ネットで「マイトリップ どこの会社」がよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。今回は、インターネットで航空券を検索していると「マイトリップ どこの会社」という検索キーワードが表示される現象について、多くの旅行者が抱く疑問や不安の背景を詳しく探っていきます。

検索される理由の結論

「マイトリップ どこの会社」という検索キーワードが頻繁に表示される最大の理由は、格安航空券を探している日本人旅行者が、Google FlightやSkyscannerなどの航空券比較サイトで航空券を検索した際に、聞き慣れないMytrip(マイトリップ)という会社名を目にし、この会社の正体や安全性について確認したくなるからだと言われています。特に、他の予約サイトと比較して驚くほど安い価格が表示されることから、「本当に大丈夫なのか」「詐欺ではないか」という不安を感じた旅行者が、会社の実態を調べようとする行動パターンが定着しているようです。

Mytripの正体とは

Mytripは、スウェーデンに本拠地を置く旅行テクノロジー企業Etraveli Group(エトラベリグループ)が運営するオンライン旅行予約サイトの一つなのです。Etraveli Groupは2000年に設立された企業で、ヨーロッパでフライト販売を行う最大規模のテクノロジー企業として知られており、世界75以上の市場で事業を展開し、年間4000万人以上の旅行者にサービスを提供していると言われています。

同グループは、Mytripの他にも「GoToGate(ゴートゥゲート)」や「Flight Network(フライトネットワーク)」といった複数のオンライン旅行代理店ブランドを展開しており、国や地域によってブランド名を使い分けているビジネスモデルを採用しているようです。日本においては日本語対応のウェブサイトを提供していますが、日本国内に正式な拠点や営業所は設けていないため、日本の旅行業登録番号も取得していない状況となっています。

興味深いことに、Etraveli Groupは2021年にBooking.comの親会社であるBooking Holdingsから約1830億円という巨額での買収提案を受けたものの、ヨーロッパ連合の欧州委員会が競争法上の懸念から最終的にこの買収を拒否したという経緯があると報じられています。このことからも、同グループが旅行業界において無視できない規模と影響力を持つ企業であることがうかがえるのです。

なお、日本には過去に「マイトリップ・ネット株式会社」という全く別の会社が存在し、「旅の窓口」という宿泊予約サイトを運営していましたが、この会社は2003年に楽天に買収され、2004年に楽天トラベルと合併しており、現在のMytripとは全く関係がありません。ジェイトリップという国内旅行会社が運営する「MY-TRIP」というマイページサービスも存在しますが、こちらも全くの別物となっています。この名称の類似性が、さらなる混乱を招いている要因の一つとなっているようです。

多くの人が不安を感じる理由

Mytripについて「どこの会社」と検索する人が多い背景には、いくつかの具体的な理由が存在すると考えられます。第一に、日本の旅行業界において知名度が極めて低いという点が挙げられます。楽天トラベルやじゃらん、HISやJTBといった日本人にとって馴染み深い旅行会社と比較すると、Mytripという名前を聞いたことがある日本人旅行者は少数派であり、この知名度の低さが不安材料となっているのです。

第二に、ギリシャのアテネやスウェーデンのウプサラといった海外に本拠地を置く外資系企業であることも、日本人旅行者にとっては心理的なハードルとなっているようです。日本国内に拠点がないため、トラブルが発生した際の問い合わせや交渉がすべて海外の窓口とのやりとりになる点が、特に英語に不慣れな旅行者にとって大きな不安要素になっていると言われています。

第三に、インターネット上に散見されるネガティブな口コミや体験談の存在も、検索行動を促す大きな要因となっているのです。「予約が完了していなかった」「欠航時の返金対応が遅い」「カスタマーサポートの電話が繋がらない」といった具体的なトラブル事例が複数報告されており、これらの情報に接した潜在的な利用者が、実際に予約する前に会社の信頼性を確認しようとする動きが活発化していると考えられます。

第四に、航空券価格の安さそのものが逆に疑念を生んでいる側面もあるようです。通常の航空会社公式サイトや大手旅行代理店と比較して、時には数万円も安い価格が表示されることがあり、この「安すぎる」価格設定が「何か裏があるのではないか」という疑いを生み、会社の正体を確認したくなる心理につながっていると言われています。

なぜMytripは安いのか

Mytripが他の予約サイトよりも安い航空券を提供できる理由については、いくつかの業界特有の仕組みが関係していると推測されます。まず、オンライン旅行代理店(OTA)としてのビジネスモデルそのものが、実店舗を持たず人件費や店舗運営コストを大幅に削減できる構造になっている点が挙げられます。

さらに、Etraveli Groupのような大規模な旅行テクノロジー企業は、世界中の航空会社と直接契約を結び、大量一括仕入れによる特別価格での航空券在庫を確保できる立場にあると言われています。また、独自のフライト検索技術や価格最適化アルゴリズムを活用することで、複数の航空会社を組み合わせた最安値ルートを提案できる「バーチャルインターライニング」という技術を採用しているケースもあるようです。

加えて、カスタマーサポートの人員配置を最小限に抑えたり、座席指定などの付加サービスを別料金にすることで、基本料金を抑える価格戦略を採用している可能性も指摘されています。ただし、これらの企業努力による低価格化がある一方で、トラブル発生時のサポート品質が犠牲になっている側面があることも事実のようです。

Mytripを利用する際の良い点

それでは、Mytripを利用する際の良い点について詳しく見ていきましょう。最大のメリットは、やはり航空券価格の安さにあります。特に国際線の長距離フライトでは、航空会社公式サイトや他の大手旅行代理店と比較して、数万円単位で安い運賃が見つかることも珍しくないと報告されています。予算を最優先する旅行者や、頻繁に海外旅行をするバックパッカーにとっては、この価格優位性は大きな利点となるのです。

第二の良い点として、世界225カ国で41言語に対応したグローバルなサービス展開が挙げられます。日本語でのウェブサイト閲覧や予約手続きが可能であり、日本人旅行者でも比較的スムーズに予約を進められる環境が整っていると言われています。また、クレジットカードやデビットカードなど複数の決済方法に対応しており、柔軟な支払い選択ができる点もメリットとして挙げられます。

第三のメリットとして、航空券だけでなくホテルやレンタカーの予約も同じプラットフォーム上で一括して手配できる利便性があるようです。旅行全体のプランニングを一つのサイトで完結できることは、時間の節約につながる点でおすすめできる要素と言えます。

実際に問題なく予約ができ、スムーズにフライトを利用できたという成功事例も数多く存在しており、すべての利用者がトラブルに遭遇しているわけではない点は強調しておく必要があるでしょう。価格面での優位性を最大限に活かせるシーンでは、賢い選択肢の一つとなる可能性があるのです。

Mytripを利用する際の悪い点

一方で、Mytripを利用する際には注意すべき悪い点やデメリットも複数存在することが、多くの利用者から指摘されています。最大の欠点は、トラブル発生時のカスタマーサポート対応の質と到達性の問題です。日本語対応のカスタマーサポート電話番号は一応用意されているものの、実際には「45分待っても繋がらない」「何度かけても話し中」といった状況が頻繁に報告されており、緊急時に連絡が取れないリスクがあると言われています。

第二のデメリットとして、航空会社都合でのフライト欠航やスケジュール変更が発生した際の返金手続きが複雑で時間がかかるという問題が挙げられます。航空会社が正式に欠航を発表しているにもかかわらず、Mytripからの返金承認が得られない、あるいは返金処理が数ヶ月単位で遅延するといった事例が複数報告されているのです。また、返金時にMytripの手数料が差し引かれることもあり、全額が戻ってこないケースもあるようです。

第三の悪い点として、予約完了メールが送られてこない、または決済エラーが表示されたにもかかわらず実際には決済が完了していて二重請求されるといった、システム上の不具合が指摘されています。これらのトラブルは旅行前の大きな不安材料となり、最悪の場合、空港で「予約が存在しない」という事態に遭遇するリスクも完全には否定できないと懸念されています。

第四のデメリットとして、座席指定が追加料金になったり、そもそも座席指定自体ができないケースがあることも報告されています。また、予約時に表示されていた価格から最終決済画面で大幅に値上がりする「手数料の後付け」現象も頻繁に指摘されており、「思ったより安くなかった」という不満につながっているようです。

第五の欠点として、日本の旅行業法に基づく登録がないため、日本の消費者保護制度や旅行業協会の保証制度の対象外となる点が挙げられます。万が一、会社が経営破綻した場合などには、日本国内の法的保護が受けられない可能性があるというリスクも存在すると考えられます。

おすすめできる方・できない方

これまでの分析を踏まえると、Mytripがおすすめできる方は限られた条件に当てはまる旅行者だと言えそうです。まず、「とにかく航空券代を最優先で節約したい」という明確な価格重視の方には選択肢の一つとなるでしょう。また、「英語での交渉や問題解決が可能」「トラブル発生時に自力で対処できる旅慣れた方」「海外の旅行代理店を利用した経験があり、リスクを理解している方」にとっては、利用価値があると言えます。

さらに、「フライトスケジュールが確定しておりキャンセルの可能性がほぼない旅程」「航空会社への直接確認や自己管理ができる方」「万が一のトラブルに備えてクレジットカードの旅行保険や決済保護サービスを活用できる方」であれば、価格メリットを享受できる可能性が高いと考えられます。

逆に、Mytripをおすすめできない方も明確です。まず、「初めて海外旅行をする方」「英語や海外企業とのやりとりに不安がある方」には絶対におすすめできません。また、「トラブル発生時に迅速なサポートを必要とする方」「高齢者や小さな子供連れでの家族旅行など、旅程に柔軟性が求められる方」「ビジネス出張など失敗が許されない重要な旅行」の場合も避けるべきだと言えます。

さらに、「航空券予約の安全性と信頼性を何よりも重視する方」「少しの価格差よりも安心感を優先したい方」「キャンセルや変更の可能性がある柔軟な旅程を希望する方」にとっては、航空会社公式サイトやJTB、HISなどの大手日本旅行会社を利用する方が賢明な選択となるでしょう。

よくある質問Q&A

Q1: Mytripで予約した航空券は本当に使えるのですか?

多くの場合、Mytripで予約した航空券は問題なく使用できると報告されています。Mytripは正規の旅行代理店として航空会社と契約を結んでおり、発券された航空券は航空会社が認める正式なものとなっているようです。ただし、予約完了後は必ず航空会社の公式サイトやアプリで予約番号を使って予約状況を確認することが強く推奨されています。万が一、航空会社側で予約が確認できない場合は、すぐにMytripと航空会社の両方に連絡を取る必要があると言われています。

Q2: Mytripでトラブルが起きた場合、どこに相談すれば良いですか?

まずはMytrip自体のカスタマーサポート窓口に連絡を取ることが第一ステップとなります。日本語対応の電話番号やメールアドレスがウェブサイトに記載されているはずですが、前述の通り電話が繋がりにくい状況が続いているため、メールでの問い合わせも並行して行うことが推奨されているようです。また、決済に使用したクレジットカード会社に連絡し、チャージバック(不正請求の取り消し)制度の利用を検討することも一つの手段だと言われています。さらに、最終手段として消費者庁の消費者ホットライン(188)や国民生活センターへの相談も選択肢として考えられます。

Q3: Mytripと航空会社公式サイト、どちらで予約するべきですか?

旅行業界の専門家の多くは、「可能な限り航空会社公式サイトでの予約を推奨する」という見解で一致しているようです。その理由として、フライトの変更やキャンセル時の手続きが圧倒的にスムーズであること、トラブル発生時のサポート体制が充実していること、そして追加料金や手数料の透明性が高いことが挙げられています。ただし、予算が非常に限られており、数万円の差が旅行実現の可否を左右するような状況であれば、リスクを十分に理解した上でMytripなどの格安OTAを利用するという選択肢もあり得ると考えられます。その場合でも、必ず旅行保険に加入し、予約後すぐに航空会社側での予約確認を行うといった自己防衛策を講じることが不可欠だと言えるでしょう。

トラベルライター”TAKA”の考察と意見

ここからは、長年旅行業界を取材してきたトラベルライター”TAKA”としての独自の視点と考察をお伝えしたいと思います。「マイトリップ どこの会社」という検索キーワードの出現頻度の高さは、現代の旅行予約における根本的な矛盾を象徴していると私は考えています。

航空券価格の透明化が進み、誰もが簡単に最安値を探せる時代になった一方で、「安すぎる価格は逆に不安を生む」という皮肉な現象が生まれているのです。これは、日本の旅行市場が長年にわたって大手旅行会社による信頼性重視のサービス提供を基盤としてきた文化的背景と、グローバルな価格競争の波が衝突している現場だとも言えるでしょう。

Mytripを含む格安海外OTAの台頭は、旅行業界におけるデジタルトランスフォーメーションの必然的な結果であり、この流れ自体を止めることは不可能だと考えられます。今後、さらに多くの海外テクノロジー企業が日本市場に参入してくることは確実であり、日本の旅行者はこれまで以上に「自己責任での判断」を求められる時代に突入していると言えるでしょう。

興味深いことに、Mytripの運営母体であるEtraveli Groupは、決して怪しい新興企業ではなく、ヨーロッパでは確固たる地位を築いている大手企業なのです。にもかかわらず日本での信頼性が低い理由は、単純に「日本市場への投資不足」にあると私は分析しています。日本語サポート体制の脆弱さ、日本の消費者保護法制への対応不足、そして日本特有の「おもてなし」文化への理解不足が、これだけの不信感を生んでいるのだと考えられます。

もし仮にEtraveli Groupが日本に正式な法人を設立し、日本の旅行業登録を取得し、十分な日本語サポートスタッフを配置すれば、Mytripの評価は劇的に改善する可能性があるでしょう。しかし、そこまでのコストを投じれば現在の価格優位性は失われてしまうため、同社は意図的に「価格最優先、サポートは最小限」というビジネスモデルを選択しているのだと推測されます。

旅行者の立場から見れば、Mytripは「使いこなせる人にとっては強力なツール、使いこなせない人にとってはリスクの塊」という両極端な評価が妥当だと私は考えています。特に、航空券予約の確認方法、航空会社への直接問い合わせ手順、クレジットカードのチャージバック制度などの知識を持っている旅慣れた方にとっては、大きな価格メリットを享受できる選択肢となるでしょう。

一方で、旅行初心者や高齢者、家族連れの方々にとっては、万が一のトラブル発生時の対応負担があまりにも大きいため、数万円の節約よりも航空会社公式サイトや大手日本旅行会社の安心感を選ぶべきだと強く推奨します。旅行は人生の大切な思い出を作る貴重な機会であり、そこに不要なストレスや不安を持ち込むべきではないというのが、長年旅行業界を見てきた私の信念です。

最後に、Mytripに限らず海外格安OTA全般について言えることですが、「安さの裏には必ず理由がある」という原則を忘れてはいけません。その理由がサービス削減なのか、大量仕入れによる効率化なのか、あるいはリスクの顧客への転嫁なのかを見極める目を持つことが、これからの賢い旅行者には求められているのだと考えています。

検索キーワード「マイトリップ どこの会社」の背後には、グローバル化する旅行市場の中で確かな選択をしたいという旅行者の切実な思いが込められています。この問いに対する答えは一つではなく、それぞれの旅行者の経験値、予算、リスク許容度によって変わってくるものなのです。大切なのは、正しい情報を得た上で、自分自身の状況に最適な選択をすることだと私は信じています。

今後も旅行業界のグローバル化は加速し、さまざまな新しいサービスが登場してくることでしょう。その度に私たちは「どこの会社?」と問い続けることになるかもしれません。しかし、その問いを発すること自体が、賢い旅行者としての第一歩なのだと、私は考えているのです。