株式会社オープンハウス・ホテルズ&リゾーツが2025年11月8日(土)に開業する「KÚON 箱根強羅」とは? HOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。2025年11月8日、箱根強羅エリアに新たなスモールラグジュアリーホテル「KÚON(クオン)箱根強羅」が開業しました。株式会社オープンハウス・ホテルズ&リゾーツが運営するこのホテルは、東京証券取引所プライム市場に上場する総合不動産会社、オープンハウスグループが初めて手がける直営ホテルとして大きな注目を集めているのです。

本記事では、このホテルの料金体系、予約方法、オールインクルーシブの具体的な内容、お茶と和菓子をテーマにした独自のコンセプト、さらにはネット上で見られる評判や口コミ、そしてメリット・デメリットまで、10000文字以上のボリュームで徹底的に解説していきます。旅行を計画されている方が知りたい情報を、トラベルライターとしての視点から丁寧にお伝えしていきましょう。

結論:「KÚON 箱根強羅」は大人のための洗練された滞在空間

まず結論から申し上げると、KÚON 箱根強羅は、従来の箱根温泉旅館とは一線を画す、モダンで洗練された大人のためのデザイナーズホテルであると言えるようです。「箱根と言えば温泉」という一般的なイメージにとらわれず、お茶と和菓子という日本文化を軸にした知的体験を提供することで、新しい箱根の楽しみ方を提案しているホテルなのです。

全14室というスモールラグジュアリーホテルの形態を取り、1泊1人42,000円からというオールインクルーシブの料金設定は、箱根エリアの高級宿泊施設の中でも上位に位置する価格帯となっています。しかしこの料金には、和菓子作家・坂本紫穗氏監修のモダンな和菓子体験、厳選された日本各地のお茶とのペアリング、炭火を駆使したイノベーティブな料理、そして客室ミニバーやティーラウンジ、バーでのサービスまでが含まれているとのことです。

開業に至った背景:不動産会社のホテル事業参入

オープンハウスグループがホテル事業に参入した背景には、同社の戦略的な事業ポートフォリオの多角化があると言われています。2024年9月期の連結売上高が1兆2,958億円と過去最高を更新した同社は、戸建て、マンション、収益不動産、米国不動産を柱とする事業に加えて、新たな収益源としてホテル運営を位置づけているようです。

特筆すべきは、このホテルが既存のホテル建物をリノベーションして開発された点です。2008年に竣工した築16年の建物を取得し、改修することで、新築と比較して建設コストを約30〜40%削減できたと報じられています。これは建設費の高騰が続く中で、非常に効率的なホテル開発手法と言えるでしょう。

2024年10月に設立された株式会社オープンハウス・ホテルズ&リゾーツが運営を担い、グループ内でホテルの開発から運営までを一貫して手掛ける体制が整えられたとのことです。これにより、収益不動産事業を通じて取得したホテルをリノベーションし、持続的なホテル開発を推進していく方針が示されているのです。

ホテルの立地とアクセス:強羅の高台に位置する静かな環境

KÚON 箱根強羅は、神奈川県足柄下郡箱根町強羅1322-32に位置しており、箱根強羅温泉エリアの中でも比較的静かな立地にあると考えられます。

アクセス方法としては、主に以下の3つのルートが案内されているようです。

電車とタクシーを利用する場合: 東京駅から新幹線こだま号で小田原駅まで約30分、小田原駅から箱根登山線で箱根湯本駅まで約15分、箱根湯本駅から強羅行きの箱根登山線に乗り換えて終点強羅駅まで約40分、強羅駅からタクシーでKÚON箱根強羅まで約5分という経路となっています。東京駅からの所要時間は公共交通機関で約100分とされています。

バスを利用する場合: 小田原駅から伊豆箱根バスで「早雲山上停留所」まで約40分、バス停から徒歩でKÚON箱根強羅まで約5分というルートも用意されているようです。

自動車を利用する場合: 都内から自動車で約90分の距離とされており、ホテルには予約不要の駐車場が完備されているとのことです。ただし、駐車場での事故や盗難については責任を負いかねるとの注意書きがあるようです。

強羅エリアは、明治時代から政財界人や文人の別荘地として栄えた歴史ある温泉地で、1919年の箱根登山鉄道の開通によって温泉地として発展したと言われています。標高約600メートルの東斜面に位置し、箱根の山々に囲まれた自然豊かな環境が魅力となっているのです。

客室の特徴:全室源泉かけ流し温泉付きの2タイプ

KÚON 箱根強羅の客室は全14室で、コンセプトルームとスタンダードルームの2タイプが用意されているとのことです。

コンセプトルーム(42平方メートル): 4室あり、箱根強羅・早雲山の雄大な山々を臨む露天風呂が設けられているようです。客室露天風呂からは、四季折々の箱根の自然を眺めながら、源泉かけ流しの温泉を楽しめると言われています。

スタンダードルーム(32平方メートル): 10室あり、こちらも源泉かけ流しの温泉が客室内に設置されているとのことです。

両タイプとも、意匠を凝らした空間デザインが特徴で、自分時間を有意義に過ごせるよう、こだわりの茶葉とお茶を淹れる道具が客室に用意されているようです。インテリアデザインには、石、土器、アンティーク家具、麻、布クロスなど自然素材が多用され、日本の伝統的な床座スタイルを採用した居心地の良い空間に仕上げられていると報じられています。

強羅温泉の泉質は、ナトリウム塩化物泉を中心に、酸性硫酸塩泉、単純泉、アルカリ性泉などが混在する多彩な温泉が特徴とされています。美肌効果が高く、優しい柔らかな湯が特徴で、神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、疲労回復などに効能があると言われているのです。

オールインクルーシブの内容:お茶と和菓子を軸にした独自体験

KÚON 箱根強羅の最大の特徴は、お茶と和菓子をテーマにしたオールインクルーシブの滞在体験にあると考えられます。具体的にどのようなサービスが含まれているのか、詳しく見ていきましょう。

チェックイン後のティーラウンジ体験: チェックイン時刻は一般的な15時ではなく13時と早めに設定されており、これは「夕食までの時間を、お茶と和菓子でゆっくりお過ごしいただきたい」という想いから決められたそうです。チェックイン後は、宿泊者限定のティーラウンジに招待され、和菓子作家・坂本紫穗氏監修のモダンな和菓子と、日本各地より厳選したお茶のマリアージュ体験が提供されるとのことです。

この和菓子体験は「菓席」と呼ばれ、従来の和菓子の概念を超えたモダンなアレンジが施されていると言われています。坂本紫穗氏は、和菓子の新しい可能性を追求する和菓子作家として知られており、このホテルの和菓子監修パートナーとして招かれているようです。

ダイニングレストランでの食事: 夕食は、元大手リゾート運営会社の料理長が手掛けるイノベーティブな料理が提供されるとのことです。茶懐石のエッセンスを取り入れたフレンチキュイジーヌで、炭火を駆使して旬の食材本来の生命力を引き出したコース料理が楽しめると言われています。

特筆すべきは、ティーペアリングが用意されている点です。食事中のドリンクには、お茶とのペアリングに加えて、ご要望に応じてアルコールやノンアルコールの創作ドリンクも提供されるそうです。お茶が最後のピースになる斬新な食体験を提案しているとのことです。

朝食については、自家製豆富を使ったお粥が用意され、朝のお目覚めに優しい味わいが楽しめるようです。

KÚON BARでの宵のひととき: ティーラウンジは夜にはバーとして運営され、お休み前の宵のひとときを過ごせる空間となるようです。お茶を使用したカクテルなども提供されると報じられています。

客室ミニバー: 客室には全室ミニバーが備えられており、これもオールインクルーシブに含まれているとのことです。

これらすべてのサービスが宿泊料金に含まれており、追加料金を気にせずに滞在を楽しめる点が、このホテルの大きなメリットと言えるでしょう。

予約方法と料金設定:42,000円からのプレミアム価格

KÚON 箱根強羅の予約は、2025年8月1日から開始されたようです。公式ウェブサイト(https://ohhr.openhouse-group.com/kuon-gora/)から予約できるとのことです。

宿泊料金は1泊1人42,000円からと設定されており、これは箱根エリアの高級宿泊施設の中でも上位の価格帯に位置すると考えられます。この料金には前述のオールインクルーシブのサービスがすべて含まれているようです。

チェックイン時刻は13時、チェックアウト時刻は10時と案内されています。一般的なホテルのチェックイン時刻が15時であることを考えると、2時間早くチェックインできることで、滞在時間が長く確保できる点は魅力的と言えるでしょう。

キャンセルポリシーについては、ご予約のプランによって異なるとされており、予約時に確認することが推奨されています。前払金の返金についても、プランごとに条件が設定されているようです。

対象となる顧客層は、20代後半から30代を中心とした夫婦やカップルが想定されており、短期の単泊宿泊を前提としたサービス設計となっているようです。また、インバウンド需要も想定されており、外国語対応できるスタッフも配置されていると報じられています。

デザインとコンセプト:「現代を立ち止まる居場所」

KÚON 箱根強羅のブランドコンセプトは「現代を立ち止まる居場所」とされています。日常から離れ、自らの内面と静かに向き合うひとときを贅沢に提供する滞在を追求しているとのことです。

ホテル全体のテーマは「きのうより少し、大人の自分になれる場所」であり、洗練された知的体験が五感を刺激し、感性が穏やかにチューニングされる滞在が叶うとされています。

設計を担当した建築家・永井健太氏は「空間は全てオリジナルなもので、素材にはこだわった。日本文化を継承する床座スタイルを採用し、居心地のいい空間に仕上げた」と語っているようです。

特に印象的なのは、1階ラウンジのカウンターに使用されている真鶴町産の小松石です。横3メートル×縦2メートル×高さ1メートル、重さ20トンという巨大な石がカウンターとして採用されており、演奏者が叩く鏧(きん)の音曲が流れる中、カウンターで淹れたかぶせ茶「ふゆひかり」で宿泊客を迎える演出がなされているとのことです。

かつて大浴場だった空間は、ティーラウンジに改装され、美しい景観を持つ空間として生まれ変わったと報じられています。中庭にあったドッグランは緑豊かな庭園に変更され、客室は中庭を囲むように配置されているようです。

メリット:このホテルをおすすめしたい理由

KÚON 箱根強羅のメリットについて、いくつかの観点から整理していきましょう。

1. 唯一無二の体験価値 最大のメリットは、お茶と和菓子をテーマにした唯一無二の宿泊体験が提供される点でしょう。和菓子作家監修のモダンな和菓子と厳選されたお茶のペアリング、炭火を駆使したイノベーティブな料理とティーペアリングなど、他の箱根の宿泊施設では体験できない独自のコンテンツが用意されているのです。

2. オールインクルーシブの安心感 宿泊料金にほぼすべてのサービスが含まれているため、滞在中に追加料金を気にする必要がないという安心感は大きな利点と言えます。ティーラウンジ、バー、客室ミニバー、食事中のドリンクまで含まれているため、財布を気にせずにゆったりとした時間を過ごせるでしょう。

3. 早いチェックイン時刻 13時というチェックイン時刻は、一般的な15時と比較して2時間も早く、滞在時間を長く確保できる点はおすすめポイントです。午後の早い時間からホテルでゆっくり過ごせることで、旅の満足度は大きく高まると考えられます。

4. スモールラグジュアリーという贅沢 全14室というスモールラグジュアリーホテルの形態は、きめ細かいサービスとプライベート感の高い滞在を可能にするでしょう。大型ホテルでは味わえない、静かで落ち着いた雰囲気の中で過ごせる点は大きな魅力です。

5. 全室源泉かけ流し温泉付き すべての客室に源泉かけ流しの温泉が設置されており、好きな時間に好きなだけ温泉を楽しめるという贅沢は、温泉好きにとって大きなメリットとなるでしょう。

6. 洗練されたデザイン空間 自然素材を多用したオリジナルのデザイン空間は、視覚的にも感性を刺激し、非日常的な体験を提供してくれると考えられます。インスタ映えする空間も多く、記念に残る滞在となるでしょう。

7. アクセスの良さ 東京駅から公共交通機関で約100分、都内から車で約90分という距離は、週末の小旅行に最適と言えます。気軽に訪れることができる立地は、リピーターを増やす要因となるでしょう。

これらのメリットから、KÚON 箱根強羅は特に以下のような方におすすめできると考えられます。

  • 大人の洗練された時間を過ごしたいカップルや夫婦
  • お茶や和菓子など日本文化に興味がある方
  • ゆったりとした知的体験を求める20代後半~30代の方
  • 追加料金を気にせずに滞在を楽しみたい方
  • 静かでプライベート感の高い宿泊を求める方
  • デザインやインテリアにこだわりがある方
  • 新しい体験価値を求める旅行者

デメリット:注意すべき点と欠点

一方で、KÚON 箱根強羅にはいくつかのデメリットや注意すべき点もあると考えられます。公平な視点から、欠点についても詳しく見ていきましょう。

1. 高額な宿泊料金 1泊1人42,000円からという料金設定は、決して気軽に利用できる価格帯ではありません。オールインクルーシブとはいえ、2名で1泊すると最低でも84,000円の出費となるため、予算に制約がある方にはおすすめできないでしょう。

2. 客室数の少なさ 全14室というスモールラグジュアリーは、裏を返せば予約が取りにくいというデメリットにもなります。特に週末や休暇シーズンは予約が困難になる可能性が高いと考えられます。

3. 大浴場がない 客室には温泉が付いていますが、従来の温泉旅館のような大浴場は設置されていないようです。大浴場での開放的な入浴体験を期待する方には不向きかもしれません。

4. 従来の温泉旅館とは異なるコンセプト 「箱根と言えば温泉」という世間的な認知にとらわれず、新しい体験価値を提供することを目指しているため、従来の温泉旅館の雰囲気やサービスを期待する方には合わない可能性があります。

5. 子連れファミリーには不向き 大人の洗練された時間を過ごすことをテーマにしているため、小さな子供連れのファミリーにはあまりおすすめできないかもしれません。静かな環境を求める大人向けのホテルという性格が強いようです。

6. 送迎サービスがない ホテルから最寄り駅までの送迎サービスは提供されていないとのことです。強羅駅からタクシーで約5分という立地ですが、公共交通機関を利用する場合はタクシー代が別途必要となります。

7. 開業したばかりで口コミが少ない 2025年11月8日に開業したばかりのため、実際の宿泊者による口コミや評判がまだ少ない状況です。サービスの質や料理の評価など、実際の体験に基づいた情報が蓄積されるまでには時間がかかるでしょう。

8. リノベーション物件である点 築16年の既存ホテル建物をリノベーションして開業したという事実は、建物の基本構造や配管などは古いままである可能性を示唆しています。デザインや内装は新しくても、建物自体の老朽化に起因する問題が将来的に発生する可能性は否定できません。

これらのデメリットから、KÚON 箱根強羅をおすすめできない方は以下のような方と考えられます。

  • 宿泊予算を抑えたい方
  • 大人数での宿泊を希望する方
  • 従来の温泉旅館の雰囲気を求める方
  • 大浴場での入浴を楽しみたい方
  • 小さな子供連れのファミリー
  • カジュアルな雰囲気を好む方
  • コストパフォーマンスを重視する方

箱根強羅エリアの競合状況:他のホテルとの比較

KÚON 箱根強羅が位置する箱根強羅エリアは、多くの高級ホテルや旅館が競合する激戦区です。同エリアの他のホテルと比較することで、KÚONの特徴がより明確になるでしょう。

ふふ 箱根: 2022年1月に開業したスモールラグジュアリーリゾートホテルで、全39室の客室すべてに展望風呂(温泉)が付いています。大涌谷から引湯した乳白色の温泉を展望大浴場で楽しめる点が特徴です。KÚONと同様に高級志向のホテルですが、客室数はKÚONの約3倍となっています。

ホテルインディゴ箱根強羅: IHGグループが運営する外資系デザイナーズホテルで、全100室を有しています。水着着用のサーマルスプリング(混浴温泉)が特徴で、モダンで洗練された雰囲気が人気です。ただし、口コミでは「一般的な旅館スタイルを求めるなら違和感あり」という声も見られ、日本的な温泉旅館を期待する方には合わない可能性が指摘されています。

箱根 ゆとわ: ホテル棟とコンドミニアム棟の2つの棟からなる和モダンなホテルで、全72室を有しています。オールインクルーシブプランがあり、夕食時にはアルコールも含めて飲み放題になる点が好評です。KÚONと比較すると、よりカジュアルな雰囲気で、家族連れにも対応している印象です。

メルヴェール箱根強羅: 2022年6月にリニューアルした薬膳をテーマにしたホテルで、薬膳バーが特徴となっています。オールインクルーシブシステムを導入しており、各種ドリンクやサービスを無料で利用できるようになっています。

LIME RESORT HAKONE: 北欧風の洗練されたデザインと強羅の大自然が融合した温泉リゾートで、ドリンク・軽食・ラウンジ利用などが全て込みのオールインクルーシブ対応となっています。リモートワークやワーケーションにも人気があるとのことです。

これらの競合ホテルと比較すると、KÚON 箱根強羅の特徴は以下の点に集約されると考えられます。

  1. 最もスモールな規模: 全14室という客室数は、競合の中で最も少なく、最もプライベート感が高い
  2. お茶と和菓子という独自テーマ: 他のホテルにはない明確なコンセプトを持つ
  3. 和菓子作家監修という専門性: 単なるお茶のサービスではなく、専門家監修という付加価値がある
  4. オープンハウスグループというバックボーン: 不動産大手による初のホテル事業という注目度

箱根強羅エリアのホテル市場動向

箱根強羅エリアでは、2025年前後に複数の新規ホテル開業やリニューアルが相次いでいることが注目されます。

三井不動産グループは、2026年に「HOTEL THE MITSUI HAKONE」を箱根・小涌谷に開業予定と発表しています。約135,500平方メートル(東京ドーム3個分)の広大な敷地に、全126室の大規模ラグジュアリーホテルを建設する計画で、三井家ゆかりの地に三井不動産グループ最高級ホテルが誕生することになるのです。

森トラストは2025年10月30日に「箱根強羅温泉 ゆとりろ庵」および「ゆとりろ庵ANNEX」の土地建物を取得したと発表しました。森トラストは1984年に「ラフォーレ箱根強羅 湯の棲」を開業して以来、強羅エリアで複数の旅館を取得してきており、さらなる展開を進めているようです。

このように、箱根強羅エリアは大手企業による投資が活発化しており、高級ホテル市場の競争が激化していると言えるでしょう。KÚON 箱根強羅は、こうした競争環境の中で、スモールラグジュアリーという差別化戦略と、お茶と和菓子という独自のコンセプトで生き残りを図っていると考えられます。

Q&A:よくある疑問にお答えします

Q1: 予約はいつから可能ですか? A: 2025年8月1日から予約受付が開始されています。公式ウェブサイト(https://ohhr.openhouse-group.com/kuon-gora/)から予約できます。

Q2: チェックイン・チェックアウトの時刻は? A: チェックインは13時、チェックアウトは10時となっています。一般的なホテルより2時間早くチェックインできるため、滞在時間を長く確保できます。

Q3: 送迎サービスはありますか? A: 送迎サービスは行われていないとのことです。最寄りの強羅駅からはタクシーで約5分です。

Q4: 駐車場はありますか? A: 予約不要の駐車場が完備されているとのことです。ただし、駐車場での事故や盗難については責任を負いかねるとされています。

Q5: 大浴場はありますか? A: 従来の大浴場は設置されておらず、全室に源泉かけ流しの温泉が付いています。かつて大浴場だった空間はティーラウンジに改装されています。

Q6: 子供連れでも宿泊できますか? A: 宿泊自体は可能と思われますが、大人の洗練された時間を過ごすことをコンセプトとしているため、小さな子供連れのファミリーにはあまり向いていないかもしれません。

Q7: インバウンド対応はしていますか? A: 外国語対応できるスタッフが配置されており、インバウンド需要も想定されているとのことです。

Q8: キャンセルポリシーは? A: ご予約のプランによって異なるとされています。予約時に確認することが推奨されます。

Q9: オールインクルーシブに含まれるものは? A: ティーラウンジでの和菓子とお茶の体験、夕食・朝食、食事中のドリンク、バー、客室ミニバーなどが含まれています。

Q10: 最寄り駅からの所要時間は? A: 箱根登山鉄道「強羅」駅からタクシーで約5分です。伊豆箱根バス「早雲山上」停留所からは徒歩5分とされています。

トラベルライター”TAKA”の独自考察と結論

ここまで、KÚON 箱根強羅について、料金、予約方法、施設の特徴、メリット・デメリットなど、多角的に詳しく解説してきました。最後に、トラベルライターとしての独自の視点から、このホテルの真の価値と今後の展望について考察していきたいと思います。

不動産会社のホテル事業参入が意味するもの

オープンハウスグループというプライム上場企業の不動産会社が、初めて直営でホテル事業に参入したという事実は、日本の宿泊業界にとって大きな転換点を示唆していると考えられます。従来、ホテル事業は専門のホテル運営会社や旅館経営者によって担われてきましたが、不動産会社が自社の収益不動産を活用してホテルを開発・運営するモデルは、今後さらに増加していく可能性があるでしょう。

特に注目すべきは、既存建物のリノベーションによって開発コストを30〜40%削減したという点です。建設費の高騰が続く中、新築ではなくリノベーションによってホテルを開発する手法は、今後のホテル業界におけるスタンダードになっていくかもしれません。オープンハウスグループは、収益不動産事業を通じて取得したホテルをリノベーションすることで、持続的なホテル開発を推進していく方針を示しており、このビジネスモデルが成功すれば、他の不動産会社も追随する可能性が高いと考えられます。

「箱根離れ」への対抗策としてのコンセプト

箱根は長年にわたって日本を代表する温泉観光地として君臨してきましたが、近年は宿泊客の多様化や価値観の変化に直面していると言われています。「温泉に入ってのんびりする」という従来型の観光スタイルだけでは、特に若い世代を引きつけることが難しくなってきているのです。

KÚON 箱根強羅が「箱根と言えば温泉」という世間的な認知にとらわれず、新しい体験価値を提供することを目指している点は、まさにこうした時代の変化に対応した戦略と言えるでしょう。お茶と和菓子という日本文化を軸に、知的体験と洗練された空間デザインを組み合わせることで、単なる温泉旅館とは一線を画す独自のポジションを確立しようとしているのです。

特に20代後半から30代をターゲットとしている点は、この世代が求める「体験」や「知的刺激」、「インスタ映え」といった価値観を的確に捉えていると感じます。従来の温泉旅館が提供してきた「癒し」や「リラックス」だけでなく、「学び」や「発見」といった知的好奇心を満たす要素を加えることで、新しい箱根の魅力を創出しようとしているのでしょう。

和菓子作家監修という付加価値の意味

和菓子作家・坂本紫穗氏を監修パートナーとして迎えている点は、単なるサービスの提供ではなく、文化的・芸術的な体験を提供しようとする姿勢の表れと言えます。和菓子は日本の伝統的な食文化の一つですが、近年は若い和菓子作家たちが伝統を守りながらも新しい表現を追求する動きが活発化しています。

このホテルで提供される和菓子は、おそらく従来の和菓子のイメージを覆すような、モダンでアーティスティックな作品となるでしょう。それを厳選されたお茶とペアリングして提供することで、日本文化の奥深さを再発見する機会を提供しているのだと考えられます。

こうした文化的な体験は、特に海外からの旅行者にとっても魅力的なコンテンツとなる可能性があります。インバウンド需要を想定して外国語対応のスタッフを配置している点も、こうした文化的体験を世界に発信していく意図の表れと言えるでしょう。

オールインクルーシブの真の価値

オールインクルーシブというシステムは、料金に全てが含まれているため追加料金を気にせずに滞在を楽しめるという分かりやすいメリットがあります。しかし、KÚON 箱根強羅のオールインクルーシブには、単なる料金システム以上の意味があると感じます。

それは、「お金のことを忘れて、純粋に体験に集中してほしい」というメッセージではないでしょうか。ティーラウンジでお茶を飲むたびに、バーでカクテルを注文するたびに、料金を気にしなければならないとしたら、せっかくの洗練された体験も台無しになってしまいます。すべてを含めた一つの料金を最初に支払うことで、滞在中は完全にリラックスし、体験そのものに没入できるのです。

特に13時という早いチェックイン時刻から始まる長い滞在時間の中で、何度でもティーラウンジを訪れ、客室のミニバーを利用し、バーでお茶のカクテルを楽しみ、朝食のお粥をゆっくり味わう――こうした一連の体験を通じて、「きのうより少し、大人の自分になれる」という変化を感じ取ってほしいという願いが込められているのだと思います。

スモールラグジュアリーという選択の意味

全14室というスモールラグジュアリーの形態は、一見すると収益性の観点から疑問が生じるかもしれません。客室数が少ないということは、それだけ売上の上限が低いということを意味するからです。しかし、これはあえて選択された戦略だと考えられます。

大規模なホテルでは、どうしてもサービスの質を均一に保つことが難しくなり、マニュアル化された画一的な対応になりがちです。一方、14室という小規模であれば、一人ひとりのゲストに対してきめ細かい対応が可能となり、「主客対等」という理念も実現しやすくなるでしょう。

また、予約が取りにくいという希少性自体が、ブランド価値を高める効果もあります。「なかなか予約が取れない特別なホテル」という評判が広まれば、それ自体がマーケティングとなり、より高い顧客満足度を期待する質の高いゲストを引きつけることができるのです。

今後の課題と展望

一方で、このホテルが今後直面するであろう課題についても考えておく必要があります。

第一に、1泊42,000円からという高額な料金設定が、果たして持続可能かという問題です。箱根エリアには競合となる高級ホテルが多数存在し、さらに2026年には三井不動産グループの最高級ホテルも開業予定です。こうした激しい競争環境の中で、価格競争力を維持しながら独自の価値を提供し続けられるかどうかが問われるでしょう。

第二に、お茶と和菓子というコンセプトが、どの程度の期間、新鮮さを保てるかという問題があります。開業当初は話題性もあり注目を集めるでしょうが、数年後も同じコンセプトで顧客を引きつけ続けられるでしょうか。季節ごとの企画や、定期的なメニューの刷新など、継続的な進化が求められると考えられます。

第三に、築16年の建物をリノベーションした物件である点は、長期的な視点で見ると設備の老朽化という問題を内包しています。デザインや内装がどれだけ洗練されていても、配管の劣化や建物の構造的な問題が発生すれば、ゲストの満足度は大きく低下してしまうでしょう。適切なメンテナンスと将来的な設備更新への投資が不可欠です。

最終的な評価:新しい箱根体験の扉を開く挑戦的なホテル

以上の考察を踏まえて、トラベルライターとしての最終的な評価を述べさせていただきます。

KÚON 箱根強羅は、従来の温泉旅館の枠を超えた、挑戦的で野心的なホテルであると言えます。お茶と和菓子という日本文化を軸に、洗練されたデザイン空間とオールインクルーシブの体験を組み合わせることで、「きのうより少し、大人の自分になれる場所」という独自の価値提案を実現しようとしています。

不動産会社によるホテル事業参入、既存建物のリノベーション活用、スモールラグジュアリーという形態、文化的体験の重視――これらすべてが、今後の日本のホテル業界が進むべき方向性の一つを示していると感じます。

ただし、高額な料金設定、予約の取りにくさ、大浴場がない点、従来の温泉旅館とは異なるコンセプトなど、すべての人におすすめできるわけではないことも事実です。このホテルは明確にターゲットを絞り込んでおり、大人の洗練された時間を求める20代後半から30代のカップルや夫婦に最適化されているのです。

個人的には、このホテルが成功するかどうかは、「体験の質」をどこまで高められるかにかかっていると考えます。単にお茶と和菓子を提供するだけでなく、それを通じてゲストの感性を刺激し、新しい発見や学びを提供できるかどうか。スタッフのホスピタリティと専門性、空間デザインの完成度、料理の創造性、そしてすべてが調和した総合的な体験――これらが高いレベルで実現されれば、このホテルは箱根における新しいベンチマークとなる可能性を秘めていると思います。

開業したばかりで実際の宿泊者による評価はまだ蓄積されていませんが、今後数ヶ月から1年の間に、多くの口コミや評判が形成されていくでしょう。その時、このホテルが提供する体験が本当に「きのうより少し、大人の自分になれる」価値を持っているかどうかが明らかになるはずです。

箱根という歴史ある温泉観光地に、新しい風を吹き込もうとするKÚON 箱根強羅の挑戦を、トラベルライターとして今後も注視していきたいと思います。このホテルが成功すれば、日本全国の温泉地に同様のコンセプトを持つホテルが次々と誕生する可能性もあるでしょう。逆に苦戦すれば、高価格帯のコンセプトホテルの限界が明らかになるかもしれません。

いずれにしても、旅行者にとって選択肢が増えることは喜ばしいことです。従来の温泉旅館を好む方はそちらを選べばよいし、新しい体験を求める方はKÚON 箱根強羅のようなホテルを選べばよいのです。大切なのは、自分が何を求めているのかを明確にし、それに合ったホテルを選ぶことだと、トラベルライターとして常々感じています。

KÚON 箱根強羅は、まさにそうした「自分らしい旅」を求める人々に向けた、新しい選択肢の一つとして誕生したホテルなのだと思います。お茶と和菓子という日本文化の奥深さを再発見しながら、洗練された空間で大人の時間を過ごす――そんな体験に価値を見出せる方にとっては、間違いなく魅力的なホテルとなるでしょう。

最後に、このホテルに宿泊を検討されている方へのアドバイスを一つ。予約を取る際には、早めの予約をおすすめします。全14室という少ない客室数ですので、人気が高まれば予約が困難になる可能性が高いからです。また、せっかくの13時チェックインを活用するためにも、前日からゆとりを持ったスケジュールを組み、午後の早い時間からホテルでの滞在を存分に楽しんでいただきたいと思います。

箱根という場所で、温泉だけではない新しい体験を――KÚON 箱根強羅は、そんな期待に応えてくれるホテルになるかもしれません。開業したばかりのこのホテルが、今後どのような評価を得ていくのか、トしれません。開業したばかりのこのホテルが、今後どのような評価を得ていくのか、トラベルライターとして大いに注目しています。