ユナイテッド航空の国際線と国内線を使うための必要マイルについてネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
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今回は、多くの旅行者から質問をいただく「ユナイテッド航空マイレージプラスの特典航空券に必要なマイル数」について詳しく解説していきます。国際線から国内線まで、どのくらいのマイルが必要なのか、そして実際の利用者の声も交えながら、この複雑なシステムの全貌を明らかにしていきたいと思います。
結論:ユナイテッド航空マイレージプラスの必要マイル数
国内線特典航空券については、飛行距離によって必要マイル数が決まっており、800マイル以下の短距離路線では片道5,500マイル(出発21日以上前予約)から6,000マイル(出発20日以内予約)、801マイル以上の長距離路線では片道8,800マイル(出発21日以上前予約)から9,600マイル(出発20日以内予約)となっているようです。
国際線特典航空券については、目的地のゾーンによって大きく異なり、最も近い韓国路線でエコノミークラス片道17,500マイル、人気のハワイ路線ではエコノミークラス片道47,500マイルから65,000マイル、ビジネスクラスでは85,000マイルから110,000マイルが必要とされているようです。
ただし、ユナイテッド航空のマイレージプラスは需給に応じた変動制を採用しており、シーズンや需要によって必要マイル数が大幅に変動することが特徴的で、これが多くの利用者を困惑させる要因にもなっているようです。
ユナイテッド航空マイレージプラス特典航空券システムの詳細解説
国内線特典航空券の必要マイル数詳細
ユナイテッド航空マイレージプラスでANA国内線の特典航空券を予約する場合、飛行距離ベースのシンプルな料金体系が採用されているようです。これは他の航空会社のような複雑なシーズン区分とは異なり、比較的わかりやすいシステムと言えるでしょう。
800マイル以下の路線には、東京(羽田・成田)発着の場合、札幌、仙台、新潟、富山、小松、名古屋、大阪、岡山、広島、高松、松山、福岡、熊本、大分、宮崎、鹿児島などの主要都市が含まれるようです。これらの路線では:
- 出発21日以上前の予約:片道5,500マイル
- 出発20日以内から当日の予約:片道6,000マイル
801マイル以上の路線は、東京発着では沖縄本島(那覇)、宮古島、石垣島のみが該当するようです。これらの路線では:
- 出発21日以上前の予約:片道8,800マイル
- 出発20日以内から当日の予約:片道9,600マイル
興味深いことに、2024年11月20日から必要マイル数の引き上げが実施されており、路線によって片道あたり1,000マイルから2,000マイルの上昇があったと言われています。これにより、例えば東京・羽田から秋田線は6,000マイル、札幌・千歳線は7,000マイル、沖縄・那覇線は8,000マイルとなったようです。
国際線特典航空券の複雑なゾーンシステム
ユナイテッド航空の国際線特典航空券システムは、17の地域ゾーンに分かれた非常に複雑な構造となっているようです。公式には北米、ハワイ、メキシコ、カリブ、中米、北部南米、南部南米、欧州、中東、北部アフリカ、中央・南アフリカ、北アジア、中央アジア、南アジア、日本、オセアニア、オーストラリア・ニュージーランドという分類がされているようですが、実際の必要マイル数はこの区分通りにきっちりと分かれているわけではないようです。
主要な国際線ルートの必要マイル数(2025年9月現在の情報):
韓国路線
- エコノミークラス:片道17,500マイル
- ビジネスクラス:片道45,000マイル
北アジア(中国・台湾など)
- エコノミークラス:片道17,500マイル
- ビジネスクラス:片道45,000マイル
東南アジア(香港、タイ、シンガポール、ベトナム、マレーシア、インドネシアなど)
- エコノミークラス:片道35,000マイル
- ビジネスクラス:片道90,000マイル
グアム・サイパン
- エコノミークラス:片道20,000マイル前後
- ビジネスクラス:片道40,000マイル前後
ハワイ
- エコノミークラス:片道47,500マイルから65,000マイル
- ビジネスクラス:片道85,000マイルから110,000マイル
北米・カナダ
- エコノミークラス:片道70,000マイル前後
- ビジネスクラス:片道140,000マイル前後
変動制システムの実態
ユナイテッド航空の特典航空券システムで最も注意すべき点は、需給に応じた変動制が採用されていることです。これは2019年11月に導入され、2020年5月には日本国内線にも拡大されたシステムで、需要が高い時期や路線では必要マイル数が大幅に上昇することがあるようです。
実際に、「シークレット改悪」と呼ばれる突然の必要マイル数上昇が頻繁に行われており、常に変動しているのが現状のようです。これは利用者にとって非常に予測困難な要素となっており、特典航空券を計画的に利用したい方には大きな悩みの種となっているようです。
他社マイレージプログラムとの比較
ANAマイレージクラブとの比較
同じANA国内線を利用する場合でも、ANAマイレージクラブとユナイテッド航空マイレージプラスでは大きな違いがあるようです。
羽田発着主要路線の比較:
新千歳線
- ユナイテッド航空:5,500マイル(21日以上前)/ 6,000マイル(20日以内)
- ANA:6,000マイル(ローシーズン)/ 7,500マイル(レギュラー)/ 9,000マイル(ハイシーズン)
福岡線
- ユナイテッド航空:5,500マイル(21日以上前)/ 6,000マイル(20日以内)
- ANA:6,000マイル(ローシーズン)/ 7,500マイル(レギュラー)/ 9,000マイル(ハイシーズン)
那覇線
- ユナイテッド航空:8,800マイル(21日以上前)/ 9,600マイル(20日以内)
- ANA:7,000マイル(ローシーズン)/ 9,000マイル(レギュラー)/ 10,500マイル(ハイシーズン)
興味深いことに、ユナイテッド航空は予約タイミング重視、ANAは搭乗日のシーズン重視という異なる考え方で必要マイル数が決まっているようです。
JALマイレージバンクとの比較
国際線特典航空券においても、同じ路線でありながら必要マイル数に大きな差があるようです。例えば北アジア路線(中国・台湾など)では:
- ユナイテッド航空:エコノミー17,500マイル、ビジネス45,000マイル
- JAL:エコノミー7,500マイルから97,500マイル、ビジネス22,500マイルから151,000マイル
JALの幅の広さは変動制による影響が大きいことを示していますが、最低必要マイル数はJALの方が低く設定されているようです。
ユナイテッド航空マイレージプラスの良い点・メリット
マイル有効期限が無期限という最大の利点
ユナイテッド航空マイレージプラスの最大のメリットは、マイルの有効期限が無期限であることです。これは他の多くの航空会社のマイレージプログラムと比較して圧倒的な優位性を持っており、特にコロナ禍のような予期せぬ事情で旅行ができない期間があっても、貯めたマイルが失効する心配がないという安心感があるようです。
実際の利用者からは「コロナでなかなか旅行に行けないが、マイルが切れる心配がない」という声が多く聞かれ、長期的な視点でマイルを貯めることができる点が高く評価されているようです。
スターアライアンスネットワークの広さ
ユナイテッド航空はスターアライアンスの中核メンバーとして、世界中の提携航空会社でマイルの獲得・利用ができる点も大きな利点です。特に日本国内では全日本空輸(ANA)との提携により、ANA国内線の特典航空券を比較的お得な必要マイル数で利用できることは、国内旅行を頻繁にする方にとって大きなおすすめポイントとなっているようです。
特典航空券の取りやすさ
多くの利用者から「特典航空券が比較的取りやすい」という評価を得ているようです。これは他の日系航空会社のマイレージプログラムと比較しても優位性があり、特に国際線での座席確保において、ユナイテッド航空の豊富な路線ネットワークが活かされているようです。
マイルの貯めやすさ
提携クレジットカードや提携航空会社の利用により、マイルを効率的に貯めることができる点もメリットとして挙げられているようです。特に日常の買い物や支払いでマイルを貯められるクレジットカードとの連携は、飛行機に乗らない期間でもマイル残高を増やしていける点で評価されているようです。
ユナイテッド航空マイレージプラスの悪い点・デメリット
頻繁な改悪と予測困難性
ユナイテッド航空マイレージプラスの最も大きなデメリットは、頻繁な改悪が行われることです。特に「シークレット改悪」と呼ばれる突然の必要マイル数引き上げは、利用者にとって非常に困る要素となっているようです。
2024年から2025年にかけても複数回の改悪が実施されており、例えばハワイ路線のビジネスクラスは2024年4月の時点で85,000マイルから110,000マイルだったものが、さらに上昇している可能性があるようです。このような予測困難な変更は、長期的な旅行計画を立てにくくする欠点として多くの利用者から指摘されているようです。
変動制による必要マイル数の不安定性
需給に応じた変動制システムにより、同じ路線でも時期によって必要マイル数が大幅に変わることは、計画的にマイルを貯めて利用したい方には大きなおすすめしない要因となっているようです。特に人気の高いハワイ路線や欧州路線では、ピークシーズンには表示されている最低必要マイル数の倍近くを要求されることもあるようです。
カスタマーサービスの品質にばらつき
実際の利用者からは、カスタマーサービスの対応に地域差やスタッフによるばらつきがあるという声が聞かれるようです。特に日本語対応については、他の日系航空会社と比較すると劣る部分があり、トラブル時の対応に不安を感じる方もいるようです。
乗り継ぎトラブルや遅延・欠航時の対応についても、「保証がない」「あやふやな対応をされる」といった厳しい評価があり、何かあった時のサポート体制に不安を感じる声があるようです。
機内サービスの地域差
国際線においては路線によってサービス品質に差があり、特に機内温度管理や座席の快適性について「非常に寒い」「エコノミーの座席が狭い」といった指摘があるようです。長距離フライトでは体の負担が大きいという声も聞かれ、快適性を重視する方にはおすすめできない要素となっているようです。
おすすめしたい方・おすすめできない方
おすすめしたい方
マイル有効期限を気にせず長期的に貯めたい方には、ユナイテッド航空マイレージプラスは非常におすすめです。特に仕事や家庭の事情で定期的に旅行ができない方でも、マイルが失効する心配がないため安心して利用できるでしょう。
ANA国内線を頻繁に利用する方にとっても、比較的少ないマイル数で特典航空券を取得できる点でメリットがあるようです。特に早めの予約ができる方であれば、21日以上前予約による割引料金を活用することで、ANAマイレージクラブよりもお得に国内旅行を楽しめる可能性があります。
北米路線を中心に国際線を利用する方であれば、ユナイテッド航空の豊富な路線ネットワークを活用でき、特典航空券の選択肢も多いためおすすめできるでしょう。
コストパフォーマンスを重視し、サービスよりも価格を優先する方にも適しているようです。高級感よりも実用性を求める旅行者には合っているプログラムと言えるでしょう。
おすすめできない方
計画的で予測可能な旅行計画を重視する方には、変動制システムによる必要マイル数の不安定性からおすすめしないと言えるでしょう。特に年間の旅行予算やマイル使用計画を事前に立てたい方には向いていないようです。
手厚いカスタマーサービスや日本語サポートを期待する方にもおすすめできない要素があります。トラブル時の対応や細やかなサービスを重視する方は、日系航空会社のマイレージプログラムの方が適している可能性があります。
快適性や機内サービスの品質を重視する方についても、エコノミークラスの座席の狭さや機内温度管理などの問題からデメリットを感じる可能性があるようです。
頻繁な制度変更に対応するのが面倒な方には、改悪の頻度が高いユナイテッド航空マイレージプラスは欠点が多いプログラムと言えるでしょう。
トラベルライター”TAKA”独自の考察と総合評価
長年にわたって航空業界とマイレージプログラムを取材してきた私の視点から、ユナイテッド航空マイレージプラスについて独自の考察をお伝えしたいと思います。
まず、このプログラムの最大の特徴は「長期戦略向け」であることです。マイル有効期限が無期限という圧倒的な優位性は、他のどのプログラムも真似できない独自の価値を提供しています。これは特に、仕事や家庭の事情で旅行頻度が不安定な日本人旅行者にとって、非常に重要な要素だと考えています。
しかし同時に、「短期的な計画性」という点では大きな課題を抱えているのも事実です。需給変動制による必要マイル数の不安定性は、旅行業界の収益最適化という観点では理解できるものの、消費者の立場からすると非常に使いにくいシステムと言わざるを得ません。
特に興味深いのは、国内線と国際線で全く異なる戦略が取られていることです。ANA国内線特典航空券については比較的安定した必要マイル数が維持されており、これはスターアライアンス内での戦略的な提携関係を反映していると考えられます。一方で、ユナイテッド航空自社便を中心とした国際線では、より積極的な収益最適化戦略が取られているようです。
私が特に注目しているのは、日本市場でのポジショニング戦略です。ユナイテッド航空は明らかに、日本人旅行者を「価格感度の高いセグメント」と「利便性重視のビジネスセグメント」に分けて戦略を展開していると思われます。前者には国内線特典航空券での競争力を、後者には豊富な国際線ネットワークでアピールしている構図が見えてきます。
また、改悪の頻度と規模について業界内で情報収集を続けていると、これは単なる収益向上策ではなく、航空業界全体のコスト構造変化に対応した必然的な動きであることがわかります。燃料費高騰、人件費上昇、インフラ投資負担の増加など、業界を取り巻く環境は年々厳しくなっており、マイレージプログラムの収益性確保は各社共通の課題となっています。
そうした中で、ユナイテッド航空が選択した「変動制による動的価格設定」は、業界の将来的なトレンドを先取りしたものと考えられます。おそらく今後5年から10年の間に、他の航空会社も類似のシステムを導入してくる可能性が高いでしょう。
実際の利用戦略として私がおすすめするのは、「マイル有効期限無期限」という唯一無二のメリットを最大限活用し、中長期的な視点でマイルを蓄積していくことです。そして、国内線については比較的安定している現在のうちに積極的に活用し、国際線については他のプログラムとの使い分けを検討することが賢明だと考えています。
特に、2025年以降の航空業界を見据えると、持続可能性への取り組みや新技術導入に伴うコスト上昇により、マイレージプログラム全体がより厳しい方向に向かうことは避けられません。そうした中で、長期的な安定性を提供するユナイテッド航空マイレージプラスの価値は、むしろ今後高まっていく可能性があると私は考えています。
最終的に、このプログラムは「柔軟性と忍耐力を持った利用者」に最も適したものです。制度変更に動じることなく、長期的な視点でマイルを貯め、タイミングを見計らって効果的に使える方であれば、他のプログラムでは得られない独自の価値を享受できるでしょう。逆に、確実性や予測可能性を重視する方には、現時点では他の選択肢の方が適している可能性があります。
旅行業界の変化は今後も続きますが、ユナイテッド航空マイレージプラスが持つ「マイル無期限」という根本的な価値は変わることがないでしょう。この点を軸に、自分の旅行スタイルや価値観と照らし合わせて判断していただければと思います。