カタール航空について最悪とネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。

今回は、多くの旅行者の間で議論となっている「カタール航空は最悪なのか?」という疑問について、ネット上の様々な口コミや評判を詳しく調査し、その真実に迫ってみたいと思います。カタール航空といえば、中東を拠点とする航空会社として世界的に知られており、特にドーハのハマド国際空港をハブとして運航している航空会社です。しかし、ネット上では賛否両論の声が聞かれるのも事実のようです。

結論:カタール航空の評価は複雑で一概に”最悪”とは言えない

調査の結果、カタール航空に対する「最悪」という評価は、一概に真実とは言えないというのが私の結論です。実際のところ、カタール航空は2025年にSkytraxの世界航空会社賞で9回目となる「世界最高の航空会社」を受賞しており、これは他の航空会社では達成されていない前例のない記録のようです。同時に「世界最高のビジネスクラス」や「世界最高のビジネスクラスラウンジ」も受賞しており、業界内での評価は非常に高いと言われています。

しかし一方で、特定の状況や路線において顧客サービスに関する不満の声があることも事実のようです。これらの否定的な口コミの多くは、カスタマーサービスの対応、フライトの遅延や欠航時の対応、払い戻し手続きの複雑さなどに集中している傾向が見られます。

なぜ”最悪”という評価が生まれるのか:詳細な分析

受賞歴から見る高い評価

まず、カタール航空の客観的な評価について見てみましょう。Skytrax世界航空会社賞は、航空業界の「オスカー賞」とも呼ばれる権威ある賞で、世界中の乗客からの評価をもとに選出されています。カタール航空が9回も「世界最高の航空会社」を受賞しているという事実は、少なくとも多くの乗客から高い評価を受けていることを示していると言えるでしょう。

シンガポール航空やキャセイパシフィック航空といった著名な航空会社を抑えてトップに立っているという点からも、サービス品質の高さがうかがえます。特にビジネスクラスにおいては、機内食、座席の快適性、客室乗務員のサービスなど、総合的に高い評価を得ているようです。

機内サービスの質の高さ

実際の搭乗体験に関する肯定的な口コミを見ると、カタール航空のメリットとして以下のような点が挙げられています。客室乗務員のサービスについては、「搭乗時から名前で呼んでくれる個人的なサービス」「夜便でのターンダウンサービス」など、きめ細かい配慮があると言われています。

機内食についても、「ファインダイニングレベルの料理」「実際のシャンパングラスやワイングラスで提供される飲み物」など、単なる移動手段を超えた体験を提供しているという声が聞かれます。また、アメニティキットにはDiptyqueなどの高級ブランド製品が含まれており、細部にまでこだわったサービス提供がなされているようです。

長距離フライトにおける快適性も利点の一つとして挙げられており、「5つ星ホテルに滞在しているような感覚」「フライトが終わってほしくないと思うほど快適」といった感想も見受けられます。手荷物許容量についても、ビジネスクラスでは32kg×2個まで預けることができ、荷物の多い旅行者にとっては大きなおすすめポイントと言えるでしょう。

否定的な口コミの具体的な内容と背景

一方で、「最悪」という評価につながる否定的な口コミも存在します。これらの悪い点を詳しく分析してみると、いくつかのパターンが見えてきます。

最も多く見られる不満は、カスタマーサービスの対応に関するもののようです。チェックイン時のスタッフの態度について「非常に失礼で威圧的」「長年カタール航空を利用してきたが今回のサービスは最悪だった」といった声があります。特に地上スタッフの対応については、乗客への説明不足や配慮の欠如が指摘されているケースが見受けられます。

フライトの遅延や欠航に関する対応もデメリットとして挙げられています。「1週間もフライトが遅延したのにホテル代の補償もなし」「荷物が破損したのに対応してもらえない」「帰りのフライトが5回も変更され、そのたびに出発数時間前に連絡が来る」といった深刻な問題も報告されています。

特に2025年6月頃に発生したイランとイスラエルの緊張状態により、カタール航空の運航に大きな影響が出た時期があったようです。この期間中、多くのフライトがキャンセルされたり大幅に遅延したりしたにもかかわらず、適切な代替案や補償が提供されなかったという不満の声が多数寄せられています。

払い戻し手続きについても問題が指摘されており、「追加料金で購入した座席指定の払い戻しを6月から要求しているが、未だに対応されていない」「キャンセルされたフライトの払い戻しを拒否された」といった事例が報告されています。

地域差とサービス品質のばらつき

興味深いことに、カタール航空に対する評価は、出発地や路線によって大きく異なる傾向があるようです。ドーハを経由する長距離国際線、特にビジネスクラスについては概ね高い評価を得ている一方で、特定の地域や短距離路線においては、サービス品質にばらつきがあると言われています。

また、文化的な背景や言語の違いも、サービス体験に影響を与えている可能性があります。中東の航空会社として、西洋的なサービススタイルとは異なるアプローチを取っている場面もあり、これが一部の乗客には好意的に受け取られる一方で、他の乗客には違和感を与えることもあるようです。

期待値とのギャップ

「世界最高の航空会社」という肩書きが、逆に乗客の期待値を過度に高めてしまい、実際のサービスとのギャップが失望感につながっているケースもあるようです。特に、プレミアムエコノミーやエコノミークラスの乗客の中には、ビジネスクラス並みのサービスを期待してしまい、現実とのギャップに不満を感じる人もいると考えられます。

また、SNSやオンライン上での口コミが瞬時に拡散される現代において、一度の悪い体験が「最悪の航空会社」という評価として広まってしまうリスクも高まっています。

カタール航空の良い点メリット

これまでの調査を踏まえて、カタール航空の良い点を整理してみましょう。

まず、機内サービスの質の高さは間違いなく大きなメリットです。特にビジネスクラスにおいては、世界トップクラスのサービスを提供していると言えるでしょう。座席の快適性、機内食の質、客室乗務員のホスピタリティなど、総合的に見て優れた体験を提供しているようです。

ドーハのハマド国際空港は、世界有数のハブ空港として機能しており、世界各地への乗り継ぎの利便性も利点の一つです。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカなど、幅広い目的地へのネットワークを持っており、特に日本からヨーロッパやアフリカへの旅行の際には、おすすめできる選択肢と言えるでしょう。

また、Qatar Privilege Clubというマイレージプログラムも充実しており、頻繁に旅行する方にとっては魅力的なプログラムとなっています。

安全性についても、カタール航空は高い水準を維持していると評価されており、この点も安心材料の一つと言えるでしょう。

カタール航空の悪い点デメリット

一方で、悪い点デメリットについても正直にお伝えする必要があります。

最も大きな欠点は、カスタマーサービスの質のばらつきです。特に問題が発生した際の対応については、改善の余地があると考えられます。フライトの遅延や欠航時の代替案の提示、補償の対応、払い戻し手続きなど、トラブル時のサポート体制には課題があるようです。

また、地上スタッフの対応についても、訓練の統一性や接客スキルの向上が必要な場合があると感じられます。チェックイン時の対応や、空港でのサポートについては、一部の乗客から不満の声が寄せられています。

価格についても、他の航空会社と比較して高めに設定されている場合が多く、予算重視の旅行者にはおすすめしない場合もあります。

さらに、中東情勢の影響を受けやすいという地政学的なリスクもデメリットとして挙げられます。2025年6月の事例のように、地域の政治的緊張が直接的に運航に影響することがあります。

おすすめしたい旅行者

カタール航空をおすすめしたいのは、以下のような旅行者です。

まず、ビジネスクラス以上での旅行を予定している方には、間違いなくおすすめできます。世界最高レベルのサービスを体験できる可能性が高いでしょう。

また、ヨーロッパ、アフリカ、インド、中東方面への旅行を計画している方にとっては、ドーハでの乗り継ぎが便利で効率的な選択肢となります。

サービスの質を重視し、移動時間も旅行の一部として楽しみたい方にも適しています。機内でのダイニング体験や、快適な座席での休息を求める方には満足していただけるでしょう。

マイレージを貯めて将来的により良いサービスを受けたい頻繁な旅行者にも利点があります。

おすすめしない旅行者

一方で、以下のような旅行者にはカタール航空をおすすめできない場合があります。

予算を最優先に考える旅行者には、より安価な選択肢が他にある場合が多いでしょう。特にエコノミークラスでは、価格に見合うだけのメリットを感じられない可能性があります。

トラブル時のサポートを重視する方や、確実性を求める方には、現状では他の選択肢を検討することをお勧めします。

また、中東の航空会社に対して文化的な違いに不安を感じる方や、言語コミュニケーションに不安がある方にも、他の選択肢の方が適している場合があります。

短距離路線やアジア域内の移動については、より適した航空会社が存在する可能性が高いです。

トラベルライター”TAKA”の独自考察と総合評価

これまでの調査と分析を通じて、私なりの見解をお伝えしたいと思います。

カタール航空に対する「最悪」という評価は、確実に存在する問題を反映している一方で、航空会社全体の実力を正確に表現しているとは言えないというのが私の結論です。同社は明らかに二つの顔を持っています。一つは、世界最高レベルのプレミアムサービスを提供する優秀な航空会社としての顔。そしてもう一つは、トラブル時の対応やカスタマーサービスに課題を抱える航空会社としての顔です。

この二面性は、実は多くの航空会社に共通する現象でもあります。しかし、カタール航空の場合、「世界最高の航空会社」という評価が与える期待値の高さが、問題を更に浮き彫りにしているのではないでしょうか。

また、2025年という年は、航空業界にとって様々な課題が浮上した年でもありました。コロナ後の需要回復、燃料費の高騰、地政学的リスクの増大など、多くの要因が航空会社の運営に影響を与えています。カタール航空も例外ではなく、これらの外部要因が一部のサービス品質低下につながった可能性は否定できません。

私が特に注目しているのは、同社の改善への意識です。カタール航空グループのCEOからの公開書簡などを見ると、運営上の課題を認識し、改善に向けて取り組もうとする姿勢が感じられます。これは、企業としての健全性を示す重要な指標だと考えています。

旅行業界の専門家として、私は常に「完璧な航空会社は存在しない」ということを念頭に置いています。重要なのは、その航空会社が自社の課題を認識し、継続的な改善に取り組んでいるかどうかです。カタール航空の場合、確実に改善の余地はありますが、同時に世界最高レベルのサービスを提供する能力も持っていることは疑いありません。

結論として、カタール航空を「最悪」と一刀両断するのは公平ではありません。むしろ、期待値を適切に設定し、具体的な旅行の目的や予算、個人の価値観に基づいて選択することが重要だと考えています。

ビジネスクラス以上での長距離国際線であれば、多くの旅行者にとって満足のいく体験を提供できる航空会社だと思います。一方で、エコノミークラスでの利用や、トラブル時のサポートについては、他の選択肢も十分に検討する価値があるでしょう。

最終的に、旅行者一人一人が求めるものは異なります。サービスの質を最優先に考える方、価格を重視する方、安定性を求める方、それぞれに適した航空会社が存在します。カタール航空は、確実にその選択肢の一つとして検討に値する航空会社であり、適切な期待値のもとで利用すれば、素晴らしい旅行体験を提供してくれる可能性が高いと私は考えています。

今後、カタール航空がカスタマーサービスの改善や運営体制の強化にどのように取り組むかが、同社の真の価値を決定する重要な要因になるでしょう。現時点では、慎重な検討のもとで選択すべき航空会社というのが、私の最終的な評価です。