「ユナイテッド航空 ひどい」とネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。
今回は、多くの旅行者の皆様からお問い合わせをいただく「ユナイテッド航空が”ひどい”とネットで噂されているのはなぜか」という疑問について、詳しく調査してまいりました。アメリカを代表する大手レガシーキャリアの一つであるユナイテッド航空について、ネット上での評判や口コミを徹底的にリサーチし、その真相に迫りたいと思います。
結論:ユナイテッド航空の評判が悪い理由と実態
まず結論から申し上げますと、ユナイテッド航空が「ひどい」と言われる理由は、主にイレギュラー運航時の対応力不足、エコノミークラスでのサービス品質のばらつき、そしてカスタマーサービスの体制不備の3つに集約されるようです。
しかしながら、これらの評判は一面的なものであり、実際にはユナイテッド航空には多くのメリットや利点も存在します。特に広範囲な路線ネットワーク、充実したマイレージプログラム、そして上級クラスでの高品質なサービスは高く評価されているのが実情のようです。
近年では運航実績の改善も見られ、2023年以降はフライトの安定性が向上し、顧客からの信頼も回復傾向にあると言われています。つまり、一概に「ひどい」航空会社と断言するのは適切ではなく、利用する路線や座席クラス、そして個人の優先順位によって評価が大きく変わる航空会社だと考えられます。
ユナイテッド航空の評判が悪い具体的な理由
イレギュラー運航時の対応力不足という最大のデメリット
ユナイテッド航空への最も深刻な批判は、遅延や欠航が発生した際の対応力不足にあるようです。特に夜間便での遅延や機材トラブルが発生した場合、空港のチェックインカウンターが閉まってしまい、乗客が適切なサポートを受けられないという欠点が指摘されています。
あるケースでは、デンバーの悪天候により2時間の遅延が発生し、乗り継ぎができなくなった乗客が、サンフランシスコ空港で深夜に取り残されてしまったという事例が報告されています。この時、ユナイテッド航空のカウンターは既に閉まっており、夜間の電話サポートも機能していなかったため、最終的にANAの24時間窓口を利用して問題を解決したとのことです。
このようなイレギュラー運航時のサポート体制の脆弱性は、特にアメリカ国内線や乗り継ぎが必要な国際線において大きな問題となっているようです。機材のメンテナンス遅延により、当初30分の遅れが最終的に2時間半の遅延となり、さらにはフライトキャンセルに至ったケースも報告されており、こうした運航管理の不安定さが評判を下げる要因となっていると考えられます。
オーバーブッキング問題と座席管理の課題
ユナイテッド航空のもう一つの深刻なデメリットとして、オーバーブッキングによる座席変更トラブルが挙げられます。プレミアムエコノミー席を事前に予約・購入していた乗客が、搭乗時に一方的にエコノミー席に変更させられ、その際の対応も不適切だったという事例が複数報告されています。
さらに深刻なのは、このような座席変更において人種差別的な傾向があるのではないかという疑念です。アジア系乗客を狙い撃ちして座席変更を行っているように見えるという証言もあり、これが「レイシスト航空会社」という厳しい評価につながっているようです。
事前に指定していた通路側席を、チェックイン後に説明なしで中央席に変更するといった座席管理の杜撰さも問題視されています。このような一方的な変更は、特に長時間フライトにおいては乗客の快適性を大きく損なう要因となります。
エコノミークラスでのサービス品質のばらつき
機内設備の老朽化と清掃品質の低下も、ユナイテッド航空への批判の大きな要因となっているようです。座席下が清掃されておらず、肘掛けのリモコンボタンが故障しているなど、基本的なメンテナンスが行き届いていない機体が散見されると報告されています。
機内食のクオリティの低さも頻繁に指摘される問題点です。特にエコノミークラスでの機内食について、「クオリティがかなり低い」「まずい」という評価が多数見受けられ、これが全体的なサービス品質への不満につながっているようです。
エンターテインメントシステムの不備も深刻な問題として挙げられています。映画が全チャンネル自動再生で自分のタイミングで視聴できない、チャンネル数が極端に少ない、操作ボタンの反応が悪いなど、長時間フライトにおける重要なサービスが機能していないケースが報告されています。
日本人乗客に対するサービス格差の問題
特に日本人乗客からの不満として多く挙げられるのが、日本人クルーの接客態度に関する問題です。外国人クルーは普通の接客をするものの、日本人の中年女性クルーが「作業的な態度」で接客し、返事もせずに機内食を配るといったサービス品質のばらつきが指摘されています。
この問題は、ユナイテッド航空が日本路線において日本人乗客向けのサービス標準化を十分に行えていないことを示唆している可能性があります。同じ航空会社内でもクルーによってサービス品質に大きな差があることは、ブランド価値の統一性という観点から見ても大きな課題と言えるでしょう。このような日本語対応サービスの質の低さは、評価サイトでも2.88という低いスコアとなって現れているようです。
カスタマーサービス体制の構造的問題
ユナイテッド航空のカスタマーサービスに対する批判は極めて厳しく、「最低最悪」という表現まで使われているケースがあります。特に問題となるのは、電話がつながりにくいことと、国際電話での対応拒否です。
グアム経由での乗り継ぎ時間設定の不適切さにより、多数の乗客が乗り継ぎに失敗したケースでは、ユナイテッド航空側は「国の問題」「空港の問題」として責任回避を図り、適切な補償も行わなかったと報告されています。このような責任逃れの姿勢は、航空会社としての基本的なサービス精神に疑問を抱かせる要因となっているようです。
さらに、カスタマーサービスに電話をかけ直すよう要求しても断られるという、顧客対応の基本原則を逸脱した行為も報告されており、これらが「絶対に使わない方がいい航空会社」という極端な評価につながっていると考えられます。
ユナイテッド航空の評価される良い点とメリット
世界最大級の路線ネットワークという大きな利点
しかしながら、ユナイテッド航空の良い点として最も評価されるのは、その圧倒的な路線ネットワークの広さです。特にアメリカ国内線においては、主要都市から地方都市まで幅広くカバーしており、他の航空会社では直行便がない路線でもユナイテッド航空なら利用可能というケースが多数存在します。
国際線においても、アジア、ヨーロッパ、南米など世界中の主要都市への直行便を運航しており、世界中の多くの目的地へアクセスできる利便性は他社の追随を許さない大きなメリットと言えるでしょう。特にビジネス出張やワールドトラベルを計画している旅行者にとって、この路線ネットワークの充実度は非常に魅力的な要素となっています。
上級クラスでの高品質サービス
ビジネスクラスやファーストクラスでのサービス品質については、多くの利用者から高い評価を得ているようです。フルフラットシートの提供、豪華な食事、豊富なエンターテインメントなど、長時間フライトでも快適に過ごせる環境が整備されていると言われています。
特に太平洋横断路線などの長距離国際線においては、上級クラスでのサービスレベルの高さが評価されており、エコノミークラスとは全く異なる体験を提供しているようです。このことから、ユナイテッド航空の問題は主にエコノミークラスでのサービス品質に集中しており、予算に余裕がある場合は十分に満足できる航空会社であることが分かります。
マイレージプログラムの充実度
ユナイテッド・マイレージプラスの使い勝手の良さも、多くの利用者から評価されている重要なおすすめポイントです。スターアライアンス加盟航空会社との提携により、ANAをはじめとする多数の航空会社でマイルを貯めることができ、特典航空券への交換も比較的容易だと言われています。
特にアメリカ国内線での特典航空券の取りやすさは他社と比較しても優位性があり、頻繁にアメリカを訪れるビジネス旅行者や留学生にとっては大きな利点となっているようです。マイル有効期限の管理も比較的緩やかで、長期的なマイル蓄積戦略が立てやすいという特徴もあります。
運航実績の改善傾向
近年のデータを見ると、ユナイテッド航空の運航実績は着実に改善されているようです。2023年以降、定時運航率の向上やキャンセル率の低下が確認されており、フライトの安定性という基本的な部分での信頼性は回復傾向にあると考えられます。
この改善は、過去の批判を受けて同社が運航管理システムの見直しや機材メンテナンス体制の強化を図った結果と推測されます。完全に問題が解決されたわけではありませんが、継続的な改善努力は評価に値する要素だと言えるでしょう。
特定路線での競争力
太平洋路線や大西洋路線など、ユナイテッド航空が伝統的に強みを持つ長距離国際線においては、依然として高い競争力を維持しているようです。特に日本-アメリカ路線においては、直行便の豊富さや運航頻度の高さで他社を上回っており、選択肢の多様性という点では大きなメリットを提供しています。
ユナイテッド航空をおすすめできる方・できない方
おすすめできる方の特徴
ビジネスクラス以上を利用される方には、ユナイテッド航空は間違いなくおすすめできる航空会社と言えるでしょう。上級クラスでのサービス品質は高く評価されており、長距離フライトでも快適に過ごすことができると報告されています。
アメリカ国内での移動が多い方にとっても、路線ネットワークの充実度から見て有力な選択肢となります。特にマイレージプログラムを活用してアメリカ国内線の特典航空券を狙っている方には、大きな利点があると考えられます。
フライトスケジュールの柔軟性を重視する方にも適しているでしょう。多数の便数を運航しているため、他社では対応困難な急な予定変更にも対応しやすいというメリットがあります。
世界一周旅行やマルチデスティネーション旅行を計画している方にとっては、スターアライアンスネットワークの活用により効率的な旅程作成が可能となる点でおすすめできます。
おすすめしない方の特徴
逆に、エコノミークラスでの快適性を重視する方には、現状ではおすすめしない航空会社と言わざるを得ません。機内設備の老朽化、機内食の品質、エンターテインメントシステムの不備など、基本的なサービス品質に問題があることが多数報告されています。
イレギュラー運航時のサポートを重視する方にも適していないでしょう。遅延や欠航が発生した際の対応力不足は深刻な問題であり、特に夜間便や乗り継ぎ便を利用する場合は大きなリスクとなる可能性があります。
日本的な丁寧なサービスを期待する方には、文化的な違いもあり満足度が低くなる傾向があるようです。特に日本人クルーによるサービスにも品質のばらつきがあることから、一貫した高品質サービスを求める方にはおすすめできない部分があります。
初回利用や航空旅行に不慣れな方にとっては、トラブル時のサポート体制の不備が大きな不安要素となる可能性があります。より安定したサービスを提供する他の航空会社を選択することを推奨します。
業界内でのユナイテッド航空の位置づけ
アメリカ系大手航空会社の中では、ユナイテッド航空の顧客満足度は中程度にランクされることが多いようです。デルタ航空やアメリカン航空と比較すると、特定の分野では劣る部分もありますが、路線ネットワークの広さでは優位性を保っています。
国際的な評価機関による航空会社ランキングでは、5点満点中3.5~4点程度の評価を受けることが多く、決して最下位レベルではありませんが、トップティアの航空会社と比較すると改善の余地が大きいというのが実情のようです。
日系航空会社と比較すると、サービスの一貫性や細やかな配慮という点では明らかに劣っているものの、アメリカ的な効率性とコストパフォーマンスという観点では一定の評価を得ていると考えられます。
近年の改善取り組みと今後の展望
ユナイテッド航空は、過去の批判を受けて様々な改善取り組みを実施しているようです。特に2017年の強制降機事件以降、カスタマーサービスの向上と運航管理システムの改善に力を入れていると言われています。
書面による意見への対応体制も整備されており、受領から30日以内の内容確認、60日以内の回答という明確なタイムラインを設定しています。これにより、従来指摘されていたカスタマーサービスの問題改善に取り組んでいる姿勢が見て取れます。
運航実績の改善も着実に進んでおり、2023年以降はフライトの安定性が向上し、顧客からの信頼回復も進んでいるとの報告があります。ただし、これらの改善が全ての路線や全てのサービス分野に均等に行き渡るまでには、まだ時間がかかる可能性があります。
トラベルライター”TAKA”としての総合的な考察と提言
これまでの調査結果を踏まえ、私トラベルライター”TAKA”として、ユナイテッド航空について総合的な考察をお伝えしたいと思います。
確かにユナイテッド航空には多くの改善すべき点があり、特にエコノミークラスでのサービス品質やイレギュラー運航時の対応には深刻な問題があることは否定できません。しかし、これらの問題を理由に同社を全面的に否定することは、旅行者の選択肢を不当に狭めることにもなりかねません。
私が最も重要だと考えるのは、利用目的と期待値の適切な設定です。ユナイテッド航空は決して「おもてなし」を売りにする航空会社ではありません。むしろ、大規模な路線ネットワークを効率的に運営する輸送事業者として捉えるべきでしょう。
その観点から見れば、同社の真の価値は以下の3点に集約されます。第一に、他社では到達できない目的地へのアクセス手段の提供。第二に、マイレージプログラムを通じた長期的な顧客価値の創出。第三に、上級クラスでの国際的水準のサービス提供です。
特に注目すべきは、アメリカという国家の特性を考慮した場合、ユナイテッド航空のようなメガキャリアの存在価値です。アメリカは国土が広大で、多様な気候条件と複雑な航空管制システムを抱えています。このような環境下で、年間数十万便という大規模運航を維持すること自体が、実は並大抵のことではありません。
近年の改善努力も見逃せません。デジタル技術の活用による運航管理の高度化、機材更新による設備の近代化、そして何より顧客フィードバックに基づくサービス改善への取り組みは、確実に成果を上げつつあります。完璧ではありませんが、継続的な改善プロセスが機能していることは評価すべき点でしょう。
また、日本人旅行者特有の高いサービス期待値も考慮する必要があります。JALやANAのような日系航空会社の「おもてなしサービス」に慣れた私たちにとって、アメリカ系航空会社のサービススタイルは確かに物足りなく感じられるかもしれません。しかし、これは決して絶対的な品質の問題ではなく、文化的背景の違いによる相対的な評価の側面が大きいのです。
私の提言として、ユナイテッド航空を利用される際は以下の点を心がけていただきたいと思います。まず、エコノミークラス利用時は最低限の輸送サービスを受けるという心構えを持つこと。次に、可能な限り上級クラスへのアップグレードを検討すること。そして最も重要なのは、イレギュラー運航に備えた準備を怠らないことです。
具体的には、重要な会議や接続便がある場合は前日入りを心がける、海外旅行保険への加入を必須とする、代替航空会社の選択肢を事前に調査しておく、などのリスク管理が不可欠です。
しかし同時に、ユナイテッド航空のポジティブな側面にも目を向けていただきたいと思います。世界最大級のネットワークにより実現される旅行の可能性の拡大、マイレージプログラムを通じた長期的な旅行コストの削減、そして何よりアメリカという巨大市場へのアクセス手段として果たしている役割は、決して軽視できるものではありません。
最終的に、ユナイテッド航空は「完璧な航空会社」ではありませんが、適切な使い方をすれば十分に価値のある選択肢だと私は考えています。重要なのは、同社の特性を理解し、自分の旅行スタイルや優先順位と照らし合わせて適切な判断を下すことです。
旅行は人生を豊かにする素晴らしい体験です。航空会社選びで悩むよりも、目的地での体験に集中していただきたい。そのためにも、事前の情報収集と適切な期待値設定を行い、賢い選択をしていただければと思います。ユナイテッド航空も、使い方次第では皆様の旅行をしっかりとサポートしてくれる頼もしいパートナーとなるはずです。