サンフロンティアホテルマネジメント株式会社の新しいホテルブランド「日和テラス(HIYORI TERRACE)」とは? 評判や口コミからHOTTELの記者がわかりやすく解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。東証プライム上場のサンフロンティア不動産グループが運営するサンフロンティアホテルマネジメント株式会社が2025年10月に発表した新しいホテルブランド「日和テラス(HIYORI TERRACE)」について、ネットの情報を徹底的にリサーチし、その全貌と真相に迫ります。
結論:日和テラスは日和ホテルよりワンランク上のアッパークラスリゾートブランド
まず結論から申し上げますと、日和テラス(HIYORI TERRACE)は、サンフロンティアホテルマネジメントが展開する既存の「日和ホテル」ブランドよりもワンランク上の上質さを備えた、新しいアッパークラスのリゾートホテルブランドと言われています。
「温泉リゾート」のようなプレミアムリゾートの贅沢を日常感覚で楽しめることをコンセプトとしており、「気軽なリゾートステイ」をテーマに掲げているようです。第1号店として「日和テラス軽井沢Spa&Resort」が2028年3月に長野県軽井沢町で開業予定と発表されています。
日和テラスブランド誕生の背景と位置づけ
サンフロンティアホテルグループのブランド戦略
サンフロンティアホテルマネジメントは現在、複数のホテルブランドを展開していると言われています。主なブランドは以下のように分類されるようです。
- 日和ホテル:旗艦ブランドで「心温かい楽しいホテル」をコンセプトとするシティホテル系列
- たびのホテル:地域創生型の宿泊特化型ホテル
- 日和ステイ:アパートメントホテルで長期滞在向け
- 温泉&リゾート系列:HIYORIオーシャンリゾート沖縄などの高級リゾート
- オリジナルコレクション:個性的なホテル群
今回発表された「日和テラス」は、この中でも日和ホテルよりも上位に位置するアッパークラスのブランドとして誕生したようです。温泉やスパ施設を備えたプレミアムリゾートという位置づけであり、既存の日和ホテルが主に都市型ホテルであったのに対し、日和テラスは本格的なリゾート需要に応えるブランドと言えるでしょう。
なぜ今、新ブランドなのか
サンフロンティアホテルマネジメントは「心温かい楽しいホテル」をテーマに、2017年の日和ホテル舞浜の開業以来、着実にブランドを成長させてきたと言われています。海外大手宿泊予約サイトの口コミ評価でも10点満点中9.1点以上の高評価を獲得するなど、顧客満足度の高さで知られているようです。
そうした実績を背景に、より上質で高価格帯のリゾート市場への参入を図るため、既存の「日和」ブランドとは区別した新ブランド「日和テラス」を立ち上げたものと考えられます。アッパークラスという明確な位置づけにより、多様な顧客ニーズに対応しながら、ブランド価値の向上を図る戦略と言えるでしょう。
日和テラス軽井沢Spa&Resortの詳細
立地とアクセスの良さ
日和テラス軽井沢Spa&Resortは、長野県軽井沢町の国道18号バイパスとプリンス通りの交差点に隣接する好立地に建設されるようです。
アクセス面では以下のような利便性があると言われています。
- 上信越自動車道・碓氷軽井沢インターチェンジから車で約10分
- 軽井沢駅まで約8分
- 旧軽井沢へも約10分
- 東京から新幹線で約70分
交通の便が良い一方で、木立に包まれた穏やかな自然環境に佇むという、利便性と静謐さを兼ね備えた立地のようです。年間800万人以上が訪れる人気観光地・軽井沢において、観光やショッピング、ゴルフ、スキーなどアクティビティの拠点として最適な位置と言われています。
施設の特徴と設備
日和テラス軽井沢Spa&Resortの主な特徴として、以下の施設が計画されているようです。
1. 森の息づかいを感じる、テラス付きのロビーラウンジ
自然と調和したテラス空間で、リゾート感を演出するロビーラウンジが設置されるようです。
2. 軽井沢の自然と調和する、くつろぎの客室
客室の詳細は現時点では明らかにされていませんが、軽井沢の四季折々の自然を感じられる設計となる見込みのようです。
3. 浅間山を望む大浴場で、身も心もリフレッシュ
日和テラスの大きな特徴として、温泉・スパ施設が挙げられます。浅間山の眺望を楽しみながら入浴できる大浴場が設けられるようで、これが「Spa&Resort」というブランド名に反映されていると考えられます。
サンフロンティアホテルグループのホテルは、基本的に大浴場を完備することを特徴としていますが、日和テラスではそれがより上質なスパ体験として提供されるものと推測されます。
客室数と規模
現時点で公開されている情報によると、日和テラス軽井沢Spa&Resortの客室数は548室とされています。これは軽井沢エリアにおいてサンフロンティアグループ初の出店となる大規模なリゾートホテルのようです。
ただし、2028年3月の開業予定まで約3年以上あることから、今後の設計の進展により詳細が変更される可能性もあると言われています。
日和ホテルとの違いを徹底比較
ブランドグレードの違い
日和テラスと既存の日和ホテルの最も大きな違いは、ブランドグレードにあるようです。
日和ホテルは「心温かい楽しいホテル」をコンセプトに、女性の声を反映して誕生したブランドと言われています。比較的手頃な価格帯で、都市部を中心に展開されており、以下のような特徴があるようです。
- シモンズ製ベッドを全室採用
- 琉球畳を使用した和の寛ぎ空間
- ハッピープレゼント(アメニティの選択制)
- 日和だし茶漬けの無料サービス(21:30~23:00)
- トワイライトバー(無料のドリンクサービス)
- POLAアロマエッセゴールドシリーズのアメニティ
一方、日和テラスは「日和ホテルよりもワンランク上の上質さを備えたアッパークラス」として位置づけられています。温泉リゾートのようなプレミアムリゾートの贅沢を日常感覚で楽しめることを目指しているようです。
想定される価格帯の違い
具体的な宿泊料金はまだ発表されていませんが、アッパークラスという位置づけから、日和ホテルよりも高価格帯になると予想されます。
参考までに、既存の日和ホテルの料金は以下のような範囲と言われています。
- 日和ホテル舞浜:1泊朝食付で1名10,000円~12,000円程度
- 日和ホテル大阪なんば駅前:1泊朝食付で1名10,000円~15,000円程度
日和テラスは温泉・スパ施設を備えた本格的なリゾートホテルであることから、1泊2食付で1名20,000円~30,000円以上の価格帯になる可能性があると推測されます。ただし、「日常感覚で楽しめる」というコンセプトから、高級旅館ほど敷居の高いものではなく、比較的手が届きやすい価格設定になるのではないかと考えられます。
ターゲット層の違い
日和ホテルは、東京ディズニーリゾート周辺や大阪なんば、京都など都市部を中心に展開しており、観光客やビジネス客、ファミリー層など幅広い層をターゲットとしているようです。
日和テラスは、軽井沢という日本を代表するリゾート地に立地することから、以下のような層をターゲットとしていると考えられます。
- 上質なリゾート体験を求めるカップルや夫婦
- 温泉やスパでリフレッシュしたいミドル~シニア層
- ワンランク上のファミリー旅行を楽しみたい家族連れ
- ゆったりとした滞在を求める長期休暇客
サービス内容の違い
日和ホテルで提供されている特徴的なサービスには以下のようなものがあります。
- ハッピープレゼント:宿泊者全員が入浴剤、フェイスパック、アロマシート、おもちゃなど十数種類から2点選べるサービス
- 日和だし茶漬け:21:30~23:00に無料で提供される料理長お手製のだし茶漬け
- トワイライトバー:17:00~21:00にドリンクが無料で楽しめるサービス
- 枕バー:好みの枕を選べるサービス
日和テラスでは、これらのカジュアルなサービスに加えて、より上質なスパトリートメントやリゾートならではの体験型サービスが提供される可能性があります。例えば、温泉後のリラクゼーションラウンジ、季節のアクティビティプログラム、地元食材を使った本格的なレストランなど、プレミアムな付加価値が期待されます。
日和テラスのメリット(良い点)
メリット①:ワンランク上のリゾート体験
日和テラス最大のメリットは、日和ホテルブランドで培われた「心温かいおもてなし」を基盤としながら、より上質なリゾート体験を提供してくれる点にあると言われています。
サンフロンティアホテルグループは、従業員教育に力を入れており、「顧客リピーター率70%」という高い実績を誇るようです。この温かいホスピタリティに、本格的な温泉・スパ施設、浅間山の眺望、軽井沢の自然環境という要素が加わることで、心身ともに満たされる滞在が期待できるでしょう。
メリット②:軽井沢という立地の魅力
軽井沢は、明治時代から避暑地として発展してきた日本を代表するリゾート地と言われています。四季折々の自然美、洗練された街並み、グルメやショッピング、芸術文化など、多彩な魅力に溢れた場所のようです。
東京から新幹線で約70分というアクセスの良さも大きな利点です。週末の小旅行や連休の滞在先として、気軽に訪れることができるでしょう。また、観光スポットへのアクセスも良好で、旧軽井沢、軽井沢プリンスショッピングプラザ、白糸の滝、雲場池など、様々な名所を効率的に巡ることができると考えられます。
メリット③:日常から離れた非日常体験
「気軽なリゾートステイ」というコンセプトは、日常を忘れてリフレッシュしたいという現代人のニーズに応えるものと言えるでしょう。
浅間山を望む大浴場での温浴、森の息づかいを感じるテラス、軽井沢の自然に包まれた客室など、五感で感じる非日常体験が、心身のリフレッシュに繋がると期待されます。特に、都市生活で疲れた心と体を癒すには最適な環境と言えるのではないでしょうか。
メリット④:サンフロンティアブランドの信頼性
サンフロンティアホテルマネジメントは、海外大手宿泊予約サイトで高評価を獲得しており、顧客満足度の高さで知られているようです。また、東証プライム上場企業のグループ会社という安定性も持ち合わせています。
日和ホテルで実績を積んだノウハウが、日和テラスにも活かされることで、サービス品質の高さが期待できると言われています。新ブランドであっても、一定の信頼性を持ったホテルになる可能性が高いでしょう。
メリット⑤:2028年開業の最新施設
2028年3月の開業予定ということは、最新の設備やデザインが取り入れられた施設になると考えられます。近年のホテルトレンドである、環境への配慮、ユニバーサルデザイン、デジタル技術の活用なども期待できるでしょう。
新築ならではの清潔感や快適性は、宿泊体験の質を大きく左右する要素です。特に水回りや空調設備などの最新性は、快適な滞在に直結すると言えます。
日和テラスのデメリット(悪い点・懸念点)
デメリット①:開業まで時間がかかる
日和テラス軽井沢Spa&Resortの開業予定は2028年3月と発表されています。2025年10月の発表時点から考えると、約2年半も待たなければならないという欠点があります。
旅行の計画を立てる際、2年以上先の予定を確定させることは難しいものです。また、その間に状況が変わり、計画が変更される可能性もゼロではありません。早く泊まってみたいと思っても、すぐには体験できないというのは大きなデメリットと言えるでしょう。
デメリット②:詳細情報が不足している
現時点では、客室のタイプや料金、具体的なサービス内容など、詳細な情報がほとんど公開されていないという問題があります。
「アッパークラス」「温泉リゾート」といったコンセプトは示されているものの、実際にどのような客室があるのか、どの程度の価格帯なのか、どんな料理が提供されるのかなど、具体的なイメージが掴みにくい状況です。旅行計画を立てる上で、これらの情報は非常に重要ですので、早期の情報開示が望まれます。
デメリット③:価格が高めになる可能性
アッパークラスという位置づけから、日和ホテルよりも高価格帯になることが予想されます。軽井沢という土地柄、そして温泉・スパ施設を備えたリゾートホテルということを考えると、1泊2食付で2万円以上、繁忙期には3万円以上になる可能性もあるでしょう。
「日常感覚で楽しめる」というコンセプトとの兼ね合いがどうなるのか、実際の料金設定が気になるところです。価格が高すぎると、気軽に訪れることができず、コンセプトとのギャップが生じる可能性があります。
デメリット④:繁忙期の予約競争
軽井沢は人気のリゾート地であり、特に夏の避暑シーズンや秋の紅葉シーズン、年末年始などは多くの観光客で賑わうと言われています。日和テラスが人気施設になれば、これらの繁忙期には予約が取りにくくなる可能性が高いでしょう。
新規開業のホテルは特に注目を集めるため、開業直後はしばらく予約が取りづらい状況が続くかもしれません。ゆったりとした滞在を求めて訪れたいのに、予約が取れないというジレンマに陥る可能性があります。
デメリット⑤:軽井沢特有の混雑
軽井沢は年間800万人以上が訪れる人気観光地です。特に夏季や連休は道路が渋滞し、観光スポットも混雑することが知られています。
ホテル自体は穏やかな環境にあるとしても、軽井沢の街中に出れば人混みに遭遇する可能性が高いでしょう。完全な静寂を求める方にとっては、観光シーズンの軽井沢は必ずしも理想的な場所とは言えないかもしれません。
こんな方におすすめ
日和テラス軽井沢Spa&Resortは、以下のような方々におすすめのホテルになると考えられます。
上質なリゾート体験を求める方
日常の喧騒から離れ、ワンランク上のリゾート体験を味わいたい方には最適でしょう。温泉でゆったりと体を癒し、軽井沢の自然に包まれながら贅沢な時間を過ごすことができると期待されます。
温泉好きの方
浅間山を望む大浴場という魅力的な温泉施設は、温泉愛好家にとって大きな魅力となるでしょう。スパ施設も備えているため、温浴後のリラクゼーションも充実していると予想されます。
カップルや夫婦での記念日旅行
アッパークラスのリゾートホテルという位置づけは、特別な日の滞在にぴったりです。結婚記念日や誕生日、還暦祝いなど、大切な記念日を過ごす場所として検討する価値があるでしょう。
ファミリーでのリゾート滞在
サンフロンティアホテルグループは、子供向けサービスにも力を入れていると言われています。日和テラスでも、家族全員が楽しめる施設やサービスが提供される可能性があります。大浴場があることで、家族での入浴も楽しめるでしょう。
東京近郊からの小旅行を計画している方
東京から新幹線で約70分という立地は、週末の小旅行に最適です。金曜日の夜に出発して、土日をゆっくり過ごし、日曜日の夕方に帰京するといった、効率的なリゾート滞在が可能でしょう。
こんな方にはおすすめしない
一方で、以下のような方々には、日和テラスはあまりおすすめできないかもしれません:
予算重視の方
アッパークラスという位置づけから、価格は高めになると予想されます。できるだけ宿泊費を抑えたい、コストパフォーマンス重視という方には、既存の日和ホテルや、たびのホテルシリーズの方が適しているかもしれません。
都市観光が目的の方
日和テラスは軽井沢の自然に囲まれたリゾートホテルです。東京や京都、大阪などの都市観光を主目的としている方には、それぞれの都市にある日和ホテルの方が便利でしょう。
完全な静寂を求める方
軽井沢は人気観光地であり、特に夏季は多くの観光客で賑わいます。完全に人里離れた秘境のような静けさを求める方には、より奥まった場所にある温泉旅館の方が適しているかもしれません。
すぐに宿泊したい方
開業は2028年3月予定です。今すぐ、あるいは近い将来に軽井沢のリゾートホテルに泊まりたいという方は、既存の他のホテルを検討する必要があるでしょう。
シンプルなビジネスホテルを好む方
日和テラスは本格的なリゾートホテルです。シンプルで機能的なビジネスホテルを好む方、宿泊施設にはあまりこだわらないという方には、オーバースペックかもしれません。
よくある質問(Q&A)
Q1:日和テラスと日和ホテルの違いは何ですか?
A:日和テラスは、既存の日和ホテルよりもワンランク上のアッパークラスのリゾートホテルブランドと言われています。日和ホテルが主に都市型ホテルであるのに対し、日和テラスは温泉・スパ施設を備えた本格的なリゾートホテルという位置づけのようです。価格帯も日和ホテルより高めになると予想されています。
Q2:日和テラス軽井沢の開業はいつですか?
A:2028年3月に開業予定と発表されています。ただし、建設工事の進捗状況によっては、開業時期が前後する可能性もあります。最新情報は公式サイトで確認することをおすすめします。
Q3:予約はいつから可能ですか?
A:現時点(2025年11月)では、まだ予約受付は開始されていないと考えられます。開業の数ヶ月前から予約受付が始まるのが一般的ですので、おそらく2027年秋頃から予約が可能になるのではないかと推測されます。
Q4:客室数はどのくらいですか?
A:548室という情報があります。これは軽井沢エリアとしては比較的大規模なリゾートホテルと言えるでしょう。客室タイプの詳細は今後発表される見込みです。
Q5:温泉はありますか?
A:はい、「Spa&Resort」という名称からも分かるように、温泉・スパ施設が大きな特徴のようです。浅間山を望む大浴場が設置される予定と言われています。泉質などの詳細は今後の発表を待つ必要があります。
Q6:軽井沢駅からのアクセスは?
A:軽井沢駅から約8分の距離とされています。車での移動が便利ですが、開業後はホテルの送迎サービスなども提供される可能性があります。詳細は開業が近づいてから発表されるでしょう。
Q7:ペットと一緒に泊まれますか?
A:現時点では、ペット同伴可能かどうかの情報は公開されていません。サンフロンティアホテルグループの一部ホテルではドッグルームを設けている施設もありますが、日和テラスでの対応は今後の発表を待つ必要があります。
Q8:株主優待は使えますか?
A:サンフロンティア不動産の株主優待券は、グループのホテルで使用できると言われています。日和テラスが開業後、対象ホテルに加わる可能性は高いと考えられますが、正式な発表を待つ必要があります。
Q9:日和ホテルのようなサービス(だし茶漬けなど)はありますか?
A:日和ホテルの人気サービスである「日和だし茶漬け」や「ハッピープレゼント」などが、日和テラスでも提供されるかは現時点では不明です。アッパークラスという位置づけから、より上質なサービスに置き換えられる可能性もあります。
Q10:他にも日和テラスは開業予定がありますか?
A:現時点では、軽井沢以外の日和テラスの開業計画は公表されていません。ただし、サンフロンティアホテルマネジメントは積極的にホテル開発を進めており、今後、河口湖など他のリゾート地でも日和テラスブランドが展開される可能性はあるでしょう。
トラベルライター”TAKA”の独自考察
ここからは、トラベルライター”TAKA”として、日和テラスというブランドの誕生について、独自の視点から考察してみたいと思います。
アッパークラス市場への挑戦の意義
サンフロンティアホテルマネジメントが、既存の日和ホテルとは明確に区別した「日和テラス」というアッパークラスブランドを立ち上げた背景には、日本のホテル市場における戦略的な判断があると考えられます。
近年、日本の宿泊業界では「二極化」が進んでいると言われています。一方では、格安のビジネスホテルやカプセルホテルが台頭し、他方では、高級旅館やラグジュアリーホテルが支持を集めています。その中間層、つまり「手の届く贅沢」「日常の延長線上にある非日常」という領域は、実は大きな潜在需要があるのではないでしょうか。
日和テラスは、まさにこの中間層を狙った戦略的なブランドと言えます。星野リゾートの「界」シリーズや、ふふブランドなど、すでにこの領域で成功している事例もありますが、まだまだ成長余地のある市場と考えられます。
軽井沢という選択の妙
第1号店の立地として軽井沢を選んだことは、非常に戦略的な判断だと思います。軽井沢には以下のような利点があります。
- ブランドイメージ:軽井沢は日本を代表する高級リゾート地として、すでに確立されたブランドイメージを持っています。ここに出店することで、日和テラスのブランド価値も高まるでしょう。
- 年間を通じた需要:夏の避暑、秋の紅葉、冬のスキー、春の新緑と、四季を通じて観光客が訪れる土地です。季節変動はあるものの、比較的安定した稼働が見込めます。
- 東京からのアクセス:新幹線で約70分という距離は、週末旅行に最適です。特に、富裕層が多い東京からの集客が期待できます。
- 競合との差別化:軽井沢には多くのホテルや旅館がありますが、「温泉付きの大型リゾートホテル」という業態で、サンフロンティアの強みである「心温かいサービス」を提供できれば、十分な差別化が可能でしょう。
「日常感覚で楽しめる贅沢」というコンセプトの可能性
日和テラスが掲げる「温泉リゾートのようなプレミアムリゾートの贅沢を日常感覚で楽しめる」というコンセプトは、非常に興味深いものです。
これは、単に価格を下げるということではなく、「敷居の高さを感じさせない」「リラックスして過ごせる」「気取らないけれど上質」という価値提案だと解釈できます。高級旅館のような格式張ったサービスではなく、もっとカジュアルに、でも確実に上質な体験を提供する。これは、現代の消費者ニーズに合致したコンセプトだと思います。
特に、日和ホテルで培われた「心温かいサービス」という強みを、アッパークラスの設備と組み合わせることで、独自のポジションを確立できる可能性があります。従業員の笑顔や気配り、細やかな対応といった「人の温かさ」は、どんなに豪華な設備よりも、宿泊体験の満足度を左右する重要な要素です。
課題と今後の展開
ただし、課題もあります。最も大きな課題は、「アッパークラス」と「日常感覚」という一見矛盾する要素を、どうバランスさせるかという点でしょう。
価格が高すぎれば「日常感覚」ではなくなりますし、カジュアルすぎれば「アッパークラス」の価値が薄れます。この絶妙なバランスをどう実現するかが、日和テラスの成否を分けると言えるでしょう。
また、開業まで2年半以上ある中で、どのように期待感を醸成し、ブランド認知を高めていくかも重要です。定期的な情報発信、モデルルームの公開、プレオープンイベントなど、様々な施策が考えられます。
さらに、軽井沢以外の展開も注目されます。日和テラスが成功すれば、箱根、熱海、伊豆、那須など、他のリゾート地への展開も視野に入るでしょう。サンフロンティアホテルマネジメントの資料には、河口湖での日和テラス開業も示唆されています。
日本のリゾートホテル市場への影響
日和テラスの誕生は、日本のリゾートホテル市場全体に影響を与える可能性があります。
従来、日本のリゾートホテル市場は、一部の高級ホテル・旅館と、多数の中小規模の宿泊施設という構造でした。しかし、近年では、統一されたブランドとサービス基準を持つホテルチェーンが、リゾート分野にも進出してきています。
日和テラスのような「チェーンホテルの信頼性」と「リゾートホテルの上質さ」を兼ね備えたブランドが増えることで、消費者にとっては選択肢が広がり、市場全体の活性化にも繋がるでしょう。
また、地域創生という観点からも、サンフロンティアホテルマネジメントの取り組みは注目に値します。同社は佐渡島での地域創生事業でも実績を上げており、ホテル開発を通じた地域経済の活性化、雇用創出に貢献しています。軽井沢においても、地域との共生を図りながら、持続可能な観光開発を進めることが期待されます。
最後に
日和テラスというブランドは、まだ誕生したばかりで、詳細も明らかになっていません。しかし、サンフロンティアホテルマネジメントがこれまで積み重ねてきた実績と、「心温かいホテル」という一貫したコンセプトを考えると、大いに期待できるブランドだと思います。
2028年3月の開業まで、まだ時間がありますが、この間にどのような情報が発信され、どのようなホテルが完成するのか、トラベルライターとして注目していきたいと思います。
開業の暁には、ぜひ実際に宿泊して、その魅力を確かめてみたいものです。浅間山を眺めながらの温浴、軽井沢の自然に囲まれた客室、そして何より「心温かいサービス」。それらが織りなす滞在体験は、きっと特別なものになるのではないでしょうか。
日和テラスが、日本のリゾートホテル市場に新しい風を吹き込み、多くの人々に「日常の中の贅沢」を提供してくれることを期待しています。そして、軽井沢という素晴らしいリゾート地に、また一つ魅力的な宿泊施設が加わることを、心から楽しみにしています。









