野村不動産ホテルズの「NOHGA HOTEL(ノーガホテル)」とはどんな宿泊施設?メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。今回は、野村不動産ホテルズが手がける「NOHGA HOTEL(ノーガホテル)」について、その全容を徹底的にリサーチしました。

NOHGA HOTELとは「地域との深いつながり」を重視した新しいライフスタイルホテル

NOHGA HOTEL(ノーガホテル)は、野村不動産グループが2018年から展開している直営ホテルブランドと言われています。そのブランド名の由来は、野村(NOMURA)と日本語の「冥加(みょうが)」を組み合わせた造語のようです。冥加とは、神仏の加護や恵みを意味する仏教用語で、地域の恩恵を受けながら感謝の心を持つという理念が込められていると考えられます。

このホテルブランドの最大の特徴は「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」というコンセプトだと言われています。単なる宿泊施設ではなく、ホテルを起点とする「未来につながる街づくり」と「人と人、人と街をつなぐコミュニティづくり」を目指しているとのことです。野村不動産が長年マンション事業で培ってきた「地域の魅力を深掘りし伝える」というノウハウを、ホテル事業に応用した形のようです。

現在営業中のNOHGA HOTELは3拠点、2027年には新宿御苑にも開業予定

2025年11月現在、NOHGA HOTELは以下の3つの拠点で営業していると言われています。

1. NOHGA HOTEL UENO TOKYO(ノーガホテル上野東京) 2018年11月1日に開業したノーガホテルブランドの第1号店です。東京都台東区東上野に位置し、JR上野駅広小路口から徒歩約5分、東京メトロ上野駅3番出口から徒歩約3分というアクセス至便な立地のようです。総客室数は127室から130室程度と言われています。

2. NOHGA HOTEL AKIHABARA TOKYO(ノーガホテル秋葉原東京) 2020年1月に開業したブランド2号店です。東京都千代田区外神田に位置し、東京メトロ銀座線末広町駅A3出口から徒歩約4分、JR秋葉原駅電気街北口から徒歩約6分とのことです。総客室数は118室から120室程度と言われています。「音楽」「アート」「食」をコンセプトにしていると言われています。

3. NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTO(ノーガホテル清水京都) 2022年4月に開業したブランド3号店です。京都府京都市東山区五条橋東に位置し、京阪本線清水五条駅4番出口から徒歩約7分、市営バス五条坂停留所から徒歩約3分の立地のようです。総客室数は207室と言われており、ノーガホテルの中では最大規模のようです。清水寺まで徒歩圏内で、ルーフトップバーが特に人気だと言われています。

さらに、2025年11月には4店舗目となる「ノーガホテル新宿御苑 東京(仮称)」の着工が発表されました。2027年夏の開業予定で、全72室の客室すべてに新宿御苑を一望できるバルコニーが付く予定とのことです。

料金相場は1泊2万円から3万円台のミドルクラス

NOHGA HOTELの宿泊料金は、立地やシーズン、客室タイプによって変動すると言われていますが、おおむね1泊2名で2万6千円から10万円超、1名あたり1万3千円から7万円程度の価格帯のようです。

具体的には、ノーガホテル上野東京のスタンダードなダブルルームで素泊まりの場合、早期予約割引を利用すると1泊2名で約4万8千円から14万円程度(1名あたり約2万4千円から7万円)、通常プランでは1泊2名で約2万6千円から25万円超の幅があるようです。

ノーガホテル清水京都では、早期90日前予約の素泊まりプランで1泊2名約2万5千円から5万7千円程度(1名あたり約1万2千円から2万8千円)、通常プランでは1泊2名約2万2千円から13万円超の価格帯と言われています。

価格帯としては、1泊2万円から3万円程度のライフスタイルホテルというカテゴリーに位置づけられているようです。高級ホテルというよりは、デザイン性や個性を重視したミドルクラスのホテルと考えられます。

予約方法は公式サイト、OTA、宿泊予約サイトなど複数の選択肢

NOHGA HOTELの予約は、複数の方法で可能なようです。

最も一般的なのは、NOHGA HOTELの公式ウェブサイトからの直接予約です。公式サイトからの予約では、時期によってお得なプランや限定特典が用意されていることもあるようです。

また、楽天トラベル、じゃらん、一休、Yahoo!トラベル、Booking.com、エクスペディアなどの大手OTA(オンライン・トラベル・エージェント)からも予約可能と言われています。OTAでは各サイト独自のポイント還元やセール価格が適用されることもあるとのことです。

さらに、旅行予約サービス「HafH」でも予約できるようですが、こちらはサブスクリプション型のサービスで、コイン制での予約となるようです。

レストラン「Bistro NOHGA」の予約については、TableCheck(テーブルチェック)というオンライン予約システムを利用できると言われています。

客室の特徴:洗練された和モダンデザインと地域のコラボレーション

NOHGA HOTELの客室は「洗練された日本らしさの中に、オリジナルアイテムや地域の方々による手工芸品を取りそろえた空間」と評されています。

客室タイプと広さ ノーガホテル上野東京では、ダブル(18㎡)、スーペリアダブル(20㎡)、デラックスダブル(23㎡)、コーナーダブル(26㎡)、ツイン(24㎡または26㎡)、デラックスツイン(36㎡)、ノーガスイート(64㎡)など8つの客室タイプが用意されていると言われています。

ノーガホテル秋葉原東京では、ダブル、スーペリアダブル、ハリウッドツイン、ツイン、スーペリアツイン、ゲーミングツイン、ゲーミングバンクなど多様な客室タイプがあるとのことです。

バスルーム設備 客室によって異なりますが、上野と秋葉原のダブルルームの多くはバスタブがなく、レインシャワー付きのシャワーブースのみの設計のようです。一方、ツインルームやデラックスツインルームの一部にはバスタブ付きの部屋もあると言われています。

このシャワーブースは、通常のシャワーヘッドに加えて、雨のように降り注ぐレインシャワーが全室完備されており、高い水圧で全身を温められると好評のようです。

こだわりのアメニティと設備 客室には地域とコラボレーションした様々なオリジナルアイテムが配置されていると言われています。

マットレスはエアウィーヴ製の高反発タイプ、ピローはアトモスフェール・ジャポン製、バスアメニティは自然派化粧品ブランド「OSAJI(オサジ)」の「IKOI」シリーズが採用されています。OSAJIは皮膚科学を重視した敏感肌に寄り添うブランドで、フローラルな香りが特徴的だと言われています。

その他、アメニティボックス、ティッシュボックス、ハンガー、洋服ブラシ、靴ベラなどは蔵前の金属加工ブランド「SyuRo」、タオルは今治タオル、ルームウェアはアトモスフェール・ジャポンのガウンタイプと、細部までこだわりが感じられる仕様のようです。

地域の職人やデザイナーとのコラボレーション NOHGA HOTELでは、ホテル内のピクトグラムやフォントデザインを東上野にアトリエを持つ家紋デザイナーに依頼したり、ドアハンドルを蔵前の建築金物デザイナーに依頼するなど、地域の職人やデザイナーとの協働を積極的に行っていると言われています。

レストラン「Bistro NOHGA」では地域食材を使ったコンテンポラリー料理を提供

各NOHGA HOTELには「Bistro NOHGA(ビストロ・ノーガ)」というレストランが併設されていると言われています。

営業時間とメニュー ノーガホテル上野東京のBistro NOHGAは、朝食(7:0010:00)、ランチ(11:3014:00 L.O.)、カフェ(14:0018:00)、ディナー(18:0022:30 L.O.)と一日を通して営業しているオールデーダイニングのようです。ただし、営業日・営業時間は月によって異なる場合があるとのことです。

朝食は、フレンチトースト、和定食、エッグベネディクト、ガレットの4種類から選べるメインディッシュに加え、フレッシュサラダ、フルーツ、シリアル、ヨーグルト、パン、スープなどのセミビュッフェテーブルが付くセミビュッフェ形式と言われています。価格は2,750円程度のようです。

ランチやディナーでは、季節を感じる食材を使用したコンテンポラリーフレンチが提供されているとのことです。ランチではプリフィックス形式で、アミューズのほか前菜とメインを3種類から、デザートを2種類から選択できるコースが人気のようです。

こだわりの食材と地域連携 Bistro NOHGAでは、生産者の顔が見え、自然な製法で作られたこだわりの食材や、地域の店が取り扱う食材を中心に使用していると言われています。例えば、ホテル目の前の佃煮屋や味噌漬物店の商品、地元台東区の珈琲店「蕪木(かぶき)」とコラボレーションしたオリジナルブレンドコーヒー、「ナカムラティーライフストア」、「浅草 栖(すみか)」とのコラボメニューなど、地域とのつながりを大切にした料理が提供されているようです。

食器も地域の職人やデザイナーが作ったものを使用しており、日本のモノづくりの素晴らしさを実感できると言われています。

ドリンクはナチュラルワイン、クラフトビール、日本酒などを多数揃え、「食事とドリンク」「ドリンクとグラス」のペアリング・サービスも行っているとのことです。

NOHGA HOTELのメリット:デザイン性、地域体験、利便性

ネット上の口コミや評判から、NOHGA HOTELの良い点、メリット、おすすめできる理由として以下のような点が挙げられているようです。

1. 洗練されたデザインと清潔感 「とにかくデザインがおしゃれ」「設備一つ一つが上質」「清潔感があり、スタイリッシュ」といった声が多数見られます。特に新しい施設ということもあり、内装や設備の美しさとキレイさが高く評価されているようです。

2. スタッフの対応の良さ 「スタッフの方々がとてもフレンドリー」「感じが良かった」「丁寧な対応」といったスタッフに関する好意的なコメントが目立ちます。フレンドリーで温かみのある接客が、海外のホテルのような雰囲気を醸し出していると評されています。

3. 駅近で利便性が高い 上野店は東京メトロ上野駅から徒歩3分、秋葉原店は末広町駅から徒歩4分と、いずれも駅近で交通の便が良いと言われています。観光やビジネスの拠点として使いやすいロケーションのようです。

4. 地域とのつながりを体感できる 地域の職人やデザイナーとコラボレーションしたアイテムや、地域食材を使った料理など、その土地ならではの文化や魅力を体験できる点が、他のホテルにはない大きな魅力だと言われています。開業準備段階で400軒以上の地域のお店や工房を訪ね、協力関係を築いているとのことです。

5. バスアメニティの質が高い OSAJIのバスアメニティが「大好きなメーカー」「質の良い香り」「リラックスできた」と好評のようです。客室によってはOSAJIのアメニティセットが特典として付くプランもあるとのことです。

6. 朝食が美味しい セミビュッフェ形式の朝食が「ボリュームがあり美味しかった」「フレンチトーストがじゅわ系で美味しかった」と高く評価されています。地域食材や旬の食材を使った料理が提供され、満足度が高いようです。

7. レインシャワーの水圧が良い バスタブなしの部屋でも、レインシャワーの水圧が高く、全身が温まると好評です。「冬場でも浴槽なしのお部屋で充分」という声もあるようです。

8. フィットネスやレンタサイクルなどの施設が充実 2階にフィットネスジムがあり、宿泊者は24時間自由に利用できると言われています。また、tokyobikeのレンタサイクルサービスもあり、周辺散策に便利なようです。メガロスとのコラボレーションで朝ヨガやパーソナルトレーニング付きの宿泊プランも期間限定で提供されたことがあるとのことです。

9. インバウンド需要に対応 スタッフが英語対応可能で、外国人宿泊客も多いことから国際的な雰囲気があると言われています。開業当初から宿泊客の半数以上が外国人だったとのことです。

10. カップルやデートにおすすめ おしゃれな内装と雰囲気、立地の良さから、カップルのデートステイに最適だと評されています。特別な日や記念日の宿泊プランも用意されているようです。

NOHGA HOTELのデメリット:価格、部屋の広さ、浴槽の有無

一方で、ネット上の口コミからは以下のような悪い点、デメリット、欠点も指摘されているようです。

1. 価格が高めに感じる 「素泊まりでの値段に少し考えた」「値段の割に狭い」といった価格に関する指摘があります。特に繁忙期には価格が大幅に上昇するようで、「去年と比べて1.5倍以上の値段になっている」という声もあるようです。ミドルクラスのホテルとしては相応の価格設定と考えられますが、コストパフォーマンスについては意見が分かれるところのようです。

2. ダブルルームにはバスタブがない ダブルルーム(一部のツインルームも)にはバスタブがなく、シャワーブースのみという点が、お風呂好きな人には物足りなく感じられるようです。レインシャワーの評判は良いものの、ゆっくり湯船に浸かりたい人には不向きかもしれません。バスタブ付きの部屋を希望する場合は、ツインルームやデラックスツインルームを選ぶ必要があるようです。

3. 部屋によっては手狭に感じる 18㎡のダブルルームでは「数字より狭い感じがする」「荷物を広げるスペースが少なくせせこましそう」といった声があるようです。また、デスクがない客室が多いため、仕事での利用には向かない可能性があるとのことです。広めの部屋を希望する場合は、デラックスタイプやスイートルームを選ぶのが良さそうです。

4. 近隣工事の騒音問題 ノーガホテル上野東京では、ホテル東側の建物解体工事や近隣ビル工事により、日中を中心に騒音や振動が発生する時期があったようです。また、ノーガホテル清水京都やノーガホテル秋葉原東京でも、近隣での工事に伴う騒音の告知が出ていたとのことです。工事期間中は客室によっては騒音が気になる可能性があるようです。

5. 枕が柔らかすぎる 「枕が柔らかすぎたのが残念」という声があるようです。ただし、ホテル側では硬めの枕も用意しているとのことなので、気になる場合はフロントに問い合わせると良さそうです。

6. 一部スタッフの対応にばらつき 「説明が人によって違い、時間を無駄にした」「チェックイン時の説明が早くて聞き取りにくかった」といった声も一部あるようです。全体的にはスタッフの評判は良いものの、開業初期や繁忙期には対応にばらつきがあったのかもしれません。

7. レストランの混雑と騒音 1階のレストランが混雑して騒がしいという指摘があるようです。特にディナータイムや週末は予約が取りにくい状況もあるとのことです。また、ホテル2階フロント前のロビーラウンジでDJイベントが開催されることもあり、人によっては騒がしく感じる場合があるようです。

8. 駐車場の台数が限られている ノーガホテル上野東京は機械式駐車場8台、ノーガホテル秋葉原東京は8台、ノーガホテル清水京都は先着5台と、駐車可能台数が限られているようです。また、駐車料金は1泊3,000円前後(京都は2,200円)で、駐車可能な車両サイズにも制限があるため、車で訪れる場合は事前確認が必要のようです。満車の場合は近隣の時間貸駐車場を利用することになるとのことです。

おすすめしたい方:デザイン重視、地域体験重視、カップル

以上の良い点から、NOHGA HOTELは以下のような方におすすめできると考えられます。

  • デザイン性の高いおしゃれな空間で過ごしたい方
  • 地域の文化や職人技に触れる体験を重視する方
  • 駅近で利便性の高いホテルを探している方
  • カップルでの記念日デートやロマンチックな滞在を楽しみたい方
  • 質の高いアメニティやバスグッズにこだわる方
  • 朝食やレストランの料理を重視する方
  • フィットネスやヨガなどウェルネス体験に興味がある方
  • インバウンド観光で国際的な雰囲気を楽しみたい方

おすすめできない方:コスパ重視、広い部屋希望、バスタブ必須

逆に、以下のような方には他の選択肢も検討する価値があるかもしれません。

  • コストパフォーマンスを最優先する方
  • 広い客室でゆったり過ごしたい方(スイートを除く)
  • バスタブ付きの部屋が必須条件の方(ダブルルームの場合)
  • 仕事でPC作業が必要なビジネス利用の方(デスクがない)
  • 静かな環境を絶対条件とする方(レストラン混雑時や近隣工事)
  • 車での移動が前提で駐車場の確保が必須の方

Q&A:よくある疑問にお答えします

Q1. NOHGA HOTELは高級ホテルですか? A1. NOHGA HOTELは高級ホテルというよりは、デザイン性や個性を重視した「ライフスタイルホテル」というカテゴリーに分類されると言われています。価格帯は1泊2万円から3万円台のミドルクラスで、最高級ホテルではありませんが、質の高いサービスとデザインが特徴のようです。

Q2. バスタブがない部屋でも快適に過ごせますか? A2. レインシャワーの水圧が高く評判が良いため、「冬場でも浴槽なしのお部屋で充分だった」という声もあるようです。ただし、ゆっくり湯船に浸かりたい方には物足りないかもしれません。その場合はバスタブ付きのツインルームやデラックスツインルームを選ぶのがおすすめです。

Q3. 外国人宿泊客が多いと聞きましたが、日本人でも居心地は良いですか? A3. 確かにインバウンド需要が高く外国人宿泊客も多いようですが、むしろ国際的で洗練された雰囲気が好評で、日本人宿泊客からも高い評価を得ているようです。地域の文化や日本らしさも随所に感じられる設計なので、日本人でも十分に楽しめると考えられます。

Q4. 子連れでの宿泊は可能ですか? A4. 6歳以下のお子様は添い寝無料というファミリーフレンドリーな制度があるようです。ベビーコット(1歳半まで)やベッドガード(1歳半~5歳)、お子様用防水シートなどのレンタルも可能とのことです。ただし、デザイン重視のホテルなので、子連れよりはカップルや大人向けの雰囲気かもしれません。

Q5. チェックイン・チェックアウト時間は? A5. 標準的なチェックイン時間は15:00、チェックアウト時間は11:00または12:00のようです。プランによってはレイトチェックアウトが付いているものもあるとのことです。

トラベルライター”TAKA”の考察:本質的な地域連携が生み出す新しいホテル体験

ここまで野村不動産ホテルズが手がける「NOHGA HOTEL」について、ネット上の情報を徹底的にリサーチしてまいりました。最後に、私トラベルライター”TAKA”の独自の視点から、このホテルブランドの本質と今後の可能性について考察してみたいと思います。

NOHGA HOTELが他のホテルと一線を画している最大のポイントは、単なる「地域風の装飾」や「地元食材の使用」といった表面的な地域連携ではなく、開業前に400軒以上の地域の店舗や工房を実際に訪ね歩き、2年以上の時間をかけて信頼関係を構築してきたという点にあると感じます。この地道な取り組みは、野村不動産が長年マンション事業で培ってきた「地域の魅力を深掘りする」というDNAが、ホテル事業に自然に継承された結果なのでしょう。

実際、ホテル内で使用されているグラス、アメニティボックス、ハンガー、ドアハンドル、ピクトグラムに至るまで、すべて地域の職人やデザイナーとの協働で作られたオリジナル商品だということは、単なる装飾品の調達とは全く異なる深いレベルの地域連携だと言えます。宿泊客がこれらのアイテムを「いいね」と感じたら、近くの工房へのアポイントを取ってくれるというサービスも、ホテルが地域と世界をつなぐ「橋渡し役」として機能しようとする姿勢の表れと言えるでしょう。

また、レストランで提供される料理についても、ホテル目の前の佃煮屋や味噌漬物店、地元のコーヒー店とコラボレーションするなど、「地産地消」の枠を超えた「地域コミュニティの一員」としての在り方を追求していると感じます。これは海外の人気ホテルが「地域のコミュニティスペース」として機能し、地元の人々が日常的にカフェやレストランを利用する文化に近いものがあると言われています。

一方で、価格設定については賛否両論があるようです。確かに素泊まりで1名2万円前後というのは、ビジネスホテルと比較すれば高価格帯です。しかし、このホテルが提供しようとしているのは単なる「寝る場所」ではなく、地域の文化に触れる「体験」や「時間」なのだと考えると、その価値をどう評価するかは個人の価値観次第だろうと思います。デザインや雰囲気、地域とのつながりといった無形の価値に対してどれだけの対価を払えるかという問いでもあるわけです。

興味深いのは、2年以上の長期滞在を続ける宿泊客もいるという事実です。これは通常のホテルでは考えられない現象で、NOHGA HOTELが単なる宿泊施設を超えて、「暮らすように過ごせる場所」として機能していることの証左と言えるでしょう。マンスリーマンションやサービスアパートメントとも異なる、新しい形の「都市生活の拠点」としての可能性を感じます。

バスタブがない客室が多いという点については、確かに日本人の入浴文化からすると物足りなさを感じる方もいるでしょう。しかし、これは欧米のホテル文化に近い設計思想であり、レインシャワーの水圧と快適さで補完しようという意図が感じられます。実際、「冬場でも十分」という声があることからも、必ずしも全ての人にとって致命的な欠点ではないようです。

今後、2027年に新宿御苑を一望する4号店が開業予定とのことですが、このブランドがどこまで拡大していくのか、そして各店舗が立地する地域との深い関係性をどこまで維持できるのかが、NOHGA HOTELの真価が問われるポイントになると思います。単なるチェーン展開ではなく、各地域の固有性を大切にしながら、それぞれの土地でしか味わえない体験を提供し続けられるかどうか。ここにこのブランドの未来が懸かっていると言えるでしょう。

私個人としては、NOHGA HOTELのアプローチは、過度な観光地化や画一化が進む日本の旅行業界において、極めて重要な方向性を示していると考えています。地域の職人や文化を大切にし、それを世界に発信していく。そのための「場」として、ホテルが機能する。これは単なるビジネスモデルを超えた、持続可能な地域づくりの一つの形なのかもしれません。

価格や設備面での好みは分かれるかもしれませんが、「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」というコンセプトに共感できる方にとっては、NOHGA HOTELでの滞在は単なる宿泊以上の価値ある時間になると確信しています。上野、秋葉原、京都、そしていずれは新宿御苑と、それぞれの街の個性を存分に味わえるこのホテルブランドの今後に、大いに期待したいと思います。

皆様もぜひ、次の旅行の際にはNOHGA HOTELを選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。きっと、その土地ならではの特別な出会いと発見が待っているはずですの一つとして検討してみてはいかがでしょうか。きっと、その土地ならではの特別な出会いと発見が待っているはずです。