「オートグラフだるまジャーニー」とはどんなキャンペーン?仕組み、メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。2026年1月から1年間、マリオット・インターナショナルが展開する「オートグラフ コレクション ホテル」で、これまでにないユニークな周遊型キャンペーンが開催されるようです。日本の縁起物である「だるま」をモチーフにした限定コレクタブルアイテムを集めながら、全国5つのホテルを巡るという趣向のようですが、果たしてこのキャンペーンは旅行者にとって魅力的な体験となるのでしょうか。ネット上の情報を徹底的にリサーチし、その仕組みやメリット、デメリットについて詳しく解説いたします。
結論:旅の思い出を形に残す、新しいホテルステイ体験
「オートグラフだるまジャーニー」は、単なる宿泊割引キャンペーンではなく、日本各地のラグジュアリーホテルを巡りながら、各ホテルの個性を凝縮した限定コレクタブル「オートグラフだるま」を集める体験型の周遊キャンペーンと言えるようです。2026年1月1日(元日)から12月31日(木)まで、約1年間にわたって開催され、対象となるのは日本国内の5軒のオートグラフ コレクション ホテルのようです。
このキャンペーンは、「泊まって、集めて、語りたくなるストーリー」を紡ぐことを目的としており、従来の宿泊特典とは一線を画す内容になっているようです。特に注目すべきは、5つすべてのホテルのだるまを集めると、5体が入るディスプレイ用特別ケースがもらえるという特典で、コレクター心をくすぐる仕組みになっているようです。
キャンペーンの具体的な仕組みとは
それでは、このキャンペーンの詳細な仕組みについて見ていきましょう。
開催期間と対象ホテル
開催期間は2026年1月1日(元日)から12月31日(木)までの約1年間で、対象となるのは以下の5軒のオートグラフ コレクション ホテルのようです。
大阪ステーションホテル、オートグラフ コレクション(大阪) ザ・プリンス 京都宝ヶ池、オートグラフ コレクション(京都) ザ・プリンス さくらタワー東京、オートグラフ コレクション(東京) TIAD、オートグラフ コレクション(名古屋) メズム東京、オートグラフ コレクション(東京)
これらは、マリオット・インターナショナルのプレミアムブランド「オートグラフ コレクション」に属するホテルで、それぞれが「唯一無二(Exactly Like Nothing Else)」というブランドコンセプトのもと、独立系の物語性とクラフトマンシップに根ざした体験を提供しているようです。
参加方法の詳細
キャンペーンへの参加方法は非常にシンプルなようです。各ホテルの「オートグラフだるまジャーニー」専用宿泊プランを予約・宿泊すると、1滞在につき大人の人数分の「オートグラフだるま」を受け取ることができるという仕組みになっているようです。
販売開始は2025年10月31日(金)より順次となっており、各ホテルの販売状況によって異なるようです。具体的な料金や対象客室、予約方法については、各ホテルの公式ウェブサイトで案内されるとのことです。
コレクション特典の魅力
最大の魅力は、5つのホテルすべてのだるまを集めると、5体が入るディスプレイ用特別ケースが進呈されるという点でしょう。このケースは数量限定で、クラフト感の高い仕様が予定されているとのことです。
旅の記録として並べて楽しめるスケール感でデザインされており、手のひらサイズ(約5cm)という大きさも、持ち運びや収集に適しているようです。
各ホテルの「オートグラフだるま」の個性
それぞれのホテルが提供する「オートグラフだるま」には、ホテルの個性や歴史が込められているようです。詳しく見ていきましょう。
大阪ステーションホテルのだるま
デザインコンセプト:1874年開業の初代大阪駅の記憶を紡ぐ鉄道遺産を着想源に、西日本の主要駅で使用されていた改札鋏の抜き形をモチーフにしているようです。きっぷを切ったときにできる形をモチーフに、時の積み重ねを表現したデザインとなっているとのことです。
カラー:ホテルロゴカラーのゴールドと黒で、この地に力強く根付いていきたいという想いが込められているようです。
ザ・プリンス 京都宝ヶ池のだるま
デザインコンセプト:建築家・村野藤吾の美意識を象徴する「BAR ASCOT」の鉄扉をモチーフに、時を超えて息づくホテルの精神を表現しているようです。着物の帯を思わせる和の意匠を融合し、京都の土地の文化と上質さの調和がデザインに込められているとのことです。
このだるまが、ホテルを訪れるきっかけや、心に残る対話の糸口となることを願って作られたという話もあるようです。
ザ・プリンス さくらタワー東京のだるま
デザインコンセプト:ホテルを取り囲む日本庭園に呼応する淡い桜色と花模様で、四季を通じた再生の感覚を表現しているようです。四季の美しさを思わせるデザインで、時の流れの中でそのときどきの美しさを感じさせる仕上がりになっているとのことです。
TIADのだるま
デザインコンセプト:名古屋の都心部にありながら自然を存分に感じられるホテルのコンセプトを反映し、久屋大通公園の緑を建物に引き込むデザインが特徴のホテルにふさわしい、自然をモチーフにしたデザインになっているようです。
メズム東京のだるま
デザインコンセプト:ミッドナイトブルーに金の筆致を重ねた意匠で、ブランドコンセプト「TOKYO WAVES」のリズムとコントラストを体現しているようです。波を想起させる金の模様と中央の「TOKYO WAVES」レタリングは、都市の躍動と志、そして推進力を象徴しているとのことです。
オートグラフ コレクション ホテルとは何か
このキャンペーンを理解する上で、「オートグラフ コレクション」というホテルブランドについても知っておく必要があるでしょう。
オートグラフ コレクションは、マリオット・インターナショナルのプレミアムブランドの中でも最上位に位置づけられるコレクションブランドのようです。世界45の国と地域に270を超える独立系ホテルが加盟しており、「他にはない特徴と独自のストーリー、際立った独自性や個性」を基準に厳選されているとのことです。
「Exactly Like Nothing Else(唯一無二)」をブランドスローガンに掲げ、画一的なサービスではなく、滞在そのものをユニークな体験と捉えるというコンセプトが特徴のようです。各ホテルには、オートグラフ コレクション加入後にその独自性を讃え、パーソナリティを反映する特定の番号が付けられているという興味深い仕組みもあるようです。
日本国内では、2023年1月時点で4軒、2024年7月に大阪ステーションホテルが加わり5軒となり、このキャンペーンはその5軒すべてが参加する初の共同企画となるようです。
キャンペーンの目的と背景
マリオット・インターナショナルがこのキャンペーンを企画した目的は何なのでしょうか。
公式発表によると、主な目的は以下の3つのようです。
オートグラフ コレクション ブランドの認知拡大 各ホテルの「ザ・オートグラフ モーメント」を通じた独自価値の体験化・可視化 日本国内の周遊需要の喚起
特に注目すべきは「ザ・オートグラフ モーメント」という概念で、これは「オートグラフ コレクション」に加盟する各ホテルのユニークな体験を象徴する特別な瞬間を指すようです。
このキャンペーンは、その世界観を日本発で可視化する試みとも言えるようです。旅先で出会う一体一体のだるまが、ゲストの記憶とリンクし、「泊まって、集めて、語りたくなるストーリー」を紡いでいくという狙いがあるとのことです。
また、日本ならではの縁起物である「だるま」を選んだのは、願いを込めて片目を描き、叶ったときにもう一方の目を入れるという日本の文化を、旅の体験と結びつけるという意図があるようです。
メリット:なぜこのキャンペーンが魅力的なのか
では、このキャンペーンのメリットについて詳しく見ていきましょう。旅行者にとってどのような利点があるのでしょうか。
メリット1:旅の思い出を形に残せる
最大のメリットは、宿泊体験を具体的な形のあるコレクションとして残せるという点でしょう。ホテルステイは通常、写真や記憶として残りますが、このキャンペーンでは手のひらサイズのだるまという「モノ」として持ち帰ることができるようです。
しかも、各ホテルの個性や物語が込められたデザインなので、だるまを見るたびにその時の旅の記憶が蘇るという効果が期待できるとのことです。
メリット2:全国5都市を巡る動機づけになる
大阪、京都、名古屋、東京という主要都市に点在する5つのホテルを巡るという設定は、日本国内の周遊旅行を促進する効果があるようです。
各都市には観光名所も多く、ホテルステイと合わせて地域の魅力を楽しむことができるでしょう。特に、大阪ステーションホテルは大阪駅直結、メズム東京は竹芝という好立地にあり、観光にも便利な場所に位置しているようです。
メリット3:コレクターとしての楽しみ
5つすべてを集めると特別ディスプレイケースがもらえるという特典は、コレクター心をくすぐる仕組みになっているようです。
数量限定という希少性も加わることで、「全部集めたい」という気持ちが高まる設計になっているとのことです。旅の記録として並べて楽しめるスケール感でデザインされており、自宅に飾って眺める楽しみもあるようです。
メリット4:ラグジュアリーホテルでの上質な体験
オートグラフ コレクション ホテルは、マリオットのプレミアムカテゴリーの最上位に位置づけられるブランドで、それぞれが独自のコンセプトと高いホスピタリティを誇るようです。
メズム東京はミシュランガイド東京で四つ星を獲得し、TIADは2024年と2025年の2年連続でミシュランガイドのホテルセレクション「1ミシュランキー」を獲得しているとのことです。こうした上質なホテルでの滞在自体が、大きなメリットと言えるでしょう。
メリット5:マリオットボンヴォイのポイントも貯まる
これらのホテルはすべてマリオット・ボンヴォイ参加ホテルなので、宿泊すればポイントが貯まり、さらに上級会員であれば様々な特典を受けられるようです。
ポイントで将来の無料宿泊に充てることもでき、だるまコレクションとポイント獲得の両方のメリットを享受できるという点は見逃せないでしょう。
メリット6:縁起物としての価値
だるまは日本の伝統的な縁起物で、「七転び八起き」という意味も込められているようです。旅の思い出としてだけでなく、願掛けや開運のアイテムとしての価値もあるとのことです。
受験生への合格祈願、開店・開業祝い、還暦のお祝い、外国人へのお土産としても喜ばれる品であることから、様々な用途で活用できるようです。
デメリット:注意すべき点とは
一方で、このキャンペーンにはいくつかのデメリットや注意点もあるようです。参加を検討する際には、以下の点を考慮する必要があるでしょう。
デメリット1:宿泊費用の負担が大きい
最大のデメリットは、5つのホテルすべてに宿泊するには相応の費用がかかるという点でしょう。オートグラフ コレクション ホテルはラグジュアリークラスに位置づけられるため、1泊あたりの宿泊料金は決して安くないようです。
参考として、ザ・プリンス さくらタワー東京のデラックスツインで1名様32,209円より(1室2名様利用時)という料金が示されており、5つのホテルを制覇するには相当な予算が必要になると考えられます。
デメリット2:数量限定のため入手できない可能性
だるまと特別ケースは数量限定となっているようです。各ホテルの在庫状況によっては、宿泊してもだるまを受け取れない可能性があるとのことです。
特に人気の高いホテルや繁忙期には、早期に完売する可能性も考えられるでしょう。販売期間や在庫状況は各ホテルの公式サイトで確認する必要があるようです。
デメリット3:地理的な制約
5つのホテルが大阪、京都、名古屋、東京に点在しているため、すべてを巡るには移動時間と交通費がかかるという点も欠点と言えるでしょう。
特に地方在住の方にとっては、これらの都市すべてを訪れるのは容易ではないかもしれません。1年間という期間があるとはいえ、計画的に旅程を組む必要があるようです。
デメリット4:特典内容や料金の詳細が未定
2025年10月末時点では、各ホテルの具体的な料金、対象客室、特典内容、予約方法などの詳細が決定していない状況のようです。
「決定次第、各公式ウェブサイトでご案内」とされており、実際にキャンペーンが始まってみないと全容が分からないという不透明さは、デメリットと言えるかもしれません。
デメリット5:だるまのサイズが小さい
手のひらサイズ(約5cm)という大きさは、持ち運びには便利ですが、インテリアとしての存在感は控えめになるかもしれません。
もう少し大きいサイズを期待する方には、やや物足りなく感じられる可能性もあるでしょう。
デメリット6:宿泊プラン限定である
「オートグラフだるまジャーニー」専用宿泊プランを予約する必要があるため、通常の宿泊プランや他の割引プランとの併用ができない可能性があるようです。
マリオット・ボンヴォイの無料宿泊特典やポイント宿泊では対象外になる可能性も考えられ、現金での支払いが必要になるかもしれません。
おすすめしたい方
このキャンペーンは、以下のような方に特におすすめできると言えるでしょう。
コレクションが好きな方:限定アイテムを集める楽しみを味わいたい方には最適なキャンペーンのようです。
国内旅行を計画している方:もともと大阪、京都、名古屋、東京などへの旅行を計画している方には、旅の目的地にこれらのホテルを組み込むことで一石二鳥になるでしょう。
ラグジュアリーホテルステイを楽しみたい方:上質なホテルでの滞在を重視する方には、オートグラフ コレクション ホテルのユニークな体験は大きな魅力となるようです。
マリオット・ボンヴォイの上級会員:すでにゴールドエリートやプラチナエリート以上の会員資格を持っている方は、客室アップグレードやレイトチェックアウトなどの特典も受けられるため、より充実した体験ができるでしょう。
記念日や特別な旅行を計画している方:誕生日、結婚記念日、還暦祝いなど、特別な節目の旅行を計画している方には、だるまに願いを込めるという縁起の良い体験も魅力的かもしれません。
インバウンド向けのお土産を探している方:外国人の友人へのプレゼントとしても、日本らしい縁起物のだるまは喜ばれる可能性が高いようです。
おすすめできない方
逆に、以下のような方にはこのキャンペーンはあまり向いていないかもしれません。
予算を抑えたい方:ラグジュアリーホテルの宿泊費用は高額になりがちなので、できるだけ旅行費用を抑えたい方には負担が大きいでしょう。
移動時間を最小限にしたい方:5つの都市を巡る必要があるため、1箇所でゆっくり過ごしたい方や、移動を最小限にしたい方には不向きかもしれません。
コレクションに興味がない方:だるまを集めることに特に魅力を感じない方にとっては、通常の宿泊プランを選んだ方が良い場合もあるでしょう。
すぐに特典詳細を知りたい方:具体的な料金や特典内容がまだ決定していないため、詳細が明らかになるまで待てない方には不安が残るかもしれません。
よくある質問(Q&A)
ここでは、「オートグラフだるまジャーニー」に関して予想される質問とその回答をまとめてみます。
Q1:キャンペーン期間はいつからいつまでですか?
A:2026年1月1日(元日)から12月31日(木)までの約1年間のようです。ただし、数量限定のため、在庫がなくなり次第終了となる可能性があるとのことです。
Q2:予約はいつから開始されますか?
A:2025年10月31日(金)より順次開始される予定のようです。ただし、各ホテルの販売状況によって異なるため、各ホテルの公式サイトで確認する必要があるとのことです。
Q3:だるまは1泊につき何個もらえますか?
A:1滞在につき大人の人数分のだるまを受け取れるようです。つまり、2名で宿泊すれば2個もらえる計算になるとのことです。
Q4:子供の分のだるまももらえますか?
A:現在の情報では「大人の人数分」とされているため、子供の分は対象外の可能性が高いようです。詳細は各ホテルに確認する必要があるでしょう。
Q5:特別ケースはいつもらえますか?
A:5つのホテルすべてのだるまを集めた時点でもらえるようです。ただし、数量限定なので、早めに集めた方が安全かもしれません。引換方法は各ホテルによって異なる可能性があるとのことです。
Q6:マリオット・ボンヴォイのポイント宿泊でも対象になりますか?
A:この点については明確な情報がありませんが、「オートグラフだるまジャーニー」専用宿泊プランの予約が必要とされているため、ポイント宿泊では対象外となる可能性が高いようです。各ホテルに確認することをおすすめします。
Q7:5つすべて集めなければいけませんか?1つや2つだけでも良いですか?
A:特に制限はないようです。1つだけの収集でも問題ありませんが、5つすべて集めた場合のみ特別ケースがもらえるという仕組みのようです。
Q8:だるまのサイズはどれくらいですか?
A:約5cmの手のひらサイズとされているようです。持ち運びや収集に適したコンパクトなサイズになっているとのことです。
Q9:宿泊料金はいくらくらいですか?
A:ホテルや時期によって異なりますが、参考として、ザ・プリンス さくらタワー東京のデラックスツインで1名様32,209円より(1室2名様利用時)という情報があるようです。詳細は各ホテルの公式サイトで確認する必要があるとのことです。
Q10:サステナビリティへの配慮はされていますか?
A:だるまは古紙を配合した素材で成形され、必要な強度を確保しつつ環境負荷の低減に配慮しているようです。また、過剰包装を避け、長く大切に保管できる品質を目指しているとのことです。
トラベルライター”TAKA”の考察と意見
これまで数多くのホテルキャンペーンを取材してきたトラベルライターとしての視点から、この「オートグラフだるまジャーニー」について考察してみたいと思います。
まず率直に申し上げると、このキャンペーンは従来のホテル業界の枠を超えた、非常に野心的で革新的な試みだと感じています。単なる宿泊割引ではなく、「体験」と「コレクション」を組み合わせた新しい形の周遊促進策は、これからの旅行トレンドを先取りしているように思えます。
特に注目すべきは、「モノより思い出」と言われる時代に、あえて「モノ」を介して「思い出」を形にするという逆転の発想でしょう。最近のホテル業界では、サステナビリティの観点から使い捨てのアメニティを減らす動きが主流ですが、このキャンペーンでは、長く大切にできる記念品を提供することで、環境配慮と思い出作りの両立を図っているようです。
また、日本の伝統的な縁起物である「だるま」を選んだことも秀逸だと感じます。だるまには「七転び八起き」という不屈の精神が込められており、コロナ禍を経て復活を目指す旅行業界の姿勢とも重なるように思えます。さらに、願いを込めて片目を描くという文化は、旅の目標設定と達成を可視化するというゲーミフィケーション的な要素も持っており、旅行者のモチベーションを高める効果が期待できるでしょう。
ただし、懸念点もあります。まず、5つのホテルすべてに宿泊するには相当な費用と時間が必要という点です。ラグジュアリーホテルの宿泊料金は決して安くないため、このキャンペーンを完全に楽しめるのは、ある程度の経済的余裕がある層に限られるかもしれません。
また、数量限定という希少性は、コレクター心を刺激する一方で、「せっかく高額な宿泊費を払ったのにだるまがもらえなかった」という不満を生む可能性もあります。在庫管理と情報開示の透明性が、このキャンペーンの成否を左右すると言えるでしょう。
さらに興味深いのは、このキャンペーンがマリオット・ボンヴォイの会員エンゲージメント強化策としても機能している点です。すでにマリオットの上級会員である方々は、このキャンペーンをきっかけにさらに宿泊回数を増やし、ポイントを貯めながらだるまも集めるという二重の楽しみを得られるでしょう。
一方で、まだマリオット・ボンヴォイ会員でない方にとっては、このキャンペーンが入会のきっかけになる可能性もあります。特に、フェアフィールド・バイ・マリオット道の駅プロジェクトのスタンプラリーキャンペーンなど、他のマリオット系列の周遊型キャンペーンと組み合わせることで、より充実した旅行体験が得られるかもしれません。
個人的に最も評価したいのは、各ホテルの個性を「だるま」というメディアを通じて表現している点です。大阪ステーションホテルの鉄道遺産モチーフ、京都宝ヶ池の村野藤吾建築へのオマージュ、さくらタワー東京の日本庭園をイメージした桜色、TIADの自然との共生、メズム東京のTOKYO WAVESコンセプトと、それぞれのだるまが単なるお土産ではなく、ホテルの物語を語る小さな芸術作品になっているように思えます。
これは、オートグラフ コレクションの「Exactly Like Nothing Else(唯一無二)」というブランドコンセプトを、見事に具現化した取り組みと言えるでしょう。
また、今後の展開として期待したいのは、このキャンペーンが国際的に拡大する可能性です。現在は日本国内の5ホテルに限定されていますが、オートグラフ コレクションは世界45の国と地域に270を超えるホテルを展開しています。もし将来、アジア太平洋地域や欧米の同ブランドホテルでも同様のキャンペーンが展開されれば、グローバルなコレクション文化が生まれる可能性もあるでしょう。
さらに、このキャンペーンはホテル業界における「体験型消費」の新しいモデルを提示しているとも言えます。宿泊という無形のサービスに、コレクタブルアイテムという有形の価値を加えることで、旅行の思い出をより長く、より具体的に保存できるようになるのです。これは、SNSでの「いいね」やシェアといったデジタルな記録とは異なる、アナログで温かみのある記憶の保存方法と言えるでしょう。
懸念点としては、キャンペーン終了後の継続性があります。1年間という期間限定のキャンペーンですが、もし人気が高ければ延長や第2弾の開催も考えられるでしょう。逆に、期待したほどの反響がなければ、中途半端な形で終わってしまう可能性もあります。このあたりは、2026年の実際の展開を見守る必要があるでしょう。
また、他のホテルチェーンが追随する可能性も考えられます。もしこのキャンペーンが成功すれば、ヒルトン、IHG、ハイアットといった他の大手ホテルグループも、同様のコレクション型周遊キャンペーンを展開するかもしれません。そうなれば、ホテル業界全体に新しいマーケティング手法が広がり、旅行者にとっても選択肢が増えるという好循環が生まれる可能性があります。
最後に、このキャンペーンが示唆しているのは、ポストコロナ時代の旅行の在り方ではないでしょうか。コロナ禍で一時的に停滞した旅行業界は、今、新しい価値を提供することで復活を目指しています。その中で、単に「安く泊まれる」「豪華な設備がある」といった従来の訴求点ではなく、「その場所でしか得られない体験」「長く残る思い出」という、より深い価値を追求する動きが加速しているように感じます。
「オートグラフだるまジャーニー」は、まさにその先駆けとなる取り組みであり、旅行を単なる移動と宿泊ではなく、人生を豊かにする物語の一部として捉え直す試みだと言えるでしょう。
5つのだるまを集め終わった時、旅行者の手元には小さな縁起物が残るだけかもしれません。しかし、それぞれのだるまに込められたホテルの物語、旅の記憶、そして願いは、きっと長く心に残り続けることでしょう。それこそが、このキャンペーンが目指す「唯一無二」の体験なのかもしれません。
私自身も、このキャンペーンには大きな期待を寄せています。2026年1月の開始が待ち遠しく、実際に5つのホテルを巡り、それぞれのだるまと出会う旅を、多くの旅行者に体験していただきたいと心から願っています。
そして、この革新的な試みが、日本の旅行業界、ひいては世界のホテル業界に新しい風を吹き込むきっかけになることを、トラベルライターとして期待してやみません。










