小樽青の洞窟は”がっかり”とネットで頻繁に検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

小樽の青の洞窟は、その幻想的なブルーの海面が一生に一度は見たい景色として話題を集める一方、実際に訪れた人の約2割が「期待外れだった」と語っているようです。最大の要因は「情報とのギャップ」にあるようです。SNSやウェブ上の写真で見るブルーは、自然光だけでなく船上から当てられるライト演出や鮮度の高いベストショットによって加工されており、実際には洞窟の広さや混雑状況、天候次第で色彩が大きく変化してしまうのです。その結果、訪問者が抱いていた理想と、現地での体験にズレが生じ、「がっかり」の噂を広げていると言われています。

一方で、きちんとポイントを抑え、プランニングを行えば、洞窟に到達するまでのクルージングや漁港を背景にした海風体験など、むしろ非日常感溢れるアクティビティとして大きな満足を得られるのも事実です。そこで本記事では、なぜ「がっかり」と評価されるのかを具体的な事例を交えて解説し、同時に“TAKA流”の失敗しない楽しみ方を余すところなくご提案します。

1.「がっかり」と感じる原因と事例

1-1.事前情報と実際のブルーの見え方の差

SNSで見かける青の洞窟の写真は、洞窟内に差し込む自然光に加え、船から照射される青いLED照明によって演出されたものが多いようです。そのため、曇りや小雨、あるいは潮の濁りがある日には、期待するようなエメラルドグリーンや群青色が見えず、「透き通ったブルーではなかった」という声が上がるようです。
「期待していた青とは別物だった」という口コミは少なくなく、特に日差しが弱い午前中や、波しぶきで水面が揺れる状況では、青さが半減するのだと言われています。

1-2.船酔いによる体調不良

片道約40分の海上クルージングは、揺れやすい小型クルーザーを使う場合、ジェットコースター並みのスリルを伴うこともあります。船底にガラス張りのカヤックやSUPツアーでない限り、船室はなく、オープンデッキで風雨にさらされることも。船酔いしやすい方は、青の洞窟に到着する前に体調を崩し、感動を味わえずに戻ってしまうケースがあるようです。

1-3.混雑による鑑賞時間の制約

ハイシーズンの10:00〜14:00頃は観光バスや個人客で混み合い、クルーズ船が洞窟入り口に着岸しても、乗船順や再出発の都合上、洞窟内でゆっくり写真撮影や観賞する時間が約5分〜10分程度に制限されることがあるようです。特にカップルやファミリー層からは、「あっという間に戻ってしまい、物足りなかった」という声が上がっています。

1-4.季節や天候による運休・代替プラン問題

青の洞窟は4月~10月の期間限定運航で、冬期は波浪の高まりで全便運休となります。予約日に悪天候で欠航となり、別コースに振り替えられたものの、オプション内容が薄いケースや、同料金で別スポット巡りとなり、「洞窟に行けないなら来た意味がない」と感じる方もいるようです。

1-5.安全リスクとトラブル

2023年、2024年には船のエンジントラブルや流木衝突事故が実際に発生しており、スマホの電波が届かない海上で通信手段が制限されるという指摘もあります。洞窟から離れた海域での小規模トラブルが報道されることで、安全性に懸念を抱き、「おすすめしない」という声につながっているようです。

2.「良い点」を活かしたおすすめの楽しみ方

2-1.陸上とは違う非日常感

良い点として挙げたいのは、洞窟までのアプローチそのものがクルージングやSUP、ガラスボトムボートといった複数のプログラムから選べる点です。特にSUP(シーサップ)ツアーは水面近くで波の感触を直に感じられる利点や、ガイドのJSPA公認インストラクターによる安全講習・写真撮影サービスなどが付くプランもあり、「旅の思い出作り」という観光としての価値を上乗せしてくれるようです。

2-2.子どもや初心者も安心の設定

沖縄の青の洞窟のように泳げなければ入れない場所と異なり、小樽版は船上からの鑑賞が基本で、ライフジャケット着用のまま上陸不要。これにより、小さな子どもや高齢者、泳げない旅行初心者も参加できるメリットがあります。クルーが説明する地質学的な見どころ、漁港の歴史的背景を学べるトークなども好評で、教育的価値の高いエコツアーとしても注目されています。

2-3.豊富なオプションと周辺観光との組み合わせ

洞窟クルーズの前後には、小樽運河沿いのガラス工房見学、おたる水族館でのペンギン散歩、祝津パノラマ展望台でのサンセット観賞、地元寿司店での海鮮丼ランチなど、周辺に魅力的な観光資源が広がっています。これらをセットにしたパッケージツアーやOTA(オンライン旅行代理店)を通した楽パックプランなどがあり、宿泊・送迎・クルーズが一括で手配できるのも利点と言えます。

3.「悪い点」を踏まえた注意点と対策

3-1.天候・波浪予報の入念なチェック

欠航リスクを最小化するため、海上予報や風速・波高の情報を気象庁の「海の天気予報」や小樽市観光協会の公式サイトで事前に確認しましょう。代替プログラムの中身を事前に押さえておくと、万一の変更時にも納得して楽しめるかもしれません。

3-2.混雑回避のスケジュール設定

おすすめしない時間帯は、晴天日の10:00〜14:00。逆に、朝一便(8:30頃発)や夕方便(16:00以降)は比較的空いており、フォトジェニックな貸切感を味わいやすいようです。平日やオフシーズン(5月初旬・9月下旬など)を狙うのも効果的です。

3-3.船酔い対策・防寒装備の準備

船酔いしやすい方は、出航1時間前に市販の酔い止め薬を服用し、上着やレインウェア、手袋などの防寒具を必ず持参しましょう。特に海風に当たると体感温度が5度以上下がると言われており、薄着でのクルーズは大きな欠点となり得ます。

4.こんな人におすすめ/おすすめできない

良い点を踏まえたおすすめしたい方

  • 非日常感を求めるアクティブな旅好き
  • 小さな子どもや泳げない初心者と一緒に安全に海上体験を楽しみたい家族
  • フォトジェニックなブルーの海面とガイドトークを含むエコツアーに興味のある自然観察派

悪い点を踏まえたおすすめしない

  • 船酔いしやすい方(対策不能なレベルの場合)
  • 強い日差しや寒風が苦手で、極端な天候変動にストレスを感じやすい方
  • 混雑を何より嫌い、時間に余裕が取れないビジネス出張者

5.TAKAの独自考察と締めくくり

既存の口コミや旅行系メディアでは「期待値の調整」「天候次第」という抽象的なアドバイスに留まる場合が多いようです。しかし旅の醍醐味は「五感で感じるリアルさ」にあると、私は考えています。小樽青の洞窟は、洞窟自体の大きさや絶景の色合い以上に、そこに至るまでの「クルージング体験」「海鳥への餌やり」「漁港の歴史的ストーリーを聞くこと」が主役なのではないか、というのが私の仮説です。

加えて、近年はSUPやカヤックといった、より能動的なプログラムが増えているのも注目すべきトレンドです。スマホ片手に“映える”写真を狙うだけでなく、自ら漕いで洞窟に近づき、水面の揺らめきを間近に見ることで、新たな発見や感動が深まるのではないでしょうか。つまり「がっかり」の裏側には、静的な鑑賞だけに頼ってしまった結果、旅の本質的な楽しみ方を見落としている可能性があるのです。

その意味で、青の洞窟を訪れる前には、必ず複数のクルーズ会社のプログラム内容を比較し、自身が最もワクワクできるアクティビティを選ぶことを強くおすすめします。そして、洞窟のブルーそのものではなく、「自分が海上で感じた風の冷たさ」「波間に揺れる小樽の景観」「船長やガイドが語る小樽港の成り立ち」といった“体験の記憶”を旅のハイライトとして心に刻んでいただければ、青の洞窟は決して「がっかりスポット」ではなく、かけがえのない思い出のランドマークになるようです。