ユナイテッド航空マイルのJAL利用についてネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。
今回は、海外旅行や出張でよく利用される方から質問をいただく「ユナイテッド航空のマイレージはJALで使ったり溜めたりできるのか?」という疑問について、詳しく調査してまいりました。この疑問は、国際線を利用する多くの日本人旅行者が抱く素朴な疑問の一つで、航空会社のマイレージプログラムの仕組みや航空連合(アライアンス)について理解を深める重要なテーマと言えるでしょう。
結論:ユナイテッド航空マイレージとJALの直接的な連携は不可能
まず結論から申し上げますと、ユナイテッド航空のマイレージプラスで貯めたマイルを直接JAL便の特典航空券に交換したり、JAL便の搭乗でユナイテッド航空のマイルを貯めることはできないのようです。
これは、両社が所属する航空連合(アライアンス)が異なることが主な理由となっています。ユナイテッド航空は世界最大の航空連合である「スターアライアンス」に加盟している一方、JALは「ワンワールド」に加盟しており、基本的に異なるアライアンス間でのマイル相互利用は認められていないのが現状のようです。
しかし、この結論だけで話を終わらせるのは早計でしょう。実は、ユナイテッド航空のマイレージプラスには、JALとは直接連携できなくても、日本の旅行者にとって非常に魅力的な活用方法が数多く存在するのです。
ユナイテッド航空マイレージプラスの基本的な仕組み
ユナイテッド航空のマイレージプログラム「マイレージプラス」について詳しく解説いたします。この制度は、アメリカの大手航空会社であるユナイテッド航空が提供する顧客向けの優待プログラムで、入会金や年会費は無料となっているのが特徴です。
マイレージプラスの最大の特徴は、マイルの有効期限が設定されていない点にあります。これは、ANAやJALの国内マイレージプログラムとは大きく異なる特徴で、コロナ禍のように長期間旅行ができない状況下でも、貯めたマイルが失効する心配がないという点で多くの旅行者から高く評価されているようです。
また、マイレージプラスではマイルの購入が可能という点も注目すべき特徴です。1,000マイルあたり約35米ドル(約5,452円)という価格設定で、必要なマイルが少し足りない場合に購入で補うことができるシステムとなっています。これは、ANAやJALのマイレージプログラムにはない独自のサービスのようです。
スターアライアンスとワンワールドの違い
航空業界には、世界を代表する三つの大型航空連合が存在します。「スターアライアンス」「ワンワールド」「スカイチーム」がそれにあたり、この中でもユナイテッド航空が加盟するスターアライアンスは世界最大規模を誇る航空連合となっているようです。
スターアライアンスには、日本のANAをはじめ、シンガポール航空、アシアナ航空、中国国際航空、エアカナダなど、世界26社の航空会社が加盟しているのが現状のようです。一方、JALが加盟するワンワールドには、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空などが名を連ねています。
この航空連合の仕組みにより、同一アライアンス内ではマイルの相互利用が可能となっているため、ユナイテッド航空のマイルでANA便の特典航空券を発券したり、ANA便の搭乗でユナイテッド航空のマイルを貯めることが可能となっているのです。
ユナイテッドマイルでANA便を利用する驚きのメリット
ここで注目すべきは、ユナイテッド航空のマイルを使ってANA便の特典航空券を発券する場合の条件の良さです。これは多くの旅行愛好者の間で「隠れた裏技」として知られているテクニックのようです。
国内線特典航空券の必要マイル数が圧倒的に少ない
ユナイテッドマイルを使ってANA国内線の特典航空券を発券する場合、片道わずか5,000マイルから利用可能となっているようです。これは、飛行距離が800マイル(約1,287km)以下の区間に適用される料金で、羽田空港を基準に考えると、沖縄県(那覇・石垣・宮古島)以外のほとんどの国内都市がこの条件に該当するのです。
一方、ANAマイレージクラブで同じ区間の特典航空券を発券する場合、シーズンによって必要マイル数が大きく変動し、レギュラーシーズンでは片道6,000~7,500マイル、ハイシーズンでは7,500~9,000マイルが必要となるのが一般的のようです。つまり、年間約290日においてユナイテッドマイルの方がお得に利用できる計算となります。
ブラックアウト日の設定がほとんどない
さらに重要なポイントとして、ユナイテッドマイルを使ったANA特典航空券にはブラックアウト日(利用できない日)の設定が基本的にないという特徴があるようです。これは、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期でも特典航空券を発券できる可能性が高いということを意味しており、計画的な旅行を立てやすいという大きなメリットとなっています。
ANAの自社マイルを使った特典航空券では、これらの繁忙期にブラックアウト日が設定されることが多く、せっかく貯めたマイルが使いたい時期に使えないという状況が発生しがちです。この点において、ユナイテッドマイルの利便性は非常に高いと評価されているようです。
330日前から当日まで予約可能
ユナイテッドマイルを使ったANA特典航空券の予約は、搭乗日の330日前から当日まで可能となっているのも大きな利点のようです。これにより、早期の旅行計画にも、急な出張や思い立った旅行にも対応できる柔軟性を持っています。
また、片道発券が可能という点も見逃せません。往復での利用が前提となることが多い他のマイレージプログラムと比べて、より自由度の高い旅行計画を立てることができるのです。
ユナイテッドマイルの効果的な貯め方
では、このような魅力的なユナイテッドマイルを効率的に貯めるにはどのような方法があるのでしょうか。いくつかの主要な手段をご紹介いたします。
フライト搭乗による直接的なマイル獲得
最も基本的な方法は、ユナイテッド航空およびスターアライアンス加盟航空会社のフライトを利用することです。ユナイテッド航空の日本発着便は、成田国際空港、羽田空港、関西国際空港から運航されており、主にアメリカ西海岸の各都市への路線が充実しているようです。
また、ANA便の利用でもユナイテッドマイルを貯めることが可能で、同じスターアライアンスの恩恵を受けることができます。国内出張が多いビジネスパーソンにとっては、ANA便での移動をユナイテッドマイルプログラムに集約することで、効率的にマイルを蓄積できるのが大きなメリットのようです。
クレジットカードによる日常的なマイル蓄積
日常生活の中でコンスタントにマイルを貯める方法として、ユナイテッド航空と提携したクレジットカードの活用が挙げられます。セゾンカード、JCBカード、MUFGカード、UCカード、ダイナースクラブカードなど、複数の金融機関からマイレージプラス提携カードが発行されているようです。
これらのカードの中でも、MileagePlus セゾンプラチナカードでは1,000円につき15マイル、JCBゴールドカードでは100円につき1.5マイルといった高還元率でマイルを獲得できるのが特徴のようです。年会費との兼ね合いを考慮しながら、個人の利用パターンに最も適したカードを選択することが重要でしょう。
オンラインショッピングモールの活用
ユナイテッド航空が運営する「MileagePlus Shopping Japan」を経由してオンラインショッピングを行うことで、購入金額に応じてマイルを獲得することも可能のようです。1,000円で2マイル程度の基本的な還元率から、特定の加盟店では5,000マイル以上の大幅なボーナスマイルが付与される場合もあるとされています。
レジャー、食品、ファッションなど幅広いカテゴリーの店舗が参加しているため、普段のネットショッピングの際にひと手間加えるだけでマイルを貯められるのは魅力的な制度と言えるでしょう。
マリオットボンヴォイポイントからの移行
宿泊系のポイントプログラムでは、マリオットボンヴォイポイントからユナイテッドマイルへの移行も可能となっているようです。60,000ポイントごとに10,000ボーナスマイルが付与される特典があり、ホテル利用が多い旅行者にとっては効率的なマイル獲得手段となっています。
ユナイテッドマイルの多様な活用方法
ユナイテッドマイルの魅力は、その多様な使い道にもあります。特典航空券以外にも、さまざまな形でマイルを活用できるのが特徴のようです。
国際線特典航空券での活用
ユナイテッド航空の自社便を使った国際線特典航空券では、燃油サーチャージが不要という大きなメリットがあります。特に燃油価格が高騰している現在の状況では、この特典の価値は非常に高いと言えるでしょう。
2024年5月にルール改定があり、必要マイル数に変動が生じているようですが、成田空港からソウル・仁川空港まではエコノミークラス片道5,000マイルから、グアムまでは15,000~30,000マイル、ハワイまでは47,500~65,000マイルで発券可能とされています。
マイルのプレゼント機能
ユナイテッドマイルの特徴的な機能として、家族以外の第三者にもマイルをプレゼントできるシステムがあるようです。これは、ANAやJALでは基本的に「配偶者」「2親等以内の親族」に限定されているマイル譲渡・共有とは大きく異なる制度です。
友人やビジネスパートナーとマイルを融通し合うことで、より柔軟な特典航空券の発券が可能となり、グループ旅行などの計画も立てやすくなるのが利点と言えるでしょう。
マイレージプラス・エクスクルーシブ体験
ユナイテッド航空では、マイルを使って普段では味わえない特別な体験を提供する「マイレージプラス・エクスクルーシブ」というプログラムも運営しているようです。これは、単純な移動手段としての航空券交換を超えた、よりエンターテインメント性の高いマイル活用方法として注目されています。
ユナイテッドマイルの良い点とメリット
ここで改めて、ユナイテッドマイルの良い点とメリットを整理してご紹介いたします。
おすすめポイント①:マイルの有効期限なし
最大のメリットは、マイルに有効期限が設定されていないことです。これにより、コロナ禍のような予期せぬ事態で長期間旅行ができない状況になっても、せっかく貯めたマイルが失効してしまう心配がありません。長期的な視点でコツコツとマイルを蓄積できるのは、忙しい現代人にとって非常に利点の大きいシステムと言えるでしょう。
おすすめポイント②:ANA国内線特典航空券の圧倒的なコストパフォーマンス
前述の通り、ユナイテッドマイルでANA国内線特典航空券を発券する際の必要マイル数の少なさは、他のマイレージプログラムと比較しても群を抜いています。年間約290日でANA自社マイルよりもお得に利用できるという計算は、国内出張や国内旅行が多い方にとって大きなおすすめポイントとなります。
おすすめポイント③:柔軟な予約システム
330日前から当日まで予約可能で、片道発券にも対応し、ブラックアウト日がほとんど設定されていないという柔軟性は、計画的な旅行にも急な予定変更にも対応できる優れた利点です。
おすすめポイント④:マイル購入システム
必要なマイルが少し足りない場合に購入で補えるシステムは、他の国内マイレージプログラムにはない独自のメリットです。特典航空券発券のためにあと数千マイル必要という場面で、この制度の恩恵を実感できるでしょう。
ユナイテッドマイルの悪い点とデメリット
一方で、ユナイテッドマイルには悪い点やデメリットも存在することを正直にお伝えする必要があります。
おすすめしないポイント①:JAL便との連携不可
今回のテーマの核心部分ですが、JAL便でマイルを貯めたり、JAL便の特典航空券を発券したりできないのは明確なデメリットです。JALを主に利用している方や、ワンワールド系の航空会社での旅行が多い方にはおすすめできない制度と言わざるを得ません。
おすすめしないポイント②:国際線特典航空券の必要マイル数増加
2024年5月のルール改定により、国際線特典航空券の必要マイル数が大幅に増加したという報告があります。以前と比較して特典航空券を発券しにくくなったという声も聞かれ、国際線メインで考えている方には欠点となる可能性があります。
おすすめしないポイント③:マイル購入時の為替リスク
マイル購入は米ドル建てで行われるため、円安時期には購入コストが高くなってしまうデメリットがあります。現在のような円安局面では、マイル購入による補完はおすすめしない選択肢となることも考慮すべきでしょう。
おすすめしないポイント④:日本語サポートの限界
アメリカの航空会社であるため、複雑な手続きや問題が発生した際の日本語サポートに限界がある場合があります。言語面での不安を感じる方には欠点となる可能性があります。
どのような方におすすめできるか
これらの分析を踏まえて、ユナイテッドマイルをおすすめしたい方とおすすめできない方をご紹介いたします。
おすすめしたい方
- 国内出張が多いビジネスパーソン:ANA便での移動が多く、効率的に特典航空券を活用したい方
- 長期的にマイルを貯めたい方:有効期限がないため、マイペースでマイル蓄積を行いたい方
- アメリカ方面への渡航が多い方:ユナイテッド航空の充実した路線網を活用できる方
- 柔軟な旅行計画を好む方:片道発券や当日予約にも対応できる制度を求める方
おすすめできない方
- JAL便を主に利用している方:ワンワールド系の航空会社での移動がメインの方
- 国際線特典航空券をメインに考えている方:必要マイル数増加の影響を受けやすい方
- 日本語サポートを重視する方:言語面での不安を感じやすい方
- 為替変動リスクを避けたい方:円安時のマイル購入コスト増加を懸念する方
トラベルライター”TAKA”の独自考察と今後の展望
最後に、長年にわたって航空業界とマイレージプログラムを観察してきた私の個人的な見解をお伝えしたいと思います。
ユナイテッド航空のマイレージプラスは、確かにJALとの直接的な連携はありませんが、これを単純な「デメリット」と捉えるのは早計だと考えています。むしろ、この制約があることで、多くの旅行者が見落としがちな「ANA国内線特典航空券の活用」という隠れた宝石のような価値を持っているのです。
私が特に注目しているのは、今後のポストコロナ時代における旅行パターンの変化です。国際線の利用が制限された期間を通じて、多くの日本人旅行者が国内旅行の魅力を再発見しました。この傾向は今後も継続すると予想され、国内線特典航空券の価値はさらに高まることでしょう。
その文脈において、ユナイテッドマイルによるANA国内線特典航空券の活用は、まさに時代の要請に合った制度と言えます。特に、リモートワークの普及によって「ワーケーション」という新しい働き方が注目される中、平日でも柔軟に特典航空券を利用できるユナイテッドマイルの制度は、新しい旅行スタイルを支える重要なインフラとなる可能性を秘めています。
また、航空業界全体のデジタル化が進む中で、マイル購入システムやオンラインでのマイルプレゼント機能など、ユナイテッド航空の先進的な取り組みは他社にも影響を与えており、業界全体のサービス向上に貢献していると感じています。
さらに、私が個人的に期待しているのは、今後のアライアンス間の競争激化です。現在は「スターアライアンス」「ワンワールド」「スカイチーム」という三つの大きな枠組みで業界が分かれていますが、旅行者の利便性向上という観点から、将来的にはより柔軟な提携関係が生まれる可能性もあります。その際には、ユナイテッドマイルの活用範囲がさらに広がることも期待できるでしょう。
最終的に、「ユナイテッド航空マイレージはJALで使ったり溜めたりできるのか?」という当初の疑問に対する答えは「直接的には不可能」ですが、それ以上に価値のある活用方法が存在するということをお伝えしたいと思います。
旅行は、単なる移動手段ではなく、人生を豊かにする貴重な体験です。マイレージプログラムという制度を上手に活用することで、より多くの人がより豊かな旅行体験を得られることを願っています。そのためには、固定観念にとらわれず、それぞれのプログラムの特徴を正しく理解し、自分のライフスタイルに最も適した活用方法を見つけることが重要だと考えています。
ユナイテッドマイルは、JALとの直接連携こそありませんが、それを補って余りある魅力的な特徴を持つマイレージプログラムです。特に、国内線特典航空券の圧倒的なコストパフォーマンスと柔軟性は、多くの日本人旅行者にとって大きな価値をもたらすことでしょう。
今回の調査を通じて、改めてマイレージプログラムの奥深さと複雑さを実感いたしました。一見シンプルな疑問の背後には、航空業界の複雑な提携関係や、それぞれの企業戦略、そして利用者のニーズという多層的な要素が絡み合っています。これからも、旅行者の皆様がより良い旅行体験を得られるよう、こうした情報の整理と発信を続けてまいりたいと思います。