2026年2月24日(火)にオープンする予定の「小樽リトリート 蔵群 by 温故知新」とは? メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめ、わかりやすく解説します。

今回は、2026年2月24日(火)に「小樽リトリート 蔵群 by 温故知新」としてリブランドオープンする予定の北海道・小樽の宿泊施設について、その全貌を徹底リサーチしてまいりました。この宿は、すでに「小樽旅亭 蔵群」として約20年以上の歴史を持つ名宿でありながら、新たな運営会社のもとで生まれ変わろうとしています。オールインクルーシブの高級温泉宿として、一体どのような滞在体験が待っているのでしょうか。料金、予約方法、メリット・デメリット、そしてネットの口コミまで、幅広くリサーチした結果をお届けいたします。

結論:「醸す」をコンセプトにした大人のための究極リトリート宿

まず結論から申し上げますと、「小樽リトリート 蔵群 by 温故知新」は、日常の喧騒から離れて心身を整えたい大人の旅行者に最適な、北海道屈指のスモールラグジュアリー宿と言えるでしょう。

2025年6月20日より温故知新が運営を引き継いでおり、2026年2月24日のリブランドオープンに向けて段階的に改装を進めているとのことです。新たに酵素風呂スパサウナといったウェルネス設備が導入される予定で、従来のオールインクルーシブサービスがさらに充実することが期待されています。

建築家・中山眞琴氏による「閑(しずか)」をテーマにした設計思想はそのままに、「醸す(かもす)」という日本古来の営みを新コンセプトとして取り入れ、時をかけて静かに価値を深めていく滞在体験を提供していく方針のようです。

温故知新は、「瀬戸内リトリート 青凪」「壱岐リトリート 海里村上」「五島リトリート ray」「伊豆リトリート 熱川粋光」に続く5軒目のリトリートシリーズとして本施設を位置づけており、その実績と運営ノウハウを考えると、高いホスピタリティが期待できると推測されます。

小樽リトリート 蔵群とはどんな宿泊施設なのか

基本情報

「小樽リトリート 蔵群 by 温故知新」は、北海道小樽市の朝里川温泉に位置する全18~19室の温泉旅館です。2002年5月に「小樽旅亭 蔵群」として開業し、約20年以上にわたり多くの旅行者に愛されてきた歴史ある宿です。

施設概要

  • 所在地:〒047-0154 北海道小樽市朝里川温泉2-685
  • 客室数:18~19室(リブランド後は19室の予定)
  • 定員:72~73名
  • チェックイン:15:00~19:00
  • チェックアウト:11:00まで
  • 駐車場:19台(無料)
  • 送迎サービス:JR朝里駅、小樽築港駅、小樽駅、小樽フェリーターミナルから無料送迎あり(要予約)

温故知新とはどんな会社か

運営を担う株式会社温故知新は、2011年設立のホテル・旅館の運営およびプロデュースを手がける企業です。「地域の光の、小さな伝道者」という理念のもと、都市部から離れた地方や離島に拠点を置き、滞在そのものが目的となるリトリートという旅のスタイルをいち早く提案してきました。

同社が運営する「瀬戸内リトリート 青凪」は、「ミシュランガイド広島・愛媛 2018 特別版」でホテル部門5つ星を獲得しており、その運営品質の高さがうかがえます。また、「Design Hotels」への加盟実績もあり、国際的な評価も受けている企業と言えるでしょう。

建築家・中山眞琴氏の設計思想

本施設の大きな魅力の一つが、北海道出身の建築家・中山眞琴氏による設計です。中山氏は、ニセコの「坐忘林」「山翠ニセコ」、登別の「望楼NOGUCHI登別」、函館の「望楼NOGUCHI函館」など、北海道を代表する高級宿泊施設のデザインを数多く手がけてきた著名な建築家です。

蔵群は、中山氏の「出世作」とも言われており、小樽の石造倉庫群をイメージした重厚な外観と、「閑」を大切にした設計思想が特徴です。桂離宮や京都の建築の影響を受けた繊細な寸法感覚へのこだわりが随所に感じられ、「日本の精神性を宿す空間」として高く評価されています。

2026年のリブランドオープンに際しても、開業時の設計を務めた中山氏本人が改装の設計を担当するとのことで、オリジナルの設計思想が損なわれることなく、さらに磨き上げられることが期待できます。

アクセス方法と立地条件

小樽市街地からのアクセス

蔵群は小樽市街地から車で約20分の朝里川温泉に位置しています。小樽運河や堺町通りといった観光スポットからは少し離れた山あいの静かな環境にあり、里山の景観に囲まれた「隠れ家」的なロケーションが特徴です。

新千歳空港からのアクセス

新千歳空港からは以下の方法でアクセスできます。

車(レンタカー)の場合 道央自動車道千歳ICから朝里ICまで高速道路を利用し、約60分で到着できます。高速料金は片道1,700円程度のようです。朝里ICからは約5分で宿に到着します。

JR(電車)の場合 新千歳空港駅から快速エアポートを利用し、小樽築港駅まで約65分です。運賃は片道1,910円程度とのことです。小樽築港駅からは宿の無料送迎サービスを利用するのが便利です。

送迎サービスについて JR小樽築港駅からの無料送迎は1日3便(14:45、15:45、16:45発)が用意されているようです。帰りの送迎は10:00発と10:30発の2便があり、チェックアウト前日までの予約が必要とのことです。小樽駅やフェリーターミナルからの送迎にも対応しているため、さまざまなアクセス手段に柔軟に対応できる点は旅行者にとって心強いでしょう。

客室の特徴と種類

全室異なるデザインの贅沢空間

蔵群の客室は全18室で、一室ごとに異なる趣を持つのが大きな特徴です。和骨董や李朝・明朝の調度品が配され、時を重ねて深まる味わいを感じられる空間となっています。

客室タイプは主に5種類に分かれているようです。

1. 源泉リバービュー 2階フラット和洋室(約72㎡・定員1~4名・4室) 朝里川を望む2階に位置し、フラットな造りで使いやすい客室です。口コミでは「メゾネットよりも使いやすい」「部屋の向きが良く人気がある」といった声が見られます。

2. 源泉フォレストビュー 1階フラット和洋室(約70㎡・定員1~4名・4室) 1階に位置し、森林の眺望を楽しめる客室です。一部の部屋には掘り炬燵があるとのことです。

3. 源泉リバービュー メゾネット和洋室(約70㎡・定員1~4名・4室) 2層構造のメゾネットタイプで、1階にリビング、2階に寝室という構成が多いようです。

4. 源泉ガーデンビュー メゾネット和洋室(約60㎡・定員1~4名・2室) 坪庭を望むメゾネットタイプの客室です。

5. 源泉ガーデンビュー メゾネット和室(約60㎡・定員1~4名・4室) 純和風のメゾネット客室で、畳敷きの空間が特徴です。

全室に天然温泉風呂を完備

蔵群の客室にはすべて天然温泉の浴室が備えられています。窓を開ければ半露天風呂のように楽しめる造りになっており、季節や時間を問わずプライベートな温泉体験が可能です。

バスアメニティには北海道発祥の「大高酵素」ブランドが採用されており、植物発酵90年の歴史を持つナチュラルケアシリーズで肌を労わることができます。口コミでも「大高酵素のアメニティは初めてでしたが、良い品でした」といった好意的な声が見られました。

2026年リブランドオープン後の新施設

酵素風呂の新設(温故知新初)

リブランドオープンの目玉の一つが、温故知新の運営施設として初めての酵素風呂の新設です。

酵素風呂とは、米ぬかやおがくずなどを発酵させた発酵熱を利用した温浴法で、体の芯から温まり、デトックス効果や美肌効果が期待できると言われています。「醸す」という新コンセプトとも親和性が高く、日本古来の発酵文化を体感できる新しい滞在体験となることでしょう。

サウナ・スパの導入

現在2つある大浴場は、それぞれプライベートなウェルネス体験を叶える貸切風呂として改装される予定です。

貸切風呂1:酵素風呂・スパ 貸切風呂2:サウナ・水風呂・露天風呂

温浴やデトックスによって身体の巡りを整える滞在体験を提供するとのことで、「心身を整える」リトリート本来の目的にふさわしい設備が整うことになります。

なお、改装工事のため2026年1月5日以降は既存の大浴場は利用できなくなる点にはご注意ください。営業時間や利用料金については、決まり次第公式サイトで発表されるとのことです。

オールインクルーシブの魅力

オールインクルーシブとは

「オールインクルーシブ」とは、宿泊料金の中に食事やドリンク、施設内のサービス利用料などが含まれている宿泊スタイルのことです。追加料金を気にせずに滞在を満喫できるのが最大の魅力で、旅行中に「財布を気にしなくていい」という安心感があります。

蔵群のオールインクルーシブ内容

蔵群では、以下のサービスがすべてオールインクルーシブで提供されています。

飲食関連

  • 夕食(個室ダイニングでの会席料理)
  • 朝食(北海道産ゆめぴりか中心の和食)
  • バー「クラルテ」でのドリンク・軽食(18:00~24:00)
  • カフェでのコーヒー・紅茶等(8:00~11:00)
  • 客室内ミニバーのドリンク
  • ルームサービス(15:00~23:00)

ドリンク類

  • 北海道産ワイン(小樽・余市ワイン中心)
  • 地酒(小樽唯一の造り酒屋「田中酒造」の日本酒など)
  • 小樽ビール
  • 余市ウイスキー
  • ノンアルコールドリンク各種

ルームサービスメニュー例

  • 小樽名物にしん茶漬け
  • 赤井川山中牧場の黒豚ソーセージ
  • その他、地元食材を活かした多彩なメニュー

お酒をたくさん飲まれる方にとっては非常にお得なシステムであり、口コミでも「お酒飲みにはたまらない」「通常なら食事代と同じくらいお酒代がいってしまうので、オールインクルーシブ様様」といった声が多く見られました。

温泉について

朝里川温泉の泉質

蔵群が位置する朝里川温泉は、小樽唯一の温泉郷として知られています。

泉質:カルシウム・ナトリウム塩化物泉(低張性弱アルカリ性低温泉)

効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、関節のこわばり、疲労回復など

塩化物泉は、肌についた塩分が被膜を作るため保温・保湿効果があり、湯上がり後も体がポカポカすると言われています。冬場の雪見温泉は特に格別で、「しんしんと降り積もる雪を眺めながらの湯浴みが、心身を深く癒します」と宿側も自信を持ってアピールしています。

大浴場と露天風呂

現在の大浴場には内風呂と露天風呂があり、朝里川のせせらぎと四季の移ろいを感じながら入浴できます。利用時間は15:00~24:00、翌朝6:00~10:30となっているようです。

口コミでは「露天風呂からの景色が素晴らしい」「紅葉も楽しめる」「湯加減もお湯の質も良い」といった高評価がある一方で、「大浴場がゴルフ場のお風呂と大きさが変わらなくて残念」「夏の露天風呂は虫や落ち葉がある」といった声も見られました。

ただし、客室にも天然温泉風呂が完備されているため、大浴場が混雑していたり、プライベートを重視したい場合は部屋のお風呂で十分に温泉を楽しめる点は安心材料と言えるでしょう。

料理について

会席料理のコンセプト

蔵群の料理は、港町・小樽の食文化に根差した会席料理を基本としています。かつてニシン漁で栄え、北前船の往来が賑わいをもたらした小樽の歴史に想いを馳せ、料理長が選び抜いた旬の北海道食材を使用しているとのことです。

食事は完全個室のダイニングで提供されるため、周囲を気にせずゆっくりと食事を楽しめます。口コミでも「個室で静かにゆっくりと楽しめる」「良いタイミングで料理が提供される」と好評でした。

料理の特徴

献立は地元素材にこだわりつつも、調理法は和食に限定せず、材料と相談しながらフレンチやアジアンのエッセンスも取り入れた「藏群独自の世界観」で仕上げられています。

過去の口コミでは「本鰹中トロあぶり焼きバルサミコポン酢サラダ仕立て」「タコとズッキーニ炒めXO醤ソース」「鶏肉と野菜の生春巻き」といった和洋折衷のメニューが並んでいたとの報告があり、伝統的な和食旅館とは一線を画したクリエイティブな料理が楽しめるようです。

冬季限定・蟹会席プラン

2025年12月1日から2026年3月31日の期間は、蟹会席プランが販売されています。

  • 毛ガニの姿盛り:濃厚な蟹味噌が自慢の毛ガニを一杯丸ごと
  • 焼きタラバガニ:圧倒的なボリュームと引き締まった身の旨味

通常の創作会席がアップグレードされ、北海道の冬の味覚を存分に堪能できるプランとなっています。料金は2名1室利用時で1泊2食付き1名78,969円~(税込)からのようです。

朝食について

朝食のメインは一釜炊きの北海道産ゆめぴりか。大切に炊き上げられた白米を中心に、栄養バランスの良い和朝食が提供されます。

特に人気なのが赤井川山中牧場の牛乳で、「これぞ北海道と唸りたくなる自慢の牛乳」と評判です。北海道産トマトジュースも好評とのことです。

館内施設

カフェ&バー「クラルテ」

昼は明るく、夜は仄かな光に包まれるカフェ&バー「クラルテ」は、宿泊者であればメニュー内のドリンクや軽食がすべて無料で楽しめます。

営業時間

  • カフェ:8:00~11:00
  • バー:18:00~24:00

バーにはカウンター席が8席ほどあり、バーテンダーがさまざまなカクテルを作ってくれるとのことです。おつまみも充実しており、「すごい量のおつまみ」「遅くまで飲めるなんて素敵」といった口コミも見られました。

ライブラリー「坤滴湖」

専門書から気軽な読み物、レコードまで揃うライブラリースペースです。懐かしのレコードをその場で聴くこともでき、読みたい本は部屋に持ち帰ってもOKとのことです。「テレビもパソコンもない」空間で、普段いかに慌ただしく過ごしているかを実感し、癒される時間を過ごせるでしょう。

茶室「不溜庵」

希望すれば利用できる本格的な茶室も備えています。穏やかな光に包まれた静かな空間で、日本文化に触れる体験ができます。

料金について

宿泊料金の目安

蔵群の料金は時期やプランによって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

スタンダードプラン(1泊2食付き・オールインクルーシブ)

  • 2名1室利用時:約85,000円~195,000円(1室あたり)
  • 1名あたり:約43,000円~100,000円程度

朝食付きプラン(夕食なし)

  • 2名1室利用時:1名あたり約79,000円~

蟹会席プラン(冬季限定)

  • 2名1室利用時:1名あたり約78,969円~

スキーバケーションプラン(リフト券付き)

  • 2名1室利用時:1名あたり約72,000円~107,000円程度

早割プラン(55日前・60日前予約)

  • 通常料金から割引が適用される早期予約プランも用意されています

正直なところ「安い」とは言えない価格帯ですが、オールインクルーシブで飲み物や軽食が含まれていることを考えると、お酒を楽しまれる方にとっては価格以上の価値があると言えるでしょう。

予約方法

公式サイトからの予約

最もおすすめなのは公式サイトからの直接予約です。ベストレート保証を謳っている宿泊施設が多く、特典が付く場合もあります。

公式サイトhttps://otaru.by-onko-chishin.com/

旅行予約サイト

以下の主要な旅行予約サイトからも予約が可能です。

  • 楽天トラベル
  • 一休.com
  • じゃらんnet
  • JTB
  • るるぶトラベル
  • Relux(リラックス)
  • Expedia(エクスペディア)
  • Agoda(アゴダ)

各サイトで独自のポイント還元やクーポンが利用できる場合があるため、普段利用しているサービスを通じて予約するのも賢い選択です。

良い点・メリット

ネットの口コミや評判を総合すると、蔵群には以下のようなおすすめポイントがあります。

1. 唯一無二の建築デザイン

中山眞琴氏による設計は「20年経った今も古びない」と評価されており、「デザイナーズ旅館そのもの」「どこを見渡しても素敵」といった声が多く見られます。和骨董と現代的なモダンさが絶妙に融合した空間は、建築やインテリアに興味のある方にとって見どころ満載でしょう。

2. オールインクルーシブの安心感

追加料金を気にせず飲食できる点は、多くの宿泊者から高評価を得ています。「チェックアウトまで財布を出さずに楽しめる」「お酒好きにはたまらない」という声が多く、旅行予算を事前に確定できる安心感があります。

3. 全室客室温泉

18室すべてに天然温泉の浴室が備えられているため、好きな時に好きなだけ温泉を楽しめます。大浴場が混雑していても、部屋でプライベートな温泉体験ができるのは大きな利点です。

4. 静かな環境

完全に大人の隠れ家」「とにかく静か」という評価が多く、日常の喧騒から離れて心を休めたい方には最適な環境です。テレビがあえて目立たない設計になっている点も、デジタルデトックスに一役買っています。

5. 料理の質

「夕食朝食ともに美味しく工夫もこなされている」「地元素材にこだわった創作料理が楽しめる」といった評価が多く、完全個室での食事は「周りを気にせずゆっくり楽しめる」と好評です。

6. 接客サービス

「スタッフの対応は丁寧で素晴らしい」「どの宿泊客にも分け隔てなく」「落としたペンダントを掃除機のゴミの中まで調べて見つけてくれた」など、細やかなホスピタリティに感謝する声が見られます。

悪い点・デメリット

一方で、以下のようなおすすめしない点欠点も指摘されています。

1. 価格が高い

「安くはない」「料金とサービスのバランス的にお高いかな」といった声があり、1名あたり5万円~10万円という価格設定は万人向けとは言えません。特にあまりお酒を飲まない方にとっては、オールインクルーシブの恩恵を十分に受けられず「割高感がある」と感じる可能性があります。

2. 板の間・土間風のリビングが合わない方も

客室のリビングは蔵の土間をイメージしたフローリング仕様で、座布団やローテーブルという構成のようです。口コミでは「くつろげるには座椅子かソファーが必要」「テーブルが非常に低いのでくつろげず残念」といった声があり、長時間床に座るのが苦手な方には不向きかもしれません。

3. メゾネットタイプの不便さ

メゾネットタイプの客室については「階段の上り下りが面倒」「ちょっと不便」といった声があり、足腰に不安のある方やご高齢の方はフラットタイプを選ぶことをおすすめします。

4. 大浴場がやや小規模

「大浴場はゴルフ場のお風呂と大きさが変わらなくて残念」「価格帯の割には大浴場が狭い」という声があります。ただし、全室に客室温泉があるため、大浴場にこだわらなければ問題ないでしょう。

5. 夏の露天風呂は虫が気になることも

「露天風呂に蛾が浮いていて入れなかった」という口コミもありました。自然に囲まれた環境ゆえの現象ですが、虫が苦手な方は冬場の雪見温泉シーズンがおすすめです。

6. 周辺に観光スポットが少ない

山あいの温泉地に位置するため、「周りには特に観光地らしいところは何もない」という状況です。小樽運河などの観光を楽しみたい方は、別日程で小樽市街を観光するか、チェックイン前・チェックアウト後に時間を確保する必要があります。

おすすめしたい方

以下のような方には、蔵群での滞在を強くおすすめいたします。

  • 日常の喧騒から離れて心身を休めたい方
  • 建築やインテリアデザインに興味がある方
  • お酒が好きで、オールインクルーシブの恩恵を最大限に受けたい方
  • 温泉でゆっくりと過ごしたいカップルやご夫婦
  • 記念日や特別な日を静かに祝いたい方
  • 大人だけでの旅行を楽しみたい方
  • 冬の北海道でスキーと温泉を両方楽しみたい方

おすすめできない方

一方で、以下のような方にはおすすめしづらいかもしれません。

  • 宿泊費を抑えたい方(1名5万円以上の予算が必要)
  • お酒をあまり飲まない方(オールインクルーシブのメリットを活かしにくい)
  • 賑やかな雰囲気を好む方(静かすぎると感じる可能性)
  • 小さなお子様連れのファミリー(大人向けの静かな宿)
  • 周辺観光もセットで楽しみたい方(観光スポットへのアクセスがやや不便)
  • 足腰に不安のある方(メゾネットタイプは階段あり)

Q&A よくある質問

Q1. 予約はいつから可能ですか? A. 現在、2026年4月末頃までの予約が各旅行サイトで受け付けられているようです。リブランドオープン日の2026年2月24日以降の宿泊を希望される場合は、公式サイトや各予約サイトで最新情報をご確認ください。

Q2. 子供連れでも宿泊できますか? A. 宿泊は可能のようですが、料金設定として「小学生50%」「幼児(食事あり)35%」といった設定があります。ただし、大人の隠れ家的な雰囲気の宿のため、静かに過ごしたいお子様連れ以外には向かないかもしれません。

Q3. キャンセル料はいつから発生しますか? A. 一般的なプランでは「3日前50%、当日100%、無断不泊100%」のキャンセルポリシーが適用されているようです。プランによって異なる場合があるため、予約時にご確認ください。

Q4. 2026年1月に宿泊する場合、温泉は利用できますか? A. 2026年1月5日以降は改装工事のため既存の大浴場が利用できなくなる予定です。ただし、客室の温泉風呂は利用できると思われますので、詳細は宿に直接お問い合わせください。

Q5. ペットは同伴できますか? A. ペットの同伴は不可のようです。

Q6. バリアフリー対応はありますか? A. 車椅子の利用は可能で、貸出用車椅子やバリアフリー用トイレはあるようです。ただし、メゾネットタイプの客室は階段があるため、フラットタイプの客室を選ぶことをおすすめします。

旅行業界の隠語・スラングコラム

トラベルライターTAKAとして、今回のテーマに関連する旅行業界の用語や隠語について解説させていただきます。

「オールインクルーシブ」(All Inclusive)

もともとはカリブ海のリゾートで発展した宿泊スタイルで、「すべて込み」を意味します。略して「オーイン」と呼ばれることもあります。日本では近年注目を集めており、特にコロナ禍以降「宿の中で完結する滞在」へのニーズが高まったことで、国内の温泉旅館やリゾートホテルでも導入が進んでいます。

「リトリート」(Retreat)

英語で「退く」「隠れる」を意味し、日本語では「転地療法」とも訳されます。仕事や生活から離れた非日常的な場所で自分と向き合い、心身をリラックスさせるための旅行スタイルを指します。通常の観光旅行とは目的が異なり、「癒し」と「内省」がキーワードです。

「スモールラグジュアリー」

客室数が少なく(一般的に50室以下)、きめ細やかなサービスと高い品質を提供する高級宿泊施設のカテゴリーです。蔵群の18室という規模は、まさにこのカテゴリーに当てはまります。

「ハイクラス」

旅行予約サイトで使われる分類で、高級宿泊施設を意味します。蔵群は各サイトで「ハイクラス」にカテゴライズされています。

「JAPOW」(ジャパウ)

Japan Powder」の略で、日本の良質なパウダースノーを意味する造語です。北海道のスキーリゾートは世界中のスキーヤー・スノーボーダーから「JAPOW」を求めて訪れる人気エリアとなっています。蔵群のスキーバケーションプランでも、この「JAPOW」体験が謳われています。

TAKAの総括:静寂の中で「醸す」時間を

最後に、トラベルライターTAKAとしての所感を述べさせていただきます。

「小樽リトリート 蔵群 by 温故知新」は、単なる高級旅館ではなく、滞在そのものが目的となる「リトリート施設」として生まれ変わろうとしています。新コンセプト「醸す」という言葉には、日本酒や味噌、醤油といった発酵食品文化が根付く日本ならではの価値観が込められており、時間をかけて静かに価値を深めていくという姿勢が感じられます。

現代社会は情報過多で、SNSやメールに常に追われ、心が休まる暇がありません。そんな中で「テレビもパソコンもない」空間に身を置き、レコードの音色や本の世界に浸り、温泉でゆっくりと身体を温め、美味しい料理とお酒を心ゆくまで楽しむ。そんな「何もしない贅沢」こそが、この宿の真価ではないでしょうか。

確かに価格は高いです。1泊5万円以上というのは、気軽に「行ってみようか」と言える金額ではありません。しかし、年に一度の特別な旅行、大切な記念日、あるいは自分自身へのご褒美として考えれば、価格以上の価値を感じられる宿だと私は推測します。

2026年2月のリブランドオープン後は、酵素風呂やサウナといった新設備も加わり、ウェルネス体験がさらに充実します。温故知新という運営会社の実績を考えれば、サービス品質の向上も期待できるでしょう。

ただし、すべての方におすすめできるわけではありません。静かな環境を「退屈」と感じる方、観光地を巡るアクティブな旅を好む方、お酒をあまり飲まない方には、オールインクルーシブの恩恵を活かしきれず「割高」に感じてしまうかもしれません。

最終的に、この宿が合うかどうかは「あなたが旅に何を求めているか」次第です。

もし「日常から離れて、静かに自分と向き合いたい」「美味しい料理とお酒を心ゆくまで楽しみたい」「建築やデザインの美しさに浸りたい」という想いがあるならば、蔵群は理想的な選択肢となることでしょう。

北海道・小樽の里山に抱かれた蔵の中で、時を忘れて「醸す」ひととき。2026年のリブランドオープンを、私TAKAも楽しみにしています。

公式サイトはこちら
小樽リトリート 蔵群 by 温故知新