- 2023-3-29
- 旅行 プレスニュース
バルト海のエストニアで、本場のサウナに入浴しよう!
リリース発表日:2023年3月29日 11時47分
エストニアのルーラルツーリズム協会はサウナ・イヤーに合わせ、エストニアにおけるサウナの習慣やサウナ関連製品、地域コミュニティ、サウナ業界の起業家などにスポットを当てながら、エストニアのサウナの伝統を啓蒙・尊重することを目指しています。今年はすでに素晴らしいスタートを切っています。アメリカのサンダンス映画祭で、エストニア人監督のAnna Hintsの映画「Smoke Sauna Sisterhood」が監督賞を受賞しました。エストニアに来る前に、この映画を観て事前にバーチャルサウナを体験してみてはいかがでしょうか。
〈サウナ・イヤー イベントスケジュール〉
6月17日:キヒヌ・サウナフェスティバル
8月5日~6日:エストニア・サウナ文化の日(Narva-Jõesuuにて)
9月23日:ヒーウマー・ビッグサウナディ
エストニアを訪れる前に、ぜひ”Sauna 2023″のウェブサイトをチェックしてイベント情報をご確認下さい。
▶︎Sauna 2023 詳しくはこちら:https://www.sauna2023.ee/en
ここからは、エストニアサウナの歴史や作法、UNESCOの世界無形文化遺産に登録されているヴォル地方にあるスモークサウナをご紹介します。
《エストニアにおけるサウナの歴史》
エストニアでは200年以上前から薬湯や保養施設が普及していましたが、エストニア・サウナの伝統は更に古く、サウナ入浴に関する最初の文書記録は13世紀にまで遡ります。かつてサウナは家の中で最も清潔な部屋であったことから、分娩室として、また死期を見届ける場所や病気の治療法として利用されてきました。燻製室としても利用されていたために南エストニアではスモークサウナの伝統が生まれました。
エストニアのサウナの伝統は、今日でもこの国の重要なアイデンティティーの一部となっています。新しく家を建てるときは、今でもまず始めにサウナ小屋が建てられ、ライフスタイルの中では多くの点でサウナを中心に回っていることがあります。今では出産や死の瞬間がサウナで起こることはありませんが、サウナは日常生活の重要な一部となっています。今でも “Laupäev on saunapäev”(土曜日はサウナの日)という言葉を耳にすることもあります。
サウナというと冬のイメージがありますが、エストニア人は一年中サウナに入ります。伝統的なのは木曜日と土曜日、そしてクリスマスイブや大晦日、6月23日の聖ヨハネ祭の前夜など、大きな祝日の前の夜にはサウナに入る習慣があります。他にも家族の集まりや誕生日を祝うなど、サウナに行く機会はいつでもあります。エストニアに来たらサウナに入るのが一番”like a local”(現地の人らしい)体験になります。
今日のエストニアのサウナには多くの種類があり、フィンランド式サウナや、スモークサウナ、スチームサウナなどが多く、さらに洞窟サウナやロシアンサウナ、ソルトサウナ、スチームやアロマサウナなど少し変わったサウナもあります。
▶︎あなたの好きなサウナを見つけよう! https://www.visitestonia.com/en/map-of-estonia?pageId=2782&fullCategory=®ion=&islands%5B%5D=&type%5B%5D=&city=&random_seed=509415
《サウナの正しい入り方とは?》
伝統的なエストニアのサウナは、通常、その家の母屋から少し離れた場所に立つ小さな木造の小屋です。しかし、地下室やテラスに隣接した部屋にサウナがある場合もあります。アパートなどでは、バスルームの隣にサウナがあるところも多くあります。サウナは男女別々に入ることが多く、水着は禁止されていますが、タオルは多少大目に見てもらえます。サウナはあらかじめ温めておく必要があるため準備が必要です。木造サウナは2~4時間、電気サウナはもっと早く温められます。
サウナで一番大切なものは、発汗を促す蒸気です。エストニア語には「leil(レイル)」という言葉があり、”サウナで熱い石に水をかけて発生させる蒸気”という意味です。このレイルには様々な効果があります。肌を清潔にし、心拍数を上げ、サウナに座ると呼吸がし易くなってリラックスするのを感じるられます。熱は気管支を広げ、関節を動きやすくさせるという魔法をかけてくれます。サウナで有名な「viht(ヴィヒタ)」も、この「leil(レイル)」と共に登場します。ヴィヒタは白樺の枝を束ねたもので、サウナ内部の空気の層を混ぜながら、体を勢いよく叩いて体温を上げ、マッサージのような役割を果たします。
身体の芯から熱くなった後は、クールダウンしましょう。サウナは湖や川、池、海のそばに建てられていることが多いので、入浴後は水に飛び込んでクールダウンすることができます。急激な温度変化で血流が促進され、免疫力が強化されます。冬場は氷に穴を開けて入ったり、雪の上を転げ回ったりと、勇敢なサウナ通も現れます。サウナの外で冷たい飲み物を飲みながら、澄んだ空気の中に立つのもおすすめの過ごし方です。まさに、癒しとしてのサウナ、それが本当のサウナの効果です。
現在、タリンには10カ所の公共サウナがあり、年間で2万人程が利用します。エストニア全土では40の公共サウナがあり、ほぼすべての県に公共サウナがあります。エストニアを旅行する際はその土地の公共サウナを訪れるのも楽しい体験になりますよ。
《ユネスコに登録されたエストニアのスモークサウナの伝統》
南エストニアのヴォル地方(Võromaa)では、スモークサウナは日常生活の重要な部分を占めてきました。伝統的なサウナと同様、エストニアのスモークサウナはレンガ造りのオーブンに薪を入れて温める小さな家屋から構成されています。しかしスモークサウナには煙突がなく、煙をサウナ内で循環させながら部屋を温めます。サウナに入る前には火が消え、ほとんどの煙は室内から排出されます。
2014年、ユネスコはエストニアのスモークサウナの入浴(方法)を無形文化遺産に登録しました。ヴォル地方、特にモースカ・ファーム(Mooksa Farm)では伝統的なスモークサウナの入浴方法を忠実に守っています。モースカ・ファームのホストはエダと彼女のパートナーであるウルマスで、彼らは忠実にスモークサウナの習慣と知識を受け継ぎ伝えています。
スモークサウナの儀式には多くのステップがあり、慎重に行わなければなりません。しかし何より大事なのは、何も考えずに立ち止まり、あらゆる世俗的な心配事を頭から切り離し、リフレッシュし、活力と癒すための時間を自分に真剣に与えようとする覚悟が必要です。そしてフェルトの帽子をかぶり、薪の燃える香りが漂う神聖な部屋に入ります。熱した石に水をかけると蒸気が立ち上り、心が澄み、大地と、そして祖先と繋がることができると言われています。次に、植物と塩を混ぜたもの(スクラブ)を身体にすり込んだら、白樺の枝で叩き、皮膚の角質を取り除き、血行を促進する「ウィスキング」をします。そして、近くの氷の海に飛び込んで体を冷やし、洗い流します。
▼ヴォル地方の伝統的なスモークサウナ▼
【本件に関する関係者様からのお問合せ先】
エストニア政府観光局
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