高輪に誕生する「JWマリオット・ホテル東京」とは?
1. 開業の背景とブランドの位置づけ
マリオット・インターナショナルは2025年10月2日、ラグジュアリーブランドの最上位にあたる「JWマリオット」日本国内2軒目となる「JWマリオット・ホテル東京」を開業します。場所はJR東日本が推進する再開発エリア「TAKANAWA GATEWAY CITY」の高層複合棟Southの23〜30階部分。公式サイトではすでに宿泊予約が開始されており、グランドオープン記念宿泊プランも公開されています。公式サイト/マイナビニュース
JWマリオットは「心温まるエレガンス」を掲げ、マインドフルネスを重視するライフスタイル提案が特徴です。奈良の1号店(2020年開業)に続き、首都圏初進出となる本施設は、ブランドの世界観を東京で体感できる貴重な拠点となります。
2. 高輪ゲートウェイシティと抜群のアクセス
高輪ゲートウェイ駅前に誕生するTAKANAWA GATEWAY CITYは、「100年先の豊かな暮らし」をテーマにJR東日本が開発を進める街づくりプロジェクトです。羽田空港から車で約20分、品川駅へは徒歩圏内という利便性は訪日客・国内客双方にとって大きな魅力。
- JR山手線・京浜東北線「高輪ゲートウェイ駅」直結
- 新幹線停車駅「品川駅」徒歩圏
- 都営浅草線・京急線「泉岳寺駅」も徒歩圏
今後、国際会議場や文化施設、商業ゾーンなどが段階的に開業予定で、ホテル宿泊者の回遊性向上が期待されます。JR東日本 高輪ゲートウェイ特設サイト
3. 内装デザイン──禅と自然を映した静謐な世界
内装は世界的デザインチームYabu Pushelbergが担当。藍と琥珀を基調に、かつての御殿山の自然や「禅」の美意識を抽出し、深い静けさと温かみを両立させています。ロビーには石庭を思わせるアートワーク、客室廊下には季節を写す照明演出が施され、歩くだけで五感が整う空間です。
また、自然素材の手触り・間接照明の陰影・障子を想起させる格子など、日本文化を随所に織り交ぜながらもミニマルに仕上げることで、都会の喧騒を忘れさせる“都会のサンクチュアリ”を体現しています。TRAICY記事
4. 客室構成と「JWマインドフルルーム」
客室は全200室。スタンダードでも42㎡以上を確保し、富士山ビューや東京湾ビューなど眺望カテゴリーを複数設定。特筆すべきはスイートを含む9室の「JWマインドフルルーム」です。ここではヨガマット、瞑想ガイド、アロマキットなどウェルネスアイテムを標準装備し、客室内で完結するセルフリトリート体験を提案します。
- ベイデラックスキング/ベイデラックスツイン
- JWマインドフルデラックスツイン
- エグゼクティブスイート(エグゼクティブラウンジアクセス付)
全室に「JW Bed」を導入し、睡眠の質を向上。バスルームは独立型シャワーブースと深めのバスタブを採用し、海外旅行者にも好評が見込まれます。
5. ダイニング体験──五感を満たす6つのレストラン&バー
ホテル内には、割烹スタイルの日本料理、モダン地中海料理、ルーフトップバーなど計6店舗を配置予定です。特に日本料理店では、季節の素材を用いた「おまかせコース」と日本酒ペアリングを展開し、海外ゲストの“和”体験需要に応えます。
- 日本料理「Kappo Goten-Yama」…カウンター12席、個室3室
- オールデイダイニング「Mediterraneo」…薪窯ピッツァが名物
- ロビーラウンジ&バー…アフタヌーンティーとクラフトカクテル
- Sake & Champagne Bar…約50種の日本酒とシャンパーニュ
ルームサービスも24時間対応し、深夜到着客やワーケーション利用にも柔軟です。
6. ウェルネス施設―SPA by JW とインフィニティプール
「SPA by JW」では、“CALM・INDULGE・RENEW・INVIGORATE”の4つのピラーに基づくトリートメントを提供し、旅の疲れを深部から癒やします。
- トリートメントルーム6室(うちペアルーム1)
- 温冷サーマルスイート&瞑想ラウンジ
- 24時間営業のフィットネスセンター
- 長さ20mの屋内インフィニティプール(夕景が人気)
いずれもマインドフルネスプログラムと連携し、呼吸法や軽運動を組み合わせたオリジナルセッションを実施予定です。
7. MICE需要を狙うボールルームと会議室
ホテル内には天井高7m、面積700㎡の「JWボールルーム」をはじめ、計6室のミーティングルームを備えます。国内ホテル初導入の270度可動式LEDウォールによって、没入感ある演出が可能。国際会議やブランド発表会、ウェディングなど幅広い用途を見込み、品川・羽田エリアのMICE需要を取り込みます。
また、全会場でカーボンオフセットオプションを提供し、サステナブルイベントの開催をサポート。ハイブリッド配信設備も常設し、オンライン併催の国際カンファレンスに対応します。
8. マリオットの日本戦略と市場インパクト
マリオット・インターナショナルは国内約90軒(2025年9月時点)の運営・開発案件を持ち、ラグジュアリーポートフォリオ強化を最重要課題に掲げています。JWマリオット東京は「ラグジュアリー&ライフスタイル部門」のフラッグシップとして、富裕層インバウンドと国内マイクロツーリズムの両輪を狙う戦略拠点です。
開業により、①富裕層宿泊単価の底上げ、②高輪ゲートウェイシティの国際発信力強化、③品川―羽田ラインのハブ機能拡充が期待されます。東京都のホテル供給増が続くなかでも、「ウェルネス×ラグジュアリー」という明確なポジショニングは差別化要素となり、市場全体のADR(平均客室単価)にも好影響を及ぼす可能性があります。
9. 地域共創プログラムとサステナビリティ
ホテルは開業時より、地元生産者と連携したファーマーズマーケットや、禅僧を招いた坐禅体験など地域共創プログラムを計画。食材のローカル調達比率50%、食品廃棄物ゼロを目標に掲げ、館内エネルギーは再エネ由来比率を年次で引き上げるロードマップを公表しています。
また、マリオット・ボンヴォイ会員を対象に、宿泊と地域体験を組み合わせたポイント交換プログラムを導入。高輪・品川エリアへの周遊を促進し、街全体の経済循環を高める狙いです。
10. まとめ──“今この瞬間”を豊かに味わう東京の新拠点
「JWマリオット・ホテル東京」は、禅の静けさと国際都市東京の躍動を融合させた“トランキル・アーバン・リトリート”です。宿泊・食・ウェルネス・MICEの各要素を高い次元で統合し、訪れる人すべての「今この瞬間」を豊かに彩ります。開業まで残りわずか。新しい東京滞在のスタンダードとなる日が待ち遠しいですね。