カタール航空マイレージの事後登録についてネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。

今回は、多くの旅行者から寄せられる「カタール航空のマイレージは事後登録できるのか?」という質問について、インターネット上の情報を徹底的にリサーチし、その実態を明らかにしていきたいと思います。

近年、中東系航空会社の中でも特に高い評価を受けているカタール航空は、ドーハ経由でヨーロッパ、アフリカ、アジア各地へのアクセスが良好で、日本人旅行者にも人気が高まっています。しかし、予約時にマイレージ登録を忘れてしまったり、どのマイレージプログラムに登録すべきか迷っているうちに搭乗してしまったりするケースも少なくありません。そんな時に気になるのが、フライト後にマイレージの事後登録ができるかどうかという点です。

結論:カタール航空のマイレージ事後登録は十分可能

まず結論から申し上げますと、カタール航空のフライトで獲得したマイレージの事後登録は確実に可能のようです。これは、カタール航空独自のマイレージプログラムである「プリビレッジクラブ」への事後登録はもちろん、提携航空会社のマイレージプログラム(JALマイレージバンクやANAマイレージクラブ)への事後登録についても同様と言われています。

この事後登録システムは、現代の航空業界において顧客サービスの重要な一環として位置づけられており、カタール航空も例外ではないようです。特に、ワンワールドアライアンスに加盟しているカタール航空は、アライアンス内の他社マイレージプログラムとの相互利用が可能で、事後登録についても柔軟な対応を取っていると評判になっています。

カタール航空プリビレッジクラブへの事後登録システム

事後登録可能な期間と条件

カタール航空の自社マイレージプログラムである「プリビレッジクラブ」への事後登録については、搭乗のタイミングとプログラム入会のタイミングによって異なる期間設定がなされているようです。

入会後のフライトの場合、搭乗日から180日以内に事後登録申請を行うことができると言われています。これは半年間という十分な期間が設けられており、フライト後にゆっくりと手続きを進めることが可能です。例えば、5月1日にフライトを利用した場合、10月28日までに事後登録を完了すれば問題ないとされています。

一方、入会前のフライトの場合は、搭乏日から30日以内にプリビレッジクラブに入会し、同時に事後登録を行う必要があるようです。この場合、5月1日にフライトを利用していれば、5月31日までに入会と事後登録の両方を完了させる必要があります。この30日という期間は、他の航空会社と比較してもやや短めの設定となっているため、注意が必要です。

具体的な事後登録手続き方法

プリビレッジクラブへの事後登録手続きには、主に2つの方法が用意されているようです。

第一の方法:メール送信による申請 必要書類をメールに添付してカタール航空に送信する方法です。添付すべき書類は、搭乗半券、Eチケットまたは航空券領収書となっており、メール本文には氏名と会員番号を記載する必要があります。送信先のメールアドレスは「membersvc@qmiles.com」と公開されており、24時間いつでも申請を受け付けているようです。

第二の方法:オンライン申請 カタール航空の公式ホームページから、ログイン後に専用ページにアクセスして申請を行う方法です。この場合、13桁の航空券番号(Eチケットや航空券控えに記載)と会員番号を入力する必要があります。オンライン申請の場合、書類のスキャンやアップロードの手間が省けるため、より便利な方法と言えるでしょう。

オンライン事後登録は、カタール航空公式サイトにログイン後、「Privilege Club」→「Earn Qmiles & Qpoints」→「Claim Missing Qmiles」の順序でメニューを選択することで手続きページにアクセスできるようです。

JALマイレージバンクへの事後登録

カタール航空は2013年11月にワンワールドアライアンスに加盟して以来、日本航空(JAL)との提携関係が深まっており、カタール航空のフライトでJALマイルを貯めることができるようになっています。

JALマイル事後登録の条件と期間

JALマイレージバンクへのカタール航空フライトの事後登録については、搭乗日から14日後〜6ヶ月以内という期間設定がなされているようです。この「14日後から」という条件は、航空会社間でのフライト実績データの共有に一定の時間を要するためと考えられており、業界標準の取り扱いとなっています。

興味深いことに、JALマイレージバンクに未入会の状態でカタール航空を利用した場合でも、入会以前6ヶ月以内のフライトであれば事後登録が可能とされています。これは非常に柔軟なサービスで、後からマイレージプログラムの価値に気づいた旅行者にとっては非常にありがたい制度と言えるでしょう。

JALマイル事後登録の手続き方法

JALマイレージバンクへの事後登録手続きには、オンラインと郵送の2つの方法が用意されているようです。

オンライン申請は、JAL公式ウェブサイトの専用ページから行うことができ、24時間受付となっているため利便性が高いと評判です。

郵送申請の場合は、東京都大田区東京流通センター内郵便局私書箱158号「JALマイレージバンク事務局 国際線事後登録係」宛に必要書類を送付します。必要書類は①Eチケット、②会員名義の搭乗券、③「JMBお得意様番号」「氏名」「住所」「電話番号」「生年月日」を明記したメモとなっています。

ANAマイレージクラブへの事後登録

カタール航空のフライトは、ANAマイレージクラブにも事後登録が可能のようです。これは、両社がスターアライアンス時代からの関係を維持していることと、現在でも一定の提携関係を続けているためと考えられています。

実際に、インターネット上の口コミでは「団体ツアーのお安いチケットでも、ためているANAのマイレージは50%加算して頂けました」という報告も見受けられ、ANAマイルでの事後登録が実際に行われていることが確認できます。

事後登録システムの良い点とメリット

カタール航空のマイレージ事後登録システムには、旅行者にとって多くのメリットが存在します。

第一のメリットは、柔軟な期間設定です。特にプリビレッジクラブの場合、入会後のフライトであれば180日という長期間の猶予が与えられており、忙しい旅行者でも余裕を持って手続きを進めることができます。これは他の航空会社と比較しても非常に利点が大きい点と言えるでしょう。

第二のメリットは、複数の申請方法が用意されていることです。メール送信、オンライン申請、郵送申請など、利用者の状況や好みに応じて選択できる柔軟性があります。特にオンライン申請は、書類の準備やスキャン作業が不要で、移動中やちょっとした空き時間でも手続きができるため、現代の旅行者のライフスタイルに適合していると言えます。

第三のメリットは、提携航空会社のマイレージプログラムも選択できることです。JALマイレージバンクやANAマイレージクラブなど、日本人にとってより使いやすいマイレージプログラムを選択できることは、大きなおすすめポイントとなります。特に、既に他社のマイレージを貯めている旅行者にとっては、マイルの分散を避けて効率的に貯めることができる重要な機能です。

第四のメリットは、未入会者への配慮です。JALマイレージバンクの場合、入会前6ヶ月以内のフライトも事後登録対象とするなど、マイレージプログラムの初心者に優しい制度設計となっています。これは、旅行後にマイレージの重要性に気づいた人々にとって、非常に価値の高いサービスと言えるでしょう。

事後登録システムの悪い点とデメリット

一方で、カタール航空のマイレージ事後登録システムには、いくつかのデメリット欠点も存在するようです。

第一のデメリットは、入会前フライトの申請期間の短さです。プリビレッジクラブの場合、入会前のフライトは搭乗日から30日以内に手続きを完了する必要があり、他社と比較してもこの期間設定はやや厳しいと言わざるを得ません。特に、長期旅行や複数回の出張が重なる時期には、この30日という制限がおすすめしない理由の一つとなる可能性があります。

第二のデメリットは、必要書類の保管負担です。事後登録を行うためには、Eチケット、搭乗券、航空券領収書などの書類を確実に保管しておく必要があります。特に、複数の航空会社を利用する複雑な旅程の場合、どの書類がどのフライトに対応するのかを整理し続けることは、一定の負担となるでしょう。

第三のデメリットは、承認プロセスの不透明性です。事後登録申請を行った後、実際にマイルが加算されるまでの期間や、承認の可否については、事前に明確な基準が公開されていない場合が多いようです。これは申請者にとって不安要素となる欠点と言えます。

第四のデメリットは、言語バリアです。カタール航空は中東系の航空会社であり、事後登録に関する問い合わせや書類作成において、英語やアラビア語での対応が必要となる場合があります。日本語での完全なサポートが期待できない点は、日本人旅行者にとっておすすめできない部分の一つです。

事後登録をおすすめしたい方

カタール航空のマイレージ事後登録システムは、以下のような方々に特におすすめできます。

頻繁にカタール航空を利用される方:定期的にカタール航空を利用するビジネス利用者や、中東・ヨーロッパ方面への旅行を好む方には、プリビレッジクラブへの事後登録が大きなメリットをもたらすでしょう。特に、カタール航空の上級会員ステータスを目指す場合、すべてのフライト実績を確実に加算することが重要になります。

既にJALまたはANAマイルを貯めている方:すでに日系航空会社のマイレージプログラムでマイルを貯めている方にとって、カタール航空フライトの事後登録は既存のマイル残高を効率的に増加させる手段となります。特に、JALマイルの場合は比較的手続きが簡素化されており、オンラインでの申請も可能です。

書類管理が得意な方:旅行書類の整理整頓を習慣化している方や、デジタルファイルでの管理システムを構築している方にとっては、必要書類の準備や保管も負担にならないでしょう。むしろ、計画的にマイルを貯めるための有効な手段として活用できます。

中長期的な旅行計画を立てる方:将来的な特典航空券の利用を見据えて、コツコツとマイルを貯めたい方には、事後登録システムを活用してマイルの取りこぼしを防ぐことが重要です。特に、ファミリー旅行や特別な記念旅行のために、数年かけてマイルを貯める計画を立てている方におすすめです。

事後登録をおすすめできない方

一方で、以下のような方には、カタール航空のマイレージ事後登録はあまりおすすめできないかもしれません。

書類管理が苦手な方:旅行後に搭乗券やEチケットを紛失してしまいがちな方や、書類の整理整頓が苦手な方にとっては、事後登録に必要な書類を確実に保管し続けることが大きな負担となる可能性があります。

短期間での手続きが困難な方:特にプリビレッジクラブの入会前フライトの場合、30日以内という短期間での手続きが必要となるため、忙しいビジネスパーソンや、旅行後すぐに次の予定が詰まっている方には向かない場合があります。

英語でのやり取りに不安がある方:カタール航空への問い合わせや、複雑な事後登録手続きにおいて、英語でのコミュニケーションが必要となる場合があります。語学に自信がない方にとっては、これが大きな障壁となる可能性があります。

マイル利用の予定が不明確な方:そもそもマイルを使った特典航空券の利用予定が明確でない方や、マイレージプログラム自体にあまり興味がない方にとっては、事後登録の手続きに費やす時間と労力が見合わない場合があります。

トラベルライター”TAKA”の独自考察

ここからは、私が長年の旅行業界取材と実際の搭乗経験を通じて得た知見から、カタール航空のマイレージ事後登録について独自の視点で考察してみたいと思います。

まず、カタール航空の事後登録システムは、中東系航空会社の中でも比較的整備された制度だと評価できます。これは、同社がワンワールドアライアンスに加盟し、国際的な水準のサービス提供を目指していることの表れと見ることができるでしょう。特に、180日という長期間の猶予期間設定は、顧客目線に立ったサービス設計の好例と言えます。

しかし、興味深いのは、多くの日本人旅行者がカタール航空のプリビレッジクラブよりも、JALやANAのマイレージプログラムへの事後登録を選択している傾向が見受けられることです。これは、単純な利便性の問題だけでなく、マイルの使い勝手や日本国内でのサービス展開の差が影響していると考えられます。

実際、カタール航空の特典航空券に必要なマイル数は、2021年に大幅な改善が行われたものの、依然として日系航空会社と比較すると高めの設定となっています。東京-ロンドン間のエコノミークラス往復で80,000マイルという数字は、JALの45,000マイルと比較すると約1.8倍の開きがあります。このため、カタール航空でマイルを貯めることよりも、日系航空会社のマイレージプログラムを通じてカタール航空の特典航空券を発券する方が効率的という判断が働いているのかもしれません。

また、カタール航空の事後登録システムで注目すべきは、デジタル化の進展です。従来の郵送申請に加えて、メール送信やオンライン申請が可能になったことで、申請の利便性は大幅に向上しています。これは、コロナ禍以降に加速した航空業界全体のデジタルトランスフォーメーションの一環として捉えることができ、今後さらなる改善が期待できる分野でもあります。

私が特に興味深く感じるのは、カタール航空の事後登録システムが、従来の「搭乗時に登録し忘れたマイルの救済措置」という位置づけを超えて、「戦略的なマイレージプログラム選択のための猶予期間提供」という側面を持ち始めていることです。つまり、搭乗時点では登録するマイレージプログラムを決めかねている旅行者が、フライト後に各プログラムの特典内容やマイル価値を比較検討してから最適な選択を行う、というケースが増えているのです。

これは、マイレージプログラムの複雑化と多様化が進む現代において、消費者により多くの選択肢と時間を提供するという、新しい顧客サービスのあり方を示唆していると言えるでしょう。

さらに、カタール航空の事後登録システムを通じて見えてくるのは、航空会社間の提携関係の深化です。ワンワールドアライアンス内でのマイル相互利用はもちろん、アライアンスの枠を超えた個別提携も含めて、旅行者はより柔軟にマイレージプログラムを活用できるようになっています。これは、航空業界全体の競争激化の結果として、各社が顧客獲得と維持のためにより柔軟なサービスを提供するようになった表れでもあります。

最後に、私が強く感じるのは、事後登録システムの存在が、旅行者の「マイレージリテラシー」向上に寄与している可能性です。つまり、事後登録という選択肢があることで、旅行者は搭乗後にマイレージプログラムについてより深く学び、次回以降の旅行での戦略的な選択につなげているのです。これは、業界全体にとってもプラスの循環を生み出していると考えられます。

カタール航空のマイレージ事後登録システムは、単なる顧客サービスの一環を超えて、現代の航空業界における顧客関係管理の新しいモデルを示している興味深い事例だと、私は考えています。今後も、デジタル技術の進歩と共に、さらに利便性が向上していくことを期待したいところです。