- 2024-8-2
- 旅行 プレスニュース
スペインの国家重要文化財として認定された“La Garriga”の1,500mにも及ぶフラワーカーペット。日本の花絵師 藤川靖彦がゲストアーティストとして招かれ、直径9mの「花歌舞伎」作品を披露。
6月2日(日)、スペイン・カタルーニャ州のラ・ガリーガ(La Garriga)で、スペインの国家重要文化財として認定されている伝統的な祝祭「CORPUS(コルプス)」が開催され、国内外から訪れた多くの来場者で賑わいました。この祝祭はコーパス・クリスティ(聖体の祝日)に行われるもので、市民が街の通りや広場を色とりどりの花の絨毯で装飾します。約400年前にイタリアで始まり、ヨーロッパや中南米等を中心に世界中で開催されています。
ラ・ガリーガ(La Garriga)の「CORPUS(コルプス)」は217年続く伝統的な祝祭で、市民の手によってつくられた約1,500mにもわたる美しいフラワーカーペットが、市内の中心部を華やかに彩りました。
https://www.corpuslagarriga.org/
2024年のゲストアーティストとして招かれたのは、日本の花絵師 藤川靖彦
ラ・ガリーガ(La Garriga)の「CORPUS(コルプス)」は、2015年にスペインの国家重要文化財(Bien de Interés Cultural)に認定されたのを機に、イタリア・メキシコ・マルタ等、毎年各国の花絵師がゲストアーティストとして招かれています。そして2024年は日本を代表する花絵師の藤川靖彦が招かれました。藤川靖彦は歌舞伎絵を花で描く「花歌舞伎」作品で、国内のみならず海外でも広く活動する花絵師で、その活動が「情熱大陸」等、多くのメディアで紹介されています。またローマ法王や、先日逝去されたグエン・フー・チョン共産党書記長等、VIPに捧げる作品を創作するとともに、Ed Sheeranや松本零士等、国内外の著名なアーティスト達とのコラボレーション作品も多く創作しています。
10,000本の花で描かれた、江戸の絵師 歌川豊国の「今様押繪鑑 山崎屋与四兵衛」
6月2日(日)午前5時。「CORPUS(コルプス)」のメイン会場となる「Placa de I’Església(エスグレシア広場)」で、日本チームの制作が始まりました。日本チームのメンバーは9名(内1名はマドリード在住)。直径9mの巨大な下絵が敷かれ、その周りに前日花びらに仕分けされた10,000本の生花と、日本から持参した色付けされた木屑と砂等の資材が並べられます。
今回日本チームが描く作品は、江戸時代の人気絵師 歌川豊国(三代目豊国)が描いた、江戸時代の人気歌舞伎役者 四代目市川小團次の「今様押繪鑑 山崎屋与四兵衛」。この作品を原画に、藤川靖彦が花絵用にリライトしました。
9名で始まった制作は、途中現地に在住する10名の日本人家族も参加し、総勢19名で制作が行われました。参加した日本人家族は「毎年見学には来ますが、制作に参加するのは初めて。それも日本の作品に参加できたことは光栄でした。いい経験ができました。」と話していました。
30℃を超す炎天下の中、午後1時、8時間かけ日本チームの作品が完成、初めて見る「花歌舞伎」作品に、来場者からは拍手と歓声がおくられ、日本の伝統文化である「浮世絵」を、広く紹介する機会となりました。また会場には在バルセロナ日本国総領事の四方明子氏も来場されました。
ラ・ガリーガ(La Garriga)市長主催の歓迎レセプションには浴衣で参加
Meritxell Budó i Pla市長主催の歓迎レセプションが、ラ・ガリーガ(La Garriga )市役所で行われ、日本チーム全員が招かれました。歓迎レセプションには日本チーム全員が浴衣で参加、市長をはじめ関係者に大変喜ばれました。
Meritxell Budó i Pla ラ・ガリーガ市長のコメント
ラ・ガリーガ(La Garriga)市長として、私たちの町のキリスト聖体祭を祝うためにお越し下さった日本の代表団をお迎えできたことを光栄に思います。
聖体祭はラ・ガリーガの最も象徴的な祝祭です。皆による皆のためのお祭りであり、年々規模は大きくなっています。そして、招待された様々な国の絨毯を取り入れることで世界に発信されることを願っています。
今年私たちは「Hanae Japan」協会が作る絨毯を見て楽しみ、実際に触れることができました。また、あなた方の参加により私たちの聖体祭を国境を越えて発信することができました。
この花のアートを私たちと共有してくださりありがとうございます。儚いアート(エフィメラルアート)ですが、永遠に私たちの記憶に残ることでしょう。
La Garriga市長 Meritxell Budó i Pla
JOSEP GABARRÓ MIRET 聖体祭文化協会副会長のコメント
ラ・ガリーガ(La Garriga)は、カタルーニャ州バルセロナ県バジェス・オリエンタル地方の自治体です。ここでは毎年村で最大のお祭りであるキリスト聖体祭が開催されますが、私たちは217年前から、通りを花の絨毯で埋め尽くしてこの日を祝ってきました。
これらの花の絨毯は2015年にカタルーニャ州政府によって国の伝統的な祝祭として指定され、以来、私たちはこの祝祭のためにイタリア、メキシコ、マルタなど様々な国から花絵師のグループを招待し、それぞれの作品とともに参加してもらっています。
今年2024年は、2023年9月にバルセロナで開催した国際シンポジウムでお会いしたHANAE JAPANをお招きしました。あなた方は特別な招待客になるだろうと考え当協会の緊急理事会で決定したのですが、全くその通りでした。我々はあなた方が制作したような素晴らしい絨毯はこれまで見たことがなく、人々のコメントもすばらしいものでした。
ラ・ガリーガでのあなた方の滞在はとても感動的で、いつまでも私たちの心に残ることでしょう。
我々のお祭りに参加してくださって本当にありがとうございました。エフィメラルアート万歳!!
ASSOCIACIÓ CULTURAL CORPUS LA GARRIGA.(La Garriga 聖体祭文化協会)
副会長 JOSEP GABARRÓ MIRET
Hanae Japan代表 花絵師 藤川靖彦のコメント
217年の歴史を持ち、スペインの国家重要文化財にも認定されている祝祭に、招待アーティストとして招かれ、作品を創ることができたことは大変光栄なことです。今回日本チームは9名で参加しました。このメンバーに加え、当日現地に住む10名の日本人の家族が手伝いに来てくれました。創作した作品は歌舞伎絵で、とても難しい作品だったのですが、子供たちも一生懸命創作に参加してくれ、見事に完成することができました。当日はバルセロナから在バルセロナ日本国総領事の四方明子様も駆けつけてくれました。ラ・ガリーガの街中に敷き詰められた1,500mのフラワーカーペットは、全て街の人々の手によるものです。そして217年間受け継がれてきたものです。その歴史が素晴らしい!その歴史の1ページに加われたことは、僕のかけがえのない思い出として生き続けます。ありがとう、ラ・ガリーガ!
一般社団法人花絵文化協会 代表理事 藤川靖彦
祝祭のフィナーレは意外な盛り上がりで幕を閉じました
「CORPUS24」のフィナーレは、最後まで“お祭り”でした。夜7時過ぎ、教会でのミサが始まると、フラワーカーペットの周りにはゴーグルをつけた子供たちで溢れていました。
ミサが終わると、楽団や司祭様、教会関係者、伝統芸能演者等が列をなし、フラワーカーペットの上をパレードしていきます。ラ・ガリーガ(La Garriga)のフラワーカーペットは、この瞬間のためにつくられたものでした。そしてパレードが通り過ぎると同時に、フラワーカーペットの周りで待機していた人々が一斉にフラワーカーペットの中に飛び込み、誰彼関係なく花をかけあいます。子供たちがゴーグルをつけていたのは、このためだったのです。街中のストリートで老若男女が花をかけあう姿は不思議な光景でしたが、とても幸せそうで、このフィナーレがあるからこそ、217年の伝統が生き続けているのだろうと感じられました。
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