ラグジュアリーホテル初のねぶた技法を活かしたクリスマス装飾

ラグジュアリーホテルがねぶた技法でクリスマスを彩る

今年のクリスマスシーズン、特別なラグジュアリーホテルが青森の伝統工芸であるねぶた技法を取り入れた装飾を施しました。この装飾は、鮮やかな色合いと立体感で冬の夜を華やかに演出し、訪れるゲストに新たな感動を提供します。地元のアーティストたちとのコラボレーションにより、地域の文化を感じられる特別な空間が広がり、一層の温かみを与えています。また、イベントや特別メニューも用意され、クリスマスを祝いながら作品を楽しむ機会となっています。

この記事の要約

  • ラグジュアリーホテルがねぶた技法を採用したクリスマス装飾を展開。
  • 地元アーティストとのコラボレーションで地域文化を感じられる。
  • 特別なイベントやメニューも用意され、訪問者を楽しませる。
ねぶたクリスマスデコレーション

心を込めて家族を思いやるようにお客さまをお迎えするシャングリ・ラ 東京(所在地:東京都千代田区丸の内、総支配人:マティアス・スッター)は、ねぶた師の北村麻子氏とコラボレートし、日本のラグジュアリーホテルとして初めて、ねぶたの技法を用いたクリスマスデコレーションを本日、11月15日(金)より開始いたします。

数年前、北村氏によるねぶたの技法を用いた造形作品に感銘を受けたホテルスタッフが、シャングリ・ラ 東京でも彼女が作るクリスマスデコレーションを飾りたいという熱意で、北村氏にコンタクトを取ったところから始まったプロジェクト。このデコレーションはデザインも含め、北村氏が一から携わり、シャングリ・ラ 東京のためだけに作られたものです。

細かな作業を丁寧に一つひとつ積み重ねることで出来上がるねぶたの制作の工程は多岐に渡ります。今回のねぶたクリスマスデコレーションも下記の工程で1ヶ月ほどかけて、制作されました。

1. 題材と下絵

ねぶたの設計図となる重要なプロセスなため、ねぶた師が長い時間をかけて準備する制作の第一歩。歴史的な物語や人物、テーマなどを元に構想を練り、鉛筆で下書きしたあとに色を付けていきます。

題材と下絵

2. 細部の準備

比例式で寸法を計算し、手足や道具などの細かいパーツをあらかじめ作っておくことで本体の制作と効率よく進めていくことができます。

細部の準備

3. 骨組み

角材で支柱を作り、針金や糸を組み合わせて、紙をはれるように形を整えていきます。昔は針金ではなく、骨組みは竹で作られていたそうです。

骨組み

4. 電気配線(照明)

専門の配線工によって、ねぶたの内側に通常1,000個近くの照明器具が取り付けられていきます。今回のシャングリ・ラ 東京のねぶたには約200個の電球が取り付けられています。

電気配線(照明)

5. 紙はり

針金の枠に沿って、ボンドを使い和紙の一種である奉書紙をはっていきます。骨組みのギリギリを意識しながら、場所によっては凹凸をつけることから、緻密な技術と根気が求められる工程です。

紙はり

6. 墨書き

純白のねぶたに墨で、顔や手足、輪郭などを書き込んでいきます。筆の入れ方を自在に操り、迫力のある表情や優しい顔つきにもアレンジを利かせ、躍動感を吹き込みます。

墨書き

7. ろう書き

パラフィンを溶かしたものを使い、模様をつけます。明るさを加えると同時に、色のにじみを防ぐ目的も兼ねています。

ろう書き

8. 彩色

残った白地に、染料や水性顔料で色をつける最後の工程。さまざまな筆やスプレーを使い分けて、鮮やかに仕上げていき、本体はいよいよ完成を迎えます。

彩色

シャングリ・ラ 東京の2024年のクリスマスデコレーションの中で、一番の目玉となる今回のねぶたクリスマスデコレーション。デザインされているのは、月や星を背景に躍動する二頭のトナカイと、子どもたちにプレゼントを配ろうと煙突に入ろうとしているサンタクロースのおちゃめな後ろ姿です。ホリデーシーズンの心躍る高揚感、雪が積もった日の凛とした空気、家族や大切な人と過ごす温かい時間が、遊び心あふれる楽しい雰囲気で表現されており、すべてねぶた師による手作業で作られました。

ねぶたクリスマスデコレーションにはシャングリ・ラの「S」ロゴが4か所入っています。サンタクロースの袋、二頭のトナカイの鈴に一つずつ、もう1か所は隠れロゴとして、クリスマスデコレーションのどこかに存在しています。実物をご覧になり、目を凝らして、どこに隠れロゴがあるのか探してみてください。

このねぶたクリスマスデコレーションを制作したねぶた師の北村氏は次のようにコメントしています。「ねぶたの明かりは人の心をとても温かくしてくれる力があります。日本のみならず、海外から多くのお客さまがいらっしゃるシャングリ・ラ 東京で、日本の伝統的なねぶたの和紙を通した明かりによって、多くの人の心に温かい光を灯せるような作品になればいいなと思っています。ご宿泊されるゲストの方はもちろん、ラウンジなどをご利用になる方にもご覧いただいて、ねぶたのすばらしさやクリスマスの温かさを感じてもらえたらうれしいです」

今回の取り組みについて、総支配人のマティアス・スッターは次のように述べています。

「このたび、日本のラグジュアリーホテルとして初めて、和の伝統的な技法を使って、欧米の伝統であるクリスマスを表現するというコラボレーションが実現し、日本の美が醸し出す優雅さとクリスマスの温かさが織りなす、心躍る豊かな文化体験をお届けできることをうれしく思います。ねぶたを制作してくださった北村さまには心より感謝申し上げます。ホテルゲストやねぶたクリスマスデコレーションを見にいらっしゃるみなさまには喜びと愛があふれる素敵なホリデーシーズンとなることを、そして、幸せに満ちた  ‘シャングリ・ラ’ を見つけられることを心より願っています」

澄んだ空気が街を覆う冬、都会の喧騒から少し離れ、落ち着いた大人な空間に飾られた温かみあふれるシャングリ・ラ 東京のねぶたクリスマスデコレーションをご家族や大切な人とぜひご覧ください。

【北村麻子(きたむら あさこ)氏 プロフィール】

ねぶた師 北村麻子氏

ねぶた師史上初の女性ねぶた師。

父であり、数々の功績を残すねぶた師の第一人者である六代目ねぶた名人の北村隆氏に師事。2007年、父の制作した大型ねぶた「聖人聖徳太子(ねぶた大賞受賞)」に感銘を受け、ねぶた師を志す。2012年、青森市民ねぶた実行委員会から依頼されデビュー。デビュー作「琢鹿(たくろく)の戦い」が優秀制作者賞を受賞したことで注目される。

受賞歴

・最高賞、最優秀制作者賞:三回

・優秀制作者賞:五回

・陸奥文化選奨

近年ではねぶたの技法を用いた造形作品の制作にも精力的に取り組み、ねぶたの魅力を国内外に発信している。

2025年開催の大阪万博では大型ねぶたのほか、アップサイクル和紙を使用した中型ねぶたなどの展示も予定している。

■ねぶたクリスマスデコレーション概要

期間: 2024年11月15日(金)~12月25日(水)

場所: 28階ロビー

制作: ねぶた師 北村麻子(きたむら あさこ)氏

*どなたでもご覧いただけます

お問い合わせ:Tel 03-6739-7888 (代表)

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