サンハトヤは”最悪”とネットで頻繁に検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
結論:なぜ「最悪」と検索されるのか、そして実際の評価は
ネット検索で「サンハトヤ 最悪」と表示される主な理由は、設備の老朽化や接客サービスに対する賛否両論の評価があるからです。しかし、実態を詳しく調査すると、これらの評価の背景には昭和50年創業の歴史あるホテルならではの構造的な課題と、一方で唯一無二の魅力を併せ持つ複雑な状況があることが分かりました。
結論から申し上げると、サンハトヤは決して「最悪」なホテルではありません。むしろ、昭和レトロな体験を求める宿泊客や家族連れには高い満足度を与えており、特に海底温泉「お魚風呂」や室内プール、ディナーショーなどの独特な魅力を評価する声も多数見受けられます。
口コミサイトの総合評価を見ても、楽天トラベルで3.7点、Trip.comで6.5/10点、食べログで3.2点と、決して悪い評価ではありません。ただし、現代のホテルサービス基準で期待して宿泊すると、ギャップを感じる可能性があるのも事実です。
「最悪」という評価の具体的な理由と背景
1. 建物の老朽化と設備面での課題
サンハトヤが「最悪」と評価される最も大きな要因は、1975年(昭和50年)に建築された建物の老朽化にあります。築50年近い建物であるため、現代の宿泊客が期待する設備水準とのギャップが生じているようです。
具体的には、水回りの老朽化が目立つという声が多く聞かれます。シャワーの水圧が弱く、「泡を流すのも困った」という体験談や、浴場の清潔感について「メンテにも限界があるのか、あまり清潔感はなく、薄暗い」という指摘もあります。
また、空調設備の問題も指摘されており、「空調が古く温度設定が出来ず寒かった」という宿泊体験談もあります。これらは築年数を考えれば致し方ない部分もありますが、現代の快適性を求める宿泊客には不満の原因となっているようです。
2. 接客サービスに対する賛否両論
接客サービスについては、スタッフによって対応に差があるという声が目立ちます。フロントの対応について「『いらっしゃいませ』の一言もなく、お世辞にも良い接客とは言えません」という厳しい意見がある一方、「スタッフの方は皆さん親切でした」という肯定的な評価も見受けられます。
特に問題視されているのは、緊急時の対応です。プールでガラス片による怪我が発生した際の対応について、「正式な謝罪もなく救急車を呼ばれ、救急隊が到着してからはしらんぷり」という深刻な指摘もあります。こうした安全管理面での課題は、宿泊客の信頼を大きく損なう要因となっているようです。
3. 食事サービスの品質のばらつき
バイキング形式の食事について、品質と補充体制に問題があるとの指摘が複数見られます。「汁物担当の方の味覚が心配」として、みそ汁やそばのつゆが薄味すぎるという具体的な指摘や、「朝食のソーセージが過去一でまずい」という厳しい評価もあります。
また、食事時間の制約も不満の原因となっており、「ゆっくり食べられない、料理の絶対量が少ない」「追加する気配もなく、早く帰れて的な従業員の目線」という体験談もあります。バイキング形式でありながら、補充が追いつかず、満足に食事ができないケースがあるようです。
4. 料金設定と価値のバランス
コストパフォーマンスについて疑問視する声も少なくありません。「1人22000円~フルプライス払う価値があるの?」という率直な疑問や、「大人1人の料金3万円は、ある意味日本の歴史的建造物への宿泊ということでしゃあない」という諦めにも似た評価が見られます。
特に繁忙期の価格設定について、提供されるサービス内容と料金のバランスに疑問を感じる宿泊客が多いことが伺えます。
一方で評価される良い点とメリット
1. 唯一無二の海底温泉「お魚風呂」という魅力
サンハトヤの最大のメリットは、他では体験できない海底温泉「お魚風呂」です。海底1,000メートルから湧出する温泉で、浴槽の隣の大水槽でマアジ、マダイ、クロダイ、ネコザメ、ウツボなどの魚が泳ぐ神秘的な空間は、「竜宮城へ迷い込んだような、どこかシュールな光景」として多くの宿泊客を魅了しています。
地元の漁師さんが近海で獲れた魚を届けてくれるというシステムで、創業時からいる50歳以上の海亀は、まさにこのホテルの生きた歴史そのものです。温泉に浸かりながら魚の観察ができるという体験は、確実にここでしか味わえない利点と言えるでしょう。
2. 昭和レトロな雰囲気とエンターテインメント性
昭和レトロブームの中で、サンハトヤの持つおすすめポイントとして、「昭和の玉手箱」とも呼べる独特の雰囲気が注目されています。レストランシアターでの「音と光のレーザーショー」やマジックショーは、現代では珍しい本格的なディナーエンターテインメントです。
良い点として特筆すべきは、館内の至る所にちりばめられた鳩のモチーフ探しや、シースルーエレベーター、螺旋階段など、昭和の未来感を体現した建築様式です。「大人になったから分かるハトヤの魅力」として、当時を知る世代には懐かしく、若い世代には新鮮な体験を提供しています。
3. 充実したファミリー向け施設
家族連れにはおすすめの充実した施設が揃っています。室内プール「古代ビーチ」と屋外プール「渚プール」は一年中利用可能で、特に小さな子供連れの家族には大きなメリットとなっています。「子供は喜んでおり、概ね満足です」という評価に代表されるように、子供の満足度は非常に高いようです。
チェックアウト後も15時まで施設を利用できるサービスも、ファミリー層には大きな利点です。冬季限定の釣り堀「三段逆スライド方式」も、他では体験できないユニークなアクティビティとして評価されています。
4. 全室オーシャンビューの開放感
建物の立地条件により、良い点として全室がオーシャンビューを確保している点があります。「海に浮かんでいるみたいで、とてもリラックスできました」という体験談にあるように、相模湾を一望できる眺望は、多くの宿泊客に満足感を与えています。
特に朝の時間帯に部屋から見える日の出の美しさは、「刻一刻と空が陽に染まっていくさまは、とても美しかった」として、建物の古さを補って余りある価値を提供しているようです。
おすすめしたい方とおすすめできない方
おすすめしたい方
サンハトヤをぜひおすすめしたいのは、以下のような方々です。
昭和レトロ体験を求める方:「昭和の時代から流れるCM」でおなじみのハトヤグループの歴史を肌で感じたい方には、他では体験できない価値があります。「エモい」という現代の若者言葉で表現される独特の魅力を求める方には最適です。
家族連れ、特に小さなお子様連れ:海底温泉での魚観察、プール施設、マジックショーなど、子供が喜ぶ要素が豊富で、「子供達がバイキングやプールを楽しんでいた」という声に代表されるように、ファミリー向けのメリットが多数あります。
一人旅でユニークな体験を求める方:「おひとりさまホテル」としても注目されており、一人でも館内探検や海底温泉を存分に楽しめる環境が整っています。
コストパフォーマンスを重視する方:一人旅プランでは13,200円からという比較的リーズナブルな価格設定で、海底温泉やプール、ディナーショーなどの施設を全て利用できる利点があります。
おすすめできない方
一方で、以下のような方にはサンハトヤはおすすめできないかもしれません:
最新設備と完璧なサービスを求める方:築50年近い建物の欠点として、現代的な設備や洗練されたサービスを期待される方には、期待に応えられない可能性が高いです。
静かで落ち着いた大人の旅を求める方:ファミリー向けの賑やかな雰囲気が中心で、「館内が広すぎるからなのか、様々な面で行き届いてない感がすごい」という指摘もあり、静寂を求める方にはデメリットとなる可能性があります。
完璧な清潔感を重視する方:老朽化による清潔感の欠点が指摘されており、特に水回りの清潔さを重視される方には満足いただけない可能性があります。
高級感のある食事を期待する方:バイキング形式の食事は量と種類は豊富ですが、質の面でデメリットを感じる可能性があり、グルメ旅行を目的とされる方には向かないかもしれません。
専門家としての総合評価と今後への期待
トラベルライターとして多くの宿泊施設を見てきた経験から申し上げると、サンハトヤは確かに現代のホテル業界基準では改善すべき点が多々あります。しかし、それを上回る独自の価値と魅力を持つ、日本の観光史において重要な位置を占める施設だと評価しています。
建物や設備の老朽化は事実ですが、これは日本全国の昭和期大型観光ホテルが直面している共通の課題でもあります。むしろ重要なのは、その歴史的価値と独特の体験価値をいかに現代に活かしていくかという視点だと言えるでしょう。
海底温泉「お魚風呂」という世界でも類を見ない施設は、間違いなく日本の温泉文化史に残る貴重な遺産です。また、昭和レトロブームの中で再注目されている現在は、このホテルの価値を再認識する絶好の機会でもあります。
接客サービスについては、マニュアル化された現代的なサービスとは異なる、昭和期の「おもてなし」スタイルが残っている部分もあります。これを古いと捉えるか、人間味あるサービスと捉えるかは、宿泊客の価値観によって大きく変わるでしょう。
料金設定については、提供される体験の希少性を考慮すれば、決して高すぎるとは言えません。他では絶対に体験できない海底温泉、プール施設、ディナーショー、そして昭和レトロな雰囲気の全てがパッケージになっていることを考えれば、むしろコストパフォーマンスの良い点もあると考えています。
今後のサンハトヤに期待したいのは、この独特の魅力を活かしながら、最低限の清潔感と安全性を確保する改善です。特に水回りの設備更新や、スタッフの安全管理研修は急務と言えるでしょう。
また、昭和レトロブームを追い風にした積極的な情報発信も重要です。SNSでの話題性を活かし、若い世代にもこのホテルの魅力を伝える取り組みが、今後の発展には欠かせないと思われます。
最終的には、サンハトヤは「最悪」ではなく「唯一無二」のホテルだと結論づけたいと思います。現代的な完璧さを求めるのではなく、ここでしか味わえない特別な体験を楽しむ気持ちで訪れれば、きっと忘れられない思い出を作ることができるでしょう。昭和の夢とロマンが詰まったこの施設が、これからも多くの人々に愛され続けることを、旅行の専門家として心から願っています。