小樽青の洞窟は”怖い”とネットで頻繁に検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
目次
小樽の青の洞窟で「怖い」と検索される主な理由は、①洞窟内の狭く暗い空間がもたらす閉所恐怖、②高速ボートや波に揺られるスリル、③人工的な青色ライトによる不気味さ、④通信が圏外となる安全性への不安、⑤過去に起きたエンジントラブルなどの事故リスクの5点に集約されるようです。これらの要因が重なり合うことで、幻想的な美しさの一方で「怖い」という感想が生まれていると言われています。
なぜ「怖い」と感じるのか?5つの主因
1. 狭く暗い洞窟空間の閉所感
遊覧ボートで洞窟内に進入すると、天井や両側が岩壁に囲まれ、一気に光量が落ちるため、閉所恐怖症のような感覚に襲われることがあります。観光パンフレットやSNSの写真では開放的に見えるものの、実際には全長約50メートルの洞窟内部は思いのほか狭く感じることが多く、「あっという間に通り抜ける」「奥行きを錯覚する」といった声が聞かれます。
この狭さゆえに、見た目以上に身体が密閉されたような安心感のなさを覚え、恐怖心が増幅されるようです。
2. ボートのスピードと波の揺れ
小樽の青の洞窟ツアーでは、波間をジェットコースターのように疾走する高速ボートが人気ですが、その疾走感が「海に振り落とされるのでは」と不安を感じさせることがあります。実際、ボート底が海面から浮き上がり、再び叩きつけられる瞬間には大きな衝撃と不意の揺れが乗客を襲い、両手で手すりを握りしめる方も多いようです。
これに加え、天候や風向きによってはさらに波が高くなり、船酔いのリスクも高まるため、「予想以上の揺れで怖かった」「何度も中止判断されるほど海況が不安定だった」という体験談が見受けられます。
3. 人工ライト演出に潜む不気味さ
洞窟内の青い輝きは自然光の反射だけでなく、ツアー会社による青色ライト照射による演出が含まれている場合があります。このライト演出は、より幻想的な撮影スポットを演出する一方で、「人工的な光が強すぎて不自然」「薄暗い空間に強い青が映えて怖い」と感じる利用者も少なくありません。
自然の神秘だけを期待して訪れると、ライトによる“異空間”演出に戸惑いを覚え、「思ったほど自然ではなかった」とのギャップが恐怖を誘発するようです。
4. 洞窟内の通信遮断と安全性への不安
洞窟内では携帯電話や無線機器が圏外となり、緊急時の連絡手段が完全に遮断されるという安全対策上の盲点があります。来春から小型観光船への無線搭載が義務化されるものの、洞窟内部では通信できず、乗客やガイドの位置確認や呼びかけも難しいと言われています。
このため、万が一に備えたレスキュープランや船長同士の連携訓練が進められているものの、利用者の一部には「洞窟内で何か起きたら助けが来ないのでは」という不安が根強いようです。
5. 過去のエンジントラブル・事故事例
2023年には観光船が海上でエンジントラブルを起こして航行不能となり、別船による乗客救助事例が報告されました。幸いけが人はありませんでしたが、「木片にぶつかりエンジン停止」「救助まで数時間を要した」といった事故報道が、青の洞窟クルーズに対する漠然とした恐怖感を煽っているようです。特に、洞窟入口での停止は洞窟奥への退避が困難なため、緊急時のリスクが高まるとの指摘もあります。
良い点とメリット
小樽青の洞窟クルーズの良い点としては、
- 透明度の高い海水が生み出す“天然プラネタリウム”のような青い光景は他に類を見ない利点
- ボートキャプテンによる地域歴史や地質解説で学びの深い体験ができるメリット
- オープンデッキで海風を全身に感じられる爽快感
などが挙げられます。美しいコバルトブルーの海面と断崖絶壁を間近で眺める非日常感は、旅行初心者からマリンアクティビティ愛好者まで幅広くおすすめできるでしょう。
悪い点とデメリット
一方の悪い点としては、
- 洞窟内の通信遮断やエンジントラブル例から見える安全配慮の欠点
- 天候や海況に大きく左右され、当日運休リスクがあるデメリット
- 狭い洞窟内部や人工ライトによる不自然さで期待値が大きく裏切られる場合がある
などが挙げられます。そのため、リスクを避けたい方には事前情報収集不足が招く落胆を考慮し、参加をおすすめしない場合もあるようです。
こんな方におすすめ/おすすめしない
自己責任でスリルを楽しみたい方、クルーズ全体の演出やボートキャプテンとのコミュニケーションを重視する方には、断崖絶壁を疾走するマリンアトラクションとしてメリットが多いと言えます。特に、余市や積丹の海岸線を一望できる朝便は混雑が少なく、海況も穏やかなため初心者にもおすすめです。
一方で、閉所恐怖や海への恐怖心が強い方、船酔いしやすい方、緊急時の連絡不能が不安な方には、他の観光プランや陸上アクティビティを優先したほうが良いかもしれません。
TAKAの独自視点による考察と未来予測
洞窟ツアーの“怖さ”は、美しさの裏返しとも言えます。自然が作り出す狭隘空間と光のマジックは、人間の五感を超えた神秘性を演出するため、ある種の“畏怖(いふ)”を呼び起こすのです。今後、通信技術の進化や船舶安全基準の強化が進めば、洞窟内での安心感は増すでしょう。しかし、裏を返せば恐怖感が薄まると同時に、現地でしか味わえない高揚感やスリルが減少しかねません。
その意味で、適度なスリルと安全性のバランスをどう保つかが、今後のマリンアクティビティ運営における最大の課題と言えそうです。参加者としては、「怖い」と感じる要素を事前に理解し、自分の好奇心と恐怖心をマネジメントする姿勢が、快適かつ思い出深いクルーズ体験につながるのではないでしょうか。
旅行初心者でも安心して非日常を味わえるよう、今後はキャプテンやガイドによるインカムでのリアルタイム解説機能導入や、洞窟内の通信ブースター設置など、安全性と恐怖演出の両立が待たれます。まるで“深海”のような青に包まれる体験。そこには、恐怖と感動が表裏一体となった、新たな旅の魅力が潜んでいるようです。
— TAKA (トラベルライター/HOTTEL)