カタール航空マイレージのJALとANAの提携についてネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。

今回は多くの旅行者から寄せられる「カタール航空のマイレージはJALやANAと提携してるの?」という疑問について、徹底的にリサーチし真実をお伝えします。近年、カタール航空の路線網拡大や優れたサービスで注目を集めている同航空会社ですが、日本の主要航空会社とのマイレージ提携状況は複雑で、多くの誤解が生まれているのが現状のようです。

結論:JALとは提携中、ANAとは現在提携なし

まず結論から申し上げますと、カタール航空はJALマイレージバンクと提携している一方で、ANAマイレージクラブとは現在提携していないというのが事実のようです。これは航空アライアンスの仕組みと密接に関わっており、旅行者にとって重要な選択のポイントとなります。

カタール航空は2013年にワンワールドアライアンスに正式加盟し、同じアライアンスに属するJALとはマイレージプログラムで密接に連携しているようです。一方、ANAはスターアライアンスに加盟しているため、異なるアライアンス間での提携は基本的に行われていないのが実情と言えるでしょう。

JALとの提携の詳細

カタール航空とJALマイレージバンクの提携は、ワンワールドアライアンスの枠組みを通じて実現されているようです。JALマイレージバンク会員は、カタール航空便に搭乗した際にマイルを積算することが可能で、予約クラスに応じて30%から100%の積算率が適用されると報告されています。

良い点として挙げられるのは、日本からドーハ経由でヨーロッパやアフリカへ向かう際の選択肢が大幅に広がることでしょう。特にカタール航空の燃油サーチャージが0円という点は大きなメリットと言えます。JAL便を利用した場合の燃油サーチャージが7万円程度かかることを考えると、この差額は旅行費用に大きく影響するようです。

また、JALマイルを使ってカタール航空の特典航空券を発券することも可能で、ワンワールド提携社特典航空券として利用できるのも利点の一つです。日本からドーハ・イスタンブール方面へのエコノミークラス特典航空券は通常55,000マイルで交換可能とのことで、これはJAL便のみを利用する場合と比較しても競争力のある水準のようです。

ANAとの提携状況の変遷

一方、ANAとカタール航空の関係はより複雑な歴史を持っているようです。実は過去には両社の間にマイレージプログラム提携が存在していたことが明らかになっています。2003年12月1日から開始されたこの提携により、ANAマイレージクラブ会員はカタール航空便でマイルを積算でき、逆にカタール航空のプリビレッジクラブ会員もANA便でマイル積算が可能だったようです。

しかしながら、2013年にカタール航空がワンワールドアライアンスに加盟した際、この個別提携は終了したと考えられています。現在のところ、ANAの提携航空会社リストにカタール航空は含まれておらず、マイルの相互積算や特典航空券の交換はできない状況のようです。

悪い点として、この提携終了により、ANAマイレージクラブ会員にとってカタール航空は実質的に「使えない航空会社」になってしまったことが挙げられます。特にANAプレミアムメンバーの方々にとっては、これまで利用できていた選択肢が狭まったというデメリットがあるでしょう。

カタール航空独自のマイレージプログラム「プリビレッジクラブ」

カタール航空は独自のマイレージプログラム「プリビレッジクラブ(Privilege Club)」を運営しており、これは他の航空会社のマイレージプログラムとは別の選択肢となります。プリビレッジクラブでは「Qポイント」と「Aviosポイント」の2種類のポイントシステムを採用しているようです。

このプログラムの良い点は、マイルの有効期限が実質無期限に近い仕組みになっていることです。基本的には加算から3年間の有効期限がありますが、期間中に新たなマイル獲得があれば期限が延長される仕組みになっており、定期的にカタール航空やワンワールド加盟航空会社を利用する方にとっては非常に使いやすいシステムと言えるでしょう。

また、プリビレッジクラブのメリットとして、ブリティッシュエアウェイズのAviosポイントと相互交換が可能な点も挙げられます。これにより、実質的にマイルの利用範囲が拡がり、より柔軟な特典利用が可能になるようです。

具体的な積算率と利用方法

カタール航空便を利用した際の各マイレージプログラムでの積算率について詳しく見てみると、興味深い違いが浮かび上がります。JALマイレージバンクでは、エコノミークラスの上級予約クラス(Y・B・H)で100%、割引運賃クラス(K・M)で50%、最安値クラス(L・V・S・N・Q・G・W)で30%の積算率が適用されるようです。

これらの積算率は、同じフライトを利用してもどの運賃で予約したかによって獲得マイル数が大幅に変わることを意味します。おすすめしたいのは、可能な限り上級予約クラスでの予約を心がけることで、特に長距離路線では積算マイルの差が顕著に現れるようです。

一方で悪い点として、格安航空券やツアー料金に含まれる航空券では積算率が50%や0%になってしまう場合があることが報告されています。これは旅行者にとって事前に確認すべき重要なポイントと言えるでしょう。

特典航空券利用時のメリット・デメリット

JALマイルを使ってカタール航空の特典航空券を発券する場合、いくつかの重要なポイントがあります。最大のメリットは前述の通り燃油サーチャージが0円という点ですが、これに加えて経由地のドーハでストップオーバーが可能という点も見逃せません。

ドーハ・ハマド国際空港は近年大幅にリニューアルされ、世界屈指の施設を誇る空港として知られているようです。特に同空港内の「ザ・ガーデン」など最新施設を楽しめるほか、無料の市内観光ツアーも提供されており、トランジット時間を有効活用できるのは大きな利点と言えるでしょう。

しかしながらデメリットとして、日本発着のカタール航空便は羽田・成田・関西・中部の限定された空港からの運航のため、地方在住者にとってはアクセスの問題があることが挙げられます。また、中東経由という特性上、ヨーロッパ方面への所要時間がヨーロッパ系航空会社の直行便と比較して長くなってしまう点も考慮すべきポイントでしょう。

どのような旅行者におすすめか

これらの分析を踏まえると、カタール航空のマイレージプログラムは特定のタイプの旅行者におすすめできると考えられます。

まず、JALマイレージバンク会員で、主にヨーロッパ・アフリカ・中東方面への旅行を計画している方には非常に有効な選択肢となるでしょう。特に燃油サーチャージを節約したい方や、ビジネスクラス以上での特典航空券利用を検討している方には大きなメリットがあるようです。

また、ワンワールド加盟航空会社を中心に利用されている方にとっては、マイル積算の選択肢が増えることで効率的なマイル獲得が可能になると考えられます。特にアメリカン航空、ブリティッシュエアウェイズ、キャセイパシフィック航空などのマイレージプログラムと併用することで、より柔軟なマイル活用が期待できるでしょう。

おすすめできないケース

一方で、おすすめしないケースもいくつか考えられます。まず、ANAマイレージクラブをメインで利用している方にとっては、現在のところカタール航空は実質的に「使えない」航空会社となってしまっているのが現状です。

このような方々には、スターアライアンス加盟のルフトハンザドイツ航空、スイス国際航空、オーストリア航空などを利用することで、ANAマイルでの積算・利用が可能になるため、そちらを検討することをおすすめします。

また、国内線中心の旅行スタイルの方や、短距離国際線(韓国・台湾・香港など)を主に利用される方にとっては、カタール航空のマイレージプログラムの欠点として、利用機会が限定的になってしまうことが挙げられるでしょう。

今後の展望と業界動向

航空業界のアライアンス構造は時代とともに変化しており、今後のカタール航空とANAの関係についても注視していく必要があるでしょう。過去に個別提携が存在していたことを考慮すると、将来的に何らかの形での協力関係が復活する可能性も完全には否定できません。

特に、両社ともアジア・太平洋地域でのネットワーク拡充に力を入れており、相互補完的な関係を構築するメリットは双方にあると考えられます。ただし、現在のアライアンス構造を考慮すると、大きな変化が生じる可能性は限定的と見るのが妥当でしょう。

実践的な活用アドバイス

実際にカタール航空のマイレージプログラムを活用する際の実践的なアドバイスをいくつかご紹介します。

まず、JALマイレージバンク会員の方がカタール航空便を利用する際は、事前座席指定や機内食の特別リクエストなどのサービスレベルについて確認しておくことをおすすめします。ワンワールド上級会員ステータスを持っている場合は、カタール航空でも相応のサービスを受けられる可能性が高いようです。

また、特典航空券を発券する際は、カタール航空の座席指定システムについて事前に理解しておくことが重要です。他の航空会社とはシステムが異なるため、希望の座席を確保するためには適切な手続きが必要になるようです。

マイレージプログラム選択の戦略的考え方

複数のマイレージプログラムを使い分けることで、より効率的なマイル活用が可能になることも付け加えておきたいと思います。例えば、ヨーロッパ方面への旅行ではカタール航空とJALマイレージバンクの組み合わせを活用し、アジア・オセアニア方面ではANAマイレージクラブとスターアライアンス加盟航空会社を利用するといった使い分けが考えられます。

このような戦略的なアプローチにより、それぞれのマイレージプログラムの良い点を最大限に活用しながら、悪い点を補完することが可能になるでしょう。

トラベルライター”TAKA”の独自見解

長年にわたって航空業界を取材し、数多くの航空会社のマイレージプログラムを実際に利用してきた経験から申し上げると、カタール航空のマイレージプログラムは「使いこなせば非常に価値の高いプログラム」だと感じています。

特に注目すべきは、同社の急速なネットワーク拡大と機材・サービスレベルの向上です。ドーハをハブとする地理的優位性を活かし、ヨーロッパ、アフリカ、アジアを効率的に結ぶルートネットワークは、他の航空会社では代替が困難な独自性を持っています。

また、カタール航空の機内サービスや空港ラウンジの品質は世界最高水準と評価されており、マイレージプログラムの価値を決める重要な要素である「利用したいと思える航空会社かどうか」という点において、同社は確実に合格点を与えられる存在だと考えています。

一方で、日本の旅行者にとって最大の課題は、やはりANAマイレージクラブとの提携がないことでしょう。ANAの国内線ネットワークと国際線ネットワークを日常的に利用している旅行者にとって、カタール航空は「魅力的だが使いにくい」航空会社という位置づけに留まってしまっているのが現状です。

しかしながら、航空業界の競争環境は常に変化しており、今後数年間でアライアンス構造や個別提携関係に何らかの変化が生じる可能性も否定できません。特に、日本市場の重要性が高まる中で、カタール航空がより柔軟なパートナーシップ戦略を採用する可能性もあるでしょう。

私の予測として、短期的にはJALマイレージバンクとの提携をより強化し、長期的にはANAとの間でも何らかの協力関係が構築される可能性があると考えています。それまでの期間は、旅行者の皆様には現在の提携状況を正確に理解した上で、最適なマイレージプログラム選択を行っていただきたいと思います。

最終的に申し上げたいのは、マイレージプログラムは「貯める」ことが目的ではなく「使う」ことで真価を発揮するということです。カタール航空のマイレージプログラムも、適切に理解し活用すれば、皆様の旅行体験を大幅に向上させる可能性を秘めているのです。