星野リゾートが飛騨市産材の家具を導入し匠の文化を体感

星野リゾート、飛騨市の技術を活かした家具を導入

星野リゾートは、飛騨市産の木材を使用した家具を新たに導入し、地域の匠の文化を体感できる宿泊体験を提供します。これにより、旅行者は飛騨の優れた職人技術や木工文化に触れることができるだけでなく、自然と調和した空間で心地よく過ごすことができます。星野リゾートは、地元産業の活性化を図り、持続可能な観光を促進する取り組みの一環として、この新しい試みを実施することを発表しました。

この記事の要約

  • 星野リゾートが飛騨市産の家具を導入し、匠の文化を体感。
  • 地域の職人技術に触れられる宿泊体験を提供。
  • 持続可能な観光を目指す取り組みの一環として実施。

 飛騨産業株式会社 (本社:岐阜県高山市 代表取締役社長:岡田 明子/以下飛騨産業)は、株式会社星野リゾート(本社:長野県軽井沢町 代表取締役社長:星野 佳路/以下星野リゾート)が展開する温泉旅館ブランド「界」が2024年9月5日に奥飛騨温泉郷に開業した「界 奥飛騨」へ家具を納入しましたので、お知らせいたします。星野リゾートとして岐阜県で初めての施設となる界 奥飛騨では、さまざまな空間に飛騨産業が得意とする曲木技術を用い、飛騨地域の木材を活用して製作した家具を納入しています。

飛騨地域の匠の技に触れる宿【界 奥飛騨】

 星野リゾートが運営する日本初の温泉旅館ブランド「界」は、「王道なのに、あたらしい。」をテーマに心地良い和にこだわった快適な空間で、ホスピタリティ溢れるスタッフがその土地ならではの旅の提案をしています。

 今回、星野リゾートとして岐⾩県初の施設となる「界 奥⾶騨」。「⼭岳温泉にめざめ、⾶騨デザインに寛ぐ宿」をコンセプトとし、恵まれた⼭あいの温泉の良さに気づくきっかけや、匠の技術によって発展してきた⾶騨地域の⽂化に触れるひとときが館内デザインの随所に織り交ぜられています。地域らしさを取り入れたご当地部屋、「飛騨 MOKUの間」には飛騨春慶や飛騨染とともに、飛騨地域のナラやクリの天然木を活用して製作した飛騨産業の曲木のチェアが採用されています。

受け継がれる曲木の技術と天然木の活用

 土地の9割以上が森林に覆われる高山市は、古くから森林資源に恵まれ、木工技術が発達していました。飛鳥時代には都で神社仏閣建立のために飛騨から木工集団を派遣する「飛騨の匠」制度が始まっていたとされています。その心と技術を受け継ぎ、豊富なブナを活用して曲木家具づくりに挑戦したのが飛騨産業の始まりです。界 奥飛騨では飛騨地域の文化のひとつとして、この曲木家具の要素をご当地部屋に取り入れています。

 飛騨産業が得意とする「曲木」とは、木を蒸して曲げる表現技法です。優雅で美しい曲線を作り出すのはもとより、木理を通すことで強くしなやかな形状を作り出すことができ、さらに削り出す加工に比べ木材を無駄なく利用できる、用と美を兼ね備えた技法といえます。森の恵みである森林資源を扱う企業として、日本の林業を活性化させるため、地元飛騨地域の材料を使用した家具の製作にも積極的に取り組んでいます。

納入アイテム

 飛騨産業では、館内全て併せて169脚の家具を納入しています。これだけ多くの地元産の木製家具を設置することは、数ある界の中でも初の取組です。家具の選定理由について、坂倉建築研究所は「飛騨産業の椅子は、洗練された無駄のないフォルムの中に美しい曲木が組み込まれたデザインが素敵で、特に目を引きました。また界では客室の床に畳敷を採用するため、椅子の脚が傷防止の形状であることが好ましいという条件があります。飛騨産業のSUWARIは、和室のテイストに寄りすぎずモダンなデザインであることと機能性を両立させた商品で、界のコンセプトともマッチし、界 奥飛騨で採用した家具の中でも特に代えがたい商品だと感じています。」とコメントしています。

SUWARI シリーズ

チェア KH201M/8脚

ラウンジチェア KH281AM/6脚

日本の空間に合うよう設計されたチェアは2室限定の特別室、ご家族で宿泊できる和室の他、大浴場に設置されています。

NEWMCKINLEY シリーズ

ロッキングチェア NM266RC/2脚

サイズがコンパクトなロッキングチェアは2室限定の特別室に設置。ゆったりとお寛ぎいただけます。

KURINOKI シリーズ

セミアームチェア HX251A/25脚

古くから日本人に親しまれてきたクリ材を使用したチェアは露天風呂付き洋室に設置されています。

低座 シリーズ

座椅子 SD245AB/13脚

床や畳での立ち座りを楽にする畳ずりの座椅子は和室や愛犬と過ごせるお部屋に設置されています。

tsubura シリーズ

セミアームチェア OS201AN/12脚

背板から肘木にかけて一本曲木を使用したチェアは地元の歴史や文化が学べるトラベルライブラリーに設置。

Standard Collection シリーズ

チェア SD220N/96脚

スツール SD601/7脚

装飾を排除したシンプルなデザインのチェアはレストランやエントランスに、スツールは脱衣所に設置されています。


施設概要

施設名称:界 奥飛騨

所在地:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯138番地

電話:050-3134-8092(界予約センター)

客室数:49室(露天風呂付き客室 28室)

客室内訳:特別室(定員2名)2室、露天風呂付き洋室(定員3名)26室、和室(定員1~4名)19室、愛犬ルーム(定員3名)2室

料金:1泊 31,000円〜(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込、夕朝食付)

付帯施設:フロント、ショップ、離れ棟(トラベルライブラリー、足湯)、食事処、大浴場(男女別、露天風呂各1、内風呂各1)、湯上がり処、湯上がりテラス、中庭

アクセス:平湯バスターミナルより徒歩約4分、中部縦貫自動車道・平湯ICより車で約3分

URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiokuhida/

予約開始日:2024年4月17日

開業日:2024年9月5日

計画概要
建築面積:1,680㎡(2棟の宿泊棟、湯小屋、離れ棟からなる4棟の合計値)

延床面積:5,588㎡(同上)
敷地面積:6,472㎡(計画地すべての合計値)
意匠設計監修:坂倉建築研究所
ランドスケープ設計監修:カナデ設計事務所

構造・設備設計、実施設計、施工:前田建設工業

出展:星野リゾート

飛騨産業について

 1920年に飛騨高山で創業した木工家具メーカー。2020年に創業100周年を迎え、「匠の心と技をもって飛騨を木工の聖地にする」という志(企業ビジョン)を掲げ、「人を想う」「時を継ぐ」「技を磨く」「森と歩む」の4つの価値観に基づく事業を展開しています。

 飛騨産業が展開する木工家具ブランドHIDAでは、4つの価値観のもと、未来へと繋がる持続可能なものづくりを目指しています。

 高山市内をはじめ、全国7か所に直営店HIDAを展開。HIDA高山店 森と暮らしの編集室ではクラフトマーケットや隈研吾が手掛けた自然派カフェ「椅子と珈琲」、森の恵みの循環をコンセプトにした「森の環 HIDA FACTORY STORE」などを併設しています。ホームユースのみならず、公共施設や商業施設、宿泊施設などにも、木の温もりが感じられる家具を納入しています。

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