GLIONグループ(ジーライオングループ)が中之島GATEサウスピアにて、クルーザーが直接アクセス可能な民間桟橋「ビジターバース」の運用を開始
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。今回は、GLIONグループ(ジーライオングループ)が大阪の中之島GATEサウスピアにて、クルーザーが直接アクセス可能な民間桟橋「ビジターバース」の運用を開始した話題について、詳しく調査を行いました。この新しい取り組みが大阪の水上レジャーにもたらす影響や、実際の使い勝手について詳細にお伝えしていきます。
中之島GATEサウスピアのビジターバースは大阪湾岸エリア最注目の新サービス
結論から申し上げると、中之島GATEサウスピアのビジターバースは、大阪都心部への水上アクセスを劇的に改善する画期的なサービスとして期待されています。 2025年9月29日より運用が開始されたこの民間桟橋は、プレジャーボートオーナーにとって非常に魅力的な立地と設備を提供しているようです。
ビジターバースとは、プレジャーボートによる来訪者のための一時係留施設のことを指します。 中之島GATEサウスピアのビジターバースは、大型・中型・小型の幅広い船に対応しており、気軽な立ち寄りから特別なクルーズプランの中継地まで、柔軟に利用できるよう設計されているようです。
この施設の最大の特徴は、大阪都心部へ船で直接アクセスできる立地にあると言われています。 梅田や道頓堀といった大阪中心部へ、陸の渋滞や混雑を避けながら船で直接アクセス可能で、水上から都市を訪れる特別感を味わえる、唯一無二のロケーションとして注目されているようです。
中之島GATEサウスピア誕生の背景と施設概要
中之島GATEサウスピアは、2025年4月6日(日)に大阪市西区川口2丁目54番1地先にオープンした複合施設です。 大阪市内の海と川を結ぶ結節点として、船の乗換ターミナルを核に、レストランや多目的広場などの賑わい施設を備えた施設として整備されました。
GLIONグループとbiid株式会社(ビード)の合弁会社である株式会社中之島GATEが運営を担当しており、 「水の都・大阪」の魅力をさらに高める拠点として位置付けられているようです。施設内には大阪の発展を支えた歴史的価値を保存・活用するため、かつてこの地にあった外国人居留地の様子を再現したジオラマも設置されているとのことです。
敷地面積は約7,900平方メートル(河川区域部分)と広大で、 大阪港開港の地という歴史的意義も兼ね備えた立地となっています。大阪・関西万博の会場である夢洲などの湾岸エリアと、中之島や道頓堀などの市内観光地を結ぶ水上交通のハブとしての機能も期待されているようです。
ビジターバース運用開始の詳細と利用料金キャンペーン
GLIONグループが運用を開始したビジターバースは、都市中心部にありながら、陸路にとらわれず水上から気軽にアクセスできる新しい停泊スポットとして注目されています。 大型・中型・小型の幅広い船に対応しており、レジャー利用はもちろん、ビジネスや観光の移動拠点としても活用が可能とされています。
サービス開始を記念して、2026年3月末まで「利用料割引キャンペーン」が実施されているようです。 これは水都・大阪ならではの魅力を体感できる中之島エリアで、気軽にボートでの寄港を楽しんでもらえる絶好のチャンスとして位置付けられているとのことです。
ビジターバースの運用時間は11:00~21:00とされており、 上記以外の時間をご希望の場合も相談に応じてもらえるようです。予約は1週間前までに必要で、お電話での予約は受け付けていないため、オンラインでの予約が必要とのことです。
運航可否については、前日の17時時点の天気予報をもとに決定され、当日の急な天候変化でも運休となる可能性があります。最終的な運航の可否は船長の判断となるとされています。
大型艇係留桟橋の第1期募集開始
さらに注目すべき点として、中之島GATEサウスピアでは50ft以上の大型艇も係留可能な「係留桟橋」の第1期募集も開始されました。 都市部では珍しいスケール感で、ゆったりとしたバースが用意されているようです。
対象艇種は50ft以上の大型艇対応(最大90ft程度まで)とされており、 サイズに応じたキャンペーン特別価格が設定されています。例えば50ft艇の場合、初年度総額約540万円のところ、キャンペーン価格約391万円で利用できるとのことです。
オーナー特典として、契約期間中1艇につき車1台分の駐車料金無料、 レストラン優先席の確保、オーナー専用VIPルーム優先利用権などの嬉しい特典も用意されているようです。
実際の運用状況と課題について
しかしながら、中之島GATEサウスピアの本来の目的である「海船と川舟との乗換ターミナル」としての機能は、オープン後数ヶ月が経過した現在でも十分に活用されていない状況が報告されています。
特に、当初万博会場と中之島GATEサウスピアを結ぶ予定であった岩谷産業の水素燃料電池船「まほろば」については、「設備的な課題が判明し、安全な運航を行うために運航条件の見直しを行っております」との状況が続いているようです。
また、2025年6月頃にオープン予定とされていたプレジャーボート発着場についても、実際には8月下旬になっても工事が開始される様子がないという報告もあります。 ただし、4基分の浮桟橋を護岸に固定するための金具類は設置されており、計画が没になっていないことは確認されているとのことです。
ビジターバースの良い点とメリット
中之島GATEサウスピアのビジターバースの良い点として、まず立地の素晴らしさが挙げられます。大阪メトロ中央線・千日前線「阿波座駅」より徒歩約10分という陸路でのアクセスの良さに加え、 大阪都心部へ船でダイレクトにアクセスできるという点は他にはない大きなメリットと言えるでしょう。
施設面では、レストラン「フィッシャーマンズワーフ中之島GATE」が併設されており、新鮮な海の幸を和食・洋食・浜焼きバーベキューといった多彩なスタイルで楽しめるとされています。 水辺のテラス席では、昼はカフェ、夜はバーでのリラックスタイムを過ごすことができ、海の景色を眺めながらのんびりと特別な時間を過ごせるようです。
プレジャーボートにとって重要な給水・給電設備も整備されているとの報告があり、 係留中の艇で快適に過ごすために必要な電気と水の供給が受けられる点もメリットとして挙げられます。これにより係留バースでの発電機起動が不要となり、バース周辺の騒音防止にもなるようです。
駐車場も5台分確保されており(うち1台は障がい者用スペース)、 マリーナ利用者の陸上でのアクセスも考慮された設計となっているようです。
悪い点とデメリット、おすすめしない理由
一方で、中之島GATEサウスピアのビジターバースには課題やデメリットも存在します。最も大きな問題は、本来の目的であった船舶交通のハブ機能が十分に発揮されていないことでしょう。
万博会場との定期航路が開設されない状況が続いており、せっかくの立地を活かした水上交通ネットワークが構築されていない点は、大きな欠点と言わざるを得ません。これにより、ビジターバースを利用してもそこから先の移動選択肢が限られてしまう可能性があります。
また、プレジャーボート用の係留施設についても、当初予定されていた6月頃のオープンが大幅に遅れており、 計画の実行力に疑問符が付く状況となっています。これは施設の信頼性の面でマイナス要素と考えられます。
料金体系についても、大型艇の係留料金は年間数百万円規模となっており、 一般的なプレジャーボートオーナーには手が届きにくい価格設定となっている点もデメリットとして挙げられるでしょう。
さらに、利用の際には1週間前までの事前予約が必要で、電話での予約は受け付けていないという制約もあり、 急な利用には対応しにくいという使い勝手の面での課題もあるようです。
おすすめしたい利用者とおすすめできない利用者
これらの特徴を踏まえ、中之島GATEサウスピアのビジターバースをおすすめしたいのは、計画的に大阪都心部を水上からアクセスしたい方々です。特に、50ft以上の大型クルーザーを所有し、十分な予算を持つ富裕層の方には、都市部では珍しい大型艇対応の係留施設として魅力的な選択肢となるでしょう。
また、大阪の水辺で特別な時間を過ごしたいカップルや、記念日の演出を考えている方、プレミアムな接客を重視するビジネス利用の方などにも、併設されたレストランやVIP施設を含めて満足度の高いサービスが期待できそうです。
逆に、おすすめできないのは、コストパフォーマンスを重視する一般的なプレジャーボートオーナーです。年間の係留料金が数百万円規模となる料金体系は、一般的なボート利用者には負担が大きすぎる可能性があります。
また、急な利用や柔軟な対応を求める方にも向いていません。1週間前までの事前予約必須、電話予約不可といった制約は、自由度を求めるボート利用の本来の楽しみを制限する要素となる可能性があります。
さらに、万博会場への定期航路など、水上交通ネットワークの活用を期待していた方にとっては、現状では期待に応えられない状況となっているため、おすすめしにくい状況と言えるでしょう。
トラベルライター”TAKA”の独自考察
私の長年の旅行業界経験から見ると、中之島GATEサウスピアのビジターバース事業は、コンセプトとしては非常に魅力的である一方で、実行面での課題が浮き彫りになっている事例だと感じています。
大阪という水の都の立地を活かし、プレジャーボートによる都心アクセスという新しい観光・移動手段を提供するアイデアは素晴らしいものです。しかし、万博会場との連携船舶の運航遅延や、プレジャーボート係留施設の工事遅延など、計画と実行のギャップが目立つ状況は、利用者の信頼を損なう可能性があります。
特に注目すべきは、料金設定の在り方です。富裕層向けのプレミアムサービスとして位置付けることで差別化を図ろうとする戦略は理解できますが、日本のマリーナ文化の裾野を広げるという観点からは疑問も残ります。大阪湾という恵まれた立地を活かすためには、より幅広い層にアプローチできる料金体系の検討も必要かもしれません。
一方で、GLIONグループの自動車事業で培った顧客サービスのノウハウを海洋レジャー分野に持ち込むという試みは、業界にとって新しい風を吹き込む可能性を秘めています。VIP施設の提供や、レストランとの連携サービスなど、従来のマリーナにはない付加価値の創出は評価に値するでしょう。
今後の展開として期待したいのは、水上タクシー機能の充実です。大阪市内の観光地を結ぶ定期航路や、関西国際空港との海上アクセスなど、観光インフラとしての機能を強化することで、単なる係留施設を超えた価値を提供できる可能性があります。
また、万博終了後の持続可能性も重要な課題です。万博特需に頼らない、地域に根ざした事業モデルの構築が、この施設の真価を問う試金石となるでしょう。大阪の水辺文化の醸成に貢献し、市民に愛される施設として成長していくことを期待しています。
結論として、中之島GATEサウスピアのビジターバースは、大阪の新たな海の玄関口として大きな可能性を秘めた施設である一方で、計画の実行力や料金体系の妥当性など、改善すべき課題も抱えている状況と言えるでしょう。利用を検討される際は、これらの現状を十分に理解した上で、ご自身のニーズと照らし合わせて判断されることをおすすめします。