合同会社DMM.comが新たに提供する「DMM旅行予約」とは? 仕組みや特徴などHOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。2025年10月31日に本格提供を開始したばかりの合同会社DMM.comが提供する旅行予約サイト「DMM旅行予約」について、ネット上のさまざまな情報を徹底的にリサーチし、その実態に迫ってみたいと思います。DMMといえば動画配信や電子書籍、オンライン英会話など多岐にわたるサービスを展開する大手企業ですが、旅行予約の分野ではどのようなサービスを展開しているのでしょうか。

DMM旅行予約とは?サービスの概要

まず結論から申し上げますと、DMM旅行予約は「旅行の準備ぜんぶここで。」をコンセプトに掲げ、ホテル・航空券・レンタカー・eSIMをまとめて手配できる旅行予約サイトのようです。2025年10月31日に本格提供を開始したばかりの新しいサービスで、ビジネスからレジャーまで、国内外を問わず幅広い旅のスタイルに対応しているとのことです。

この結論に至った背景として、DMM.comの旅行事業には実は複数の段階があったことが挙げられます。2018年には「DMM TRAVEL」という名称で旅行事業への参入が発表されており、当初は「学びを、キャリアを加速する。」をテーマに、海外視察やスタディツアーなど、ビジネスに特化した旅行商品を中心に展開していたようです。

そして2025年、DMM.comは「DMM Lifestyle」という新しい事業領域の一環として「DMM旅行予約」を正式にスタートさせました。この新サービスは、従来のビジネス特化型から大きく舵を切り、一般旅行者にも利用しやすい総合的な旅行予約プラットフォームへと進化を遂げているようです。

グローバル旅行サービスプロバイダーTrip.comとの提携

DMM旅行予約の最大の特徴は、グローバルオンライン旅行サービスプロバイダー「Trip.com(トリップドットコム)」とのシステム連携を実現している点だと言われています。

Trip.comは世界39の国と地域に広がるネットワークを持ち、約150万軒の宿泊施設データと640以上の航空会社を網羅する大手OTA(オンライン・トラベル・エージェント)です。この連携により、DMM旅行予約からTrip.comの世界規模の宿泊施設や航空券を検索・予約できるようになったとのことです。

Trip.comは中国・上海市に本拠地を置く企業で、世界会員数が4億人を超える世界最大級の旅行予約サイトと言われています。もともとは中国国内を中心に事業展開していましたが、現在では売上高がブッキングホールディングス・Expediaに次ぐ世界第三位の超大企業に成長しているそうです。

つまり、DMM旅行予約を利用すると、実質的にはTrip.comの膨大な在庫と予約システムを活用できるということになるようです。これは旅行者にとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。

DMM旅行予約で予約できるもの

DMM旅行予約では、以下の旅行商品が予約できるとされています。

ホテル予約:国内外のホテル・宿泊施設の検索・予約が可能です。Trip.comの約150万軒の宿泊施設データにアクセスできるため、選択肢は非常に豊富と言われています。

航空券予約:国内外の航空券を検索・予約できます。Trip.comが提携する640以上の航空会社のフライトから選択できるようです。

レンタカー予約:旅行先でのレンタカー手配も可能とのことです。

eSIM:海外旅行時に便利なeSIMの購入もできるようです。これはDMMモバイル Plusの各種eSIMを利用できる仕組みで、旅行先でも安定した通信環境を確保できるとされています。

これらをワンストップで予約できる点が、DMM旅行予約の利便性の高さを示していると言えるでしょう。

ビジネス・レジャー双方に対応

DMM旅行予約の特徴として、ビジネス出張者にも観光旅行者にも対応している点が挙げられます。

ビジネス利用では、東京・新大阪・名古屋など主要都市の駅周辺ホテルを特集し、ビジネス出張者にも便利な構成になっているようです。一方、レジャー利用では、東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど観光需要に応える特集も掲載されているとのことです。

このように幅広い旅行ニーズに対応することで、DMM.comは会員基盤(約5,000万人以上と言われています)を活用し、より多くのユーザーにサービスを提供しようとしているようです。

料金とお得なポイント還元システム

旅行予約サイトを選ぶ際、多くの方が気になるのが料金の安さやポイント還元率だと思います。DMM旅行予約の料金体系について、ネット上の情報を調べてみました。

ホテル予約は「いつでも4%OFF」

DMM旅行予約の大きな魅力として、ホテル予約が「いつでも、何度でも、ずーっと4%OFF」になるという点が挙げられています。これは非常に魅力的な割引率と言えるのではないでしょうか。

たとえば、1泊2万円のホテルを予約した場合、4%OFFであれば800円の割引となります。家族旅行などで複数室を予約する場合や、連泊する場合には、この割引額はさらに大きくなりますので、旅行費用の節約につながることが期待できそうです。

DMM会員向けのポイント還元特典

DMM旅行予約では、DMM会員向けのポイント還元や特典キャンペーンも展開予定とされています。

DMMのサービス全体で共通して利用できる「DMMポイント」は、1ポイント=1円として様々なサービスで利用可能です。DMM.comでは定期的に大規模なポイント還元キャンペーンを実施しており、過去には「DMMポイント大還元祭」で最大50倍のポイント還元を行ったこともあるようです。

DMM旅行予約でも、今後同様のキャンペーンが展開される可能性があると考えられます。

DMMサービスとの横断的な特典

DMM旅行予約の興味深い点は、DMMグループの他のサービスとの連携による特典が用意されている点です。

具体的には、「DMM光 Plus」や「DMMモバイル Plus」の契約者を対象とした旅行割引やキャンペーンなどが提供されるとのことです。これにより、DMM会員が日常的におトクにサービスを利用できる仕組みを強化しているようです。

たとえば、DMM光 PlusとDMMプレミアムの同時契約で、特定期間DMMポイントが付与されるキャンペーンなどが過去に実施されており、同様の仕組みが旅行予約にも適用される可能性があるでしょう。

このように、DMMのエコシステム全体を利用することで、より多くの特典を受けられる設計になっているようです。

支払い方法について

旅行予約サイトを利用する際、支払い方法の選択肢が豊富かどうかも重要なポイントです。DMM旅行予約の支払い方法について調べてみました。

DMM.comのサービス全般では、以下のような支払い方法が利用できるようです。

クレジットカード:VISA、JCB、AMERICAN EXPRESS、DINERSのロゴマークがついた各種クレジットカードが利用可能とされています。一部のDMMサービスではMastercardも利用できるようです。

DMMポイント:貯めたDMMポイントでの支払いも可能なようです。

PayPay:一部のサービスではPayPayでの支払いにも対応しているとのことです。

その他の電子決済:PayPal、コンビニ払い、キャリア決済、Apple Pay、Google Payなども利用できる場合があるようです。

DMM旅行予約の具体的な支払い方法については、公式サイトに詳細な情報が掲載されていない部分もありますが、DMMの他のサービスと同様に、主要なクレジットカードやDMMポイントでの支払いには対応していると考えられます。

DMMカードの活用

DMM.comは、ポケットカード株式会社との提携により「DMMカード」という会員専用クレジットカードを発行しています。

DMMカードの特徴は以下の通りです。

  • 入会金・年会費永年無料
  • DMM サイト内での利用で4%、DMM サイト外では1%をDMMポイントで還元
  • JCBブランド
  • 旅行関連の優待サービスあり

特に注目すべきは、ポケットカードトラベルセンターでの人気旅行パッケージツアーがDMMカードの利用で最大8%割引になる点や、全国の提携レンタカー会社での優待料金、海外サポートサービスなどの特典がある点です。

DMM旅行予約でDMMカードを使用すれば、基本の4%OFFに加えてDMMポイントも4%還元される可能性があり、実質的に8%程度お得になる計算になるかもしれません。これは旅行好きにとって見逃せないメリットと言えるでしょう。

DMM旅行予約のメリット

ネット上の情報を総合すると、DMM旅行予約には以下のようなメリットがあると考えられます。

良い点1:旅行準備をワンストップで完結できる

DMM旅行予約の最大のメリットは、ホテル・航空券・レンタカー・eSIMなど、旅行に必要なものをまとめて手配できる点だと言われています。

従来、旅行の準備をする際には、航空券は航空会社や航空券比較サイトで、ホテルは宿泊予約サイトで、レンタカーはレンタカー会社で、といったように複数のサイトを行き来する必要がありました。しかし、DMM旅行予約ならこれらを一つのサイトで完結できるため、時間と手間を大幅に削減できるようです。

特に、海外旅行の際にはeSIMの手配も重要ですが、これも同時に購入できる点は非常に便利だと思います。

良い点2:Trip.comの膨大な在庫を利用できる

DMM旅行予約がTrip.comとシステム連携していることで、約150万軒の宿泊施設と640以上の航空会社のフライトにアクセスできるようです。

これは他の旅行予約サイトと比較しても非常に豊富な選択肢と言えます。特に、Trip.comは中国を中心としたアジア地域の宿泊施設に強いと言われているため、アジア旅行を計画している方には特におすすめできるのではないでしょうか。

良い点3:ホテル予約が常時4%OFF

前述の通り、DMM旅行予約ではホテル予約が「いつでも、何度でも、ずーっと4%OFF」になるとされています。

多くの旅行予約サイトでは、期間限定のキャンペーンやクーポン配布によって割引が適用されますが、DMM旅行予約は常時4%OFFという明確な割引率を提示している点が魅力的です。これにより、キャンペーン期間を気にすることなく、いつでもお得に予約できるというメリットがあります。

利点4:DMMのエコシステムとの連携

DMM.comは動画配信、電子書籍、オンライン英会話、光回線、モバイル通信など、60以上のサービスを展開しています。会員数は5,000万人を超えると言われており、これらのサービス間でポイントや特典が共通して利用できる「ライフスタイル経済圏」の構築を目指しているようです。

DMM旅行予約もこのエコシステムの一部として位置づけられており、DMM光 PlusやDMMモバイル Plusなどの契約者には特別な割引やキャンペーンが提供される予定とのことです。

すでにDMMの他のサービスを利用している方にとっては、相乗効果でさらにお得になる可能性が高いと言えるでしょう。

おすすめポイント5:通信と旅行の新しいスタンダード

DMM旅行予約の独自の強みとして、「通信×旅行」という新しい価値提案があるようです。

DMMモバイル Plusの各種eSIMを旅行予約と同時に購入できることで、旅行先でも安定した通信環境を確保できるとされています。海外旅行の際、現地のSIMカードを探したりポケットWi-Fiをレンタルしたりする手間が省けるため、これは非常に便利な機能だと思います。

特に、2025年3月からはAIR-Uが提供する「AIR-eSIM for global」という海外対応eSIMサービスも開始されており、世界58カ国以上のエリアに対応しているようです。SIMカードを差し替える必要がなく、スマートフォンで二次元コードを読み取るだけで、手軽に海外での通信を利用できる点は大きなメリットでしょう。

DMM旅行予約のデメリット

一方で、DMM旅行予約には以下のようなデメリットや注意点もあると考えられます。

悪い点1:サービス開始直後で情報が少ない

DMM旅行予約は2025年10月31日に本格提供を開始したばかりの新しいサービスです。そのため、実際の利用者の口コミや評判がまだ少なく、サービスの品質や使い勝手について判断材料が限られているという欠点があります。

旅行予約サイトの場合、予約から実際の旅行、そしてアフターサービスまで含めた総合的な評価が重要ですが、DMM旅行予約についてはこれらの実績がまだ蓄積されていない状況と言えます。

欠点2:Trip.comの評判に左右される可能性

DMM旅行予約はTrip.comとシステム連携しているため、実質的にはTrip.comの予約システムを利用することになるようです。

Trip.comについては、ネット上で「やばい」「怪しい」といった否定的な評判も一部見られます。これらの評判の多くは、海外の企業であることや、驚くほど格安で販売されていることへの不安から来ているようです。

しかし、実際にTrip.comを利用した人の多くは「特に問題なく予約できた」「他のサイトと比べて安い」といった肯定的な評価をしているようです。Trip.comは世界第三位の超大企業であり、全世界会員数は4億人以上、日本法人も設立されて旅行業協会にも加盟しているため、信頼性は高いと考えられます。

それでも、Trip.comで予約した際のトラブル事例として、「現地で予約が取れていないと言われた」「キャンセルや変更の対応が遅い」といった口コミも散見されます。DMM旅行予約を利用する際も、これらのリスクがゼロではないことは認識しておく必要があるでしょう。

デメリット3:国内ホテルは料金が高い傾向の可能性

Trip.comの特徴として、中国をはじめとした海外の宿泊施設には強い一方、日本国内のホテルについては他の予約サイトと比べて料金が高い傾向にあるという指摘があります。

DMM旅行予約でも同様の傾向がある可能性があり、国内旅行を計画している場合は、他の予約サイトと料金を比較してから予約することをおすすめします。

おすすめしない点4:キャンセルポリシーの確認が重要

旅行予約サイトを利用する際、キャンセルポリシーの確認は非常に重要です。DMM旅行予約の具体的なキャンセルポリシーについては公式サイトで確認する必要がありますが、一般的に格安料金のプランは返金不可やキャンセル料が高い傾向にあるようです。

Trip.comでは予約画面にキャンセルが無料の期間や発生時期、それに伴うキャンセル料、払い戻し不可になる時期が記載されているようですので、DMM旅行予約でも同様の情報が提供されると思われます。予約前に必ず確認することが大切でしょう。

おすすめしたい方・おすすめできない方

これまでの情報を総合すると、DMM旅行予約は以下のような方におすすめできると考えられます。

おすすめしたい方

DMMの他のサービスを利用している方:DMM光 PlusやDMMモバイル Plus、DMMプレミアムなど、DMMの他のサービスをすでに利用している方は、相乗効果でさらにお得に旅行できる可能性があります。

旅行準備を効率化したい方:ホテル・航空券・レンタカー・eSIMをワンストップで予約できるため、複数のサイトを行き来する手間を省きたい方に向いています。

海外旅行、特にアジア方面に行く方:Trip.comはアジア地域の宿泊施設に強いと言われているため、アジア旅行を計画している方には選択肢が豊富でおすすめです。

ビジネス出張が多い方:主要都市の駅周辺ホテル特集など、ビジネス利用にも対応しているため、出張が多い方にも便利です。

お得に旅行したい方:ホテル予約が常時4%OFFになるため、少しでも旅行費用を節約したい方にメリットがあります。

おすすめできない方

実績のあるサービスを重視する方:DMM旅行予約はサービス開始直後で利用者の口コミや実績が少ないため、確立された評判のあるサービスを利用したい方には向かないかもしれません。

国内旅行がメインの方:Trip.comは国内ホテルの料金が他のサイトより高い傾向にあるという指摘があるため、国内旅行がメインの方は他の予約サイトと比較検討することをおすすめします。

きめ細かいカスタマーサポートを求める方:Trip.comのカスタマーサポートについては「雑なことがある」という指摘もあるようです。トラブル時に丁寧なサポートを期待する方は、日本の大手旅行会社のサービスの方が安心かもしれません。

Q&A:DMM旅行予約についてよくある質問

Q1:DMM旅行予約は安全に利用できますか?

A1:DMM旅行予約は合同会社DMM.comが運営するサービスで、DMM.comは1998年創業、会員数5,000万人を超える大手企業です。また、提携先のTrip.comも世界第三位の旅行予約サイトであり、日本法人も設立されています。これらの点から、サービスの信頼性は高いと考えられます。

ただし、サービス開始直後のため、実際の利用者の評判や口コミがまだ少ない状況です。予約の際は、キャンセルポリシーや利用規約をよく確認し、不明な点があればカスタマーサポートに問い合わせることをおすすめします。

Q2:予約後にキャンセルや変更はできますか?

A2:予約のキャンセルや変更の可否は、予約したプランや宿泊施設によって異なると考えられます。一般的に、格安のプランは返金不可やキャンセル料が高い傾向にあります。

予約画面では、キャンセルが無料の期間や発生時期、それに伴うキャンセル料などが記載されているはずですので、予約前に必ず確認することが重要です。また、予約後のキャンセルや変更手続きについては、公式サイトのマイページやカスタマーサポートから行えると思われます。

Q3:DMMポイントは旅行予約で使えますか?

A3:DMM旅行予約でDMMポイントが利用できるかどうかについては、公式サイトで確認する必要があります。DMMの他のサービスではDMMポイントでの支払いが可能なものが多いため、DMM旅行予約でも利用できる可能性は高いと考えられます。

また、旅行予約で獲得したポイントは、DMM.comやDMM GAMESの各サービス(一部除く)で利用できるようです。

Q4:海外旅行でトラブルが発生した場合、どこに連絡すればよいですか?

A4:DMM旅行予約はTrip.comとシステム連携しているため、カスタマーサポートの体制もTrip.comのものが適用される可能性があります。Trip.comは日本に東京・田町にカスタマーサポートセンターがあり、24時間年中無休で対応しているとされています。

ただし、具体的な連絡先や対応方法については、予約確認メールや公式サイトで確認することをおすすめします。また、出発前に緊急連絡先を控えておくことも重要です。

Q5:DMM旅行予約とDMM TRAVELは同じサービスですか?

A5:DMM旅行予約とDMM TRAVELは異なるサービスと考えられます。DMM TRAVELは2018年に開始された、主に海外視察やスタディツアーなどビジネスに特化した旅行商品を販売するサービスでした。

一方、DMM旅行予約は2025年10月に開始された、一般旅行者も利用しやすい総合的な旅行予約プラットフォームです。コンセプトやターゲット層が大きく異なるため、別のサービスとして展開されているようです。

トラベルライターTAKAの考察と意見

ここまでDMM旅行予約についてネット上の情報を徹底的にリサーチし、サービスの概要、メリット・デメリット、おすすめできる方などを解説してきました。最後に、トラベルライターとしての私の独自の視点から、DMM旅行予約の可能性と今後の展望について考察してみたいと思います。

DMMのライフスタイル経済圏構想の一翼を担う存在

DMM旅行予約を語る上で欠かせないのが、DMM.comが目指す「ライフスタイル経済圏」という壮大な構想です。DMM.comは動画配信、電子書籍、オンライン英会話、光回線、モバイル通信、クレジットカードなど、生活のあらゆる場面に関わるサービスを展開しており、これらを連携させることで、ユーザーに包括的な価値を提供しようとしているようです。

旅行は、日常生活の延長線上にありながら、非日常を楽しむ特別な時間です。DMM.comが「日常をより便利に、非日常をより楽しく」というビジョンを掲げている点は、まさに旅行サービスに最適な理念だと言えるのではないでしょうか。

たとえば、DMMプレミアムで映画やアニメを楽しみ、DMM英会話で語学力を磨き、DMM光とDMMモバイルで快適な通信環境を整え、そしてDMM旅行予約で実際に旅に出る。旅行先ではDMMモバイルのeSIMで通信し、帰国後はDMMブックスで旅行ガイドを読み返す。こうした一連の流れがすべてDMMのサービス内で完結し、それぞれでポイントが貯まり、相互に利用できる。これは理想的なエコシステムと言えるでしょう。

しかし、このような統合型サービスには課題もあります。それは、個々のサービスの品質がエコシステム全体の評価に直結するという点です。DMM旅行予約が成功するためには、単に「DMMのサービスだから使う」というだけではなく、「旅行予約サイトとして優れているからDMM旅行予約を選ぶ」という評価を獲得する必要があるでしょう。

Trip.comとの提携が持つ可能性とリスク

DMM旅行予約の最大の特徴は、世界第三位の旅行予約サイトであるTrip.comとのシステム連携です。この提携は、DMM.comにとって非常に戦略的な判断だったと考えられます。

旅行業界は、航空会社や宿泊施設との契約、在庫管理システムの構築、多言語対応、24時間カスタマーサポートなど、参入障壁が非常に高い業界です。一から旅行予約システムを構築するには莫大な時間とコストがかかります。Trip.comと提携することで、DMM.comはこれらのハードルを一気に乗り越え、スピーディーに質の高いサービスを提供できるようになったと言えるでしょう。

特に、Trip.comが持つ約150万軒の宿泊施設と640以上の航空会社のネットワークは、他の日本の旅行予約サイトと比較しても遜色ないレベルです。さらに、Trip.comはアジア地域、特に中国の宿泊施設に強みを持っているため、今後インバウンド需要が回復し、日本から中国や東南アジアへの旅行が増える際には、大きなアドバンテージになる可能性があります。

一方で、Trip.comとの提携にはリスクも存在します。それは、DMM旅行予約の評判がTrip.comの評判に左右されてしまうという点です。Trip.comについては「やばい」「怪しい」といった否定的な評判も一部存在し、カスタマーサポートの対応が雑だったという口コミも見られます。

DMM.comとしては、Trip.comの技術やネットワークを活用しながらも、DMM独自のカスタマーサポートや付加価値サービスを提供することで、Trip.comとは差別化された「DMM旅行予約ならではの体験」を創出する必要があるでしょう。

「通信×旅行」という新しい価値提案の可能性

私が特に注目しているのが、DMM旅行予約が提唱する「通信×旅行」という新しい価値提案です。

海外旅行において、スマートフォンでの通信環境の確保は非常に重要です。現地のSIMカードを購入したり、ポケットWi-Fiをレンタルしたりする手間は、旅行者にとって大きなストレスとなります。特に、言葉が通じない国でSIMカードを購入するのは、旅慣れた人でも不安を感じるものです。

DMM旅行予約では、eSIMを旅行予約と同時に購入できるため、この問題を解決できる可能性があります。eSIMは物理的なSIMカードの差し替えが不要で、スマートフォンで二次元コードを読み取るだけで利用できるため、非常に便利です。

さらに、DMMは2025年3月から「AIR-eSIM for global」という海外対応eSIMサービスを開始しており、世界58カ国以上のエリアに対応しているようです。この安定した通信環境があれば、旅行先での地図アプリの利用、レストランの検索、SNSへの投稿など、旅行体験がより豊かになるでしょう。

ただし、このサービスが成功するためには、eSIMの価格競争力と品質が重要になります。他社のeSIMサービスと比較して、価格が高かったり、通信速度が遅かったりすれば、ユーザーは別のサービスを選ぶでしょう。DMM.comには、通信事業で培ったノウハウを活かし、競争力のあるeSIMサービスを提供することが期待されます。

今後の課題:ユーザー体験の向上とブランド確立

DMM旅行予約が今後成功するためには、いくつかの課題を克服する必要があると考えます。

まず第一に、ユーザー体験の向上です。旅行予約サイトにおいて最も重要なのは、予約のしやすさ、価格の透明性、そして何かトラブルが発生した際のサポート体制です。DMM旅行予約は、Trip.comのシステムを利用しているため、予約画面の使いやすさや情報の分かりやすさはTrip.comに準じたものになると思われます。しかし、日本のユーザーにとって最適化されたインターフェースや、日本語でのきめ細かいサポートがあれば、さらに評価は高まるでしょう。

第二に、ブランドの確立です。日本の旅行予約市場には、楽天トラベル、じゃらん、一休.com、Yahoo!トラベルなど、確立されたブランドが多数存在します。これらの競合に対して、DMM旅行予約がどのような独自の価値を提供できるかが、成功の鍵を握ると言えます。

私は、DMMのエコシステムを最大限に活用した「総合的なライフスタイル提案」が、DMM旅行予約の最大の差別化ポイントになると考えています。単なる旅行予約サイトではなく、日常生活から旅行、そして旅行後のアフターケアまで含めた包括的なサービスを提供することで、他社にはない独自のポジションを確立できる可能性があります。

最後に:新しい旅行体験への期待

DMM旅行予約は、まだ始まったばかりのサービスです。そのため、現時点では評価が定まっておらず、利用を躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、新しいサービスには新しい可能性があります。

DMM.comは、これまでも様々な分野で既存の常識を覆すようなサービスを提供してきました。オンライン英会話のDMM英会話は、24時間365日レッスンが受けられる仕組みと圧倒的な価格競争力で、英語学習の在り方を変えました。DMMプレミアムは、月額550円で動画見放題やマンガ読み放題を提供し、エンタメ消費のスタイルを変えつつあります。

同様に、DMM旅行予約も、「通信×旅行」という新しい価値提案や、DMMのライフスタイル経済圏との連携によって、旅行の在り方に新しい風を吹き込む可能性を秘めていると私は考えます。

特に、DMMの会員基盤は5,000万人を超えており、そのうちの一部でもDMM旅行予約を利用すれば、大きな市場を形成できるでしょう。また、DMMポイントを活用したお得なキャンペーンや、他のDMMサービスとの連携による特典など、DMM会員ならではのメリットも今後増えていくことが期待されます。

もちろん、新しいサービスには未知のリスクもあります。サービスの品質、カスタマーサポートの対応、トラブル時の解決力など、実際に使ってみなければわからない部分も多いでしょう。しかし、それは他のどの旅行予約サイトでも同じことが言えます。

私個人としては、DMM旅行予約が今後どのように進化し、日本の旅行市場にどのような影響を与えるのか、非常に興味深く見守っていきたいと思います。旅行好きの一人として、より便利で、よりお得で、より楽しい旅行体験を提供してくれるサービスが増えることは、大歓迎です。

DMM旅行予約を利用するかどうかは、皆さん自身が判断することです。しかし、少なくとも選択肢の一つとして検討する価値は十分にあると、私は考えています。旅行は人生を豊かにする素晴らしい体験です。その体験をより良いものにするために、新しいサービスにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

皆さんの次の旅が、素晴らしいものになることを心から願っています。