株式会社ロイヤルホテルの新しいホテルブランド「バウンシー・バイ・リーガ」とは?
私は旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。
今回は、株式会社ロイヤルホテルが展開する新しいホテルブランド「バウンシー・バイ・リーガ」について詳しく解説していきたいと思います。 2026年秋に福岡博多で1号店が開業予定となっているこちらのブランドは、20代から30代の若い世代をターゲットにした新しいスタイルのホテルとして注目を集めているようです。
バウンシー・バイ・リーガとは
「バウンシー・バイ・リーガ」は、リーガロイヤルホテルグループが若年層へのアプローチを強化するために立ち上げた新ブランドのホテルです。 ブランド名の「バウンシー」は英語で「弾む」という意味を持つ「バウンス」に由来しており、心躍る、心弾むといったイメージを表現したネーミングとなっているようです。
このブランドは、音楽や食といったエンターテインメントに焦点を当て、若いトラベラーに向けた新しい滞在スタイルを提案することをコンセプトとしているのが特徴です。 リーガロイヤルホテルグループが2024年に発表した「中期経営計画2026」において新設された「X(エックス)カテゴリー」に属するブランドの一つで、トレンドや個性を重視したホテル群として位置づけられているといいます。
この「Xカテゴリー」というのは、その街の魅力をより際立たせた個性あふれるホテルを展開するカテゴリーとして定義されており、スケールにとらわれず地域の伝統や自然、あるいは現代的なカルチャーなどその土地の魅力を発見できるオリジナリティのあるコンセプトを重視しているのだそうです。 ゲストに寄り添うおもてなしはそのままに、より自然体で過ごしていただけるカジュアルなサービスを提供することを目指しているようです。
バウンシー・バイ・リーガ福岡博多の詳細
現在開業が予定されているのは「バウンシー・バイ・リーガ福岡博多」で、2026年秋に福岡市博多区祇園町5-1にオープンする予定となっているようです。 福岡市営地下鉄「櫛田神社前」駅からすぐの場所、JR博多駅からも徒歩約10分という好立地に位置することになるといいます。
建物は2026年夏頃に竣工予定の地上11階建てで、客室数は全117室となっているようです。 客室タイプはダブルルーム(18平方メートル)とツインルーム(27平方メートル)を中心としたルームミックスで構成され、ダブルルームは3名まで、ツインルームは最大4名まで宿泊可能な仕様になっているのだそうです。
HOTEL BARがコンセプトの空間デザイン
最大の特徴は「HOTEL BAR」というコンセプトでしょう。 博多の祇園町は屋台グルメで知られる中洲にも近く、活気のある夜の街の雰囲気をそのまま楽しめるように、シックな照明やインテリアで統一されたムードのある空間が設計されているといいます。
客室もバーをイメージした照明や調度品でミニマルシックな空間を演出し、リラックスした雰囲気でお酒や会話を楽しめるようなデザインになっているようです。 随所にバーのムードを感じさせるデザインや演出が施され、特別な旅の時間を提供することを目指しているのだそうです。
機能的でコンパクトな客室設計
客室はコンパクトでありながら、ベッド下にスーツケース収納スペースを設けたり、バスルームをシャワーブースのみの設計にすることで、リビングスペースを最大限確保しているのが特徴です。 こうした工夫により、18平方メートルから27平方メートルという比較的コンパクトな客室面積でも、快適に過ごせる空間づくりがなされているようです。
全室が独立洗面台を備えていないセパレートタイプではないようですが、その分リビングエリアを広く取ることで、友人同士やカップルでの利用時に過ごしやすい空間になっているといえそうです。
2階に位置する象徴的なバー
館内2階には、交差点からも目に留まるホテルの象徴的なバーが設置される予定となっているようです。 クラシックなイメージのカウンターとバックバーが特徴で、テーブル席が47席、カウンター席が5席、テラス席が10席と合計62席を備えた本格的なバー施設になるといいます。
このバーでは朝食も提供されることになっており、朝から夜までホテルの中心的な場所として機能することになりそうです。 レストラン機能も兼ね備えた1店舗として運営され、宿泊客だけでなく地域の方々も利用できるような開かれた空間になることが予想されます。
また、ホテルには大浴場も設置される予定となっており、旅の疲れを癒すことができる施設も用意されているようです。
ターゲット層と狙い
バウンシー・バイ・リーガ福岡博多のメインターゲットは、国内や韓国を中心とした東アジアからのインバウンド客で、若くアクティブなカップルや友人同士の利用を想定しているようです。 特に韓国など東アジア圏からのカップル客を狙い、音楽やグルメを強化したブランドとして展開されるといいます。
福岡空港は旅客数が羽田、成田、関西に次いで国内4位であり、インバウンドでは韓国からの訪問が半分以上を占めているという特徴があるそうです。 また、中国や九州など近隣からの国内旅行者も多いことから、こうした市場特性を踏まえたターゲット設定になっているといえるでしょう。
価格帯については、ビジネスホテルより高単価が狙える「ライフスタイルホテル」という位置づけで、宿泊にとどまらない価値を提供することを目指しているようです。 価値観の多様化や体験重視の傾向が強まる中で、単に寝泊まりする場所としてのホテルではなく、その街の魅力を体験し、滞在自体を楽しむためのホテルというコンセプトが打ち出されているといえます。
リーガロイヤルホテルグループの戦略
バウンシー・バイ・リーガは、リーガロイヤルホテルグループがこれまであまり取り込めていなかった20代から30代の若年層を主要ターゲットとして、新たな顧客層の開拓を狙った戦略的なブランドとなっているようです。
同グループは「バウンシー・バイ・リーガ」のほかに、もう一つの新ブランド「アンカード・バイ・リーガ」も展開しており、2026年春には大阪なんばで「アンカード・バイ・リーガ大阪なんば」が各ブランド1号店として開業する予定となっているといいます。
「アンカード」は「錨をおろす」という意味で、ホテルの立地であるローカル(地元)のエッセンスを濃く感じながら疲れを癒してアクティブな旅の朝を迎えるための機能を備えたブランドとして位置づけられており、バウンシーとは異なるコンセプトを持っているようです。
リーガロイヤルホテルグループは2025年5月現在、国内外15のホテルにより構成されており、今後2026年春に2軒、2026年秋以降に2軒の開業を予定しているそうです。 旗艦ホテルブランドである「リーガロイヤルホテル」を軸に、新しいブランド展開によってポートフォリオを拡大し、多様な顧客ニーズに対応していく戦略を取っているといえるでしょう。
また、2025年4月にはリーガロイヤルホテル大阪がIHGホテルズ&リゾーツのラグジュアリー&ライフスタイル・ポートフォリオのコレクションブランドである「ヴィニェット コレクション」に加わり、「リーガロイヤルホテル大阪ヴィニェット コレクション」としてグランドオープンしており、国際的なホテルブランドとの提携も進めているようです。
ライフスタイルホテル市場の競争激化
近年、価値観の多様化や宿泊主体型ながらビジネスホテルより高単価が狙えるということで、ライフスタイルホテルの分野では外資系のホテルチェーンが出店を加速させており、若年層の訪日客を狙うホテル間競争が激化しているといわれています。
バウンシー・バイ・リーガは、こうした競争環境の中で、リーガロイヤルホテルグループならではの強みである高品質なサービスとおもてなしの精神を保ちながら、よりカジュアルで自然体の雰囲気を作り出すことで差別化を図ろうとしているように見受けられます。
特に「HOTEL BAR」というコンセプトは、福岡という土地柄、屋台文化や夜の賑わいといった地域特性を活かしたユニークな位置づけになっており、単に宿泊するだけでなく、博多の夜の雰囲気を館内でも楽しめるという付加価値を提供しようとしているのだと思われます。
良い点・メリット
バウンシー・バイ・リーガのメリットとして第一に挙げられるのは、立地の良さでしょう。 福岡市営地下鉄「櫛田神社前」駅からすぐ、JR博多駅からも徒歩約10分という好立地は、観光にもビジネスにも非常に便利だといえます。 屋台グルメで知られる中洲エリアにも近く、福岡の夜の魅力を存分に楽しめる環境にあるのは大きな利点といえるでしょう。
第二の良い点は、コンセプトの明確さと独自性です。 「HOTEL BAR」というテーマは、他のホテルにはない特徴的なコンセプトで、単に寝るだけではなく、ホテル滞在そのものを楽しむという体験価値を提供しようとしているのが伝わってきます。 バーのムードを感じさせるデザインや演出が随所に施され、特別な旅の時間を演出してくれることが期待できそうです。
第三のおすすめポイントは、機能的な客室設計でしょう。 ベッド下のスーツケース収納やシャワーブースのみの設計によってリビングスペースを確保するなど、コンパクトな空間でも快適に過ごせる工夫が凝らされているようです。 若い世代の旅行者は日中アクティブに観光を楽しみ、ホテルは主に夜の時間を過ごす場所として利用する傾向が強いため、こうした機能重視の設計は理にかなっているといえます。
第四に、2階に設置される本格的なバーの存在も魅力的でしょう。 カウンター席、テーブル席、テラス席と多様な席種が用意され、朝食から夜まで利用できる施設として、宿泊客だけでなく地域の方々とも交流できる開かれた空間になることが予想されます。 クラシックなイメージのカウンターとバックバーという本格的な設備も整っているようで、お酒好きにはたまらない環境になりそうです。
第五に、大浴場が設置されることも日本人旅行者や東アジアからの訪問客にとっては嬉しいポイントでしょう。 旅の疲れを癒すことができる大浴場の存在は、ビジネスホテルクラスでは必ずしも一般的ではないため、この価格帯で大浴場が利用できるというのは差別化要素になると思われます。
第六の利点として、リーガロイヤルホテルグループのブランド力とサービス品質が挙げられます。 1935年創業の歴史を持つリーガロイヤルホテルグループは、国賓や皇室をお迎えしてきた実績のある老舗ホテルグループですので、新しいカジュアルブランドであっても、そのサービス品質やおもてなしの精神は受け継がれることが期待できます。
悪い点・デメリット
一方で、デメリットや懸念点もいくつか考えられます。
第一の欠点は、客室面積の狭さでしょう。 ダブルルームが18平方メートル、ツインルームが27平方メートルというのは、比較的コンパクトなサイズです。 ベッド下収納やシャワーブースのみの設計でリビングスペースを確保しているとはいえ、荷物が多い旅行者やゆったりとした空間を求める方には物足りなく感じられる可能性があります。
第二のデメリットは、バスタブがないことです。 シャワーブースのみの設計となっているため、バスタブにゆっくり浸かりたいという方には向いていないかもしれません。 もちろん大浴場が設置されるため、そちらを利用すれば入浴は可能ですが、部屋でプライベートにバスタブを使いたいという方にはおすすめできない点といえるでしょう。
第三の懸念は、ターゲット層の明確さゆえの限定性です。 20代から30代の若いカップルや友人同士をメインターゲットとしているため、ファミリー層やビジネス利用、年配の方々にとっては必ずしも最適な選択肢ではない可能性があります。 「HOTEL BAR」というコンセプトも、お酒を楽しむ雰囲気が前面に出ているため、静かで落ち着いた雰囲気を求める方には合わないかもしれません。
第四の欠点として、開業前であるため実際のサービスレベルや雰囲気がまだ不明という点が挙げられます。 コンセプトや設備は魅力的に見えますが、実際に開業してみないと、本当にそのコンセプトが実現されているのか、スタッフのサービスレベルはどうなのか、価格に見合った価値があるのかといった点は判断できません。
第五に、ライフスタイルホテルという位置づけで、ビジネスホテルよりは高めの価格設定になることが予想されるという点も、デメリットと感じる方がいるかもしれません。 コストパフォーマンスを重視する旅行者にとっては、価格次第では選択肢から外れる可能性があります。
第六の懸念点として、客室数が117室と比較的小規模であることが挙げられます。 人気が高まれば予約が取りにくくなる可能性があり、特に開業直後やピークシーズンには予約競争が激しくなることが予想されます。
おすすめしたい方
バウンシー・バイ・リーガ福岡博多をおすすめしたいのは、以下のような方々でしょう。
まず、20代から30代の若い世代で、旅先での体験や雰囲気を重視する方には非常におすすめできます。 単に寝泊まりするだけでなく、ホテル滞在そのものを楽しみたい、その街の雰囲気を感じたいという方にはぴったりのコンセプトだといえるでしょう。
次に、カップルや友人同士での旅行を計画している方にもおすすめです。 「HOTEL BAR」というコンセプトのもと、お酒や会話を楽しみながら特別な時間を過ごすことができそうです。 2階のバーでは朝から夜まで食事やお酒が楽しめるようですし、テラス席もあるということで、博多の夜の雰囲気を満喫できるでしょう。
韓国など東アジアからの訪問客にもおすすめしたいホテルです。 福岡空港からのアクセスが良く、博多駅からも徒歩圏内という立地は、短期滞在の海外旅行者にとって非常に便利です。 また、大浴場が設置されることも、入浴文化に馴染みのある東アジアの旅行者には嬉しいポイントでしょう。
お酒が好きで、バーの雰囲気を楽しみたい方にも向いています。 クラシックなイメージのカウンターとバックバーを備えた本格的なバーが館内にあり、客室もバーのムードを感じさせるデザインになっているとのことですので、お酒好きには魅力的な環境になりそうです。
また、福岡の夜の街を楽しみたい方、屋台グルメや中洲エリアを探索したい方にもおすすめです。 櫛田神社前駅からすぐという立地は、博多の繁華街へのアクセスが非常に良く、夜遊びを楽しんだ後でも徒歩圏内でホテルに戻れるのは大きなメリットです。
コンパクトでも機能的な部屋を好む方、荷物が少なめで身軽に旅行する方にも向いているでしょう。 ベッド下収納やシャワーブースのみの設計は、効率的に空間を使いたい旅慣れた方には魅力的に映るはずです。
おすすめできない方
一方で、バウンシー・バイ・リーガ福岡博多をおすすめできないのは、以下のような方々です。
まず、広い客室やゆったりとした空間を求める方には向いていません。 18平方メートルから27平方メートルというコンパクトな客室サイズは、荷物が多い方や長期滞在を予定している方には窮屈に感じられる可能性があります。
部屋のバスタブでゆっくり入浴したいという方にもおすすめできません。 シャワーブースのみの設計となっているため、プライベートな空間でバスタブに浸かりたいという方の期待には応えられないでしょう。 大浴場はあるものの、人目がある共有スペースでの入浴は避けたいという方には不向きです。
静かで落ち着いた雰囲気のホテルを好む方、早めに就寝したい方にも向いていない可能性があります。 「HOTEL BAR」というコンセプトで夜の賑わいを重視しているため、館内に活気があることが予想されます。 特に2階のバーは交差点からも見えるような位置にあるとのことですので、騒音が気になる方には不向きかもしれません。
ファミリー層、特に小さなお子様連れの家族旅行には必ずしも最適とはいえないでしょう。 カップルや友人同士をメインターゲットとしたコンセプトや、バーを中心とした雰囲気は、家族でゆっくり過ごすという用途には合わない可能性があります。
年配の方や、伝統的なホテルサービスを期待する方にもおすすめできないかもしれません。 カジュアルなサービススタイルを謳っているため、きめ細やかなフルサービスを期待する方には物足りなく感じられる可能性があります。
コストパフォーマンスを最重視する方、とにかく安く泊まりたいという方にも向いていないでしょう。 ライフスタイルホテルという位置づけで、体験価値を提供することを重視しているため、価格はビジネスホテルより高めに設定されることが予想されます。
お酒を飲まない方、バーの雰囲気に興味がない方にとっては、コンセプトの魅力が十分に伝わらない可能性があります。 ホテルの大きな特徴が「HOTEL BAR」というコンセプトである以上、その価値を感じられない方にとっては割高に感じられるかもしれません。
Q&A
Q1: バウンシー・バイ・リーガはいつ開業する予定ですか?
A: バウンシー・バイ・リーガ福岡博多は2026年秋に開業予定となっているようです。 建物自体は2026年夏頃に竣工予定とのことですので、その後オープニング準備を経て秋頃のグランドオープンとなる見込みのようです。
Q2: 客室のタイプと広さはどのくらいですか?
A: 客室数は全117室で、ダブルルーム(18平方メートル)とツインルーム(27平方メートル)を中心とした構成になっているようです。 ダブルルームは最大3名まで、ツインルームは最大4名まで宿泊可能とのことです。
Q3: アクセスはどうですか?
A: 福岡市営地下鉄「櫛田神社前」駅から徒歩すぐ、JR博多駅からも徒歩約10分という好立地となっているようです。 屋台グルメで知られる中洲エリアにも近く、観光に便利なロケーションだといえるでしょう。
Q4: 館内にはどんな施設がありますか?
A: 2階に本格的なバー(カウンター5席、テーブル47席、テラス10席)があり、朝食から夜まで利用できるレストラン機能も兼ね備えているようです。 また、大浴場も設置される予定とのことです。 館内にはレストランが1店舗あるという情報もあります。
Q5: どんな人におすすめのホテルですか?
A: 20代から30代の若い世代で、旅先での体験や雰囲気を重視する方、カップルや友人同士での旅行を計画している方におすすめのようです。 特に韓国など東アジアからのインバウンド客や、お酒が好きでバーの雰囲気を楽しみたい方にも向いているといえるでしょう。
Q6: 客室にバスタブはありますか?
A: 客室はシャワーブースのみの設計となっているようで、バスタブは設置されていないようです。 ただし、館内に大浴場が設置される予定とのことですので、そちらで入浴を楽しむことができるようです。
Q7: 「HOTEL BAR」というコンセプトとは具体的にどういうことですか?
A: バーをテーマにしたホテルで、リラックスした雰囲気でお酒や会話を楽しめるような空間づくりがなされているようです。 客室もバーのムードを感じさせるデザインや演出が随所に施され、シックな照明やインテリアで統一されているとのことです。
Q8: リーガロイヤルホテルグループの他のホテルとはどう違うのですか?
A: バウンシー・バイ・リーガは、リーガロイヤルホテルグループの新たに設定された「Xカテゴリー」に属する新ブランドで、若年層向けにトレンドや個性を重視したカジュアルなサービスを提供することを目指しているようです。 従来のリーガロイヤルホテルのようなフルサービスのラグジュアリーホテルとは異なり、よりカジュアルで自然体の雰囲気を大切にしているといえるでしょう。
Q9: 予約はいつから開始されますか?
A: 2025年10月現在、まだ予約開始日は発表されていないようです。 開業予定が2026年秋とのことですので、おそらく2026年に入ってから予約が開始されるのではないかと思われます。 詳細が決まり次第、リーガロイヤルホテルグループの公式サイトなどで発表されることでしょう。
Q10: 価格帯はどのくらいになりそうですか?
A: 具体的な価格はまだ発表されていませんが、ライフスタイルホテルという位置づけで、ビジネスホテルより高単価を狙っているようです。 体験価値を重視したコンセプトホテルですので、一般的なビジネスホテルよりは高めの価格設定になることが予想されますが、ラグジュアリーホテルほど高額ではないと思われます。
トラベルライター”TAKA”の考察
ここからは、私トラベルライター”TAKA”の独自の視点から、バウンシー・バイ・リーガというブランドについて考察してみたいと思います。
まず注目すべきは、リーガロイヤルホテルグループという老舗ホテルブランドが、大胆にも若年層向けの新ブランドを立ち上げたという点です。 1935年創業という長い歴史を持ち、国賓や皇室をお迎えしてきた格式高いホテルグループが、「HOTEL BAR」というカジュアルで遊び心のあるコンセプトを打ち出したことには、大きな戦略的意図があると思われます。
ホテル業界全体を見渡すと、近年は「泊まること自体が目的になる」ようなホテルが増えています。 単に観光やビジネスの拠点として寝泊まりする場所ではなく、ホテルでの滞在時間そのものを楽しむという価値観の変化が起きているのです。 特に若い世代はSNSの普及によって「映える」空間や体験を求める傾向が強く、ホテル選びにおいても個性やコンセプトを重視するようになってきています。
バウンシー・バイ・リーガは、まさにこうしたトレンドを捉えたブランドといえるでしょう。 「HOTEL BAR」というコンセプトは、単なる宿泊施設ではなく、バーという社交の場、人と人とが交流する場としてのホテルを提示しています。 これは、従来のホテルが提供してきた「プライベートな休息の場」という価値とは一線を画すものです。
福岡という立地選択も戦略的だと感じます。 福岡は国内からもアクセスしやすく、特に韓国からのインバウンド客が多いという特徴があります。 東京や大阪といった大都市圏に比べれば、まだライフスタイルホテルの競争も激しくないでしょうし、屋台文化や中洲の夜の賑わいといった福岡ならではの魅力をホテルコンセプトに取り込むことができます。
また、祇園町という立地も絶妙です。 博多駅から徒歩圏内でありながら、中洲の繁華街にも近く、櫛田神社などの観光スポットもすぐそばにあります。 観光にもグルメにも夜遊びにも便利な、まさに福岡の魅力を凝縮したようなエリアに位置することになるわけです。
客室設計についても、興味深い工夫が見られます。 ベッド下のスーツケース収納やシャワーブースのみの設計は、一見するとコストダウンのための策にも見えますが、実はターゲット層の行動パターンを深く理解した上での選択だと思われます。 20代から30代の若い旅行者は、日中は外で観光やグルメを楽しみ、夜はホテルのバーや部屋で友人やパートナーと語らい、寝る時は寝るだけという過ごし方をする傾向があります。 つまり、広いバスルームや書斎スペースよりも、リビングスペースや収納スペースの方が重要なのです。
大浴場の設置も、日本のホテル文化とアジアの入浴文化の両方に配慮した賢い選択だと思います。 客室にバスタブはないものの、大浴場で旅の疲れを癒すことができるという構成は、限られたスペースと予算を効果的に活用する方法といえるでしょう。
2階に設置される本格的なバーも、このホテルの要になる施設だと予想されます。 交差点から見える位置にあるということは、ホテル宿泊客だけでなく、地域の人々や通りすがりの人々の目にも留まるということです。 これは、ホテルを街に開かれた場所として位置づけ、地域コミュニティの一部としても機能させようという意図があるのではないでしょうか。
朝食から夜まで利用できるというのも重要なポイントです。 朝は宿泊客の朝食会場として、昼間は周辺で働く人々のランチやカフェタイムの場として、夜は本格的なバーとして、時間帯によって異なる顔を持つ施設になることが想定されます。 こうした多機能性は、限られた客室数(117室)のホテルにとって、収益性を高めるための重要な戦略でもあるでしょう。
ブランド名の「バウンシー」という言葉の選択も興味深いです。 「弾む」「跳ねる」という意味を持つこの言葉は、若々しさ、エネルギー、ポジティブな気分といったイメージを喚起します。 一方で「バイ・リーガ」という部分で、リーガロイヤルホテルグループのブランド力と信頼性を担保しているわけです。 新しさと伝統、カジュアルさと品質保証という、一見相反する要素を一つのブランド名に込めているといえます。
もう一つの新ブランドである「アンカード・バイ・リーガ」との対比も面白いです。 アンカードが「錨をおろす」という意味で、地域に根ざした安定感を表現しているのに対し、バウンシーは「弾む」という動的なイメージです。 同じXカテゴリーに属しながらも、それぞれ異なる個性を持つブランドとして展開することで、より幅広い顧客層にアプローチできるポートフォリオを構築しようとしているのでしょう。
ただし、成功には課題もあると思われます。 一つは、外資系のライフスタイルホテルチェーンとの競争です。 エースホテル、モクシー、W、EDITION、アロフトなど、若年層をターゲットにした個性的なホテルブランドが世界中で展開されており、日本でもその数は増えています。 これらのグローバルブランドと比較されたときに、バウンシー・バイ・リーガがどれだけ独自の価値を提供できるかが問われることになるでしょう。
もう一つの課題は、コンセプトの実現性です。 「HOTEL BAR」という魅力的なコンセプトを打ち出しても、実際のオペレーションがそれを体現できなければ、期待外れに終わってしまいます。 バーの雰囲気を持つ客室デザインとは具体的にどのようなものなのか、2階のバーでどんなカクテルやフードが提供されるのか、スタッフのサービススタイルはどうなのか、こうした細部の積み重ねがブランド体験を作り上げるのです。
また、ターゲット層を明確にしすぎることのリスクもあります。 20代から30代のカップルや友人同士という設定は、マーケティング上は明確でわかりやすいのですが、それ以外の属性の人々を排除してしまう危険性もはらんでいます。 実際には40代でもバーの雰囲気を楽しみたい人はいるでしょうし、一人旅でもこのホテルに泊まりたいという人もいるはずです。 ターゲット層を意識しつつも、実際の運営においては柔軟性を持つことが重要だと思います。
価格設定も成功の鍵を握るでしょう。 ライフスタイルホテルとして体験価値を重視するとはいえ、若年層がターゲットである以上、価格があまりに高いと手が出なくなってしまいます。 一方で、安すぎるとブランドイメージが損なわれますし、収益性も確保できません。 ビジネスホテルより少し高めだが、ラグジュアリーホテルよりはずっと手頃という、絶妙なラインを見極める必要があります。
開業タイミングも考慮すべき要素です。 2026年秋の開業予定ということですが、その頃の日本経済や観光市場がどうなっているかは不確実です。 インバウンド需要が順調に回復・成長を続けているのか、国内旅行需要は堅調なのか、こうした外部環境の変化によって、ホテルの成否も左右されることになるでしょう。
一方で、私はこのブランドの可能性を高く評価しています。 なぜなら、従来のホテルの概念を拡張し、新しい滞在体験を提案しようとしているからです。 ホテルは単に寝る場所ではなく、旅の思い出を作る場所であり、人と出会い語らう場所であり、その街の魅力を凝縮して体験できる場所でもあるという考え方は、これからのホテルのあり方を示唆していると思います。
特に「HOTEL BAR」というコンセプトには、大きな可能性を感じます。 バーという空間は、本来的に社交的で開放的な場所です。 カウンターに座れば、隣の人と自然に会話が始まることもあります。 バーテンダーとの対話も、バーの醍醐味の一つです。 こうした人と人との緩やかなつながりを生み出す装置として、ホテルバーが機能するのであれば、それは単なる宿泊施設を超えた価値を持つことになるでしょう。
福岡という街も、このコンセプトに非常に合っていると思います。 福岡は屋台文化が色濃く残る街で、見知らぬ人同士が隣り合って座り、自然と会話が生まれるというコミュニケーションの文化があります。 バウンシー・バイ・リーガのバーが、現代版の屋台のような場所になれば、福岡ならではの魅力を体験できる空間になるのではないでしょうか。
また、リーガロイヤルホテルグループという老舗ブランドが、こうした挑戦的な試みをしていることも評価できます。 成熟した企業ほど、変化を恐れ、守りに入りがちです。 しかし、同グループは既存の旗艦ホテルを大切にしながらも、新しいブランドを立ち上げることで、新たな顧客層を開拓しようとしています。 リーガロイヤルホテル大阪がIHGのヴィニェットコレクションに加わったことも、グローバル化への対応といえるでしょう。
ホテル業界全体を見渡すと、今後はさらに多様化が進むと予想されます。 ラグジュアリーホテル、ビジネスホテル、カプセルホテル、民泊という従来のカテゴリーだけでなく、ライフスタイルホテル、デザインホテル、コンセプトホテルといった新しいカテゴリーが次々と生まれています。 それぞれが独自の価値提案をし、特定のターゲット層に訴求することで、市場全体が豊かになっていくのです。
バウンシー・バイ・リーガは、そうした多様化の流れの中で、明確な個性を持ったブランドとして位置づけられる可能性を持っています。 特に20代から30代の若い世代にとって、旅行は単なる観光地巡りではなく、新しい体験を求め、自分らしい時間を過ごすための行為になっています。 そうした価値観に応えるホテルとして、バウンシー・バイ・リーガが機能すれば、新しいホテルの形を示すモデルケースになるかもしれません。
今後、1号店である福岡博多の開業後、ブランドがどのように展開されていくかも注目です。 成功すれば、他の都市にも展開される可能性があるでしょう。 東京、大阪、京都、沖縄といった観光地だけでなく、地方都市にも個性的なバウンシー・バイ・リーガが誕生すれば、日本各地の魅力を再発見するきっかけにもなるかもしれません。
私個人としては、2026年秋の開業が非常に楽しみです。 実際にどのようなホテルが完成し、どのような体験が提供されるのか、宿泊客の反応はどうなのか、福岡という街にどのような影響を与えるのか、こうした点を注視していきたいと思います。
最後に、バウンシー・バイ・リーガに期待したいのは、単に若者受けを狙うだけのホテルではなく、本質的に「良いホテル」であってほしいということです。 コンセプトやデザインが魅力的であっても、基本的なホテルとしての機能、清潔さ、快適さ、スタッフのホスピタリティといった要素が欠けていては意味がありません。 リーガロイヤルホテルグループの伝統と、新しいブランドの挑戦的な精神の両方を兼ね備えたホテルとして、多くの人々に愛される存在になることを願っています。
旅行者として、一つのホテルが街の魅力を引き出し、旅の思い出を豊かにしてくれる存在になることほど嬉しいことはありません。 バウンシー・バイ・リーガが、福岡という素晴らしい街の新たな魅力を発信する拠点となり、国内外の旅行者に特別な体験を提供してくれることを期待しています。
ホテルは建物ではなく、そこで生まれる体験です。 バウンシー・バイ・リーガでどんな体験が生まれるのか、どんな物語が紡がれるのか、2026年秋の開業を心待ちにしたいと思います。