ネットでセブパシフィック航空の安全性について頻繁に検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。今回取り上げるのは、セブパシフィック航空の安全性についてです。多くの旅行者がインターネットで「セブパシフィック航空 安全性」と検索している背景には、格安航空券で人気を集める一方で、過去の事故やLCCという位置づけから生まれる不安が存在しているようです。本記事では、なぜこのようなキーワードが検索されるのか、そして現在のセブパシフィック航空の安全性の実態について、ネット上の口コミや専門機関の評価を総合的に調査し、詳しく解説していきます。
セブパシフィック航空の安全性についての結論
結論から申し上げますと、現在のセブパシフィック航空は国際的な安全基準を満たした、安全性の高い航空会社であると言えるようです。2018年には国際航空輸送協会IATAの国際安全監査プログラムIOSA認証を取得しており、さらに同年、航空格付け会社エアラインレイティングスから最高評価である7つ星の安全格付けを獲得していることが確認されています。
IOSAは運航、運航管理、整備、客室、地上業務、貨物、保安など900以上の分野において国際法令や安全上の要求事項に基づいて設定された厳格な基準であり、2年ごとに更新が必要とされているプログラムです。このIOSA認証を取得している航空会社の事故率は、取得していない航空会社の約4分の1になるというデータも示されているようです。
また、セブパシフィック航空は2025年7月時点で保有機材数が100機に到達しており、その内訳はエアバスA330-900neoが12機、A320が40機、A321が26機、ATR機が22機となっています。これらの機材は比較的新しく、同社は全エアバス機に滑走路オーバーラン防止システムROPS、広域航法RNAVデータ、疲労リスク管理システムなど、安全性を高めるための技術に積極的に投資しているとのことです。
「セブパシフィック航空 安全性」と検索される理由
過去の事故歴が記憶に残っている
多くの旅行者が安全性について不安を感じる最も大きな理由は、過去に発生した事故の記録が存在することのようです。セブパシフィック航空は就航2年目の1998年2月に航空機が墜落し、乗員乗客104人全員が死亡するという深刻な事故を起こしています。LCCの中でも特に記憶に残る重大事故として、今なおインターネット上で言及されることが多いようです。
さらに2013年には2件の事故が発生しています。6月2日にはマニラ発ダバオ行きの便が着陸時に滑走路脇の草地に突っ込む事故、6月13日にはマニラ空港での着陸時に滑走路を横滑りして誘導用照明を5個破壊する事故が起きているとされています。ただしこれらの2013年の事故では乗客は全員無事だったようです。
過去に起きた事故はわずか3件で、死亡事故については1件のみという記録となっており、ANAやJALなど日本の航空会社と比較しても死亡事故の件数は少ないという見方もあるようです。しかし1998年の墜落事故のインパクトが大きいため、安全性に対する不安が今でも検索行動につながっているものと考えられます。
LCCという業態への漠然とした不安
セブパシフィック航空は1996年に設立されたフィリピンを拠点とするローコストキャリアLCCであり、格安航空券を提供する代わりにサービスを最小限に抑えるビジネスモデルを採用しています。多くの旅行者はLCCという言葉から「安いから危険なのではないか」「安全性が犠牲になっているのではないか」という漠然とした不安を感じる傾向にあるようです。
実際には、LCCの安全性は大手航空会社と変わらないという専門家の見解が多数存在します。LCCの低価格は、使い古した古い機体を使用しているからではなく、単一機種を大量導入することで整備やパイロット訓練のコストを削減したり、座席を詰め込んで稼働率を上げたり、機内食やドリンクを有料化するなどの企業努力によって実現されているとのことです。
実際にセブパシフィック航空は新造機を次々と投入しており、2024年10月にはエアバスA321neo最大152機の発注を行うなど、機材の近代化に積極的な投資を続けているようです。新しい機材はトラブルの発生リスクが低く、運航スケジュールの信頼性も向上するため、安全性の面でもメリットがあると言われています。
しかしながら、こうした事実を知らない旅行者にとっては、LCCという言葉だけで不安を感じ、インターネットで安全性について調べる行動につながっているものと思われます。
過去の格付け評価が低かった時期がある
スイスの格付け会社が発表している航空会社安全度ランキングにおいて、セブパシフィック航空が過去にワースト100に入っていたという記録があるようです。この情報が現在もインターネット上に残っており、旅行者が検索した際に目にすることで不安を抱くケースがあると考えられます。
ただし同じ情報源によれば、2015年以降の安全度格付けは標準的な水準に入っているとされており、さらに2018年には最高評価の7つ星を獲得するまでに改善されています。1998年の墜落事故の教訓を生かして新造機を次々と投入し、安全管理体制を強化してきた結果、国際的にも高い評価を得るまでになったようです。
エアラインレイティングスの格付け方法は、航空会社や航空業界からの意見や評価だけでなく、国際的に決められている安全基準の認証を取得しているかも重要な指標としています。セブパシフィック航空がIOSA認証を取得し、7つ星評価を獲得したことは、同社が世界標準の厳格な安全基準を満たしていることの証明と言えるでしょう。
遅延や欠航が非常に多いという評判
セブパシフィック航空について調べると、安全性とは別の観点で「遅延」「欠航」という言葉が頻繁に出てくることに気づきます。同社の遅延率と欠航率は2019年時点で遅延率35.6から49.8パーセント、欠航率0.2から0.5パーセントとなっており、遅延率の高さが際立っています。
実際の口コミを見ると、「セブパシフィックといえば遅延というくらい遅れるのが定番」「5時間も遅延して乗り換えに間に合わなかった」「離陸や到着が数十分から1時間ほど遅れることが多い」といった報告が数多く見られます。遅延の理由のほとんどは「使用機到着遅れのため出発が遅れた」というもので、運航スケジュールが全体的にタイトに組まれている影響が連鎖しているものと推測されます。
クリスマス前後などの繁忙期には特に影響が大きく、2024年12月には24日から26日の3日間でマニラのニノイアキノ国際空港発の20便で欠航、288便で遅延を発生させ、フィリピン運輸通信省から制裁を科される可能性が検討されたという報道もあります。
こうした遅延や欠航の多さは、直接的には安全性とは関係ありませんが、運航管理の問題として旅行者に不安を与え、「この航空会社は大丈夫なのか」という疑問から安全性についても調べるきっかけになっているものと考えられます。
顧客対応やシステムの不備に関する不満
セブパシフィック航空については、ウェブサイトの不具合、コールセンターの対応、空港でのアナウンスの遅さなど、顧客サービス面での問題が多数報告されています。ホームページでオンライン決済が完了できない、座席表示と実際の配置が異なる、コールセンターに問い合わせても適切な対応が得られない、といった口コミが見られます。
また、遅延が発生した際の乗り継ぎサポートが不十分で、乗客を走らせるだけで適切なサポートが一切なかったという厳しい体験談もあるようです。オーバーブッキングや予約したのに記録が残っていない、フライトキャンセル後の返金が遅いまたは返金されないといったトラブルも報告されており、フィリピン国内では上院議会が相次ぐ苦情を調査に乗り出したという経緯もあるとのことです。
こうしたサービス面での問題は、航空機そのものの安全性とは直接関係ありませんが、会社全体の管理体制に対する信頼を損ない、「もしかして安全管理も杜撰なのではないか」という不安につながっているものと推測されます。
フィリピンという国の航空業界への不安
フィリピンの空港や航空管制システムについて、離着陸時の混雑や天候不良時の対応など、インフラ面での課題を指摘する声も存在します。セブパシフィック航空が遅延や欠航の理由として挙げている「離着陸に伴う混雑悪化」「悪天候」などは、フィリピンの航空業界全体が抱える構造的な問題とも関連しているようです。
マニラのニノイアキノ国際空港ターミナル3は、セブパシフィック航空の国内線と国際線が集中しており、いつも遅延や欠航の問題で人があふれかえっているという報告もあります。アナウンスが遅く、フライトの発着情報の画面の周りに荷物を持った乗客たちが群がり右往左往している光景が日常的に見られるとのことです。
こうした環境が、セブパシフィック航空だけの問題ではなく、フィリピンの航空業界全体の課題として旅行者に認識され、安全性についても不安を感じさせる要因になっているものと考えられます。
セブパシフィック航空の安全性の実態
国際安全監査プログラムIOSA認証の取得
セブパシフィック航空は2018年5月に国際航空輸送協会IATAの国際安全監査プログラムIOSA認証を取得しています。これにより同社は航空安全性に関する最も厳格な国際基準に厳格に準拠した航空会社として認められたことになります。
IOSAは運航、運航管理、整備、客室、地上業務、貨物、保安における900以上の分野で、国際法令や安全上の要求事項に基づいて安全監査基準を設定しているプログラムです。認可を受けた監査員が航空会社の運航管理システムを監査し、2年ごとに更新が行われる仕組みになっています。
IATA国際航空輸送協会によると、IOSA認証を取得した航空会社の事故率は、取得していない航空会社の約4分の1になるというデータが示されており、この認証が安全性を示す重要な指標となっていることがわかります。なお、IOSA認証の取得はIATAへの加盟条件でもあるとされていますが、現時点でセブパシフィック航空はIATA加盟航空会社ではないようです。
セブパシフィック航空は2025年にもIOSA認証の更新を成功させており、継続的に国際基準を満たし続けていることが確認されています。
エアラインレイティングスによる最高評価7つ星
2018年、航空格付け会社エアラインレイティングスが発表した航空会社の安全格付けにおいて、セブパシフィック航空は最高評価の7つ星を獲得しています。この評価は世界の航空会社の中でも特に安全性の高い航空会社に与えられるものです。
エアラインレイティングスの格付け方法は、航空会社や航空業界からの意見や評価だけでなく、国際的に決められている安全基準の認証を取得しているかどうかも重要な指標としています。特にIATA運航安全監査プログラムIOSA認証の取得の有無については重要視されており、セブパシフィック航空は2018年5月にこれを取得していることが評価につながったようです。
2018年に7つ星を獲得して以来も高い評価を獲得し続けているとされており、同社の安全性が継続的に維持されていることを示していると言えます。同じく7つ星評価を受けているLCCには、ベトジェットエアなどがあり、世界で最も安全なローコストキャリアとして認められている航空会社の一つとされています。
最新機材への投資と安全システムの導入
セブパシフィック航空は安全性向上のため、機材の近代化に積極的な投資を続けています。2025年7月時点で保有機材数は100機に到達しており、その内訳はエアバスA330-900neoが12機、A320が40機、A321が26機、ATR機が22機となっています。
同社のXander Lao社長は「100機の航空機に到達したことは単なる節目ではありません。これは、より多くのフィリピンの人々に航空旅行を身近にしてもらうという当社の揺るぎない取り組みを反映しています」とコメントしており、事業拡大と同時に安全性への投資も継続していく姿勢を示しているようです。
さらに2024年10月には、エアバスA321neo70機の確定を含む最大152機の発注を行ったと発表しており、今後も新造機への入れ替えを進めていく計画が明らかになっています。新しい機材はトラブルの発生リスクが低く、燃費効率も良いため、運航の信頼性向上にもつながると考えられます。
安全システムについては、全エアバス機に滑走路オーバーラン防止システムROPS、広域航法RNAVデータ、疲労リスク管理システムなどを導入しているとのことです。滑走路オーバーラン防止システムは、着陸時に滑走路から飛び出す事故を防ぐための重要な技術であり、過去に複数回発生したオーバーラン事故の教訓を生かした投資と言えるでしょう。
疲労リスク管理システムはパイロットの注意レベルを測定し、疲労による運航リスクを軽減するための技術です。こうした最新技術への投資は、セブパシフィック航空が安全管理を高めるための具体的な取り組みを行っていることを示しています。
単一機種運航による整備効率の向上
セブパシフィック航空の機材はエアバス機とATR機を中心に構成されており、ジェット機についてはエアバスA320ファミリーに統一されています。A320、A321、A320neo、A321neo、A330-900neoなど、すべてエアバス社の機材で揃えることで、整備やパイロット訓練の効率化を図っているものと考えられます。
単一機種を運航することは、LCCのコスト削減戦略として広く知られていますが、安全性の面でもメリットがあると言われています。整備士やパイロットが同じ機種に習熟することで、機材の特性を深く理解でき、トラブルの早期発見や適切な対応が可能になるとされています。
また、部品の共通化により在庫管理が効率化され、必要な部品を迅速に調達できることも、機材の稼働率向上と安全性維持につながっているようです。
過去の事故を教訓とした改善
1998年の墜落事故は乗員乗客104人全員が死亡するという深刻なものでしたが、この事故の教訓を生かして同社は大きく変革を遂げたと言われています。事故当時の機材は古く、この事故後に新造機を次々と投入する方針に転換したとされています。
2013年の着陸失敗事故についても、その後滑走路オーバーラン防止システムの導入を進めるなど、具体的な再発防止策を講じているようです。こうした過去の教訓を生かした安全対策の強化が、2018年のIOSA認証取得や7つ星評価獲得につながったものと考えられます。
セブパシフィック航空の良い点とメリット
圧倒的な価格の安さ
セブパシフィック航空の最大の良い点は、やはり航空券の価格の安さです。プロモーションセールを利用すれば往復1万円以下で日本からフィリピンへ渡航できることもあり、旅行費用を大幅に抑えることが可能です。他のLCCと比べても特に価格が安いと感じるという声が多く、セールを狙えば東南アジア旅行が格安で楽しめるというメリットがあります。
LCCなので預託荷物は事前に申し込みでプラス料金を払う必要がありますが、それでも総額で見ればフルサービスキャリアよりはるかに安く済むケースが多いようです。価格重視の旅行者にとっては、この圧倒的な安さが最大の魅力であり、利点と言えるでしょう。
機材が比較的新しく清潔
実際に搭乗した旅行者の口コミを見ると、「機材も新しく清潔」「シンプルな内装だがコンセントもあり問題なく過ごせた」という好意的な意見が見られます。LCCだからといって機材が古いわけではなく、むしろ新造機を積極的に導入しているため、機内環境は清潔で快適だと感じる旅行者が多いようです。
座席はシンプルでリクライニング機能がないため長時間フライトでは疲れるという声もありますが、日本とフィリピン間の4時間から5時間程度のフライトであれば我慢できる範囲だという意見もあります。機内エンターテインメントはなく、ブランケットや飲み物も有料ですが、自分で準備すればかえって面倒がなくて良いという前向きな評価もあるようです。
就航地が多くネットワークが充実
セブパシフィック航空はフィリピン最大規模のLCCであり、フィリピン国内はもちろん、アジアの様々な都市に就航しているため利便性が高いという利点があります。乗り継ぎ便を利用すればさらに多くの都市へアクセスできるため、フィリピン各地やアジア周遊を計画している旅行者にとっては選択肢が広がります。
フィリピンは離島で成り立っている国であり、国内の短距離路線が非常に充実しているのも特徴です。マニラ、セブ、ダバオ、ドゥマゲッティなど主要都市を結ぶ路線が豊富にあり、島々を巡る旅行を計画する際には非常に便利な存在と言えるでしょう。
コストパフォーマンスの高さ
価格が安い一方で、安全性については国際的な認証を取得し、機材も新しいため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。「口コミはあまり良くなかったが、搭乗してみると他の航空会社と変わらず問題なかった」「思いのほか良かった」という意見も多く、実際に利用してみると期待以上の体験だったという旅行者が少なくないようです。
セールを利用して往復数万円で渡航できることを考えると、多少の不便さには目をつぶれるという考え方もあるでしょう。必要なサービスだけをオプションで追加する仕組みは、無駄を省きたい旅行者にとっては合理的で、おすすめできるポイントと言えます。
機内への飲食物持ち込みが可能
セブパシフィック航空は機内への飲食物の持ち込みがOKとされており、これもメリットの一つです。機内食や飲み物は有料ですが、自分で好きな食べ物や飲み物を持ち込めるため、費用を抑えつつ好みの食事を楽しむことができます。
空港で購入したサンドイッチやスナック、ペットボトルの飲料などを持ち込んで機内で食べれば、機内食を購入するよりも安く済みますし、食事の時間も自由に調整できるという利点があります。
セブパシフィック航空の悪い点とデメリット
遅延や欠航が非常に多い
セブパシフィック航空の最大の欠点は、遅延や欠航が非常に多いことです。遅延率は35.6から49.8パーセントと報告されており、ほぼ2便に1便は遅れると考えておく必要があるでしょう。「セブパシフィックといえば遅延」と言われるほど、遅れることが定番化しているようです。
特に経由便を利用する場合は超注意が必要で、前の便が遅れて乗り継ぎに間に合わないというトラブルが頻繁に発生しているようです。LCCは飛行機が遅れて乗り換えに失敗しても、ホテルなどの補償がないため、自己責任で次の便を手配しなければならず、予定が大きく狂うリスクがあります。
「5時間も遅延して乗り換えに間に合わなかった」「4時間のトランジット時間を空けたが5時間遅れて涙」という体験談もあり、スケジュールに余裕を持つことが絶対に必要だと言えます。欠航もよくあり、搭乗2日前や空港に着いてからキャンセルになることもあるため、旅行計画全体に影響が出る可能性があるというデメリットがあります。
ウェブサイトやアプリの不具合が多い
セブパシフィック航空のホームページやアプリには不具合が多く、非常に使いにくいという評判です。オンライン決済が完了できない、受託荷物の購入ができない、アプリから予約確認ができない、座席指定がうまくできないなど、様々な問題が報告されています。
ホームページで予約が完了できず、コールセンターに問い合わせて予約を完了したというケースもあるようです。しかし電話対応も日本語が通じにくく、問題を伝えるのに苦労したという声があり、予約段階から苦労するというのは大きな欠点と言えます。
座席表示についても、オンライン上の座席表と実際の配置が異なるという問題があり、追加料金を払って良い座席を指定したはずが実際は通常の座席だったというトラブルも報告されています。こうした問題について問い合わせても、適切な対応が得られず、返金も不可でポイント付与のみという不満足な結果になることもあるようです。
座席が狭くリクライニングがない
LCCの特徴として座席が狭いという点は覚悟が必要ですが、セブパシフィック航空はリクライニング機能もないため、座り心地が悪く快適とは言えないという意見が多く見られます。「座席の狭さとエンタメがない。長時間のフライトは苦痛」「エンタメがないので暇。寝るしかないけどリクライニングもできないから体勢がきつくて寝れない」という率直な感想があります。
4時間から5時間のフライトでリクライニングなしはかなり厳しいと感じる人も多く、首に巻く枕やオフラインで見れる映画や動画、食べ物、飲み物など、事前の準備が必須だという指摘があります。「飛行機の移動も旅。快適に過ごしたいならLCCは使わない方がいい」という厳しい意見もあり、快適性を重視する旅行者にはおすすめできないというデメリットがあります。
また、機内は冷房が強めに効いているという報告もあり、フィリピン航空やバニラエアよりも機内温度が寒く感じたという体験談があります。羽織るものを持って行った方が良いという助言がありますので、寒さ対策も必要と言えるでしょう。
コールセンターやアフターフォローが最悪
セブパシフィック航空のカスタマーサービスについては、「コールセンターは酷い」「アフターフォローは最悪」という厳しい評価が目立ちます。日本語が拙いのか、わざとなのかわかりませんが、チグハグなことを言って問題を認めない、夕方かけ直せと言われて掛けても繋がらないなど、問題解決に至らないケースが多いようです。
遅延が発生した際の乗り継ぎサポートも不十分で、国内線出口からチェックインカウンターまで、チェックインカウンターからセキュリティ検査まで、出国審査場から搭乗ゲートまで、すべて乗客に走らせるだけで適切なサポートは一切なかったという体験談もあります。
オーバーブッキング、予約をしたのに入っていない、フライトキャンセル後の返金がされない、といったトラブルも報告されており、我慢強いフィリピン人でさえ苦情が殺到し、上院議会が調査に乗り出したという経緯もあるようです。こうした顧客対応の悪さは、安全性とは別の問題ですが、総合的な顧客満足度を大きく下げる欠点と言えます。
セール期間外は価格面のメリットが薄い
セブパシフィック航空はセール期間中の航空券の安さが有名ですが、その期間以外で航空券を購入した場合、フルキャリアの航空券と価格がそれほど変わらず、お得さを感じにくいという意見があります。LCCを選ぶ最大の理由は価格の安さですから、価格差がなければサービスの充実したフルサービスキャリアを選んだ方が良いという考え方もあるでしょう。
閑散期で往復5万円から、繁忙期で7万円からという価格帯になると、フィリピン航空などのレガシーキャリアと大きな差がなくなることもあるようです。荷物の超過料金も厳しく、1キログラムあたり2,800円の追加料金が必要となるため、荷物が多い旅行者の場合、結果的にコストがかさむというデメリットもあります。
セールを狙って予約するのが賢い利用方法ですが、セールはすぐに埋まってしまうため、柔軟な日程調整ができない場合は恩恵を受けにくいという問題もあります。
セブパシフィック航空をおすすめしたい方
価格重視で旅行費用を最小限に抑えたい方には、セブパシフィック航空は非常におすすめできる選択肢です。特にセールを狙って航空券を購入できる方、旅行の日程に柔軟性がある方にとっては、圧倒的なコストパフォーマンスの高さが魅力となるでしょう。
短時間のフライトであればサービスの簡素さもそれほど気にならないため、4時間から5時間程度のフライトに慣れている方、機内での快適性よりも目的地での滞在を重視する方にも適しています。自分で飲食物や娯楽を準備できる方、身軽な旅行スタイルを好む方であれば、むしろ無駄なサービスがない方が合理的と感じられるかもしれません。
また、フィリピン国内の複数の島を巡る旅行を計画している方、アジア各国を周遊する旅行者にとっては、就航地の多さとネットワークの充実が大きなメリットとなります。スケジュールに余裕を持って計画できる方、遅延や欠航のリスクを理解した上で柔軟に対応できる方であれば、価格面での利点を最大限に活かすことができるでしょう。
安全性については国際基準を満たしており、機材も新しいため、LCCだからといって安全面で不安を感じる必要はないと言えます。価格と安全性のバランスを考えれば、セブパシフィック航空は賢い選択肢の一つとなるでしょう。
セブパシフィック航空をおすすめできない方
スケジュールが厳密に決まっている旅行者、ビジネス出張など絶対に遅れられない用事がある方には、セブパシフィック航空はおすすめできません。遅延率が非常に高いため、重要な予定に間に合わなくなるリスクが大きく、仕事や大切なイベントに影響が出る可能性があります。
乗り継ぎ便を利用する予定の方、特に同日中に複数のフライトを組み合わせる旅程の場合は、前の便の遅延で後の便に乗り遅れるリスクが非常に高いため避けた方が無難でしょう。LCCは遅延による乗り継ぎ失敗の補償がないため、自己負担で次の便を手配しなければならず、大きな出費につながる可能性があります。
快適性を重視する方、長時間のフライトでもゆったりと過ごしたい方にも不向きです。座席が狭くリクライニングもないため、体格の大きな方や腰痛持ちの方には特に厳しい環境と言えます。機内エンターテインメントがないことも、映画や音楽を楽しみながら過ごしたい方には大きなデメリットとなるでしょう。
また、英語でのコミュニケーションに不安がある方、トラブル時に自力で対応するのが難しい方にもおすすめできません。ウェブサイトやアプリの不具合が多く、コールセンターの対応も日本語が通じにくいため、問題が発生した際のストレスが大きくなる可能性があります。
荷物が多い旅行者も注意が必要です。受託荷物は有料で、重量超過に対しても厳しいため、荷物が多い場合は追加料金が高額になり、結果的にフルサービスキャリアと価格差がなくなってしまうことがあります。
よくある質問Q&A
Q1: セブパシフィック航空の安全性は本当に大丈夫ですか?
現在のセブパシフィック航空は国際的な安全基準を満たした航空会社であると言えるようです。2018年にIATAの国際安全監査プログラムIOSA認証を取得し、同年に航空格付け会社エアラインレイティングスから最高評価の7つ星を獲得しています。これらの認証は2年ごとに更新が必要で、2025年にも更新に成功しているため、継続的に安全基準を満たしていることが確認されています。
過去には1998年に墜落事故、2013年に着陸失敗事故がありましたが、これらの教訓を生かして新造機の導入や安全システムへの投資を進めており、現在では安全性の高い航空会社として評価されているようです。機材も比較的新しいエアバス機を中心に100機を保有しており、滑走路オーバーラン防止システムや疲労リスク管理システムなど最新の安全技術も導入しているとのことです。
ただし、遅延や欠航が非常に多いという運航管理上の問題は別途存在するため、スケジュールに余裕を持った旅行計画が必要です。
Q2: 遅延はどのくらい覚悟すればいいですか?
セブパシフィック航空の遅延率は35.6から49.8パーセントと報告されており、ほぼ2便に1便は遅れると考えておいた方が良いでしょう。遅延時間は数十分から1時間程度のケースが多いようですが、場合によっては5時間以上の大幅な遅延も発生しているようです。
遅延の主な理由は使用機到着遅れとされており、前の便が遅れた影響が連鎖的に広がるパターンが多いようです。特にクリスマスや年末年始などの繁忙期は遅延や欠航が集中する傾向にあり、2024年12月には3日間で20便が欠航、288便が遅延したという記録もあります。
乗り継ぎ便を利用する場合は、最低でも4時間から5時間以上のトランジット時間を確保することをおすすめします。それでも遅延によって乗り継ぎに間に合わないリスクがあるため、可能であれば直行便を選ぶか、乗り継ぎは別日に設定するなどの対策が必要です。重要な予定がある場合は、余裕を持って前日入りするなど、慎重な計画を立てることをおすすめします。
Q3: フィリピン航空とセブパシフィック航空、どちらを選ぶべきですか?
選択のポイントは価格と快適性のどちらを優先するかによると言われています。フィリピン航空はナショナルフラッグキャリアで、機内食やドリンク、ブランケットなどのサービスが含まれており、座席も若干広く設定されているため、快適性を求める方にはフィリピン航空がおすすめです。
一方、セブパシフィック航空はLCCのためサービスは最小限ですが、セールを利用すれば往復1万円程度で渡航できることもあり、価格重視の方には魅力的な選択肢となります。ただしセール期間外では価格差が小さくなることもあるため、予約時に両社の価格を比較して判断するのが賢明でしょう。
安全性については、フィリピン航空は成田からセブまで15回程使って一度もトラブルがなかったという体験談がある一方、セブパシフィック航空も国際的な安全認証を取得しており、どちらも安全面では大きな問題はないと考えられます。最終的には予算、快適性、スケジュールの柔軟性などを総合的に考慮して選択することをおすすめします。
トラベルライターTAKAの考察
これまで様々な情報をもとにセブパシフィック航空の安全性について検証してきましたが、ここからは私トラベルライターTAKAとしての独自の視点と考察をお伝えしたいと思います。
まず強調したいのは、現在のセブパシフィック航空は過去の事故の記憶とは切り離して評価すべき存在になっているということです。1998年の墜落事故から27年が経過し、その間に同社は抜本的な改革を遂げています。IOSA認証の取得、エアラインレイティングスによる7つ星評価、100機にのぼる新造機の導入、そして滑走路オーバーラン防止システムや疲労リスク管理システムといった最新安全技術への投資。これらすべてが、過去の悲劇を二度と繰り返さないという同社の決意の表れではないかと私は考えます。
航空業界において、事故は決してあってはならないことですが、同時に事故から学び、改善し、より安全な運航体制を構築していくことこそが重要だと思います。その意味で、セブパシフィック航空は過去の教訓を真摯に受け止め、具体的な行動で安全性を証明してきた航空会社であると評価できるのではないでしょうか。
一方で、遅延や欠航の多さ、顧客対応の問題など、安全性とは別の次元での課題が山積していることも事実です。これらの問題は直接的に飛行機の安全性に影響するものではありませんが、会社全体の管理能力や顧客への配慮という点で疑問を抱かせる要素となっています。フィリピンという国の航空インフラの課題、マニラ空港の混雑、気象条件など、同社だけでは解決できない構造的な問題も背景にあるのでしょうが、それでも顧客サービスの改善は今後の大きな課題だと感じます。
興味深いのは、実際に搭乗した旅行者の多くが「思ったより良かった」「問題なかった」という感想を持っていることです。これは何を意味するのでしょうか。私は、ネット上に残る過去の事故情報や否定的な口コミが、実際の現状よりも悪いイメージを作り出している可能性があると考えています。人間の心理として、悪い情報ほど記憶に残りやすく、また拡散されやすいという傾向があります。1998年の墜落事故という強烈なネガティブ情報が、27年経った今もなお検索結果に表示され続け、それが現在の安全性に対する誤解を生んでいるのではないでしょうか。
LCCという業態についても同様の誤解があるように思います。「安いから危険」という固定観念は、実際には根拠のない偏見である場合が多いのです。LCCのビジネスモデルは、機内サービスの簡素化、座席の詰め込み、単一機種による効率化、二次空港の活用など、安全性とは無関係な部分でコスト削減を実現しています。むしろ新造機を大量導入することで整備の効率化と安全性の向上を同時に達成しているケースも多く、LCCだから危険という論理は成り立たないのです。
私自身、トラベルライターとして数多くの航空会社を取材し、様々な路線を利用してきましたが、安全性と価格は必ずしも比例しないという実感があります。大切なのは、その航空会社が国際的な安全基準を満たしているか、認証を取得しているか、機材の整備状況はどうか、といった客観的な指標で判断することです。その観点から見れば、セブパシフィック航空は現時点で十分に信頼できる安全性を備えていると言えるでしょう。
では、セブパシフィック航空は完璧な航空会社なのかと言えば、決してそうではありません。遅延の多さは旅行計画に大きな影響を与えますし、ウェブサイトの使いにくさや顧客対応の悪さは、利用者に大きなストレスをもたらします。これらの問題を改善しない限り、真の意味で顧客満足度の高い航空会社にはなれないでしょう。
しかし同時に、フィリピンという国の経済発展、航空需要の急増、インフラ整備の遅れといった大きな文脈の中で、セブパシフィック航空が果たしている役割も評価すべきだと考えます。離島で構成されるフィリピンにおいて、格安で島々を結ぶ航空ネットワークを提供することは、経済活動や人々の移動を支える重要な社会インフラとなっています。完璧ではないかもしれませんが、多くの人々に航空旅行を身近にしているという意義は大きいのです。
旅行者としては、セブパシフィック航空の特性を正しく理解し、自分の旅行スタイルや優先順位に合わせて賢く利用することが重要だと思います。価格を最優先するならセールを狙って予約し、遅延リスクに備えてスケジュールに余裕を持つ。快適性を求めるならフルサービスキャリアを選択する。そうした判断基準を持つことで、より満足度の高い旅行が実現できるはずです。
最後に、インターネット上の情報との向き合い方についても触れておきたいと思います。検索結果に「安全性」というキーワードが表示されると、つい不安になってしまうものですが、その背景にある情報の新しさや信頼性を見極めることが大切です。27年前の事故情報と、2018年の国際認証取得という事実では、どちらが現在の状況を正確に反映しているでしょうか。もちろん過去を忘れてはいけませんが、現在の取り組みと実績を適正に評価することも同じくらい重要なのです。
セブパシフィック航空の安全性について、私の結論はこうです。過去の事故の記憶は消えないけれど、現在の同社は国際基準を満たした安全な航空会社である。遅延や顧客サービスの問題は改善の余地があるが、価格と安全性のバランスを考えれば、賢く利用すれば十分に価値のある選択肢となる。完璧を求めるのではなく、メリットとデメリットを理解した上で、自分に合った使い方を見つけることが、後悔のない旅行につながるのではないでしょうか。