マイレージプラスセゾンカードの改悪についてネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。
今回は、多くの旅行愛好家から愛用されてきたマイレージプラスセゾンカードの改悪について、ネット上で話題となっている変更内容とその影響について詳しく検証していきたいと思います。2024年から2025年にかけて段階的に実施された一連の改定は、確かに従来のメリットを大きく変えるものとなっており、既存ユーザーの間では賛否両論の声が上がっているのが現状のようです。
結論:改悪は事実だが、使い方次第では依然として価値あるカード
率直に申し上げますと、マイレージプラスセゾンカードの改悪は残念ながら事実と言わざるを得ません。特に、年会費の大幅な値上げとマイル付与条件の厳格化により、従来のような圧倒的なコストパフォーマンスは失われたと言われています。
しかし、これは完全にネガティブな変更ばかりというわけでもありません。ユナイテッド航空のマイレージプラスプログラム自体の魅力は依然として健在であり、特に海外旅行を頻繁に行う方や、まとまった額のカード決済をされる方にとっては、適切な活用方法を見つけることで、改悪後でも十分に価値を見出すことができるカードであると考えております。
具体的な改悪内容の詳細解説
年会費の大幅値上げが最も痛手
最も多くのユーザーに影響を与えたのが、カード年会費の値上げのようです。一般カードであるマイレージプラスセゾンカードの年会費は、従来の1,650円(税込)から3,300円(税込)へと実に2倍の値上げとなりました。この変更は2024年7月から適用されており、既存会員の方も次回更新時からこの新しい年会費が適用されることになったとのことです。
さらに、ゴールドカードについても22,000円から33,000円への大幅な値上げが実施されたと報告されています。一方で、プラチナカードの年会費55,000円については変更がなく、相対的にプラチナカードの価値が高まったとも言えるかもしれません。
この年会費値上げの背景には、カード会社の収益構造の見直しや、マイレージプログラムの維持コストの増大があるものと推測されます。近年、航空業界全体でマイレージプログラムの運営コストが上昇傾向にあることを考えると、ある程度はやむを得ない変更とも考えられるでしょう。
マイルアップメンバーズ年会費の倍増が追い打ち
マイレージプラスセゾンカードを最大限活用するために欠かせないオプションサービス「マイルアップメンバーズ」の年会費も、5,500円から11,000円へと倍増したようです。このオプションに加入することで、通常0.5%のマイル還元率が1.5%まで向上するため、多くのヘビーユーザーにとっては必須のサービスでした。
これにより、一般カードで最高還元率の1.5%を実現するために必要な合計年会費は、従来の7,150円から14,300円へと大幅に増加したことになります。さらに、この1.5%還元が適用されるのは年間30,000マイルまで、つまり年200万円のカード利用分までという上限も設定されているとのことです。
年間200万円以上のカード利用をされる方にとっては、実質的な還元率低下につながる変更となったわけです。このような制限により、従来のようにカード決済だけで大量のマイルを効率的に貯めることが困難になったと言えるでしょう。
税金・光熱費支払いでのマイル付与制限が大きな痛手
多くのユーザーが最も痛手に感じているのが、税金や光熱費の支払いに対するマイル付与条件の厳格化のようです。従来は、これらの支払いについても通常のショッピングと同様のマイル付与が受けられていました。
改悪後は、プラチナカードとゴールドカードでは1.5%から0.5%へと還元率が大幅に低下し、一般カードのマイルアップメンバーズ加入者に至っては完全に付与対象外となったとのことです。この変更は2024年10月から適用されており、多くのユーザーにとって実質的な還元額の大幅な減少につながったと考えられます。
特に、住民税や自動車税、固定資産税などの高額な税金をカード払いで決済していたユーザーにとっては、年間で数万マイル単位での減少となったケースも多いと推測されます。ただし、ふるさと納税については改悪の対象外とされているようですので、この点は救いと言えるかもしれません。
電子マネーチャージもマイル付与対象外に
もう一つの大きな変更点として、電子マネーやプリペイドカードへのチャージがマイル付与対象外となったことが挙げられます。従来は、Suicaや楽天Edy、nanaco等へのチャージでもマイルが貯まっていたため、これらを活用して効率的にマイルを貯めるテクニックが多くの陸マイラーに愛用されていました。
この変更により、間接的にマイルを貯める手法が大幅に制限されることとなり、特に電子マネーを多用するライフスタイルの方にとっては、マイル獲得戦略の大幅な見直しが必要になったと言えるでしょう。
マイル購入割引サービスの終了
マイレージプラスセゾンプラチナカードとゴールドカードの特典として提供されていた「マイル購入10%割引サービス」も、2024年3月31日をもって終了となりました。このサービスは、特典航空券の発券時にマイルが若干不足している場合などに重宝されていた機能でした。
マイル購入は本来、1マイルあたり約3.5円程度の高いコストがかかるため、10%割引があることで、ある程度現実的な選択肢として機能していました。この特典の終了により、マイルが少し足りない場合の調整手段が限られることになったのは、確実にデメリットと言えるでしょう。
プラチナカードにも年間獲得上限が設定
従来、マイレージプラスセゾンプラチナカードには年間獲得マイル数の上限がありませんでしたが、2025年3月から年間900,000マイルの上限が設定されることとなりました。この上限を超えた分については0.5%還元まで低下するとのことです。
年間900,000マイルということは、1.5%還元で計算すると年間6,000万円のカード利用に相当します。一般的な個人利用の範囲であれば、この上限に達することはまれと考えられますが、法人カードとして活用していた場合や、極めて高額な支出をカードで行っていた方にとっては影響があるかもしれません。
改悪の背景と業界動向の分析
航空業界全体のマイレージプログラム見直し
これらの改悪は、マイレージプラスセゾンカード単体の問題というよりも、航空業界全体でマイレージプログラムの見直しが行われている流れの一環と捉えるのが適切でしょう。ANA、JAL、そして各国の航空会社が相次いでマイレージプログラムの「改悪」を実施している背景には、いくつかの共通する要因があると考えられます。
まず、マイレージプログラムの運営コストの増大があります。特典航空券として提供する座席は、航空会社にとって機会損失となる可能性があり、収益性の観点から見直しが求められているようです。また、マイル発行量の増加により、将来的な負債となるマイル残高が膨らんでいることも、プログラムの見直しを促す要因の一つと言われています。
カード会社の収益構造の変化
クレジットカード業界においても、収益構造の見直しが進んでいるようです。従来は、カード利用による加盟店手数料収入でマイレージプログラムの運営費用を賄っていましたが、競争激化により手数料率の低下が進んでいる一方で、マイレージプログラムの運営コストは上昇傾向にあります。
このような環境下で、持続可能なサービス提供を続けるためには、ある程度の条件見直しはやむを得ない面もあると理解できます。ただし、ユーザーの立場から見れば、突然のサービス内容変更は確実に負担増となるため、不満の声が上がるのも当然と言えるでしょう。
改悪後のマイレージプラスセゾンカードの評価
良い点・メリット・おすすめポイント
改悪があったとはいえ、マイレージプラスセゾンカードには依然として多くのメリットが残っているのも事実です。まず最大の利点として、ユナイテッド航空のマイレージプラスマイルを直接貯められることが挙げられます。
ユナイテッド航空のマイレージプラスは、スターアライアンス加盟航空会社での特典航空券発券が可能であり、ANA国内線特典航空券を少ないマイル数で発券できる場合があることは大きなメリットです。例えば、通常期のANA国内線特典航空券が10,000ANAマイル必要な路線でも、ユナイテッド航空マイルなら5,000マイルで発券できるケースがあるとのことです。
また、国際線特典航空券では燃油サーチャージが不要となることも大きな魅力です。近年、燃油サーチャージの高騰が続いているため、これが不要となることの経済的メリットは相当大きいと考えられます。
さらに、2023年以降、ユナイテッド航空の特典航空券の変更・キャンセル手数料が無料となったことも見逃せないメリットです。旅行計画の変更が生じやすい昨今の状況を考えると、この柔軟性は非常に価値があると言えるでしょう。
プラチナカードについては、改悪後でも1.5%という高い還元率は維持されており、年間370万円程度のカード利用があれば年会費のもとは十分に取れる計算になります。海外旅行が多い方や、まとまったカード決済をされる方にとっては、依然として魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。
悪い点・デメリット・おすすめしない理由
一方で、改悪によるデメリットも確実に存在します。最も大きな欠点は、やはりコストパフォーマンスの大幅な悪化でしょう。従来は「最強の航空系クレジットカード」との評価もあった本カードですが、年会費倍増とマイル付与条件の厳格化により、その地位は大きく揺らいだと言わざるを得ません。
特に、税金や光熱費の支払いでマイルが貯まらなくなったことは、多くのユーザーにとって大きな痛手となったようです。これらの固定費は年間で数十万円から数百万円に達することが多く、ここでのマイル獲得機会を失ったことの影響は深刻と考えられます。
また、マイルアップメンバーズの年会費倍増により、一般カードで高還元率を実現するためのハードルが大幅に上がったことも問題です。年間14,300円という年会費は、他の航空系クレジットカードと比較しても決して安いとは言えず、費用対効果を慎重に検討する必要があるでしょう。
電子マネーチャージがマイル付与対象外となったことで、日常的な小額決済でのマイル獲得機会も失われました。コンビニエンスストアやスーパーマーケットでの買い物を電子マネーで行っていた方にとっては、マイル獲得戦略の大幅な見直しが必要になったはずです。
おすすめできる方・おすすめできない方
現在のマイレージプラスセゾンカードをおすすめしたい方は、以下のような特徴をお持ちの方です。
まず、年間数百万円以上の高額なカード決済を行う方です。改悪後でも、まとまった金額の利用があれば十分にメリットを享受できると考えられます。また、海外旅行、特にスターアライアンス系航空会社を利用した旅行を頻繁に行う方にとっては、燃油サーチャージ不要のメリットや特典航空券の柔軟性は大きな価値があるでしょう。
ビジネスでカードを利用される方、特に出張が多い職種の方にとっても、依然として魅力的なカードと言えます。法人カードとしての利用であれば、年会費も経費として処理でき、マイルは個人の旅行に活用できるという二重のメリットを享受できる可能性があります。
一方で、おすすめできない方の特徴も明確です。年間のカード利用額が100万円以下の方や、主に税金・光熱費の支払いでマイルを貯めていた方にとっては、改悪の影響が大きすぎると言わざるを得ません。
また、電子マネーチャージを多用していた陸マイラーの方や、少額の年会費でコストパフォーマンス重視のカード利用を求める方にとっても、現在のマイレージプラスセゾンカードは最適とは言えないでしょう。
国内旅行が中心で、海外旅行をほとんどされない方についても、ユナイテッド航空マイルの真価を発揮しにくいため、他のカードを検討される方が良いかもしれません。
代替カードとの比較検討
改悪を受けて、多くのユーザーが代替カードを検討されているようです。主な選択肢として、ANAカードやJALカードといった国内航空会社系のクレジットカードが挙げられます。
ANAカードの場合、国内線中心の利用であれば使い勝手が良く、燃油サーチャージは発生しますが、国内の特典航空券の取りやすさなどのメリットがあります。JALカードについても同様で、国内線ネットワークの充実度や、国内ホテルとの提携特典などが魅力です。
また、楽天カードやリクルートカードのような高還元率の汎用カードに切り替えて、貯まったポイントを航空会社のマイルに交換するという戦略も一つの選択肢でしょう。この場合、直接マイルを貯めるよりも交換率は下がりますが、より柔軟な利用が可能になります。
ただし、どのカードを選択するかは、個々のライフスタイルや旅行パターンによって大きく異なります。年間の航空券購入額、旅行先の傾向、カード利用額、重視する特典などを総合的に考慮して決定する必要があるでしょう。
今後の展望と対策
マイレージプラスセゾンカードの改悪は確かに大きな変化でしたが、これを機に自身のマイル獲得戦略を見直すことも重要です。
まず、カード利用の集約化を検討してみることをおすすめします。複数のカードに分散していた利用を一つのカードに集約することで、より効率的にマイルを貯めることができる可能性があります。
また、ボーナスマイルキャンペーンや入会特典の活用も重要です。マイレージプラスセゾンカードでは定期的に入会特典やボーナスマイルキャンペーンが実施されているようですので、これらを活用することで改悪の影響を部分的に相殺できる可能性があります。
さらに、マイレージプラス以外のマイレージプログラムとの併用も検討価値があります。複数の航空会社のマイルを並行して貯めることで、特典航空券の選択肢を広げることができるでしょう。
業界全体の動向と将来予測
航空業界全体でマイレージプログラムの見直しが進んでいることを考えると、今後も同様の「改悪」が他社でも発生する可能性があります。これは決してネガティブな面だけではなく、より持続可能なマイレージプログラムの構築につながる可能性もあります。
一方で、競争の激化により、差別化を図るために新たなサービスや特典が登場する可能性もあります。例えば、デジタル技術を活用した新しいマイル獲得手法や、ライフスタイルに密着した特典プログラムなどが登場するかもしれません。
また、サステナビリティへの関心の高まりから、環境負荷を考慮したマイレージプログラムや、カーボンオフセット機能を組み込んだ特典なども登場する可能性があります。
改悪を受けた既存ユーザーの対応策
現在マイレージプラスセゾンカードをお持ちの方は、まず保有マイルの有効活用を検討することが重要です。改悪により今後のマイル獲得効率が下がることを考えると、現在保有しているマイルを早めに有効活用することが得策かもしれません。
特典航空券の予約は一般的に11ヶ月前から可能ですので、来年以降の旅行計画を早めに立てて、マイルを活用することを検討してみてください。ユナイテッド航空の場合、特典航空券の変更・キャンセル手数料が無料となっていますので、とりあえず予約しておいて後から変更するという戦略も可能です。
また、マイレージプラスのパートナー企業でのマイル利用も検討価値があります。航空券以外でも、ホテルの宿泊やレンタカー、ショッピングでマイルを使用できる場合がありますので、これらの選択肢も含めて総合的に判断することが重要でしょう。
カード自体の継続については、年会費と獲得できるマイルの価値を客観的に比較して判断することをおすすめします。特に、マイルアップメンバーズに加入されている方は、年会費総額と実際の利用額から還元率を計算して、他のカードとの比較検討を行うことが重要です。
トラベルライター”TAKA”の独自見解と今後への期待
長年にわたって多くの旅行愛好家に愛用されてきたマイレージプラスセゾンカードの改悪は、確かに残念な出来事でした。しかし、私はこれを単純にネガティブな変化として捉えるのではなく、業界全体の成熟化と持続可能性への転換点として理解すべきだと考えています。
これまでのマイレージプログラムは、ある意味で「マイルのばらまき」とも言える状況が続いていました。税金や公共料金の支払い、電子マネーチャージなど、本来の「旅行促進」という目的からは離れた用途でもマイルが付与されていたのは、長期的には持続可能とは言えない面もあったでしょう。
今回の改悪により、より「旅行」に密着した形でマイルを獲得・利用するという、本来のマイレージプログラムの姿に回帰したとも言えます。これは短期的には利用者の負担増となりますが、長期的にはより健全で持続可能なプログラムの構築につながる可能性があります。
また、この変化は利用者側にも新たな気づきをもたらすかもしれません。これまでは「とにかくマイルを貯める」ことに注力していた方も、「どのようにマイルを有効活用するか」により重点を置くようになるでしょう。この結果、より戦略的で効率的なマイル活用が進み、実際の旅行体験の質が向上する可能性もあります。
私が特に注目しているのは、ユナイテッド航空マイレージプラスプログラムの柔軟性です。特典航空券の変更・キャンセル手数料無料や、燃油サーチャージ不要といった特徴は、コロナ禍を経験した現在の旅行環境において極めて価値の高いものです。これらのメリットは改悪後も維持されており、適切な活用方法を見つけることができれば、依然として大きな価値を提供してくれるはずです。
さらに、今回の改悪を受けて、カード会社側も利用者のフィードバックを真摯に受け止め、新たなサービスや特典の開発に取り組む可能性もあります。競争の激しいクレジットカード市場において、顧客満足度の維持・向上は極めて重要な課題ですから、何らかの形での「改善」が図られることを期待しています。
個人的には、デジタル技術を活用した新しいマイル獲得手法や、よりパーソナライズされた特典プログラムの登場に期待しています。例えば、AI技術を活用して個々の利用者の旅行パターンを分析し、最適な特典航空券の提案を行うサービスや、SDGsの観点から環境負荷の少ない旅行を促進するような特典システムなどが実現すれば、マイレージプログラムの価値は大きく向上するでしょう。
最後に、マイレージプラスセゾンカードの改悪は確かに痛手ですが、これを機に自身の旅行スタイルやマイル活用戦略を見直すことで、より充実した旅行体験を実現できる可能性もあります。改悪に嘆くだけでなく、新しい旅の楽しみ方を見つけるきっかけとして前向きに捉えていただければと思います。
旅行は人生を豊かにしてくれる素晴らしい体験です。マイレージプログラムの変更があったとしても、その本質的な価値は変わりません。今回の改悪を乗り越えて、より戦略的で効率的なマイル活用を実現し、素晴らしい旅行体験を積み重ねていただけることを心から願っております。