ブエリング航空 マイレージの特典航空券についてネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。
今回は、スペインを代表する格安航空会社(LCC)であるブエリング航空のマイレージプログラムと、その特典航空券の使い方について詳しく解説いたします。ブエリング航空は一般的なLCCとは異なり、マイレージプログラムを提供している珍しい航空会社として知られており、特にヨーロッパ域内旅行を頻繁に行う旅行者の間では注目を集めているのが現状のようです。
結論:ブエリング航空マイレージの特典航空券は上手に活用すればヨーロッパ旅行の強い味方
ブエリング航空のマイレージプログラムは、他のヨーロッパ系航空会社との連携を活用することで真価を発揮するというのが私の結論です。同航空会社が採用している「Avios」という共通ポイント制度により、イベリア航空やブリティッシュ・エアウェイズとマイルの相互移行が可能となっており、これを上手に活用することで効率的な特典航空券の利用が実現できるのようです。
特典航空券の予約はブエリング航空の公式ウェブサイトでのみ可能となっており、ブエリング航空運航便およびイベリア航空運航便での利用が基本となっているようです。ただし、交換レートについてはあまり良くないという評価が一般的で、直接ブエリング航空の特典航空券として利用するよりも、他航空会社のAviosプログラムへの移行を検討する方が賢明かもしれません。
ブエリング航空マイレージプログラムの基本構造
Aviosシステムの採用とその意味
ブエリング航空は「Vueling Club」というマイレージプログラムを運営しており、ここで貯まるポイントは「Avios」と呼ばれています。このAviosシステムは、International Airlines Group(IAG)傘下の航空会社で共通採用されている通貨制度で、イベリア航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、エアリンガスなどでも同様のシステムが導入されているようです。
これは一般的な日本の航空会社のマイレージプログラムとは大きく異なる特徴で、例えばJALマイレージバンクやANAマイレージクラブでは基本的に自社グループ内でのマイル利用が中心となっているのに対し、ブエリング航空のAviosは最初から他社との連携を前提とした設計となっているのが特徴的です。
マイルの貯め方と加算システム
ブエリング航空でのAvios獲得方法は、主に以下のような仕組みになっているようです。
フライトによる獲得では、ブエリング航空運航便に搭乗することで距離に応じたAviosが付与されます。ただし、LCCという性質上、加算率は一般的なフルサービスキャリアと比較するとやや控えめな設定となっているケースが多いのようです。
興味深いのは、ブエリング航空搭乗時にイベリア航空のイベリアプラスプログラムにも同時に加算申請できる点で、実際の搭乗でどちらにより多くのAviosが加算されるかを比較検討して、より有利な方を選択することが可能だと言われています。
特典航空券予約の具体的手順
ブエリング航空のAviosを使った特典航空券の予約は、同社の公式ウェブサイト(Vueling.com)でのみ実施可能となっているようです。予約可能な航空会社は、ブエリング航空(VY)およびイベリア航空(IB)の運航便に限定されており、他のOneworld加盟航空会社やスターアライアンス加盟航空会社での利用はできないシステムとなっています。
予約手順としては、まずVueling Clubのアカウントにログインし、保有Avios数を確認した後、希望する区間と日程を入力して特典航空券の空席状況を確認する流れになります。この際注意すべきは、通常の有償航空券とは異なる空席管理が行われているため、一般的な予約サイトで空席がある便でも、特典航空券としては利用できないケースがあるということです。
特典航空券利用時の注意点とトラブル対応
オンラインチェックインでの課題
ブエリング航空を利用する際の最も大きな注意点の一つが、オンラインチェックインシステムの不安定さだと言われています。実際の利用者からは、「フライト前日にオンラインチェックインを試みたところ、有料座席指定をしないと手続きが進められなかった」という報告が複数寄せられているようです。
これは特典航空券利用時により顕著に表れる傾向があるようで、通常の有償航空券と比較して、システム上の制約が厳しく設定されている可能性があります。このような場合は、空港での当日チェックインを選択することが推奨されますが、追加料金を避けるために余裕を持った空港到着を心がける必要があるでしょう。
セルフチェックイン機器の信頼性
バルセロナ空港などの主要ハブでは、ブエリング航空専用のセルフチェックイン機器が設置されているものの、その動作には不安定な面があると報告されています。「何度試してもチェックインできないというメッセージが表示される」という事例が散見されるようで、最終的にはヘルプデスクでの対応が必要になるケースも少なくないようです。
特典航空券利用時は、このようなシステムトラブルがより発生しやすい傾向があるため、時間に余裕を持った空港到着と、代替手段としてのヘルプデスク利用を想定しておくことが重要と考えられます。
メリット:ブエリング航空マイレージの優れた点
他社プログラムとの柔軟な連携性
ブエリング航空マイレージプログラムの最大の利点は、なんといってもAviosシステムによる他社プログラムとの連携性の高さです。イベリア航空のイベリアプラス、ブリティッシュ・エアウェイズのエグゼクティブクラブとの間で、Aviosの移行が比較的簡単に実行できるため、マイルの有効活用の幅が格段に広がります。
例えば、ブリティッシュ・エアウェイズのAviosが期限切れ間近の場合、ブエリング航空に移行してヨーロッパ域内の短距離フライトに利用するといった活用方法が考えられます。これは一般的な日本系航空会社のマイレージプログラムでは実現困難な柔軟性と言えるでしょう。
LCCとしては珍しいマイレージサービス
格安航空会社でありながらマイレージプログラムを提供している点も、ブエリング航空のおすすめできる要素の一つです。通常、LCCは運賃の安さを追求するためにマイレージサービスを省略することが一般的ですが、ブエリング航空はイベリア航空グループの一員として、フルサービスキャリアに近いサービスを維持しているのが特徴的です。
これにより、「LCCの運賃でマイルも貯めたい」という旅行者のニーズに応えることができ、特にヨーロッパ域内を頻繁に移動するビジネス旅行者や長期滞在者にとっては非常に魅力的な選択肢となっているようです。
ターミナル1利用による空港体験の向上
バルセロナ空港での利用において、ブエリング航空は通常のLCCがターミナル2を使用するのに対し、ターミナル1を利用しているというメリットがあります。ターミナル1は施設が充実しており、ショッピングやダイニングの選択肢が豊富で、乗り継ぎ時間や早めの空港到着時により快適に過ごすことが可能です。
これは特典航空券利用時にも同様のメリットがあり、万が一のシステムトラブルで空港での手続きに時間がかかった場合でも、充実した施設で時間を有効活用できるという安心感があります。
デメリット:注意すべき課題点
交換レートの不利さ
ブエリング航空の特典航空券利用における最大のデメリットは、Aviosの交換レートがあまり良くないという点です。同じAviosを使用してイベリア航空やブリティッシュ・エアウェイズの特典航空券を予約した場合と比較すると、必要Avios数が多く設定されているケースが散見されるようです。
これは、ブエリング航空が基本的にはLCCであり、有償航空券の価格帯が比較的安価に設定されているため、特典航空券との価格差を調整するためと推測されます。そのため、Aviosの価値を最大化したい場合は、ブエリング航空での直接利用よりも他社プログラムへの移行を検討する方が合理的かもしれません。
システムの不安定さ
オンライン予約システムやチェックインシステムの不安定さも、欠点として指摘せざるを得ない点です。特に特典航空券の予約や変更時において、システムエラーが発生しやすいという報告が複数あり、最終的には電話やメールでのカスタマーサービス対応が必要になるケースが少なくないようです。
また、「格安チケットに騙されるな」という厳しい評価もあり、追加料金の設定が複雑で、最終的には想定よりも高額になってしまったという体験談も見受けられます。これは特典航空券利用時でも、座席指定や荷物追加などで想定外の費用が発生する可能性を示唆しています。
カスタマーサービスの限界
LCCという性質上、カスタマーサービスの対応時間や対応言語に制限があることもおすすめしない理由の一つとなります。特に日本語でのサポートは基本的に提供されておらず、英語またはスペイン語での対応が前提となるため、語学に不安がある旅行者にとってはハードルが高い航空会社と言えるでしょう。
緊急時の対応についても、「トラブル時のオペレーションが悲惨」という評価があり、欠航や大幅遅延が発生した際の代替便手配や宿泊費補償などの対応が不十分な可能性があります。
おすすめしたい旅行者の特徴
ブエリング航空のマイレージ特典航空券利用をおすすめしたいのは、以下のような特徴を持つ旅行者です。
ヨーロッパ域内旅行に慣れた経験豊富な旅行者で、多少のシステムトラブルや言語の壁があっても自力で解決できるスキルを持っている方には、Aviosシステムの柔軟性を活かした効率的な旅行が可能になると考えられます。
マイレージプログラムの仕組みを熟知している上級者であれば、ブエリング航空で貯めたAviosを他社プログラムに移行して、より価値の高い特典航空券として活用することができるでしょう。特にイベリア航空やブリティッシュ・エアウェイズの上級会員資格を保有している方には、相乗効果が期待できます。
短距離のヨーロッパ域内移動を頻繁に行う長期滞在者やビジネス旅行者にとっては、LCCでありながらマイルが貯められるという希少性が魅力的に映るはずです。
おすすめできない旅行者の特徴
一方で、以下のような方にはブエリング航空の特典航空券利用をおすすめできないと考えます。
初回ヨーロッパ旅行や海外旅行初心者の方は、システムの不安定さや言語の問題で予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性が高く、せっかくの旅行体験を台無しにしてしまうリスクがあります。
日本語でのサポートを重視する旅行者にとっては、基本的に英語またはスペイン語での対応となるため、トラブル発生時に満足なサポートを受けられない可能性が高いでしょう。
時間に余裕のないタイトなスケジュールで旅行する方は、チェックインシステムのトラブルや遅延リスクを考慮すると、より信頼性の高い航空会社を選択する方が安全と考えられます。
効果的な活用戦略とテクニック
Avios移行のタイミング戦略
ブエリング航空で獲得したAviosを最大限活用するためには、適切なタイミングでの他社プログラムへの移行が重要となります。特に、イベリア航空やブリティッシュ・エアウェイズでキャンペーンが実施されている期間を狙った移行により、実質的な価値を向上させることが可能のようです。
また、各社のAviosの有効期限を把握し、期限切れ間近のものから優先的に活用していくことで、マイルの無駄な失効を防ぐことができます。この点は日本系航空会社のマイレージプログラムよりも複雑な管理が必要となりますが、慣れてしまえば非常に効率的なマイル活用が実現できるでしょう。
座席指定問題への対処法
オンラインチェックインでの座席指定問題については、事前に対策を講じておくことが重要です。特典航空券予約時に、可能であれば同時に座席指定も行ってしまうか、最低限空港到着時間に十分な余裕を持たせることで、当日のトラブルを最小限に抑えることができます。
また、夫婦やカップルでの旅行の場合、座席指定を行わなくても隣席に配置される可能性が高いという情報もあるため、追加費用を避けたい場合は当日の座席割り当てに任せるという選択肢も考慮できるでしょう。
他社マイレージプログラムとの比較優位性
日本系航空会社との差別化ポイント
JALマイレージバンクやANAマイレージクラブと比較した場合、ブエリング航空のAviosシステムは圧倒的な柔軟性を誇っています。日本系航空会社では基本的に自社およびアライアンス内での利用が中心となりますが、Aviosは複数の航空会社グループを横断した利用が可能です。
特に、ヨーロッパ域内移動においては、日本系航空会社のマイレージでは対応できない路線や便数の多さがブエリング航空の大きな強みとなっています。マドリード=バルセロナやバルセロナ=ローマといった人気路線では、ブエリング航空の便数の多さが特典航空券の取得しやすさにつながっているようです。
アメリカ系航空会社との相違点
ユナイテッド航空のマイレージプラスなどと比較すると、ブエリング航空のプログラムはより地域特化型のサービス設計となっています。ユナイテッド航空が全世界をカバーする包括的なサービスを提供しているのに対し、ブエリング航空は主にヨーロッパ域内とアフリカ北部に特化した路線網となっています。
これは一見制限的に見えますが、該当地域での旅行頻度が高い旅行者にとっては、より専門性の高いサービスとして価値を発揮する可能性があります。
将来展望と業界動向への影響
LCC業界でのマイレージサービス拡大
ブエリング航空がLCCでありながらマイレージプログラムを維持している事例は、業界全体の動向にも影響を与えている可能性があります。従来、LCCは徹底したコスト削減により低運賃を実現することに特化していましたが、顧客ロイヤルティの重要性が認識される中で、マイレージサービスを導入するLCCが今後増加することも予想されます。
この流れは特に、競合の激しいヨーロッパ域内市場において顕著であり、ブエリング航空の取り組みは先進事例として注目を集めているのが現状のようです。
IAGグループ戦略の一環としての位置づけ
ブエリング航空のマイレージプログラムは、International Airlines Group(IAG)全体の戦略の中で重要な役割を果たしていると考えられます。イベリア航空、ブリティッシュ・エアウェイズといった主力キャリアを補完する形で、よりカジュアルな旅行者層を取り込む役割を担っているのでしょう。
TAKA独自の考察と提言
長年にわたってヨーロッパの航空業界を観察してきた私としては、ブエリング航空のマイレージプログラムは「過渡期にある実験的なサービス」という印象を強く持っています。
LCCとフルサービスキャリアの境界線が曖昧になりつつある現在の航空業界において、ブエリング航空は非常にユニークなポジションを確立しているように見えます。しかし、その実験的な性質ゆえに、システムの安定性や顧客サービスの質においては、まだまだ改善の余地が大きいのが実情でしょう。
特に印象的なのは、Aviosという共通通貨を通じた航空会社間の連携強化です。これは従来のマイレージプログラムの概念を超えた、新しい顧客価値の提供方法として非常に先進的だと評価できます。ただし、その複雑さゆえに、一般的な旅行者には理解しにくく、十分に活用されていない側面もあるのではないでしょうか。
私が最も注目しているのは、この取り組みが今後の航空業界全体にどのような影響を与えるかという点です。もしブエリング航空のモデルが成功を収めれば、他のLCCも同様のサービスを導入し、結果的に旅行者の利便性向上につながる可能性があります。
一方で、現時点での評価としては、「上級者向けの玄人好みなサービス」という位置づけが適切だと考えています。マイレージプログラムの仕組みを深く理解し、多少のトラブルにも対処できる経験豊富な旅行者であれば、確実にメリットを享受できるサービスです。
しかし、海外旅行に不慣れな方や、確実性を重視する方には、現段階ではまだおすすめしにくいというのが正直な感想です。今後のシステム改善やサービス向上を期待しつつ、当面は慎重な利用をおすすめしたいと思います。
最終的には、旅行者一人ひとりのスキルレベルや旅行スタイルによって評価が大きく分かれるサービスだと言えるでしょう。この点を理解した上で、自分自身の旅行経験と照らし合わせて利用判断をしていただければと思います。
ブエリング航空のマイレージプログラムは確実に航空業界の進化を象徴する興味深い取り組みであり、今後の動向から目が離せないサービスの一つです。旅行者の皆様には、このような新しいサービスの特徴を正しく理解し、適切に活用していただくことで、より充実したヨーロッパ旅行を実現していただきたいと考えています。