、リピーター獲得の要因となっているようです。
ドーミーインの悪い点・デメリット・おすすめしない要素・欠点
急激な料金上昇による利用ハードルの高さ
最大のデメリットは、やはり近年の急激な料金上昇でしょう。特に都市部では以前の2倍近い料金設定となっており、従来のビジネスホテルとしては高級すぎる価格帯になってしまったとの声が多く聞かれます。夏休みやゴールデンウィークなどの繁忙期には、2人で朝食付き25,000円といった高額な料金設定もあるようで、一般的なビジネス利用には厳しい水準となっているようです。
客室の狭さと設備面での課題
料金に対して客室が狭いという指摘も少なくないようです。特にダブルルームでは2人で宿泊するには窮屈で、ベッドサイズも不十分と感じる宿泊者もいるとされています。また、防音性についても課題があり、隣室の音が聞こえるケースもあるという報告があります。
一部の施設では、「大浴場があるからか、部屋のシャワールームは汚い。全体的に埃が多い。ベッド横のコンセントは壊れたまま」といった設備面での問題も指摘されているようです。
予約の取りにくさという欠点
人気の高さゆえに、希望する日程での予約が困難になっているのもおすすめできない要因の一つです。特に閑散期の安い料金設定の部屋は早期に満室となってしまい、直前予約では高額な料金しか選択肢がない場合も多いと言われています。
駐車場の問題
「駐車場が混雑していて、車での移動が少し大変でした。もう少し広い駐車スペースを確保してほしいです」という口コミもあり、車利用者にとっては不便な面もあるようです。
ドーミーインをおすすめしたい方・おすすめできない方
ドーミーインをおすすめしたい方
温泉やサウナ好きの旅行者には、ドーミーインは間違いなくおすすめできるホテルチェーンです。都市部にいながら本格的な温泉体験ができるのは、ドーミーインならではの魅力といえるでしょう。
グルメな旅行者や食事を重視する方にとって、地域の名物を取り入れた朝食バイキングや夜鳴きそばサービスは大きな満足感をもたらすはずです。
リラックスを重視する出張ビジネスパーソンで、予算に余裕がある方には、仕事の疲れを癒やす最適な環境を提供してくれるでしょう。
外国人観光客へのおもてなしを考えている方が宿泊先を選ぶ場合、日本らしい体験ができるドーミーインは非常に喜ばれる選択肢となるはずです。
ドーミーインをおすすめできない方
コストを最重視する旅行者や、最低限の宿泊環境があれば十分という方には、現在のドーミーインの料金水準は適さないかもしれません。
大きなスーツケースを持参する旅行者や客室の広さを重視する方には、部屋の狭さがストレスになる可能性があります。
直前予約を頻繁にする方には、予約の取りにくさや高額な料金設定がネックとなるでしょう。
車での移動を前提とする旅行者で、駐車場の利便性を重視する方には、一部施設では不満を感じる可能性があります。
賢いドーミーイン利用術
料金上昇が気になる方でも、工夫次第でお得に利用することは可能のようです。閑散期狙いの宿泊戦略として、1月から2月の冬季閑散期、4月上旬の春季閑散期、5月下旬から6月の梅雨時期は通常料金の半額以下で宿泊できる場合があるとされています。
また、予約サイトの使い分けも重要な節約テクニックとして注目されているようです。Yahoo!トラベルではPayPayポイントの即時利用により実質10%割引が可能で、楽天トラベルでは5と0のつく日のクーポン配布、じゃらんでは期間限定クーポンが頻繁に発行されているという情報があります。
業界専門家としての独自考察:ドーミーインの戦略的価値と今後の展望
ホテル業界を長年取材してきた私の視点から申し上げると、ドーミーインの料金上昇は単なる便乗値上げではなく、極めて戦略的なブランド転換の結果であると考えています。
従来の日本のビジネスホテル業界は、「安い」「便利」「清潔」という3つの要素で競争してきました。しかし、ドーミーインはここに「体験価値」という第4の要素を加えることで、全く新しいカテゴリーのホテルを創造したのです。
温泉、サウナ、夜鳴きそば、充実した朝食といったサービスは、単なるアメニティではありません。これらは「日本の旅館文化をビジネスホテルに融合させた独自の宿泊体験」という、他では代替できない価値を提供しているのです。
特に注目すべきは、インバウンド観光客にとってのドーミーインの位置づけです。外国人旅行者にとって、都市部で温泉に入り、日本らしい朝食を楽しみ、無料のラーメンサービスを体験できるホテルは、まさに「日本文化の入門編」として機能しています。この文化的価値は、純粋な経済指標では測りきれない重要性を持っているのです。
また、コロナ禍を経て変化した旅行者の価値観も重要な要因です。移動制限により「近場で特別な体験をしたい」というニーズが高まり、ホテルステイ自体を楽しむ「ホカンス(ホテル+バカンス)」という概念が浸透しました。ドーミーインは、まさにこの新しい旅行スタイルにマッチしたサービスを提供していたといえるでしょう。
さらに、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からも、ドーミーインの戦略は評価できます。地域の食材を活用した朝食メニューは地産地消の推進につながり、温泉という日本の伝統文化の保護・継承にも寄与しています。
今後の展望として、ドーミーインの料金設定は安定していくものと予想されます。現在の価格上昇は需給バランスの調整期間であり、市場が成熟すれば適正価格に落ち着くはずです。重要なのは、この価格帯でも十分な顧客満足度を維持できるかどうかです。
私が特に期待しているのは、地域密着型サービスのさらなる進化です。各地のドーミーインが、その土地ならではの温泉や食文化をより深く掘り下げ、「その場所でしか体験できない価値」を提供していけば、料金以上の満足度を実現できるでしょう。
最後に申し上げたいのは、ドーミーインの料金上昇を単純に「高くなった」と嘆くのではなく、「日本のホスピタリティ産業の進化の象徴」として捉えるべきだということです。安さだけを追求するのではなく、体験価値を重視する新しい旅行文化の創造者として、ドーミーインは重要な役割を果たしているのです。
確かに以前のような気軽さは失われたかもしれません。しかし、その代わりに得られる特別な体験と満足感は、きっと多くの旅行者にとって忘れられない思い出となるはずです。料金は上がりましたが、それ以上に価値も向上している。これが現在のドーミーインの真の姿なのではないでしょうか。
旅行業界全体が変革期にある今、ドーミーインのような革新的なサービスモデルこそが、日本の観光産業の競争力を高める原動力となっていくものと確信しています。