国内線、国際線、航空券など、Mytrip(マイトリップ)の評判についてネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。今回は、航空券比較サイトで最安値候補として頻繁に表示される「Mytrip(マイトリップ)」という海外航空券予約サイトについて、国内線・国際線の評判や口コミを徹底的にリサーチし、本当に利用して大丈夫なのか、どのような点に注意すべきなのかを詳しくご説明していきたいと思います。
結論:Mytripは価格重視の上級者向けサービス
まず結論から申し上げますと、Mytripは確かに正規の航空券を取り扱う正規の旅行会社であり、実際に多くの方が問題なく搭乗できているようですが、万が一トラブルが発生した際のサポート体制に不安があるため、旅行初心者の方には積極的にはおすすめしにくいサービスと言えるでしょう。ただし、旅慣れた方が変更やキャンセルの可能性が極めて低い確実な予定で利用する場合には、大幅な価格メリットを享受できる可能性があるサービスとも言えるのです。
Mytripとは何者なのか
Mytripは、スウェーデンに本社を置くEtraveli Group(エトラベリ・グループ)という企業が運営する、オンライン旅行代理店(OTA)と呼ばれるサービスの一つです。このEtraveli Groupは、ヨーロッパでは非常に有名な旅行系テクノロジー企業であり、Mytripの他にもGotoGate(ゴートゥーゲート)やFlight Networkといったブランドをいくつも展開していると言われています。つまり、まったく実体のない怪しい会社というわけではなく、欧米では一定の規模で事業を行っている企業が提供しているサービスなのです。
日本での知名度はあまり高くありませんが、スカイスキャナーやトラベルコといった航空券比較サイトで検索すると、他社と比較して圧倒的に安い価格で表示されることが多く、そこで初めてMytripの存在を知る方がほとんどではないでしょうか。
なぜMytripはこんなに安いのか
多くの方が疑問に思われるのが「なぜMytripはこんなに安いのか」という点だと思います。この価格差の理由は、Mytripのビジネスモデルと販売戦略にあると考えられているようです。
オンライン旅行代理店(OTA)のビジネスモデルには、大きく分けて「マーチャントモデル」と「エージェンシーモデル」という二つの形態があると言われています。マーチャントモデルは、OTA側が航空会社から航空券を安く仕入れて、マージンを上乗せして販売する方式です。一方、エージェンシーモデルは、OTA側は仲介業務のみを行い、手数料を収益源とする方式となります。
Mytripの場合は、大量の航空券在庫を確保することで、航空会社から特別な価格で航空券を仕入れることができている可能性があるのです。さらに、本社がヨーロッパにあることから人件費を抑えられていること、オンライン完結型のサービスで店舗コストがかからないこと、そして後述するようにカスタマーサポートの品質を最小限に抑えることでコストカットを実現している可能性があるのではないかと推測されているようです。
Mytripの良い評判・メリット
それでは、ネット上で見られるMytripの良い評判やメリットについて詳しく見ていきましょう。
圧倒的な価格の安さという利点
Mytripの最大のメリットは、やはり航空券の価格が非常に安いという点に尽きるでしょう。実際の利用者の声を見てみますと、ANA国内線の羽田から宮崎往復便を、正規料金が27,520円のところ、Mytrip経由では12,590円で購入できたという事例があり、実に55%オフ、つまり半額以下で購入できたケースもあるようです。また、羽田から福岡往復便についても、通常よりもかなり安く購入できたという報告が複数見られました。
国内線だけでなく、国際線についても他の予約サイトと比較して2万円以上安いケースもあるようで、この価格差は旅行予算が限られている方や、複数人での旅行を計画している方にとっては非常に大きな魅力となるでしょう。特に家族旅行や卒業旅行など、航空券代が複数人分必要になる場合は、Mytripを利用することで数万円から数十万円単位で節約できる可能性があるのです。
無事に予約・搭乗できているケースが多いというおすすめポイント
ネット上では悪い評判が目立つMytripですが、実際には多くの方が問題なく予約を完了し、無事にフライトに搭乗できているようです。「評判が悪くて不安だったけど、実際には問題なく搭乗できた」という声や、「座席指定も無料でできて、ANAのマイルも普通に貯まった」という肯定的な口コミも一定数存在しています。
特に国内線のANAやJALといった大手航空会社の便については、比較的トラブルが少ないという傾向があるようです。これは、国内線の場合は航空会社側の運航が安定しており、欠航やスケジュール変更が国際線に比べて少ないこと、そして万が一の際には直接航空会社に問い合わせることも可能なためと考えられます。
24時間対応のカスタマーサポートという良い点
Mytripは、24時間対応のライブチャットサービスを提供しているようです。これは時差のある海外旅行を計画している方にとっては便利なサービスと言えるでしょう。また、電話でのサポートも日本語で対応してくれる時間帯があり、完全に英語のみというわけではないようです。
実際に電話でキャンセル手続きをした方の体験談では、「日本語を話せる外国人のオペレーターが対応してくれて、5分ほどでキャンセル手続きが完了した」というケースもあるようです。また、チャットサービスを利用してスムーズにキャンセルができたという報告も見られました。
Mytripの悪い評判・デメリット
一方で、Mytripには看過できない悪い点やデメリットも多数報告されているのが現実です。ここからは、利用を検討する際に必ず知っておくべき欠点について詳しく解説していきます。
トラブル時の対応が不十分という最大のデメリット
Mytripの最も大きな欠点は、何かトラブルが発生した際のカスタマーサポートの対応に不満が集中しているという点です。特に多いのが、航空会社側の都合でフライトがキャンセルや欠航になった場合の返金手続きに関するトラブルです。
具体的には、「航空会社がキャンセルしたという理由で直前にチケットがキャンセルされたが、航空会社に確認したところキャンセルしていないと言われた」というケースや、「欠航になったのに航空会社の承認がないと返金できないと言われて電話を切られた」といった深刻なトラブルが複数報告されているのです。
また、フレキシブルチケット(日程変更可能なチケット)を購入したにもかかわらず、実際に変更しようとしたら差額が13万円だと言われ、他の選択肢を一切提案してもらえなかったという不満の声もありました。フレキシブルチケットは通常の航空券より1万円ほど高く設定されているにもかかわらず、それに見合ったサービスが受けられなかったという点は大きな問題と言えるでしょう。
カスタマーサポートの質が低いというおすすめしない理由
サポート窓口への連絡手段は一応用意されているものの、その質については多くの不満が寄せられているようです。まず、電話がなかなか繋がらないという問題があり、15分以上待たされることも珍しくないようです。また、オペレーターが東南アジア系の方であることが多く、日本語の発音が聞き取りにくかったり、意思疎通がスムーズにいかなかったりするケースもあるとのことです。
さらに深刻なのは、メールでの問い合わせに対しては自動返信メールしか来ず、実質的に対応してもらえないというケースも報告されているという点です。また、サポートが翻訳ソフトを使って対応しているため、何を言っているのか毎回わからないという声もあり、コミュニケーション上の大きな障壁となっているようです。
決済エラーでも料金が引き落とされる可能性という欠点
Mytripでは、予約時に決済エラーが表示されたにもかかわらず、実際にはクレジットカードから料金が引き落とされていたという報告が複数あります。さらに悪質なケースでは、エラーが出たので3回やり直したところ、3回分すべてが決済されてしまい、重複をキャンセルしようとしたらキャンセル料を請求されたという事例もあるようです。
このような決済トラブルは、海外サイトを利用する際に時折発生する問題ではありますが、Mytripでは特にこの手のトラブルが多いという印象を受けました。予約が完了しているのかどうか不明確なまま時間が過ぎてしまい、不安な時間を過ごすことになるケースもあるようです。
有料オプションを勝手に追加される恐れ
一部の報告では、予約プロセスの中で有料オプション(座席指定料金や保険など)が自動的にチェックされており、それに気づかずに予約を完了してしまうと不要な料金を支払うことになる可能性があるようです。これは、いわゆる「ダークパターン」と呼ばれるユーザーインターフェースの手法で、消費者にとって不利益な選択をさせやすくする設計とも言えます。
特に急いで予約をしようとしている時や、スマートフォンの小さな画面で操作している時には、このような自動選択に気づきにくく、予想外の追加料金が発生してしまう可能性があるのです。
国内線でも国際線扱いになる複雑さ
Mytripで国内線の航空券を購入した場合、システム上は国際線として扱われることがあり、予約番号を確認する際に国際線のページから入力しなければならないという特殊な仕様になっているようです。これは通常の予約方法とは異なるため、慣れていない方は混乱してしまう可能性があります。
また、座席指定やWebチェックインの方法についても、通常の航空会社の公式サイトで予約した場合とは手順が異なることがあり、当日空港のカウンターで対応してもらう必要が出てくるケースもあるようです。このような複雑さは、旅行に慣れていない方にとっては大きなストレスとなるでしょう。
Mytripをおすすめできる方
以上のメリットとデメリットを踏まえた上で、Mytripの利用をおすすめできるのは以下のような方です。
まず第一に、海外のオンラインサービスの利用に慣れており、多少のトラブルにも自力で対応できるという旅慣れた方です。何か問題が発生した際に、英語や片言の日本語でもコミュニケーションをとることができ、航空会社に直接問い合わせるなどの対処ができる方であれば、Mytripの価格メリットを最大限享受できるでしょう。
次に、予約した便の変更やキャンセルの可能性がほぼゼロに近い、確実な予定で航空券を購入する方にはおすすめと言えます。LCC(格安航空会社)を利用するような感覚で、変更やキャンセルはできないものとして割り切って利用するのであれば問題は少ないようです。
また、国内線のANAやJALといった大手航空会社の便を予約する場合は、万が一何か問題があっても航空会社に直接連絡して対応してもらえる可能性が高いため、比較的安全と言えるかもしれません。国内線であれば、最悪の場合でも空港のカウンターで直接相談することができますし、言語の壁もありませんからね。
さらに、とにかく航空券代を最優先で節約したいという方にとっては、リスクを承知の上で選択肢に入れる価値はあるかもしれません。特に複数人での旅行で合計の航空券代が高額になる場合、数万円単位の節約ができる可能性があるのは魅力的です。
Mytripをおすすめできない方
一方で、以下のような方にはMytripの利用はおすすめできません。
まず、海外サイトの利用が初めてで、英語でのコミュニケーションに不安がある方は避けた方が無難でしょう。何かトラブルが発生した際に、適切に対処できず、結果的に金銭的な損失を被る可能性が高いからです。
また、予定が確定していない状態で航空券を購入しようとしている方や、変更やキャンセルの可能性が少しでもある方にはまったくおすすめできません。Mytripでは変更やキャンセルの手続きが非常に煩雑で、手数料も高額になる傾向があるため、柔軟性を求める方には向いていないのです。
さらに、大切な旅行や仕事での出張など、絶対に失敗できない重要な予定での航空券購入にMytripを利用するのは避けるべきでしょう。万が一のトラブルが発生した場合、旅行そのものが台無しになってしまうリスクがあります。
そして、少しでも不安を感じる方、安心して旅行を楽しみたい方は、多少価格が高くても日本の大手旅行会社や航空会社の公式サイトから直接購入することを強くおすすめします。旅行は楽しい思い出を作るためのものですから、予約の段階から不安やストレスを抱えるのは本末転倒ですよね。
実際にMytripで予約する際の注意点
もしMytripを利用することを決めた場合、以下の点に十分注意してください。
予約プロセスの途中で、有料オプション(座席指定料金、キャンセル保険、手荷物追加など)が自動的に選択されていないか、必ず確認しましょう。不要なオプションはすべてチェックを外してから決済に進むことが大切です。
決済エラーが表示された場合は、焦って何度もクリックせず、まずクレジットカードの利用明細を確認してください。エラー表示でも実際には決済が完了していることがあるため、重複決済を避けるためにも慎重に対応しましょう。
予約完了後は、必ず予約確認メールを保存し、予約番号(通常は6桁の英数字)をスクリーンショットなどで記録しておくことをおすすめします。トラブルが発生した際には、この予約番号が非常に重要になります。
また、可能であれば予約後すぐに航空会社の公式サイトやアプリで予約番号を入力し、正常に予約が完了しているか確認することをおすすめします。航空会社側のシステムに予約が反映されていれば、基本的には問題なく搭乗できるはずです。
万が一の場合に備えて、Mytripのカスタマーサポートの電話番号を事前にスマートフォンに登録しておくと安心です。現時点では日本国内からの問い合わせ番号は050-5050-0790とされているようですが、営業時間は月曜日から日曜日の8時から17時までとなっているようですので、この時間帯に連絡できるようにしておきましょう。
Q&A:よくある質問
Q1:Mytripで予約したチケットは本当に正規の航空券なのでしょうか?
A:はい、Mytripで販売されているのは正規の航空券です。実際に多くの方が問題なく搭乗できていますし、ANAやJALのマイレージも通常通り加算されたという報告もあります。Mytripはスウェーデンに本社を置くEtraveli Groupという正規の旅行会社が運営しており、IATA(国際航空運送協会)の認定も受けているとされていますので、完全な詐欺サイトというわけではありません。ただし、トラブル時のサポート体制に不安があるという点は事実のようです。
Q2:Mytripで予約した後にキャンセルや変更はできますか?
A:キャンセルや変更は可能ですが、手続きが非常に煩雑で手数料も高額になる傾向があるようです。キャンセルする場合は、Webからの手続きよりも電話で直接オペレーターに依頼する方がスムーズという報告があります。ただし、航空会社側のキャンセル料に加えて、Mytripのサービス料も別途かかるため、合計でかなりの金額になることが多いようです。また、返金までには数ヶ月かかることもあるようですので、その点も覚悟しておく必要があるでしょう。フレキシブルチケットを購入した場合でも、実際の変更時には高額な差額を請求されることがあるようですので、最初から変更しないという前提で予約することをおすすめします。
Q3:Mytripで国内線を予約する場合、国際線を予約する場合、どちらがより安全ですか?
A:一般的には国内線の方が比較的安全と言えるでしょう。なぜなら、国内線の場合は航空会社(ANAやJAL)に直接問い合わせることができますし、言語の壁もありませんし、万が一の際には空港のカウンターで対応してもらうことも可能だからです。また、国内線は国際線に比べて天候等による欠航やスケジュール変更が比較的少ないため、トラブルに遭遇する確率自体が低いと考えられます。一方、国際線の場合は、航空会社が海外の企業であることが多く、欠航や大幅な遅延が発生した際にMytripと航空会社の間で責任の所在が曖昧になり、返金手続きが非常に複雑になる可能性があるようです。そのため、特に海外旅行に慣れていない方が国際線をMytripで予約するのは、あまりおすすめできないと言えるでしょう。
トラベルライターTAKAの考察と意見
ここまでMytripについて、ネット上の様々な情報や実際の利用者の声をもとに解説してまいりましたが、最後に私トラベルライターTAKAとしての独自の視点から、このサービスについての考察を述べさせていただきたいと思います。
航空券予約サイトの世界は、今まさに大きな変革期を迎えていると感じています。かつては実店舗の旅行代理店で航空券を購入するのが当たり前でしたが、インターネットの普及により、誰もが自宅にいながら世界中のフライトを比較検討できるようになりました。その中で、Booking.comやExpediaのような世界的な大手OTA(オンライン・トラベル・エージェント)だけでなく、Mytripのようなヨーロッパ発の格安特化型OTAも日本市場に進出してきているのです。
私が特に注目しているのは、Mytripが提供する「価格」と「安心」のトレードオフという問題です。旅行業界では長年、「安かろう悪かろう」という言葉が存在してきましたが、果たしてそれは今の時代でも真実なのでしょうか。Mytripのケースを見ていると、確かに価格は圧倒的に安いのですが、その代償としてカスタマーサポートの質やトラブル時の対応力が犠牲になっているように感じられます。
しかし、ここで重要なのは「すべての旅行者に同じレベルのサポートが必要なわけではない」という視点です。例えば、年に何十回も飛行機に乗るようなビジネスパーソンや、世界中を旅している旅行上級者にとっては、多少のトラブルは自力で解決できる範囲であり、それよりも航空券代を節約できることの方が重要かもしれません。一方で、初めての海外旅行や家族での大切な旅行を計画している方にとっては、たとえ数万円高くても、手厚いサポートが受けられる日本の大手旅行会社を利用する方が結果的に満足度の高い旅行になるでしょう。
また、Mytripのような海外発のOTAが日本市場でなかなか支持を得られない理由として、日本特有の「おもてなし文化」と「サービス品質への高い期待値」があると考えています。日本では、お金を払ったサービスに対しては、きめ細やかで丁寧な対応が当然のこととして期待されます。しかし、グローバルスタンダードで見ると、格安サービスにはそれ相応の最低限のサポートしか提供されないというのが一般的なのです。この文化的なギャップが、日本でのMytripの評判が芳しくない一因になっているのではないでしょうか。
さらに興味深いのは、同じMytripを利用しても、国内線では比較的満足度が高く、国際線ではトラブルが多いという傾向が見られる点です。これは、国内線の場合は航空会社が日本の企業であり、万が一の際には航空会社側に直接対応してもらえるという「安全弁」が存在するためだと分析しています。つまり、Mytripは予約プラットフォームとしては機能しているものの、本来OTAが提供すべき「トラブル時のバッファー機能」や「顧客保護機能」が弱いということなのです。
今後の旅行業界を展望すると、航空券の価格透明性はますます高まり、消費者はより多くの選択肢から自分のニーズに合ったサービスを選べるようになるでしょう。その中で、Mytripのような格安特化型OTAも一定の市場ニーズを満たす存在として残っていくと思われます。ただし、それは「安さと引き換えにリスクを許容できる層」という限定的なターゲット向けのサービスとしてであり、万人におすすめできるものではないというのが私の見解です。
最終的に、旅行者一人ひとりが「自分にとって何が一番重要なのか」を見極めることが大切だと考えています。価格なのか、安心なのか、柔軟性なのか、それとも利便性なのか。Mytripという選択肢が存在することで、私たち消費者の選択の幅が広がったことは事実ですが、その選択には相応の知識と覚悟が必要だということを、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。
旅行は人生を豊かにする素晴らしい経験です。その第一歩である航空券選びで失敗しないよう、今回の記事が皆様の判断材料の一つとなれば幸いです。安全で楽しい旅を心よりお祈りしております。