大韓航空について”最悪”、”破綻”、”危ない”、”やばい”とネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。

今回は、日本の多くの旅行者が利用する機会の多い大韓航空について、インターネット上で「最悪」「破綻」「危ない」「やばい」といったネガティブな口コミが散見される理由について詳しく調査し、その真相に迫ってみたいと思います。大韓航空は韓国最大の航空会社であり、日本からも多くの路線を運航しているフルサービスキャリアですが、なぜこのような厳しい評価を受けることがあるのでしょうか。

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結論:大韓航空の評判が悪い理由について

調査の結果、大韓航空に対する「最悪」「危ない」といった評価の背景には、主に以下の要因があることがわかりました。

第一に、顧客対応やサービス品質にばらつきがある点が挙げられます。特に乗り継ぎ時の地上スタッフの対応や、客室乗務員の接客態度について不満を抱く利用者が一定数存在するようです。

第二に、過去の安全面での懸念が現在でも影響を与えているようです。大韓航空は1980年代から1990年代にかけて複数の重大事故を経験しており、この歴史的な背景から「危ない航空会社」というイメージが一部で根強く残っているものと考えられます。

第三に、企業グループ全体の経営問題も評判に影響を与えているようです。特に韓進海運の経営破綻や、創業家一族による企業統治の問題などが、航空会社としての信頼性に疑問を投げかける要因となっているようです。

第四に、競争激化による価格・サービス面での課題も指摘されています。韓国の航空業界は過当競争の状態にあり、これが各社の経営を圧迫し、結果として顧客満足度の低下につながっている可能性があります。

しかし重要なポイントとして、これらの問題は一部の事例に基づくものであり、大韓航空は現在も世界的に認められた航空会社として運航を続けており、多くの利用者からは一定以上の評価を得ていることも事実です。

詳細分析:なぜ「最悪」「やばい」と言われるのか

1. 顧客対応・接客サービスの課題

大韓航空に対する最も多い不満の一つが、地上スタッフや客室乗務員の接客態度に関するものです。具体的な事例として、仁川国際空港での乗り継ぎ時に「飛行機の到着が遅れて乗り継ぎまで30分しかなく、先頭で降りて乗り継ごうとしたら、地上の大韓航空の男性スタッフに止められて、無理だからここで一泊しろと言われた」という深刻なトラブルが報告されています。

このような事例では、スタッフの判断力不足や融通性の欠如が問題となっており、特に緊急時や イレギュラーな状況での対応能力に課題があるように見受けられます。また、「日本往復のビジネスクラスなのに、日本語のわかるCAがいなかった」「韓国人のCAが、私のズボンにビールをこぼし、その対応にはあきれてしまった」といった具体的な接客トラブルも報告されています。

言語対応の問題も重要な要素の一つです。大韓航空は日本路線を多数運航しているにも関わらず、便や担当者によっては日本語対応に大きなばらつきがあるようです。特にビジネスクラス利用者からは、プレミアムクラスにふさわしいサービスレベルへの期待が高いため、この点での不満が「最悪」という評価につながりやすいと考えられます。

2. 安全性に対する歴史的な懸念

大韓航空が「危ない」「やばい」と評価される背景には、過去の航空事故歴が大きく影響しているようです。特に1980年代から1990年代にかけて発生した複数の重大事故により、安全性への懸念が生まれ、それが現在でも一部で語り継がれているのが実情です。

「大韓航空って昭和の頃はよく落ちるとか危ない航空会社と聞いたのを覚え」という声に代表されるように、過去の事故のイメージが現在でも払拭されていない側面があります。ただし重要なことは、大韓航空は過去17年間死亡事故を起こしていないという事実があり、安全への評価は実際には大幅に改善されていることです。

3. 企業統治と経営面での問題

大韓航空の評判に影響を与えているもう一つの要因が、グループ企業全体の経営問題です。特に2016年に経営破綻した韓進海運への600億ウォンの融資問題や、これを巡って取締役会が分裂するという深刻な内部対立が露呈したことは、企業統治への信頼を大きく損なう結果となりました。

また、創業家一族によるグループ各社の支配構造も批判の対象となっており、いわゆる「ナッツ事件」に代表される家族経営の弊害が、航空会社としての信頼性に疑問を投げかける要因となっているようです。これらの企業統治の問題は、直接的には航空サービスとは関係ないものの、企業全体のイメージダウンにつながり、結果として「やばい会社」という印象を与えている可能性があります。

4. 韓国航空業界全体の構造的問題

大韓航空の評判を考える上で見逃せないのが、韓国航空業界全体が抱える構造的な問題です。韓国の航空市場は「人口5000万人程度の国の規模で航空会社9社は多すぎる」と指摘されるほどの過当競争状態にあり、これが各社の収益性を圧迫し、結果的にサービス品質の低下を招いている可能性があります。

特に「韓国の産業構造は養鶏場と一緒。儲かると思ったら、市場規模も考慮せずにぎゅうぎゅうに詰め込む」と表現されるような、短期的な利益追求型のビジネスモデルが、長期的な顧客満足度やブランド価値の構築を阻害している側面があるのかもしれません。

5. 機内設備・サービス面での課題

設備面では「日本語字幕の映画が無い」「機材によってはエンタメ設備が古い」といった指摘もあります。また、「機内食が普通」という評価や、「完全フルフラットにはならない」シートといった、他社との競争力不足を指摘する声も見受けられます。

空港ラウンジのサービス品質についても、「成田では軽食類、飲み物類・・かなり種類が少ないし、あまり速やかに補充されません」「ホノルルではかなりこじんまりしたラウンジで、ここの管理人のような女性が一人、かなり横柄な人でした」といった具体的な不満が報告されています。

大韓航空の良い点・メリット・おすすめポイント

一方で、大韓航空には数多くの良い点・メリット・おすすめポイントがあることも重要な事実です。

世界的に認められた高品質サービスが第一の魅力です。スカイトラックスでは5スターの評価を受けており、世界トップ10に入る航空会社として国際的に認知されています。これは単なる評価機関の数字ではなく、実際のサービス品質が世界基準で評価されていることを意味します。

日本路線の充実と利便性も大きなメリットの一つです。仁川国際空港は東アジア最大のハブ空港として機能しており、日本各地からの乗り継ぎ利便性は非常に高いレベルにあります。「料金も他の航空会社に比べて安い方で、仁川空港で乗り継いで他国へ行く場合にも、時間的にロスの少ない便が多い」という利用者の声もあります。

機内食の品質については、特にビビンバが「賞を取っているだけにかなり美味」と高く評価されており、韓国料理の本場ならではの味を楽しめる点は他社にはない魅力です。また、「機内食もおいしかった」「映画が観られたり音楽が聴けたり」といった基本的なサービスレベルの高さも評価されています。

フルサービスキャリアとしての安心感も重要な利点です。LCC(格安航空会社)とは異なり、受託手荷物や機内食、エンターテインメントシステムなどが基本料金に含まれているため、追加料金を気にすることなく安心して利用できます。

こんな方におすすめです

  • 韓国経由でヨーロッパ、アメリカ、東南アジアなど世界各地へ効率的に移動したい方
  • フルサービスキャリアの充実したサービスを求める方
  • 本格的な韓国料理(特にビビンバ)を機内で楽しみたい方
  • 仁川国際空港の充実した免税店でのショッピングを楽しみたい方

大韓航空の悪い点・デメリット・おすすめしないポイント

一方で、大韓航空には以下のような悪い点・デメリット・欠点があることも事実です。

航空券価格の高さが最も大きなデメリットとして挙げられます。韓国系LCCや他のアジア系航空会社と比較すると、フルサービスキャリアならではの高品質サービスの分、料金が高い傾向があり、特にピークシーズンには価格差が顕著になります。

接客サービスの品質にばらつきがあることも重要な欠点です。前述のような地上スタッフや客室乗務員の対応に関するトラブル事例が示すように、スタッフによって、また状況によってサービス品質に大きな差が生じる可能性があります。

日本語対応の不安定さも看過できない問題です。基本的には日本語対応スタッフが配置されているものの、便や担当者によっては日本語が通じにくい場合があり、特に緊急時やトラブル発生時には言語の壁が深刻な問題となる可能性があります。

機内エンターテインメントシステムの古さも指摘される欠点の一つです。「日本語字幕の映画が無い」「機材によってはエンタメ設備が古い」といった設備面での課題は、長時間フライトでの快適性を損なう要因となります。

こんな方にはおすすめしません

  • とにかく航空券の安さを最優先にする方(LCCの方が適しています)
  • 日本語でのコミュニケーションを重視し、言語の壁に不安を感じる方
  • 最新の機内エンターテインメント設備にこだわりがある方
  • 短距離路線でシンプルな移動のみを求める方

トラベルライター”TAKA”の独自考察と総合評価

これまでの調査と分析を踏まえて、私なりの独自の視点から大韓航空の真の姿について考察してみたいと思います。

まず重要なことは、大韓航空に対する「最悪」「危ない」といったネガティブな評価の多くが、過去の出来事や一部の事例に基づいているということです。現在の大韓航空は、スカイトラックス5スター評価を受ける世界的な航空会社であり、安全性についても過去17年間無事故という実績を持っています。これは事実として正しく評価されるべき点だと考えます。

しかし同時に、顧客接触点でのサービス品質にばらつきがあることも事実です。特に地上スタッフや客室乗務員の対応については、企業として統一した品質基準の徹底が必要な段階にあるように感じられます。これは韓国企業特有の上下関係の厳しさや、日本人顧客に対する文化的理解の不足などが背景にある可能性があります。

私が特に注目するのは、韓国航空業界全体の構造的問題が個別の航空会社の評判に与える影響です。過当競争による収益性の悪化は、必然的にサービス品質の低下を招きがちです。大韓航空も例外ではなく、コスト削減圧力の中でいかに顧客満足度を維持するかという課題に直面しているのではないでしょうか。

また、日本の旅行者にとって重要なのは、大韓航空が提供する「コネクティビティ(接続性)」の価値です。仁川国際空港は確実に東アジア最大のハブ空港として機能しており、日本から世界各地への乗り継ぎ利便性は他社では代替困難なレベルにあります。この地理的・戦略的優位性は、多少のサービス面での課題を補って余りあるメリットと言えるでしょう。

私の結論として、大韓航空は「完璧ではないが、世界標準のサービスを提供する信頼できる航空会社」だと評価します。確かに接客面での課題や価格の高さといったデメリットは存在しますが、安全性、路線ネットワーク、基本的なサービス品質においては、日本の旅行者が安心して利用できるレベルにあると考えます。

特に、韓国経由で第三国への移動を考えている旅行者や、アジア系航空会社の中でも高品質なサービスを求める方には、積極的におすすめできる選択肢だと思います。ただし、価格重視の方や言語面での不安がある方は、他の選択肢も慎重に検討されることをお勧めします。

最後に、航空会社選びで最も重要なことは、個々の旅行者のニーズと優先順位を明確にすることです。大韓航空のメリットとデメリットを正しく理解した上で、ご自身の旅行スタイルに最も適した選択をされることが、満足度の高い旅行体験につながると確信しています。

現在も大韓航空とアシアナ航空の合併進行中という業界再編の渦中にある中、今後のサービス改善や路線拡充にも期待が持てる航空会社として、引き続き注目していきたいと思います。